マインドフルネスの講座や教室を選ぶ前に、知っておきたい危険性

      2017/01/13

瞑想のリスク

 マインドフルネスが総合的に人間力をあげるスキルとして大注目されていますね。ストレスに強くなったり、集中力が高まったり、コミュニケーション力がアップしたり、ポジティブになったり、とその絶大な効果に期待が高まっています。

 ブームにのってマインドフルネスの講座や教室などもどんどん増えていますね。

 マインドフルネスとか独学でもできるんじゃない? って思ってしまいますが、実は、マインドフルネスを自己流で本格的に続けることにはリスクがあり、できればきちんとした指導者が主催する講座や教室で学ぶほうがよいのです。

 この記事では、マインドフルネスの講座や教室を選ぶ前に、まず知っておきたいリスクについて述べていきます。

 また、マインドフルネスと一言でいっても、いくつかの系列があります。心療内科で保険がきくもの、民間療法、あるいはグーグール社直伝のものなど、主要な系列について整理して知ることで、マインドフルネスの講座や教室を選べる判断力を身につけていきましょう。

 ブームにのって増えている怪しい講座や教室にひっかからないよう、まずは勉強が必要です。

マインドフルネスのリスクとは?

瞑想中の変性意識でバッド・トリップするリスク

 マインドフルネスに限らず、瞑想全体に言えることなのですが、自己流の瞑想には、実は、危険が伴います。

 「瞑想のリスク」とは、どんなものでしょうか?

 簡単に言えば、悪い方向にトリップしてしまうことです。

 瞑想でトリップ状態にまでなるには、ある程度の修練が必要なのですが、トリップしやすいかどうかは個人差もあり、わりとすぐに、そういう状態になってしまう人もいます。

 前回の記事→「マインドフルネスの呼吸法」で紹介した程度の瞑想であれば問題は起こりませんが、瞑想に慣れてきて、30分以上など長時間、瞑想を行ったりすると、トリップしてしまう危険性が出てきます。

 そもそも、トリップ状態とはどんなことなのでしょうか?

 それは、瞑想中に「変性意識」という状態になることです。

 ふだん、人間の脳は、常に五感から刺激を受けながら働いています。ところが、深い瞑想などで、外界の刺激から遮断されると、脳が独立したかたちになり、ふだんは隠れている「潜在意識」が出てきます。

 このような状態が「変性意識」の状態です。これは、トランス状態やランニングハイ、または催眠術にかかっている状態、などと同様の状態です。とくに瞑想をしている時にこの「変性意識」状態になることが、とても危険なことであると言われています。

 瞑想中に変性意識状態になると、神や悪魔の声が聞こえたりなどの幻覚症状が起こることがあります。このような神秘的な体験は、ドーパミンやβ エンドルフィンなど脳内麻薬の分泌を伴うので、ある種の快感であるといいます。 

 一方で、潜在意識のなかのトラウマなどが出てくることで突然泣き出したり、突発行動をとったりする危険があります。場合によっては、精神に異常をきたす可能性すらあります。

 瞑想中のこのような状態を、仏教でも「魔境」「野狐禅」などと呼び、注意しなければならいものとして伝えられてきました。

 あくまで心をコントロールすることが目的であるマインドフルネスでも、心のコントロールがきかなくなる「変性意識の状態」は避けるべきものとされています。

 もっとも瞑想のなかには、わざと「変性意識」にアクセスすることを目指す、神秘的な瞑想方法もあります。宇宙と一体化するイメージをもちながらトランス状態に導くヨガの瞑想などがそれです。

 しかし、こうした、変性意識状態は、素人が独りでコントロールすることができるものではありませんので、独学で瞑想している時に変性意識状態になることは、かなり危険なのです。そのまま、変性意識の状態から、もとに戻れなくなるリスク
が誰にでもあるということを、知っておくべきです。

 ですから、マインドフルネスを本格的に行う場合は、きちんとした指導を受けながら、ステップに応じて瞑想を深めていくことが、とても大事になります。

▲瞑想には変性意識状態になるリスクがあることを理解して、マインドフルネスの適切な指導者や団体を選ぶようにしよう

マインドフルネスの講座・教室の選び方

いんちきなマインドフルネス教室もある?

 マインドフルネスを本格的に行うには、変性意識の状態になりバッドトリップしてしまうリスクを避けるために、きちんとした指導を仰ぐ必要があることを、前項で説明しました。

 しかし、指導者を選ぶ段階でもリスクがあるのが、マインドフルネスを本格的に実践する難しい部分です。

 マインドフルネスのブームにのかって、ひと儲けしようと考えている人は少なくないはずです。たとえば「ちょこっとアメリカで勉強してきました」的な経歴があれば、「マインドフルネス教室」は素人に近い人でも誰でも開催してしまうことができます。

 また、マインドフルネスなのに、「オーラ」とか「宇宙」とかスピリチュアルなことをかかげているところは、変性意識状態を目指している瞑想教室ですので、注意が必要ですね。

 さらにいえば、マインドフルネス教室が新興宗教やお金儲けめあての自己啓発セミナーの入り口になっている場合も考えられます。

 マインドフルネスの指導者選びには、こうしたリスクが伴いますので、教室のバックボーンをしっかりと調べて、とにかく慎重に選んでいきましょう。

マインドフルネスは健康保険が使える?

 マインドフルネスは現状では、保険が適用される医療の範囲として行われるものと、保険外の民間で行われるものとに大きく二つに、わかれます。

 さらに、民間で行われるマインドフルネスは、細分化されます。指導者自身がどういうところでマインドフルネスを学んだか? あるいはどういう団体に所属しているか?などによって、いろいろあります。いえば、多数の流派があるような感じですね。

 民間療法のマインドフルネスには、グーグルのノウハウを実践するところ、日本独自のマインドフルネス療法を実践するもの、ヨガ系列、気功をベースにしたもの、スポーツインストラクター系、などいろいろな団体があります。

 以下に、代表的なマインドフルネスを指導する団体を紹介します。原則、これらの団体にかかわっている指導であれば、まず問題ないと考えてよいでしょう(ただし、すべては自己責任なります)。

 もちろん、ここにあげる団体以外にも、きちんとした指導者や教室はありますが、あくまで指標として、少なくとも次にあげる団体や組織のことは把握しておきましょう。

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代表的なマインドフルネスの組織や団体

保険医療のなかのマインドフルネスと日本マインドフルネス学会

 もともと、マインドフルネスは、精神医学分野の認知行動のなかで確立されてきたものです。

 そのため、「うつ病に劇的な効果がある」というふうに誤解されている面もあるようです。

 しかし実際には、アメリカで開発されたマインドフルネス・ストレス低減法(MBSM)、マインドフルネス認知療法(MBCT)などは、うつ病への直接的な治療効果ではなく、うつ病の再発防止として用いられるものです。

 日本でも、近年ようやく、心療内科の保険適用でマインドフルネスが用いられるようになってきましたが、うつ病をマインドフルネスではじめから治療するというよりは、あくまで薬との併用で補助的にマインドフルネスを利用するかたちになっています。

 ですので、たとえば心療内科に行って「保険でマインドフルネスの指導を受けたい」と申し出たらできるか?といったら、必ずしもそういうわけでもありません。

 あくまで、お医者さんの判断で、まずはヒヤリングや投薬による治療があって、それプラス必要があればマインドフルネス療法を使うといった感じです。

 精神医療でのマインドフルネスは「日本マインドフルネス学会」などを中心に、研究・実践・普及が行われています。

 「日本マインドフルネス学会」は、医療・心理学・宗教のそれぞれの分野の識者が集まってマインドフルネスについての研究や普及を進めている団体です。

 たとえば、東京近郊で、マインドフルネスの保険医療をおこなっている病院グループ・
医療法人和楽会
も、日本マインドフルネス学会に参加しています。

 医療ではありませんが、一般の人がマインドフルネスを指導してもらえる教室で「東京マインドフルネスセンター」というのがあります。ここは、医療法人和楽会が運営していますので、日本マインドフルネス学会のバックボーンがある安心できる団体、ということになりますね。

 教室を見つける場合は、こんな感じで、バックボーンを探って確認をしていきましょう。

精神疾患を克服できるマインドフルネスSIMTとは?

 日本独自のマインドフルネス療法である自己洞察瞑想療法(SIMT)というものもあります。これは、精神療法家・大田健次郎氏が、自らが精神疾患を乗り越えた経験を生かして禅とマインドフルネスを組み合わせて作り出した独自のノウハウです。

 SIMTは、うつ病、非定型うつ、PTSD,トラウマ、パニック障害、対人恐怖、過食症などを、薬に頼らずに治療することを目標とした民間の心理療法です。

 心療内科などの保険医療で実施されるマインドフルネスが、投薬による治療をあくまで補助するものであるのに対して、SIMTでは、薬に頼らずに精神疾患を克服することを目的にしています。

 日本マインドフルネス精神療法協会・マインドフルネス総合研究所が、このSIMTの中心団体です。日本マインドフルネス精神療法協会が認定する「マインドフルネス瞑想療法士」が、各地で民間の治療院や教室を開催しています。「一般社団法人マインドフルメイト」などが有名です。

 保険医療では治せなかった多くの人たちが、精神疾患を克服しているとのことですので、注目されている組織ですね。精神疾患の再発率も低いとのことですので、とても興味深いところです。ただし、あくまで民間療法ですので健康保険は効きません。

グーグル社のSIYプログラムを公認で受講できる組織は?

 グーグル社が実践しているマインドフルネスのプログラムを日本で実践指導しているのが一般社団法人マインドフルリーダーシップインスティテュート(MiLI)です。

 グーグル社内のマインドフルネス・プログラムはSIY(サーチ・インサイド・ユアセルフ)と呼ばれ、現代のビジネスリーダーにとってきわめて有効なスキルとされています。

 グーグル社のSIYのノウハウの指導実践に必要な米国のSIYLIの認定を受けているマインドフルリーダーシップインスティテュート(MiLI)は、グーグル社のマインドフルネス・プログラムを教える公認の組織、ということになります。

 MiLIでは、個人や組織向けに、セミナーや研修を主催しています。

 ビジネスマンで本格的にマインドフルネスに取り組みたい方は、このMiLI、あるいはMiLI出身の指導者に習うのが、とりあえず良さそうですね。

 ただし、超エリート集団グーグル社内で開発されたプログラムですので、どちらかというと常に頭をフル回転させて働いている「頭脳のヘビーユーザー」向けのマインドフルネスという傾向があります。

 受講価格もそれなりになっていますので、自分に向いているかどうか?よく吟味してたうえで参加するようにしましょう。

マインドフルネスの指導者や教室を選ぶには

 マインドフルネスの主催者や団体は、ほかにもいろいろあります。

 もともとヨガ教室だったりスポーツインストラクターだったりしているところが、新たにマインドフルネスを取り入れている、というパターンが主流だと思います。

 それらの教室が、上記の団体と関わりがなくても、もちろん問題ありませんが、少なくとも、講師や主催者が「どこでマインドフルネスを学んでいるか?」というバックボーンを確認しながら、指導者や教室をチョイスすることが大切です。

 マインドフルネスの教室やセミナーなどの受講は、決して安くありませんので、問い合わせなどをして実際に指導者や教室の雰囲気や対応を確認するなど、納得のいくまで調べてから参加するようにしましょう。

 また、マインドフルネスのベースになった上座仏教(テーラワーダ)の瞑想も、最近は関心を集めています。ただ、テーラワーダ瞑想は本格的すぎる感じなので、まずはマインドフルネスから入門していくのがよいのではないかと思います。テーラワーダの瞑想については、⇒「上座仏教とテーラワーダ瞑想の基礎知識」の記事を参照してください。

 

 

 以上、マインドフルネスの注意点や、教室の選び方について説明してきました。

 基本的に民間でのマインドフルネス受講は、すべて自己責任になります。

 まずは習いに行く前に、ある程度、書物などで勉強すること、書物で学べる範囲で実際に実践体験してみましょう。マインドフルネスの基礎知識を身につけてから、教室を選ぶことが、とても大事ですね。

 

 なおマインドフルネスを、とりあえず簡単に体験してみるには。⇒「マインドフルネスのやり方や呼吸法」についての記事を参照してください。

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 - 健康, 瞑想・心の健康

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