干し芋のおすすめはどれ?美容に良い?カビの見分け方や保存方法も。

      2017/07/09

ほし芋

 上質な「干しいも」は、以前は入手するのが難しく、産地近くでしか買えないものが多かったのですが、近年はWEBショップでも、干し芋のラインナップは充実してきました。

 決してお安くはない干し芋だけに、できるだけ良いものを選びたいものです。

 

 この記事では、干し芋選びのために知っておきたい基礎知識を、お伝えしています。干し芋の白い粉はなに? 干し芋の保存方法は?  干し芋の旬ってあるの? 干し芋と焼き芋との栄養価の違いは? 干し芋のおすすめの食べ方は? 干しいも作り体験……などなど。

 「畑の芸術品」とも言える、干し芋の魅力を、たっぷりと楽しみましょう!

干し芋は畑の芸術作品!

 干し芋は、もともはさつまいもを保存食とするために作られたものでした。明治時代には軍隊での携行食にもされていたので「軍隊芋」などとも呼ばれています。ただ、その頃の干し芋は、保存性を重視するために、完璧に乾燥してあって、味を重視する現代の半乾きの干し芋とはずいぶん違っていました。

 干し芋は、一見簡単な加工品にも思えますが、実は手の込んだもの。干し芋専用のサツマイモを植付け、収穫後、いくつもの行程を経て、美味しいさや食感を重視して仕上げられる、嗜好品です。

 サツマイモには何も加えずに、蒸してカットしただけのサツマイモを自然の力でドライ状態にして、甘みとうまみを引き出す干し芋作りは、まさに自然と人の手技のコラボによる畑の芸術作品ともいえる逸品です。

 素朴さのなかにある奥深い味わいは、一度ハマるとやみつきになります。さらに、お芋の品種やその年のサツマイモの出来などにより、干し芋の仕上がりも違ってくるため、奥の深い楽しみ方ができるのです。

干し芋ができるまで

干し芋屋はワイナリー?

 干し芋は、現在、茨城県が主要産地で、静岡、群馬、長崎などで作られています。

 大きな食品工場で作るのではなく、干し芋専門の農家が、干し芋用のサツマイモを育てそれを自家で干し芋にしたり、地域の小さな干し芋屋で、手作りで生産されます。蒸し加減や乾かし方などは、さつまいもの状態や天候を微妙に読みむ職人の細かい判断が必要です。機械化して作れないのが干し芋なのです。

 畑に直結した農産加工品であり、職人の技が必要になるります。地域ごとに芋の出来やや干し芋の仕上がりに微妙な差があり、ちょうど、ヨーロッパのブドウ畑とワイナリーのような、奥の深さがありるのです。

干し芋用のサツマイモ品種

 干し芋用の品種は、茨城では「タマユタカ」、静岡では「イズミ13号」が主に使われます。平成13年には干し芋用の新品種「タマオトメ」が発表されています。

 また最近は、蜜芋として有名な「紅はるか」「安納芋」「シルクスイート」でも干し芋が作られています。

 蜜芋の干し芋は糖度は最高に高いですが、コクの深さの点では、干し芋専用品種のほうが、勝っています。

 干し芋は、サツマイモの品種そのもの味を味わえる加工品ですので、品種ごとの食べくらべも、楽しみのひとつになっています。

⇒「さつまいも品種を解説」の記事も参照してください)

キュアリングでの甘みアップ

 10〜11月に収穫される干し芋用のサツマイモは、まず1カ月から2カ月、キュアリングという乾燥行程に入ります。

 キュアリングの過程で、乾燥させながら低温にあてることで、甘みが増します。ジアスターゼという糖化酵素がでんぷんをブドウ糖や果糖やショ糖に変化させるのです。

 さつまいもは低温に弱く10度をきると腐ってしまうため、温度管理をする専用の倉庫や室(むろ)などを使い、キュアリングをするのには、繊細な管理が必要です。

 キュアリングで、サツマイモに甘みが出てくると、いよいよ干し芋作りです。

干し芋作り

 サツマイモは、専用の蒸し器で、1時間から2時間蒸されます。βアミラーセによりデンプンが麦芽糖などの糖に変化していくよう、低温でじっくりと蒸されます。

 蒸し上がった芋は、皮をむかれ、つき台と呼ばれるピアノ線をはった台で、円盤状やスティック状にカットされます。

 カットされた芋は、かたちが崩れないように丁寧に干し台に並べられていきます。乾燥専用のビニールハウスが使われます。

 ゆっくりと乾燥熟成されるなかで、糖やミネラルが凝縮され、イモはあめ色に変化していき、やがて麦芽糖の結晶が表面に浮き出て、白い粉をまぶしたようになります。

 10日ほどで半生状態の完成品となり、真空パックされ商品化されます。

 近年は天候不順のため、冬でも晴天が長続きしないことがあるため、仕上げの行程で遠赤外線や送風型の乾燥機が使われる場合もあります。

 また、カットをせず丸のまま干す「丸干し」もプレミアム品として少量だけ生産されます。プレミアム品には、品種も「いずみ」など、作りにくいが味が美味しい品種が使われます。丸干しは1カ月近くをかけて天日干しにしていきます。

干し芋の旬はいつ?

 干し芋は秋に収穫したサツマイモを、冬から春先の寒い時期に加工するため、12月〜3月に「新もの」が出回ります。

 ですので11月までに売られているものは、約1年前に製造された「ひねもの」になります。保管されている間も熟成が続いていいますので、ひねものは味が深くなっています。ほしいもは、新鮮な「新もの」と保存され熟成された「ひねもの」では、味や食感が変わっていて、それぞれの良さがあります。

 新ものは12月下旬から1月にかけて出まわります。

 干し芋のなかでもレアなものは、たとえば「いずみの丸干し」などプレミアム品は、予約を受け付けて、1カ月以内に売り切れてしまいます。

 丸干しのものは贈答品としても人気があって、新ものをお歳暮などで贈っても喜ばれる品となります。

干し芋のカビや賞味期限

 干し芋は、かつては保存食だっため、かりかりに乾かして長期保存が効くように作られていました。しかし、今の干し芋は、半生タイプですので、原則、開封後の常温での保存はできませんが、冷蔵庫で3カ月、冷凍すれば6カ月くらいもちます。

 解凍する場合は、冷蔵庫に移し半日くらいおき、ゆっくり解凍させるようにします。

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 さて、干し芋でよく問題になるのは「カビ」です。

 表面の白い粉は、でんぷんが麦芽糖に変わり結晶して浮き出たものですので、まったく問題ない、というか、これこそが干し芋の美味しさの秘密となる部分です。

 この白い粉は、焼くと溶けて蜜状になります。

 ただ、干し芋の場合、この糖の結晶ではなく、ほんとうにカビが生える場合があります。カビは、ちょうどお餅のかびのように、白は緑や赤や青などのカビが生えます。白いカビの場合は、毛がふわふわしたような胞子が肉眼でも確認できますので、粉の場合は問題なし、ふわふわしていたらカビ、と判断してください。

 万がいちカビが生えてしまっても、カビの部分だけ切り取った後、火を通して食べれば大丈夫のようです。

干し芋の栄養とダイエットや美容との関係

 さつまいもがダイエット食として評価されていますが、干し芋はどうでしょうか?

 結論から言えば、干し芋はカロリーが高いため、ダイエット食とは言えません。

 また、ビタミン類は焼き芋よりは少ないですが、食物繊維やミネラル類は凝縮されて多くなっています。

 下の表は、干し芋と焼き芋の成分を比較したものです。

干し芋と焼き芋の栄養素を比較
栄養素 干し芋 焼き芋 干しイモが焼き芋に対して何倍?
カロリー 303kcal 163kcal 1.8倍
炭水化物 71.9g 39g 1.8倍
食物繊維 5.9g 3.5g 1.7倍
ビタミンC 9mg 23mg 0.4倍
ビタミンE 1.3mg 1.3mg 同じ
カルシウム 53mg 34mg 1.6倍
カリウム 980mg 540mg 1.8倍
2.1mg 0.7mg 3倍
マグネシウム 45mg 23mg

2倍
亜鉛 0.5mg 0.2mg 2.5倍

 この他にも、干し芋にはビタミンB、ビタミンB1、葉酸、ナイアシン、パントテン酸、ナトリウム、リン、銅、マンガンなどの成分が含まれています。

 上の表からわかることは、焼き芋と干し芋をくらべた場合、
カロリーは増えている
ビタミンは減っている
ミネラルと食物繊維は増えている
ということです。

 下の表は、成人女性が1日とるべきミネラルの量です。

18歳〜29歳の女性の1日あたりのミネラル必要量
カリウム 2000mg〜2600mg
カルシウム 650mg〜2500mg
マグネシウム 270mg〜340mg
10mg〜40mg
亜鉛 8mg〜35mg

 この表をみると、干し芋をおやつに1枚〜2枚食べることで、ミネラル補給に役立つことがわかります。

 とくに、カリウムが効率良く摂れますね。カリウムは体液の浸透圧を調整する働きがあり、「むくみ」に対して効果があるといわれています。

 また、鉄や亜鉛などコラーゲン生成に必要なミネラルも豊富ですので、干し芋は美肌にも良い影響を与えそうです。

 ダイエットについては、カロリーが高いですが、食物繊維の多さがそれをカバーすることができますので、ダイエット中の間食などに干し芋を取り入れればバランスがとりやすいと思います。

 なお、さつまいもの栄養価とさつまいもダイエットについての、こちらの記事⇒「さつまいもの栄養価。ダイエットや美容への効果」も参照してみてください。

干し芋のおすすめ食べ方

 干し芋はそのままで生で食べるのがいちばんです。しっとりした風味と甘みを楽しみましょう。また、ストーブやオーブんで軽く炙(あぶ)ってから食べると、また違った風味になります。生と炙りは干し芋の食べ方の定番ですね。

 干し芋と相性が良いのが乳製品。牛乳と一緒に食べるだけで、また違った味わいになってきますね。バニラアイスクリームにちぎって入れるのも絶品。ヨーグルトともよく合います。

 干し芋はスイーツ系だけではなく、実は、料理の素材としてもばっちりです。

 干し芋産地の茨城では「干し芋の天ぷら」は定番料理です。

 また、干しイモの肉まきは、牛か豚のスライスを細切りの干し芋にまいて、フライパンで焼、みりん醤油などのタレで味を付けるもの。お弁当のおかずなどにもなります。

 チーズとの相性も良いので、ピザやパスタやグラタンなどイタ飯ふうのものの隠し味に入れると、良い感じにしあがります。

 他にも工夫次第で、いろいろなアレンジが出来てしまいますね。干し芋は飽きずに楽しめる食材なんです。

芋フェスで干し芋体験に行こう!

 「芋フェス」は、静岡の干し芋屋「おいもや」が主催するさつまいものフェスで毎年10月に静岡県掛川で開催されています。

 静岡は、今でこそ干し芋生産は全国2位で、茨城に1位の座を奪われていますが、もともと干し芋発祥の地として、かつては全国一の産地でした。

 そんな静岡の干し芋を盛り上げようと2005年にはじまった芋フェス。2016年は、平成28年10月29日(土) 午前10時〜イモ掘りの最終入場12時30分という日程で開かれます。

 いも掘り体験を中心に、各種イモ料理を満喫したり、ゆるキャラのステージがあったりと、子供連れやカップルで、ほんわか楽しめるイベントです。

 人気があり首都圏からわざわざ車で駆けつけるファンも少なくないイベントです。

 さて、「芋フェス」のなかの特別企画として「干し芋作り体験」があります。干し芋作りのプロの指導のもと、自分たちで干し芋を作ります。作った干し芋は、その後農場で完成させて、後日お届けというシステムです。

 芋フェスと干し芋作り体験作りの詳細は下記をご覧下さい。(芋フェス入場料(大人1,000円子供500円)と別途に干し芋体験(500円)料金がかかります。)

 以上、干し芋の魅力について、お伝えしました。

 品種や産地や、その年ごとに味わいが微妙に変わっていく、干し芋。奥の深い干し芋グルメの世界を楽しみましょう。

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