台風の進路はどうやって決まる? 予測の参考になる季節ごとの傾向。

      2017/08/01

台風の進路

 台風が発生すると、いちばん気になるのは、台風の進路ですよね? 何時どこを通過するのか? 台風災害への備えも心配ですし、イベントなどの予定にも影響が出るのではないか?と、やきもきしてしまうものですよね。

 台風の進路は、自然現象ですし、いろいろな要素の影響を受けて、とても複雑な動きをします。予報も必ずしも当たるとは限りません。

 とは言うものの、季節によっておおむねの傾向というのはあるので、基礎知識としてそれを知っておくことは進路を予報するうえでも役立ちます。この記事では、台風の進路が決まる要因や季節ごとの傾向についてみていきましょう。

 

台風の進路を決めるもの

 台風は、基本的には、気圧が低い所が通り道となって、進んでいきます。

 気圧とは、地形の高低と同じようなものだとイメージするとわかりやすいのですが、高いところ(高気圧)と低いところ(気圧の谷)があって、水の流れと同じように「高いところから低い所に流れていく」という動きをします。

 たとえば季節風は、気圧の高いところから低いところに向かって吹きます。それと同じように、台風も、気圧の低いところに向かって進んできます。

 台風の進路を決めるのは、気圧だけではありません。

 大気圏には、高さによって、いろいろな風が吹いています。たとえば、高層に吹いている偏西風や貿易風の影響を受け、台風は流されていきます。台風の大きさによって雲の高さが違うため、高層の風の影響を受けやすいか、あるいは、低層の風の影響を受けやすいかも変わってきます。

 さらに、台風は、回転していることによりそれ自体に推進力があるので、より複雑です。台風の進路は、実にさまざまな要素がからみあって、決まってくるのです。

 下の図は、台風の進路を決める、主な要因の例です。

 まず、台風は熱帯低気圧として、北緯10度〜20度の間の、モンスーントラフ(熱帯収束帯)と呼ばれる場所で発生します。

 モンスーントラフは、北東からの貿易風と南西季節風がぶつかりあうことで出来る低気圧地帯で、大気が常に不安定な状態にあります。そのうえ、海水温が高いため、熱帯低気圧(台風)が発生しやすい条件が整っています。

 モンスーントラフでは、積乱雲のかたまり(クラウドクラスター)が生まれたり消えたりを繰り返しています。クラウドクラスターが集まって、そのうち熱帯低気圧となって、台風へと発達していくのです。

 モンスーントラフで生まれた台風は発達しながら、北東貿易風と南西季節風に押されて、北上しながら西へと向かいます。

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 やがて、モンスーントラフを抜けると、今度は、太平洋高気圧の縁に添って北上します。季節によっては、大陸からの移動性高気圧も張り出してくるので、太平洋高気圧と移動性高気圧の谷間を、進んでいくことになります。

 台風は北上すると、今度は偏西風の影響を受けて東よりに進みます。

 また、梅雨時や秋雨前線がある場合は、台風が前線を刺激しながら、前線に向かっていき、やがて前線と合体して温帯低気圧になる場合もあります。

 さらに、台風は、風が回転する巨大な雲の固まりであることから、それ自体も推進力を持って、動こうとしています。台風は、のの字を書くように迷走し、予報がはずれる場合も少なくないですが、それは、台風が周囲の気圧や風によって動かされているからだけではなく、台風自身が動く力を持っているからなのです。

季節ごとに傾向がある台風の進路

 では、季節ごとの台風の進路についてみてみましょう。

6月、10月の台風進路

 梅雨時や10月以後は、太平洋高気圧が南へひっこむため、台風は、日本の南海上を東から西へ流れていくか、本州に届かない太平洋上で北東に進むコースをとることが多いです。6月や10月以後は台風が日本本州には近づきにくい季節と言えます。

7月、8月の台風進路

 7月〜8月は太平洋高気圧が本州上空まで張り出してくるため、台風は九州を北上し日本海を東へ抜ける進路をとります。

9月の台風進路

 9月になると太平洋高気圧の張り出しが若干弱まるため、台風は紀伊半島・東海から関東南部を通りやすくなります。

  

  以上、進路の傾向を見ると、7月から8月は九州を中心とする西日本、9月は東海を中心とする関東にコースが移っていく傾向があります。これは、実際に、地域ごと/月ごとの台風発生数のデーターとも一致している傾向です。地域ごとの台風時期については、こちらの記事⇒「台風の時期」も参照してください。

 このように、季節ごとに台風の進路の傾向がりますが、あくまでも傾向であって、実際の進路は、個々の台風によって、変わってくるのはもちろんです。

 台風が近づいてきた場合の進路は、最新の台風情報をしっかりと見て確認していきましょう。

 

 以上、台風の進路の傾向について見てみました。長期的なプランの参考にすれば、大事なイベントが台風で中止になるリスクが、少しでも減るかもしれません。参考にしてみてください。

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