ドライブレコーダー(ドラレコ)の後ろ方向や駐車監視は、役に立つ?

      2017/02/05

ドライブレコーダー

 ドライブレコーダーが急速に普及しています。そろそろ、自分も付けたほうがいいのかな・・・?と検討をはじめている人も多いと思います。

 ただ、市販のドライブレコーダーは種類も多く、いざ選ぼうとすると、迷ってしまいますよね。とくに、後ろ方向の撮影(リアカメラ)や、駐車中の監視機能などが必要かどうか? 気になるポイントだと思います。

 この記事では、ドライブレコーダーと保険の関係をふまえたうえで、リアカメラや駐車監視機能の必要性を検証して、最低限必要なドラレコの機能について考えてみようと思います。

 限られた予算のなかでドラレコを選ぶ際の参考になれば幸いです。また→「ドラレコ選びの画質や画角はどうする?」の記事も参照してください

ドライブレコーダーは、なぜ必要なのか?

ドラレコ装着で安全運転せざるをえない

 ドライブレコーダーは、主にタクシーやトラックなどの業務用車で活用されていましたが、ここ数年、個人でもドライブレコーダーを搭載する人が急増しています。

 Youtubeにアップされたドラレコ(ドライブレコーダー)の事故映像が注目されたりもしていますが、ドライブレコーダーには、実際に、事故を減らす効果があるようです。

 ドライブレコーダーの普及に積極的な国土交通省の調査によれば、タクシー業界では、ドラレコの導入で事故率が50%ほど低下した事業所が多数あるとのことです。

 これは、ドラレコの記録を分析して、分析結果からわかる情報をドライバーにフィードバックすることで、より安全でリスクの少ない運転ができるようになってきたからです。それに加えて、「ドラレコを付けた以上、無茶な運転ができなくなる」と、ドライバーの安全意識が高まるという理由も大きいようです。

 個人がドラレコを搭載した場合でも、「自分の運転がドラレコに記録される」ことを意識せざるをえないので、運転がより正確で安全なものになるはずです。

 このようにドライバーの安全運転意識を高めることがドラレコの最大の効果なのです。

 初心を忘れてしまっているベテランドライバーほど、まずは、自分自身の安全運転のために、ドラレコを取り付けてみてはいかがでしょう?

ドライブレコーダーの記録は裁判で有効?

 さて、ドライブレコーダーを取り付ける目的は、安全意識の高まりという効果だけでなく、もちろん「事故の時の証拠映像」を残すことにあります。

 証拠というと、裁判が思い浮かびますよね。もちろん、ドライブレコーダーの記録も裁判の証拠として採用はされます。しかし、ドライブレコーダーの事故時の映像は、裁判の証拠としては、そこまで有力ではありません。というのもデジタルデータは細工がしやすいため信憑性が高く評価されないからです。

 そもそも、交通事故では、裁判にまで発展することは、そうそう多くはありません。

 人身事故でも、軽度の場合は、起訴猶予となったり簡易裁判所で罰金が確定して、それで刑事処分が終わります。本格的な刑事裁判となるのは、危険致死罪など重大な罪に問われる場合で、ごくまれなケースです。

 事故の賠償額を決める民事でも、裁判にまで発展するケースは少なく、ほとんどは保険会社の折衝で解決していきます。

 事故が起きた時に「どちらが悪いか?」をみて、それぞれの賠償額を決めるのは、警察や裁判所でもなく、ほとんどの場合「保険会社」がその 役割を果たすことになるわけです。

 保険会社が、事故の賠償処理をする場合に、賠償責任を、加害者と被害者に割り振っていきます。事故原因を作った責任の大きさに応じて、加害者・被害者が支払う賠償額を決めていきます。これが「過失割合」とよばれるもので、被害者・加害者双方の保険会社どうしてによって話しあわれ、過失割合が決まっていきます。

 この過失割合を決める時に、ドライブレコーダーの記録が「証拠」として効果を発揮するのです。

ドラレコと「過失割合い」の関係

車同士の事故では、加害者が嘘つきになることが多い…

 保険会社が「過失割合」を決める際に、どちらが悪いか?が、どこからみても明らかな場合は、ほぼ自動的に「過失割合」が決まっていきます。

 過去の事故の事例のなかに、当てはまるケースが見つかるので、その事例を参考にして、過失割合が決められていくのです。

 たとえば、あなたが停車中に追突される事故に遭ったとします。この場合は、動いていた相手方と停止していて追突されたあなたの過失割合は10:0となります。あなたの車と相手の車の修理代はすべて、相手の保険から支払われます。

 交差点で、相手が信号無視をして自分にぶつかってきた場合も、相手とあなたとの過失割合は10:0となります。

 しかし、現実の事故では、一方が完全に悪くても、すんなり10:0の過失割合にならないことが多いのです。

 なぜなら、相手が信号無視をしていたことを素直に認めない場合がとても多いのです。大の大人が、何故か、車どうしの交通事故になると、嘘をついてまで「自分は悪くない」と言い張ることが、とても多いのです。

 もし相手が「信号が青だった」と嘘の主張を続ければどうなるでしょう? 他に証拠がなく、保険会社もはっきりと判断できないので、結局、過失割合は5:5になってしまう可能性があります。

 仮に、保険会社が、相手よりあなたの主張の方が正しいのでは?と思ったとしても、決定的な証拠がなければ、過失割合が加害者:被害者が8:2や9:1として計算されてしまいます。

 なんとも理不尽な話ですが、証拠や目撃情報が無ければ、そうするしかいないのです。

 もし、100%相手が信号無視の事故で、証拠がないために、過失割合が8:2となったとします。その場合、あなたは事故にまきこまれた上に、相手の車と自分の車のうち2割の修理代を支払わなければなりません。もちろん修理代は保険(任意保険)のなかから支払われますが、保険の等級が下がり、保険料が値上がりしてしまいます。

 また、事故のキズが軽度で免責額を下まわった場合は、自己負担が生じてしまうこともあるのです。

 事故にまきこまれた上に、なぜ、そのような不利益を受けなければならないのか? 納得いかず、とても悔しい思いをするでしょう。

 ドライブレコーダーは、そんな悔しい思いをしなくてすむように、事故を正しく解決してくれる頼もしい存在です。

ドライブレコーダー記録の効力と限界

 車同士の事故で、双方で言いぶんが食い違い、過失割合がなかな決着しない時、「どちらが悪いのか?」を保険会社が最終判断するのに、ドライブレコーダーの記録は有効です。

 これまでは、一方が100%悪い事故でも、8:2や9:1で処理されることが多かった交差点の事故が、ドラレコのおかげで、10:0と正しく判断されることが増えてきています。

 しかし、注意したいのは、すべての事故が、10:0と判断されるわけでは無い、のです。逆に、10:0が適用されるのは以下のケースに限られるということを、知っておくべきです。

過失割合が10:0になりうる事故は?

●信号のある交差点で、信号無視による衝突

●センターラインオーバーによる事故

●後ろからの追突事故(前車の急ブレーキ時は除く)

●止まっている車への追突事故

 これらのケースでは、加害者が素直に認めれば、ドラレコの記録がなくても、10:0になります。

 また、たとえば加害者が 「信号無視をしてない」とか「センターラインをはみ出していない」などと、事実と異なることをゴネ出したとしても、ドラレコの記録があれば、相手の過失が100%と判断されます

 しかし一方で、上記のケース以外では、なかなか10:0にはならない、ということはぜぜひとも頭にいれておきましょう。

 とくに、信号機の無い交差点の事故などの場合は、ドラレコの記録があっても10:0にならないことが多いようです。ドラレコの映像だけではどちらが悪いかを100%判断できないケースもありますし、完璧に非の打ち所の無い運転をしていたか?というとそうでもなく、どちらにも運転に微妙なところが必ず見つかってくるものなのです。

 自分が被害者だと思っていても、ドラレコの記録を見ると、案外、五分五分で相手も自分も悪かった、というパターンが多いのです。

 このように、事故のケースによっては、ドライブレコーダーがあったからと言って、かならずしも10:0が適用されるわけではない、ということを、頭に入れておいてください。

 

【ここまでのまとめ】
ドライブレコーダーが役立つのはどんな時?

・ドラレコ搭載により、運転者自身の安全意識が高まり、運転が丁寧になる。

・ドラレコは「事故の証拠」を残す役割があるが、万能ではない。

・ドラレコ映像は裁判での証拠ともなるが、どちらかというと保険の「過失割合」を決める時の証拠として使われる。

・ドラレコ映像が証拠として効力大なのは、信号無視やセンターラインオーバーなどの事故で、加害者側が嘘の主張をしている時。

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・上記以外でドラレコの映像が決定的証拠になるかどうか?はケースバイケース。

ドライブレコーダーの後ろ方向対策。リアカメラは必要か?

 では次に、ドライブレコーダーのリアカメラ、後ろ方向の撮影について、みてみましょう。

 ドライブレコーダーは、交差点での事故や、センターラインはみ出しの事故などで、加害者側が事実と違うことを主張してきた時に、それをくつがえす重要な証拠となる、ということを前項で述べました。

 交差点やセンターラインオーバーの事故の証拠をとるなら、すべて、前方のカメラを設置しておけば、カバーできることですよね。

 では、後ろ向きの方向でドラレコが必要になるのは、どういう場合なのでしょうか?

 バック方向の事故で、最も多いのは追突事故です。

 ただ、追突事故の場合は、ドラレコの映像を確認するまでもなく、追突した側:された側の過失割合は10:0となります。

 もし、あなたが、後ろから追突された場合、あなたが急ブレーキをかけたり、法令違反をしていない限り、過失割合は、ほぼ間違いなく自動的に10:0となります。ですので、とくにドラレコの出番はありません。

 仮に、追突事故で相手ともめることがあったとしても、追突された側が急ブレーキを踏んだなど、追突された側の過失が増える方向にしか動きません。

 ですので、事故の「過失割合」を適正にする、という目的からすれば、リア方向のドライブレコーダーは、実はあまり意味をなさないのです。

 もちろん、不測の事態に対して備えるのがドラレコです。追突した相手が、そのままUターンして逃げようとする場合では、ドラレコのリアカメラは役立ちます。あらゆるリスクに備えたい人はリアカメラを設置するにこしたことはないでしょう。

 しかし、予算に限りがある人は、リア方向のドライブレコーダーは、それほど気にしないでも大丈夫、ということが言えるでしょう。

 また、リアカメラの設置は、配線などが複雑なため、設置に手間取ります。設置を頼むと1万円ほどの工賃がかかってしまうこともあります。ですので、費用対効果を考えると、リアカメラは無くてもなんとかなる と考えたほうが、よいでしょう。

ドラレコの駐車監視機能は必要か?

 ドラレコは、走行中だけではなく、駐車中でも、その活躍が期待されます。ドラレコの駐車中の利用についてみてみいきましょう。

夜間の駐車監視にドラレコは向いているか?

 まず、夜間の駐車中のいたずらや防犯対策として、ドラレコが活用できないか? と考える人も多いでしょう。

 しかし、実は夜間のドラレコの活用は、バッテリーの持ちや赤外線カメラの性能など技術的な点から、決して簡単ではありません。夜間駐車で、あて逃げして逃亡する車のナンバーを捉えるためには、かなりのコストや設置の手間がかかります。費用対効果を考えると、あまり得策とは言えません。

 そもそも駐車中のいたずらなどは、車内から撮影するよりは、駐車場についた防犯カメラからでないと、証拠となるような映像はとらえにくいでしょう。

 以上のことから、ドラレコに夜間駐車監視の機能を求めるのは、あまりこだわらないほうがよいのでは?と言えます。

あて逃げ対策で、ドラレコは役に立つ?

 では、昼間の駐車監視についてはどうでしょうか? とくに、監視したいのが「あて逃げ」ですよね。

 あて逃げの対策として、駐車監視モードが付いたドラレコも多いです。

 駐車監視モードは、バッテリーに負担がかからない範囲で、停車から30分から1時間ほどはカメラが作動する仕様になっています。買い物などで店舗の駐車場に止めている場合の監視を想定しています。

 あて逃げ現場の撮影では、ドラレコは、それなりに効力を発揮しますが、限界もあることに注意が必要です。

 というのも、側面にぶつかったか瞬間や、傷がつけられる現行犯シーンをカメラで捉えようとすると、車内からの撮影では、なかなかはっきりとした映像が捉えにくいということです。

 ドラレコで撮影できるのは、左右に駐車する車が、出たり入ったりする動きにすぎません。車が不自然に近寄っている映像が撮れれば、当てたことを示唆する映像となりますが、決定的な証拠になるか?というと、少し弱いといわざるをえません。

 あて逃げの決定的証拠という意味では、やはり車内から撮影する映像には限界があるわけです。

 もっとも、ドラレコの駐車モードでも、傷つける瞬間は捉えることができなくても、あて逃げをしたと思われる車両のナンバーを記録することは可能です。

 ただし、その映像を根拠に、警察があて逃げ犯を探し出してくれるか?というと、必ずしも、そうではないようです。あて逃げ犯と思われる映像を根拠に、警察が実際に捜査してあて逃げ犯を特定するかどうかは、ケースバイケースで、その映像を見た警察の判断になってくるでしょう。

 ですから、あて逃げ対策としてのドラレコの費用対効果は、100%ではないが、それなりに使える場合もある、といった程度に考えておいたほうがよさそうです。

あて逃げ対策では、ドラレコだけに頼らない

 あて逃げ対策では、ドラレコの効果が100%とは言いきれないだけに、ドラレコだけに頼るのではなく、複数の方法であて逃げ対策をしていく必要があります。

 あて逃げでは、逃げた後に加害者が警察に自首してくる場合が少なくないので、まず警察に被害届けを出すことです。加害者が出頭してきて見つかることは案外、多いものです。

 最近はドラレコが普及しているので、あて逃げした人も「ひょっとしたら撮影されて証拠が残っているかも?」と心配になり、出頭してくるケースが多いようですね。もし、被害者が見つかれば、被害者の対物保険から車両の修理代を出してもらうことができます。

もし、自分が駐車中の車にぶつけてしまったら?

 もし、駐車中の車にぶつけてしまった場合は、逃げずにその場で事故処理をして保険会社に連絡をしましょう。車にぶつけてしまうだけの物損事故は、減点対象にも事故歴にもなりません。任意保険に入っていれば、相手の修理代は対物補償から出るので、心配はりません。実は、他の車にあててしまっても、加害者も逃げるほどのこでもないことなのです。

 しかし、気が動転して、逃げてしまうと、あとで見つかった時に、危険防止等措置義務違反(5点)や安全運転義務違反(2点)などの罪に問われ減点対象となってしまいます。

 また、あて逃げをすると、被害者は、自腹を切って車を修理をするはめになります。車両保険を使えば良いのに?と思うかもしれませんが、車両保険を使えば保険の等級が下がってしまいますので、保険料がの増額となってしまいます。ですので、7万円〜10万円程度の傷であれば、車両保険を使わずに自費で治したほうが安くなることが多いのです。

 こうして考えると、駐車中のドラレコの活用は、あて逃げされた時の7万円〜10万円以内の自己負担を避けるための対策だ、ということになります。

 ドラレコの映像が、あて逃げ犯を特定する証拠となるかどうか?は、ケースバイケースですので、ドラレコによるあて逃げ対策には、どうしても限界がある、ということを頭に入れておきましょう。

 それを踏まえたうで、費用対効果を考えつつ、ドラレコの駐車対策機能を検討していけばよいでしょう。

 なお、車両保険については→「1日自動車保険の役割」の記事も参照してください。

【ここまでのまとめ】
ドライブレコーダーのリアや駐車監視は必要か?

・追突事故は、原則10:0で追突した側の100%過失となるので、ドラレコが活用されるケースはとても少ない。

・追突車がUターンして逃走というケースなら、ドラレコのリアカメラは有効。

・あらゆるリスクに万全を期したい人はリアカメラを。予算に限りがある人はリアカメラは無くてもオッケー

・駐車監視モードは、あて逃げ犯の発見に有効。ただし、傷をつける映像そのものは撮れないので、100%加害者を特定できるわけではない。

・あて逃げされると、10万円以内の修理は、自己負担せざるを得ない(車両封建を使うと保険料が値上がりしてしまうため)

・万が一駐車場で車にぶつけてまった場合は、減点は無しで、対物保険で相手の車を治せるので、逃げないでその場ですぐ保険屋さんに連絡を!

 

 以上、ドライブレコーダーの有効性について、保険の過失割合との関係を整理しながら見てみました。

 交差点の事故の過失割合いを適正に判断させるために、正面方向のドラレコは、おおいに役に立ちます。

 一方、リアカメラや、駐車対策・あて逃げ対策については、ドラレコ効果は必ずしも100%ではないようです。

 これらのことをふまえて、予算に応じてドライブレコーダーの導入を検討してみてください。

 何より、ドラレコの最大の効果は、自分がより「安全運転」に気をつけるようになることです。 ドライブレコーダーを活用して、安全運転を続けていきましょう!

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