台風が温暖化で強くなる理由/巨大台風に注意が必要なわけ

      2016/08/27

台風

 台風の発生が、最近、とても気になりますね。温暖化の影響で、台風が強力になっているのでは?と感じている人も多いと思います。

 実際のところ、台風は温暖化とどのような関係にあるのでしょうか?

 最近の台風の傾向や、台風と温暖化の関係についてみてみましょう。

暴風域をともなって本州に上陸する台風が増えている!?

 ここ数年を見ても、毎年のように、台風による豪雨や土砂災害などでの人的被害をもたらす大型台風が、日本に上陸していますよね。

 近年の台風で、特に大きな被害をもたらしたものには、以下のようなものがあります。

  •  2015年9月・台風18号…関東、東北で大雨
  •  2014年10月・台風18号…東日本太平洋側で大雨
  • ★2013年10月・台風26号…西日本から北日本で暴風・大雨
  •  2012年9月・台風第16号…近畿地方で大雨
  • ★2011年9月・台風15号 西日本から北日本で暴風・大雨
  • ★2004年9月・台風18号 西日本から北日本で暴風・大雨
  • ★1991年9月・台風19号 全国で暴風

 なかでも、★記のついた台風は、風速25m以上の暴風域を伴って、本州に上陸しています

 記憶に新しいところでは、2013年10月の台風26号、2011年9月の台風15号は、東京でも風速25m以上の暴風域に入るという、強烈なものでした。

 ひとむかしまえの台風は、25m以上の暴風域をともなって直撃するのはほとんど沖縄地方だけで、本州に上陸する頃には、暴風域は消えてなくなるのがふつうでした。これは、緯度が高くなると海水温が下がるため、台風が勢力を急速に弱めるからです。

 しかし近年では、温暖化の影響で本州付近の海水温も高くなっているため、台風が北に上がっても、勢力が衰えない、ということが増えてきているのです。

台風の人的被害と経済的被害は、とても大きなもの

 台風の人的被害といえば、歴史的にみれば、1934年室戸台風(912hp)、1945年枕崎台風(916hp)、1959伊勢湾台風(929hp)が昭和の3大台風と呼ばれ、豪雨や高潮などで3000名クラスの人的被害を及ぼしたものとして、歴史に刻まれています。

 これらの歴史的台風のその後は、本州付近にやってくる台風は、中心気圧が930ha以上で、昭和の3大台風ほど強烈なものは来ていないような感じです。また、人的被害についても、防災意識の高まりや予報技術の発達により、昭和の時代にくらべると少なくなっています。

 人的被害が以前に比べれば格段に少なくなりましたが、それでも毎年2桁代には登りますので、台風が人命にかかわる深刻な災害であることは間違いありません。

 また、経済的被害も大きなものです。

 台風の経済的被害を表す指標のひとつに、損害保険の支払い額があります。これは主に家屋や自動車の台風被害に対して支払われる損害保険の額です。

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 全国を暴風域に巻き込んだ1991年の台風19号では、約5千6百億円、2004年9月の台風18号では、約3千8百億円の損害保険が支払われています。

 この数字を見れば、たったひとつの台風が、どれだけの経済的損失になるのか、よくわかると思います。

意外なことに、温暖化で台風は少なくなる?

 

100年で30%も!? 台風減少の理由

 さて、人的被害・経済的被害をもたらす災害である台風は、温暖化によってどうなるのでしょうか?

 最新の気象予報では、コンピューターのデータの中に、地球上の気象を数値で再現するシュミレーションが用いられています。

 そのシュミレーションによると、意外なことに、温暖化により台風(正確には、世界中の熱帯低気圧の総数)は減少する傾向にあることが判明したのです。

 台風は、大気中の水蒸気が不安定な状態からエネルギーを生み出し発達していきます。ところが、温暖化が今よりさらに進むと、大気中の温度差が無くなり水蒸気が安定した状態になって、結果、台風の数が減少することが予測されているのです。

 そのため、台風をはじめとする熱帯低気圧の発生数は、今後100年で30%減少するというシュミレーション結果になっているのです。

温暖化で台風が巨大化する必然的理由

 しかし、その一方で、数は減るけれども、台風が巨大化・強烈化するということも、シュミレーションの結果から導きだされています。

 この理由は、海水温の上昇にあります。

 台風は大気中の水蒸気をエネルギー源としますが、それを加速させ台風を成長させるのは、海の海水の温度なのです。海水温が高いと台風がよく発達するというのは、台風の特徴のなかでも、もっともはっきりとした事実です。

 ですので、温暖化で海水温が上昇していけば、台風はそれだけ巨大化し、大型化・強烈化していくことは避けられないのです。

   

 気象庁の台風の強さ分類では「強い」「非常に強い」「猛烈な」の段階がありますが、実際、これまでは「猛烈な台風」が日本に接近することはほとんどありませんでした。(台風の強さについての詳細は、⇒「台風の強さと猛烈な台風」の記事を参照してください。

 暴風域を伴った台風が、日本の本州に上陸することが増えているのも、間違いなく、海水温の上昇によるものです。

 これは、温暖化でさらに巨大化する台風の、前触れなのかもしれませんね。

 温暖化で強力になる台風……温暖化時代の台風から人命や財産を守るために、台風についての知識を深めていくことが、たいせつになってきますね。

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