熱中症で熱は出る?/熱中症と体温の関係

      2017/08/25

熱中症と熱

 熱中症は、いつの頃からか、日常生活にふつうに潜むリスクになっていますね。ひと昔前は「日射病」などと言って、ふつうに帽子さえかぶっておけば、そんなに気にすることもなかったと思います。ところが、気がつくと、温暖化の影響で、5月から真夏日が続くようになり、室内で熱中症にかかる人も増えてきていています。また、野外の現場などもで、「労災」として熱中症が予防するべき重要な課題になってきています。

 このブログでは熱中症についての情報をいろいろな角度から提供しているので、熱中症予防に役立ててもらえれば幸いです。

 この記事では、熱中症と発熱や体温の関係について見て行きます。

熱中症は熱がこもってしまうオーバーヒートの状態

 熱中症は、簡単に言えば体がオーバーヒートしてしまう状態です。

 ですので、原則的に、熱中症は発熱をともないます。

 人間の体には、体温が一定に保たれる仕組みがそなわっています。しかし体温が上がるのを自然に下げる仕組みが、麻痺してしまい、体の中に熱がこもってしまう場合があります。それが熱中症です。

体温を下げる仕組みには、次のようなものがあります。

  • 1 体内の熱を皮膚から放出する
  • 2 かいた汗が蒸発するときに熱がうばわれること(気化熱)により体温を下げる
  • 3 皮膚の下の血管が広がり、血流を増やし、体内の熱を冷却する

これらの体内の熱を下げる仕組みによって、人の体温は皮膚で36.5度Cほど、内臓や血液で37度Cほどに保たれているのです。

 

気温が体温より高くなると、どうなる?

 

皮膚の冷却機能が止まってしまうケース

 周囲の環境が高温・多湿になると、体の熱を下げる冷却機能が働かなくなってしまい、熱中症になります。

 たとえば、気温が38度以上になり、体温を上わまると、冷却機能のひとつ「1体内の熱を皮膚から放出する」ということが、まったく効かなくなってしまいます。熱放出は、高いところから低いほうへ自然に行われているものなので、体温<気温となると、熱が移動しなくなるのです。

 皮膚からの熱放出が止まってしまうと、こんどは、血管が、がんばって広がって、体内の熱を下げるために血流を多くしようとします(上記3の機能)。しかし、この状態が長く続くと、逆に、血流が流れすぎないためのストッパーがかかってしまい、熱を皮膚から放出する仕組みが機能停止してしまいます。この状態が、「熱失神」と呼ばれる熱中症の一種です。

汗による冷却機能

 気温が体温より高くなると、皮膚からの放熱による冷却が効かなくなります。となると、汗による冷却が頼りです。水分・塩分をしっかりとり汗をかき、汗が常に乾くような状態にすることが大切です。

 ここで注意したいのは「湿度」です。湿度が高い状態になると、いくら汗をかいても蒸発してくれませんので、気化熱で体温を下げる機能が働かなくなります。

 その状態が続くと、熱中症になっていまいます。

 以上「熱を下げる仕組み」について説明しました。この仕組みを、きちんと理解しておくことで、ただしい熱中症の予防や対策につながります。

 

熱中症でも発熱しない場合もあるので注意

 熱中症の初期症状は、発熱だけではなく、めまい・頭痛・倦怠感・吐き気・下痢・痙攣などさまざまな症状があります。発熱がともなう場合とそうでない場合がありますので、熱だけではなく複合的な症状から判断する必要があります。

熱が上がり汗をかいている場合

 野外の作業などをしていると、体温は上がり、熱っぽくなるものです。水分や塩分を補給して、しっかり汗が出ていれば、多少の体温上昇は問題ありません。もちろん適度な休息は必要です。

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 しかし、汗をかいていても、汗による冷却が間に合っていない場合もあります。頭痛やめまいや吐き気など、発熱以外の症状が出てきた場合は、野外での作業を中止して、体温が下がるまでしっかり休息しましょう。

汗をかいていないのに体温があがる場合が要注意

 熱が上がっているのに汗をかいていない場合は、かなり危険な状態ですので要注意です。

●熱疲労の場合…屋外で活動をしている場合などで、汗をかかなくなったとしたら、汗で水分を使いきってしまった脱水症状になっています。汗による冷却機能がとまり体温も上昇し、体中が熱っぽくなり、倦怠感・頭痛・吐き気・頭がぼっとする、などの症状が出ていれば「熱疲労」という状態です。危険な状態ですので、ただちに休息し、体を冷やすようにします。

●熱射病の場合…熱疲労がさらに進行したもっとも深刻な状態です。体温が上昇して、神経や脳など中枢機能そのものが麻痺している状態です。体温が高い状態で「意識がはっきりしない」「言動がおかしい」「反応が鈍い」場合は、迷わず直ちに救急車を呼びます。救急車が来るまで体をできるだけ冷やしましょう。

 ●高齢者の場合…屋外で活動をしていなくても、高齢者の場合は、汗をかかずに体温が上がるケースがあります。加齢により発汗機能が低下しているために起こるものです。

ほてった体の熱をさますコツ

 熱中症で体温が熱すぎるとき、体を冷やすポイントについて観てみましょう。野外活動中に熱中病にかかった人が出た時の応急処置としても有効なので、おさえておきたい知識です。

熱中症の時の体の冷やしかた

  • 1 とりあえず、エアコンの効いた室内に入る…ただし、あくまでとりあえずの措置で、これだけでは不十分です
  • 2 首・わきの下・足の付け根を、アイスノンや氷と水を入れたビニール、冷やしたタオルなどで冷やす。
  • 3 できれば、2を扇風機の風をあてながらおこなう。風をあてながら冷やすのがもっとも効果的
  • ●優先度としては2の対処がいちばん。エアコンはあればする、という感じ。ヤバいかなと思った時は、首・わき・足のつけねの冷却は必ずおこなう。

 以上が体を冷やすポイントです。熱中症までといかなくても、暑い日や熱帯夜に体がほってってしまう時ってありますよね?  そんな時にもこの冷却法は効果的ですので、試してみてください。

熱中症の発熱には解熱剤は効かない

 さて、熱中症で熱が高くなった場合、「解熱剤を飲んだら?」と考えるかもしれませんが、それは効果がありません。熱中症の熱を下げる場合は、アイスノンやシャワーなど、皮膚を冷やし体の温度を下げることに集中するようにしましょう。

 汗をかいたり、皮膚呼吸を盛んにして放熱させたり……そういう冷却システムは、脳が指令を出しておこなっています。脳のなかで、「体温を何度に調整しよう!」という基準があります。ちょうど、エアコンの温度設定のようなものです。

 たとえば、インフルエンザにかかった場合、脳はわざと高熱になるように温度設定します。わざと高熱して、その熱でウィルスを殺していまうのです。

 インフルエンザなどの場合は、脳の温度設定機能が暴走してしまう場合があります。解熱剤はそんな時にもちいられるもので、脳の温度設定機能に作用するものです。

 一方で、熱中症の場合は、脳の温度設定機能は正常なのに、熱を下げる仕組みの方が麻痺している状態です。ですので、解熱剤を飲んでも、まったく意味がありません。

 

 

 以上、熱中症と発熱の関係について、詳しくみてきました。

 なお、熱中症の対処法については、緊急度別の見分け方などを次の記事にまとめているので、そちらも参考にしてください。
参考記事⇒熱中症・危険度別の対応方法

 いずれにせよ、熱中症は予防がいちばん。給水・休息を第一に、無理をせずに予防につとめるようにしましょう!

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