ダムカード配布(土日ok)の関東一覧表。おすすめはどのダム?

      2017/10/29

ダムカードをゲットしにダムへ行こう!

 ダムカードは、ダムの写真とダムのスペックや特徴を記した無料で配布されているカードです。ダムカードは、現地に実際に足を運んだ人だけがゲットできるので、なかなか「集めがい」があります。

 しかし、平日だけしかダムカードを配布していないダムが多いのが難点。土曜日曜にドライブがてらダムに行ってみても、「事務所が閉まっててダムカードがもらえない・・・」なんてことも少なくありません。

 そこでこの記事では、土日でもダムカードがゲットできるダムをリストにまとめてみました。

 さらに、ダムカードのスペックの読み方や、ダムの果たす役割についても、詳しくみていこうと思います。ダムカードをゲットする前に知っておけば、より深くダムを楽しめる情報ですので、目を通してみてください。

土日にダムカードがもらえるダム一覧について

ダムに寄ったけど事務所が閉まってた・・・><;

 ダムカードは、全国に約3,000箇所あるダムのうち、国土交通省や水資源機構、地方自治体が管理するダムを中心に、約400基のダムで発行・配布されています。

 カードは、統一したデザインで、ダムの目的やスペックや特徴が、一目でわかるようになっています。ついつい集めたくなるマニア心をくすぐるダムカードの雰囲気に、魅了される人が増えてます。

▲ダムカードとダム。ここ10年で、ダムカードはすっかり定着した。

 ダムカードは、基本的には、ダムに行けば、ダムの管理事務所などで無料でもらえます

 しかし、ダム管理事務所は原則、土日がお休みのところが多く、平日の事務所が開いている時間帯に行かなければカードをゲットできないダムもけっこうあります。

 真のダムマニアなら、有給休暇をとってでも、平日にダムカードをゲットしに行くのでしょうが、そこまでできる人は多くはないでしょう。

 そこで、とりあえず、土日のドライブやツーリングがてらにダムカードもゲットしちゃおう!という軽めのダムファンのために、土日でもダムカードがもらえるダムを一覧にしてみました。(とりあえず関東+山梨+静岡のみです)

 今回のリストでは、谷間を堰き止めるて作る、いわゆるダムらしいダムのみをピックアップしています。湖沼や調整池・遊水地などの周囲をぐるっと囲ったタイプのダム、また河口堰などは含まれていません。

ダムとカード配布場所が離れているところに注意

 このリストをもとにダムカードをゲットする際に、注意したいのが、配布場所とダムの場所が離れている場合です。

 リストのなかで配布場所にが付いているものは、ダムの場所と配布場所が離れています。このような場合は、カードをもらう際に、ダムに実際に行った証拠の写真やダムの様子などの報告を求められることがあります。

 この徹底ぶりが、「実際に行った人だけがゲットできる」というダムカードの価値を上げていますね。

 また、こうした到達するのに難易度の高いダムは、必然的にダムカードが「レアもの」になります。

 たとえば、神奈川県の玄倉ダム、静岡県の大間ダムなどは、なかなか行けないレアダムであるばかりか、どちらも独特の美しいブルーの湖が見られるので、攻略しがいがあります。

 ・・・こんなふうにして、ダムリストの内容を読み解きながら、ダムカードをゲットしに行く参考にしてみてください。

▲ついつい集めたくなるダムカード。まずは下記のリストを利用して、土日ダムカード可、ダム湖百選などの入門者にやさしいダムから、ダムカードをゲットしていこう!

土日もダムカードがもらえるダム一覧(関東近辺)
【ご注意!】必ず出かける当日に配布場所の開閉と時間帯について、公式HPなどで再確認のうえお出かけください!
県名 ダム名 湖名 形式 目的 ダムの大きさ ダムカード配布場所
堤高m 堤長m 貯水量m3
栃木 川治ダムかわじ 八汐湖 A FNAWI 140 320 8,300万 川治ダム管理支所
五十里ダムいかり G FNP 112 267 5,500万 五十里ダム管理支所
川俣ダムかわまた A FNP 117 131 8,760万 川俣ダム管理支所
湯西川ダムゆにしがわ G FNAWI 119 320 7,500万 湯西川ダム管理支所
東荒川ダムひがしあらくぁ G FNAWP 70 290 533万 塩谷町尚仁沢はーとらんど
(東荒川ダム公園内)
三河沢ダムみかわさわ G FNW 48 97 89万 湯西川水の郷
松田川ダムまつだがわ G FNW 56 228 190万 松田川ダム管理所
小網ダムこあみ G P 23 128 62万 小網ダム管理所
庚申ダムこうしん G P 29 56 195万 庚申ダム管理所
群馬 品木ダムしなき 上州(じょうしゅう)湯の湖 G N(水質改善)P 43 106 166万 品木ダム水質管理所
相俣ダムあいまた 赤谷湖 G FNP 67 80 2500万 相俣ダム管理支所
藤原ダムふじわら G FNP 95 230 5250万 藤原ダム管理支所
薗原ダムそのはら G FNP 76 127 2131万 薗原ダム管理支所
草木ダムくさき 草木湖 G FNAWIP 140 405 6050万 草木ダム管理所
奈良俣ダムならまた ならまた湖 R FNAWIP 158 520 9000万 ならまたサービスセンター
矢木沢ダムやぎさわ 奥利根(おくとね)湖 A FNAWP 131 352 2億 矢木沢ダム管理所
四万川ダムしまがわ 奥四万湖 G FNWP 89 330 920万 中之条町営温泉・四万こしきの湯
中之条ダムなかのじょう 四万湖 A AP 42 118 118万 中之条ダム管理所(6〜9月のみ)
高津戸ダムたかつど G P 29 92 80万 渡良瀬発電事務所
丸沼ダムまるぬま B P 32 88 1360万 片品村観光協会
上野ダムうえの 奥神流湖 G P 120 350 1840万 上野村産業情報センター浜平温泉・しおじの湯
埼玉
 
二瀬ダムふたせだむ 秩父湖 GA FNP 95 288 2690万 二瀬ダム管理所
下久保ダムしもくぼ 神流湖 G FNWIP 129 605 1億3000万 下久保ダム管理所
浦山ダムうらやま 秩父さくら湖 G FNWP 156 372 5800万 荒川ダム総合管理所
滝沢ダム 奥秩父もみじ湖 G FNWP 132 424 6300万 滝沢ダム管理所
合角ダムかっかく 西秩父桃湖 G FNW 60 195 1億 合角ダム管理所
千葉 長柄ダムながら 市津(しづ)湖 E WI 52 250 1000万 長柄町都市農村交流センター
東京 小河内ダムおごうち 奥多摩湖 G WP 148 353 1億8900万 小河内ダム展望塔 奥多摩 水と緑のふれあい館
神奈川 宮ヶ瀬ダムみやがせ 宮ヶ瀬湖 G FNWP 156 375 1億9300万 宮ヶ瀬ダム水とエネルギー館
石小屋ダム(宮ヶ瀬副ダム)いしごやダム 石小屋湖 G FNWP 34 87 55万 相模川水系広域ダム管理事務所 宮ヶ瀬ダム水とエネルギー館
相模ダムさがみ 相模湖 G WIP 58 196 6千300万 相模湖交流センター
城山ダムしろやま 津久井湖 G FWIP 75 260 6千230万 津久井湖記念館
道志ダムどうし 奥相模湖 G P 32 74 152万 津久井湖記念館
本沢ダムほんざわ 城山湖 R P 73 234 474万 津久井湖記念館
三保ダムみほ 丹沢湖 R FWP 95 587 6490万 丹沢湖記念館
玄倉ダムくろくら G P 14 30 5万 丹沢湖記念館
 熊木ダムくまき G P 14 34 6万8千 酒匂川水系ダム管理事務所丹沢湖記念館
山梨 荒川ダムあらかわ 能泉(のうせん)湖 R FNW 88 320 1080万 荒川ダム管理事務所
琴川ダムことかわ 乙女湖 G FNWP 64 262 515万 広瀬・琴川ダム
管理事務所琴川ダム管理課
深城ダムふかしろ ふかしろ湖 G FNW 87 164 644万 深城ダム管理事務所
大門ダムだいもん 清里湖 G FNW 65 180 360万 大門・塩川ダム管理事務所
大門ダム管理課
塩川ダムしおかわ みずがき湖 G FNAWP 79 225 1150万 大門・塩川ダム管理事務所
大門ダム管理課
広瀬ダムひろせ 広瀬湖 R FNAWP 75 255 1,430万 広瀬・琴川ダム管理事務所
広瀬ダム管理課
西山ダムにしやま 奈良田湖 G P 40 112 238万 早川水系取水口監視所
静岡 長島ダムながしま 接岨(せっそ)湖 G FNAWI 109 308 7800万 長島ダム防災施設ふれあい館
太田川ダムおおたがわ かわせみ湖 G FNW 70 290 1160万 太田川ダム管理所
奥野ダムおくの 松川湖 R FNW 63 323 510万 奥ダム管理所
井川ダムいがわ 井川湖 P HG 103 243 1億5000万 井川展示館
青野大師ダム 青野大師湖 G FNW 39 126 29万 道の駅「下賀茂温泉 湯の花」 下田土木事務所
大倉川ダム R F 45 152 222万 富士ミルクランド
佐久間ダムさくま 佐久間湖 G P 155 293 3億2600万 佐久間電力館
秋葉ダムあきば 秋葉湖 G P 89 273 3470万 佐久間電力館
畑薙第一ダムはたなぎ 畑薙湖 HG P 125 275 1074万 静岡市・南アルプス赤石温泉白樺荘
大間ダム チンダル湖 G P 46 107 151万 南アルプス山岳図書館

★上記ダムは、原則、土日も空いていますが、臨時閉鎖や閉鎖期間などがある場合があります。お出かけ前に必ず、各ダム公式HPなどで、配布の可否や配布時間をか、再度確認お願いいたします。

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ダムカードのデータを読み解くには?

 上記のリストには、【ダム湖名称】【ダムの目的】【ダムの形式】ダム諸元のなかから
【堤高】【堤頂高】【総貯水量】
を掲載しています。

 これらのデーターは、ダムカードにも記載されていて、ダムを楽しむ、基本となるスペックですので、各項目について、詳しくみていきましょう。

ダム湖名とダム湖百選

 ダム湖は、ダムを作った時に新たに誕生する湖ですので、その時に名前が付けられます。

 ダム名称と同じ湖名が付けられることもありますが、地域の特徴を打ち出したり、より親しみやすいように、ダム名とは別の湖名がつけられることもあります。

 たとえば、有名な「奥多摩湖
」は「小河内ダム」、「丹沢湖」は「三保ダム
」など。一般に知られている湖名と別にダム名を覚えれば、ダムマニアへの第一歩と言えるでしょう。

 ちなみに、ダム湖名については、ダムカードのなかでは裏面の「ランダム情報」に記載されています。

ダム湖百選

 上記リストの湖名にが付いているものは、「ダム湖百選」に選定されている、おすすめの湖です。

 「ダム湖百選」は、憩いの場や観光資源として、とくに地域に親しまれているダム湖です。地方自治体の推薦で財団法人・水源地環境センターが選定しています。

 湖周辺には整備された公園や資料館などがあり、見所が多いダムとなっていますので、ダム初心者の人でも安心して訪れることができるので、おすすめです。

▲ダム入門者は、まず「ダム湖百選」に選ばれているダムを訪れるのがおすすめ。

ダムの形式

 ダムを語るうえで、欠かせない基本スペックのひとつが、【ダムの形式】です。

 【ダムの形式】は、ダムカードでは、ダム全景写真の右下にGやRのアルファベットで書かれています。

 ダムの堤体が、どういう構造で作られているか?を示すもので、ダムの形式には次のような種類があります。

ダムの形式(ダムカードでの分類)

・G…重力式コンクリートダム

・A…アーチ式コンクリートダム

・GA…重力式アーチダム

・GH…中空重力式コンクリートダム

・B…バットレスダム

・R…ロック・フィルダム

・E…アース・フィルダム

 【ダム形式】のなかで、もっとも数が多くスタンダードなのは「」つまり重力式コンクリートダムです。裾が広がった台形のダムの堤体で、堤体のコンクリートの重みで水を堰き止めています。がっちりとした男性的な印象を与えるダムです。

▲重力式コンクリートダムの例。神奈川県・宮ヶ瀬ダム

 一方、女性的なしなやかな美しさをもったダムが「」のアーチ式コンクリートダム。アーチ状に湾曲した薄いコンクリートの壁で、左右の崖に突っ張るようにして、水を堰き止めています。独特のカーブしたフォルムが美しく、人気がある形式のダムです。

▲湾曲が美しいアーチ式コンクリートダム。群馬県・矢木沢ダム

 最近増えてきているのが「R」ロックフィル・ダム、や「E」アースフィル・ダム。コンクリートを使わず天然素材の石や土砂を使ったフィルダムが、環境や景観に配慮していて、最近のダムの主流になりつつあります。

 レアな形式のダムでは「」のバットレス式。鉄筋コンクリートの板で支える構造で、格子状の堤体です。日本に6基しかありませんが、そのうちのひとつが上記リストにも入っています。探してみてくださいね。もちろん形式「B」のダムカードも「レアもの」となるので要チェックです。

▲レアなバットレス式ダム。群馬県の丸山ダム

 中空重力式コンクリートダム「HG」も全国で13基しかないので、HGのダムカードもレアものです。上記リストでは静岡の、井川ダム、畑薙第一ダムが「HG」です。

 これらのダムの形式を頭に入れておけば、ダムを訪れた時の楽しみが増えること間違いなしです。また、珍しい形式のダムを訪ねてダムカードをゲットするのも、なかなか挑戦しがいのあるミッションとなることでしょう!

ダムの目的

 ダムカードの右上に書かれているアルファベットが【ダムの目的】です。

 ダムの目的には、大きく分けて、洪水対策など川の水量をコントロールする目的の「治水」と、水そのものの利用を目的とする「利水」があります。

ダムの目的(ダムカードでの分類)

●治水目的

・F…洪水防止

・N…不特定用水

●利水目的

・A…農業用水(かんがい用水)

・W…飲料水(上水道)

・I…工業用水

・P…発電

…etc

治水目的

 ダムの治水目的のメインは、の「洪水調整」です。ふだんは水を溜めないスペースを空けておいて、大雨が降ったら、空きスペースに水を溜めこみます。水が下流に一気に流れて洪水にならないように、一度溜め込んだ水をゆっくり放流して、下流の洪水を防ぐ仕組みです。

▲洪水調整を目的にもつダムでは、ふだんから満水にしておかないのが、ダムの使い方。(写真は埼玉県・下久保ダム)

 また、最近では、ゲリラ豪雨で土砂崩れが多発しているため、大雨のたびに、山から流木が流されてきます。流木が洪水の被害を一層、悪化させているのですが、ダムには、流木を食い止めて、下流域に流さない機能もあります。

 ただし、こうしたダムの洪水防止効果については、その費用対効果について疑問視する声も多く、ダム建設をめぐる論争の火種となっています。この件については、詳しくは「ダムの治水の賛否」の項目で述べています。

 洪水調整とならぶ、もうひとつの治水目的が、不特定利水です。不特定利水は、洪水調整以外で、河の流れをコントロールする目的です。

 たとえば、河川によっては、自然状態では、夏季の干ばつ期に水不足で枯れてしまう川もあります。そういう川の上流部にダムを作って、干ばつ期にはダムに貯めた水を放流することで、河の水量を年間を通して一定レベルに維持することができます。結果として、魚などが住みやすい自然豊かな川になるわけです。

 また、最近では人為的に小規模な洪水を起こさせる「フラッシュ放流」により、河川の状態をよりよくすることも行われています。フラッシュ放流により、過剰に繁殖した藻類などがリセットされることにより、より自然の状態に近い河川が維持できます。

 このように、自然に配慮しながら、洪水や鉄砲水など河川の災害を防いでいこうというのが、ダムによる「治水」なのです。

利水目的

 ダムの目的のなかで、やはりメインとなるのは、
飲料水
農業・工業で使う水を取る目的です。

 温暖化の影響で、気候が極端になり、夏の干ばつも起こりやすくなっています。安定して水を供給するダムの存在意義は、ますます高まっています。

 また、発電についても、原発が使えなくなった今、貴重な国産エネルギーとして、水力発電の重要性は高まっています。

 ちなみに現在、日本では火力発電(天然ガス・石油・石炭)が85%、太陽光や風力などが5%、水力発電は約10%の割合となっています。

 以上がダムの主要目的ですが、ダムを訪れるなら、そのダムの目的が何なのか?をしっかり理解しておきましょう。

ダムの大きさ

 ダムの大きさとポテンシャルを示すデータには、堤高(ていこう)、堤高(ていこう)(ダム高)、堤体積、総貯水容量、有効貯水容量、流域面積、潅水面積などがあります。

 これらのデータを「ダム諸元(しょげん)」と呼びますが、これらの諸元のうち、ダムカードに記載されているのは、堤高(ていこう)(ダム高)、堤頂長(ていちょうちょう)、総貯水容量、の3つです。

 ダム訪れる際にも、この3つの諸元を意識すると、ダムのサイズ感がつかめるので、要チェック項目です。

堤高

 堤体の高さが15m以上がダム、15m以下は「堰(せき)」と定義されています。

 そのため、上記リストでも、堤体の高さは低いものでは15m〜数十メートルとなっています。一方、堤高100mを超えるダムも少なくありません。

 ちなみに、日本でも最も堤高が高いダムは、富山県の黒部ダムで186mあります。

 世界一高いダムは、タジキスタンのヌレークダムで300mです。

 

堤頂長

 ダムの堤体の上の部分を「天端(てんば)」と呼びますが、この天端の長さが堤頂長となります。

 多くのダムは、天端部分は一般に開放されていて、車道や歩道として通れるようになっています。ダムを訪れて天端から湖や、ダムの堤体を見下ろすのが、ダム訪問の醍醐味ですね。ですので、堤頂長というのも気になる部分だと思います。

 上の表を見てみると、堤頂長は300m前後のものが多いですね。500m超えるものは、迫力もありそうですので、訪れてみる価値がありそうです。

 川を堰き止めるタイプのダムで、日本最長の堤頂長をもつのは北海道の美利河ダムで、1480mもあります。(遊水地の堤体などはもっと長いものがあります)

 ちなみに世界で堤頂が最も長いのは、インドのハイラカット・ダムで、4800mもあります。

総貯水容量

 ダムがどれだけ水を溜められるか?を示す数値が総貯水容量です。厳密には、ダム底に溜まった土砂などを除いた有効貯水容量が使われることもあります。

 貯水容量は立方メートル(=重さで言えばトン)で表します。常ににこれだけの水が溜まっているというわけでもなく、洪水などでマックスになった時の容量です。

 大き目のダムだと1億〜2億立方くらいあります。東京ドームが124万立方ですので、1億立方だと東京ドーム80杯ぶん、というイメージですね。

 総貯水量の日本最大は6億6千万で、岐阜県の徳山ダムです。世界最大はアフリカのジンバブエとザンビア国境にあるカリバダムで76億立方あります。

 逆に小さいほうだと、たとえば上のリストのなかにある、神奈川県の玄倉ダム。こちらは堤高いが14.5mでほんらいはダム基準である15mを満たしていないため、堰にあたるのですが、ダムカードが発行されています。(なかなか到達がしにくいダムなのでレアものです)

 玄倉ダムのようにギリギリ堰とダムの境目クラスだと、総貯水量は5万トン。50mプールが1,100立方mですので、50mプール5杯弱の小さなダムもあるということです。

 ダムの貯水容量は、とても幅があるので、ダムカードを集める場合に、たとえば総貯水量1億以上をコンプリートしよう!みたいな基準にもなりますね。

 ダムの貯水容量は、集水面積や潅水面積などとも合わせて深堀りしてデーターを読みこんで行くこともできます。

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▲上記リストのなかで、最も総貯水量が多いのは、静岡県の佐久間ダム

 このようにダムのデーターや地形などをさらにいろいろな情報を分析していくと、ダム鑑賞の奥の深さが見えてくると思います。

 もう既に、ダムを見てダムカードをゲットしに行きたくて、ウズウズしてきますよね?

 でも、ちょっとその前に、もうひとつだけ、ダムカードが誕生した背景と、ダムについてのさまざまな意見について、もう少しだけ勉強して、それから現場へでかけましょう!

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ダム建設は何故、「賛成」と「反対」でもめるのか?

ダムカード誕生の背景

 ダムの歴史は、ダム推進派と反対派の闘いの歴史と言ってもよいくらい、ダム建設には反対の意見がつきものです。

 2007年に「ダムカード」が誕生した背景にも、ダム反対意見の高まりがありました。当時、「脱ダム論」が提唱され、ダムへのイメージダウンが激しかった時代に、それへの対抗策として、ダムカードはスタートしたという歴史があります。

 それくらい、ダムと反対運動は切っても切れない関係だ、というわけです。

 そこで、ダムの賛否を巡る歴史をたどりつつ、何故、ダムがそこまで問題視されるのかについても、みていこうと思います。

地域不在で強引に進められていた昔のダム建設

 1950年代〜70年代は、ダム建設予定地の住民が、ダム建設に反対することが多かったようです。

 なぜなら当時のダム建設では、下流にある都会の住民の利益や、公共工事で儲かる土建業界の利益ばかりを優先して、ダムに水没する少数の地域住民は犠牲にしてもよい・・・そういう考えでダム建設が推し進められていたからです。

 当時は水没する村に住む住民に対して補償金が充分に支払われることも少なく、土地収用法をふりかざし、有無を言わさず住民を立ち退かせていました。

 ダムの受益者が国家権力を盾にして、強引にダム建設を推し進めていた時代だったのです。

 そうした一方的なダム建設に対して当然のように、地元住民を中心に反対運動が起き、当時盛んだった労働運動や学生運動ともリンクして、ダム反対運動は、強権的な国家権力へのアンチテーゼとして、盛り上がりを見せていきました。

ダム政策の転換点となった「蜂の巣城」反対闘争

 そうしたなか、1958年〜71年にかけて、大分・熊本県境の下筌(しもうけ)ダム建設に対して、史上最大と言われるダム反対運動がおきました。「蜂の巣城闘争」と歴史に名を残したこの反対運動は、最終的には、政府による機動隊などを使った反対派の強制排除で終結しました。

 しかし、この反対運動をきっかけに、「水源地域対策特別措置法」が制定されます。この法律はでは、ダムができたことによりダム建設地がさらに発展するような施策を講じたり、立ち退きを迫られる住民に対して充分な補償をすることなどを定めたものです。

 それまでの地元住民を無視したダム建設から、「地域共存型ダム」へと、ダム建設のスタンスを軌道修正したのです。

新たなダム反対運動の潮流

 「水源地域対策特別措置法」誕生のあと、ダム計画地で反対する人は減ってきました。

 ところが、今度は、どちらかというと都市の住民から、「自然保護」や「税金の無駄使い」などの理由で、ダムへの反対運動が起きるようになります。

 実は、ダム1基を作るのに数千億円という税金が使われるのですが、それだけの税金をかける意味がほんとうにあるのか?と疑問視されはじめたのです。

 というのも、もともとダム建設には、公共の福祉という目的よりも、土建業界や電力業界が利益を得ている面が大きいのでは?という疑惑が絶えないからです。

 科学的根拠を欠いた水増しした降水量予測を根拠にダム計画が立てられ、実際にはほとんど機能しない、無用の長物が誕生する可能性が高い、とも言われているのです。

 また、ダム建設をめぐる、政治家や役人の汚職事件も多数あり、「誰のためのダム建設なのか?」「ダム建設はほんとうに莫大な税金と自然を犠牲にしてまで建てるメリットがあるのか?」という意見が増えてきたのです。

「脱ダム宣言」と「ダムカード」

 20世紀に入ると、ダム建設への風当たりはさらに強まります。
・2001年(平成13年)田中康夫元長野県知事の「脱ダム宣言」
・2004年(平成16年)小泉内閣「小さな政府」策で、新規ダム計画の見直し
・2009年(平成21年)民主党政権誕生による事業仕分け

 ・・・このようにダム建設に逆風が吹き荒れるさなか、ダムカードは2007年(平成19年)に誕生しました。「税金の無駄」「自然破壊」というダムに対するマイナスイメージが広く浸透しはじめたことに対して、ダムを推進する立場の人たちが、「ダムの役割についてもっと国民に理解してもらおう!」と、ダムのイメージアップのためにダムカードの発行をはじめたわけです。

今なお続く、ダムの是非をめぐる論争

 現在、ダムカード配布の効果もあったのか、ダム=悪というイメージは、だいぶなくなってきました。むしろ、ダムファンやダムマニアが増えて、ダムカード集めもマニアだけでなく広く一般に知られるようになり、一時期にくらべると、ダムに期待する声が高まっている感じがします。

 その背景には、地球温暖化で気象が激しくなり、ゲリラ豪雨や台風など、水害につながる降雨が増えてきたこともあります。

 とくに、森林が弱っているところへ集中豪雨が急襲するため、山崩れが頻発し、流木や土石流が下流の街まで流れだ出して、水害を激化させています。

 このように水害リスクが増している状況下で、ダムが洪水を防いでくれることへ、期待が高まっているのです。

ダムは、ほんとうに洪水を防げるのか?

 しかし、実は、100%完璧ではないということも、忘れてはいけません。

 ダムを使って、下流に洪水を起こさせないようにするには、貯水と放水を、どのタイミングで行うか? とても難しい技術が要求されます。まして、自然相手のことですので、上手く調整できないことがあるのも当然です。

 つまり、洪水防止にダムを作ったとしても、下流の洪水を防ぎきれないことも、少なくないわけです。ダムの洪水防止機能はあくまでも、100%防止するものではなく、被害を軽減するものなのです。

 そうなると、建設費用にかかる数千億円が、果たして、費用対効果があるのか? ・・・そこが疑問の声として、上がってくるのも当然なわけですね。

 そもそも、日本の水害がひどくなっているのは、温暖化だけでなく、山林の荒廃で、山の保水効果が減っていることも原因です。

 山の自然林には、ほんらい、ダムと同じように、大雨を一時的に受け止めて、溜め込む洪水防止機能があります。「緑のダム」と呼ばれる山林の機能です。

 しかし、現在の日本の山林の多くは、広葉樹を中心とした多様性のある自然林から、針葉樹の単一林に変えられ、さらに林業の衰退で山が管理されず、その結果、山の自然の保水力が著しく減ってしまっています。

 そこで、洪水防止効果にブレがあるダムに数千億円を使うよりも、その数千億で、山の森林を再生して、緑のダムの力を取り戻すほうが効果が高いのでは? と考えられているわけです。

▲ダム建設にかかる数千億円の予算を、山林の再生のほうに使うべき!という意見も根強い。

水害を無くすにために、常に柔軟な考えを

 このように、現在でも、ダムの役割・・とくに洪水防止の目的については、賛否両論があり、どちらが正しいのか? 結論が出ているわけではありません

 川の流れをコントロールすることは、大自然の現象を操ることですので、そう簡単に、結論が出せることではないでしょう。

 またアメリカなどで脱ダムが進んでいますが、アメリカの川にくらべると、日本の川は何倍も急峻(きゅうしゅん)で、洪水になりやすい性質をもっています。ただ単に、脱ダムが世界の流れだからと言って、それに追従するべきでもありません。

 一方で、ダムの機能には限界もあることを正しく理解して、ダム神話を妄信してはいけません。

 限られた財政のなかで、どうやって水害を防ぐのが最も効率が良いのか? ダムなのか? 山林再生なのか? その両方なのか?

 わたしたちの生活を豊かにしてくれるダムについて、反対・賛成それぞれの意見に耳を傾けて、後世に残す賢い選択をしていかなければならないのです。

 さて、少し堅苦しく難しい話になってしまいまいしたが、最後に、ダム理解を深める、漫画と映画を紹介しておきましょう。

 どちらも、それぞれの立場からダムについて深く考えている良い作品です。

漫画・ダム漫画

▲「ダム子」とからわかれていたことから、ダム嫌いになった黒部弓見。荒玉女子校に入学した彼女は、なぜか「ダム部」に入部することになり、八田かなん先輩にダムのてほどきをうけ、次第に、ダムに魅了されていく、美少女系漫画。ダムマニアで有名な宮島咲氏のダム解説コラムもあり、楽しく、ダムの知識が身につく。

映画・ダムネーション

▲アウトドアブランド・パタゴニアがスポンサーになっているドキュメンタリー映画。アメリカで不要なダムを取り除き川を蘇らせることに取り組む人たちの実録。アメリカの状況がそのまま日本にあてはまるわけではないが、少なくとも、ダムについて語る以上、この映画は見ておくべき

 以上、ダムカードとダムについて、長々と見てきました。

 とにかくダムは奥が深いということがおわかりいただけたのではないでしょうか?

 それでは、ダムカードをゲットしに、出かけましょう!

  

【おまけ情報】ところで、カード集めてといえば、ダムカードとならんで人気のマンホールカード。同じ公共事業のPRという意味では兄弟にああたる⇒「マンホールカード」の記事も参照ください。

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