上弦の月と下弦の月の見分け方。有明の月や十三夜などの由来は?

      2018/04/19

上弦の月

 夜空を見上げると、半月のお月さま…。そう言えば「上弦の月とか下弦の月」って、どうやって区別するんだっけ…?

 月は最も身近にある天体。だけど、お月さまのことって、知っているようで、案外、あやふやなことも多いですよね。

 この記事では、月の動き方や、日本の伝統的なお月様の呼び方について整理してみました。上弦、下弦、有明、十三夜月、宵待月、立待月…ロマンチックな月の呼び方が、いろいろあるんです。ポイントは、満ち欠けの大きさによって、出てくる時間帯や方角が決まっていること。その法則を知れば、上弦と下弦の区別もつきやすくなります。

 月の呼び方と動きがわかると、風流な月の楽しみ方がわかり、夜空を見上げるのが楽しくなりますよ。

上弦・下弦の見分け方

上弦の月…満ちていく途中の半月。夕方から夜半に見れる。南に現れ西に沈む。

下弦の月…欠けていく途中の半月。深夜から明け方に見れる。東からのぼり南に消える。

月の満ち欠けの基本と、十五夜や三日月の名前の由来は?

 上弦下弦の説明の前に、まず、基本となる月の満ち欠けの周期について、確認しておきましょう。

月は29.5日周期で、新月〜満月〜新月と満ち欠けを繰り返しています。

 月は、太陽の光を反射して光っていますので、「太陽ー地球ー月」と並んだ時が満月で、「太陽ー月ー地球」と並んだ時が、月が見えない新月となります。

 月は地球の回りを反時計回りに約27.3日で一周しています。これが月の「公転周期」です。

 月が地球を一周する公転周期は約27.3日なのですが、一方、月の満ち欠けの周期は29.5日。このズレが生まれるのは、月が地球を一周するあいだに、地球は太陽の回りをまわって進んでいくからです。

 さて、月の満ち欠けの呼び方で、最も有名なのは「三日月」ですね。

 三日月は今では、あのかたちを指す言葉になっていますが、もともとは旧暦3日の月のこと。新月から三日目の月を指します。つまり同じ三日月形でも、旧暦4日や5日の月は、三日月ではありません。

 十五夜も満月というイメージですが、正確には、十五夜=満月ではなく、旧暦十五日の月のことです。十五夜だからと言って、100%満月というわけではありません

 月の満ち欠けの周期は29.5日ですので、満月は半分の約14.8日。なので旧暦15日の夜に満月があたることが多いのですが、実は、満月13.9日~15.6日と大きく変化します。これは、月が楕円軌道を描いて地球の回りをまわっているからなんですね。

 ですので、満月が旧暦の14日になったり16日なったりすることも少なくありません。

「上弦の月」「下弦の月」の見分け方

 次は、半月、つまり「上弦の月」「下弦の月」について。

 上弦の月は、月が新月から満月へ満ちていく途中の、旧暦7日〜8日の月になります。

 下弦の月は、旧暦22日〜23日頃の欠けていく途中の半月です。

 半月を弓のかたちになぞらえて、丸い弧のほうが弓、まっすぐな方が弦に見えますので、「弦月(げんげつ)」「弓張月(ゆみはりつき)」とも呼ばれます。

 まっすぐな方(=弦)が上を向いていたら「上弦」、下を向いていたら「下弦」とも言えなくもないのですが、時間帯によって、月の向きは変わりますので、それだけでは判断できません。ちょうどウサギの模様が、時間帯によって動いていくのと一緒のことですね。

(参考記事:満月のウサギの模様について

 ですので、上弦の月・下弦の月は、形の向きではなく、時間帯で区別できることを覚えておきましょう。上弦の月と下弦の月は、見える方角と時間帯によって、次のように区別ができます。

  • 上弦の月…日没後に南の真上に現れ、深夜に西に沈む。
  • 下弦の月…深夜に東から昇る。明け方に南の真上に白く見えやがて見えなくなる。

 つまり、日が暮れて、夜に帰宅する時間帯に天高く頭上に見える半月は、上弦の月、だということになります。一方、下弦の月が現れれるのは深夜から明け方なので、朝型の人か、日にちをまたいで飲んだ人とか以外は、あまり下弦の月を目にすることが無いかもしれませんね。

 夕方から夜半にかけ出る半月は上弦の月、夜半から明け方にかけて出るのは下弦の月、と覚えておきましょう。

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「有明の月」や「宵待月」の意味は?

 さて、月の呼び名は、その他にも、いろいろあります。代表的なものを以下にまとめてみました。

  • 旧暦1日…新月、朔(さく)、朔日
  • 旧暦3日…三日月、若月、眉月
  • 旧暦7〜8日…上弦の月
  • 旧暦13日…十三夜(じゅうさんや)、旧暦9月13日を「豆名月」として、旧8月15日の十五夜とともに名月として鑑賞する。
  • 旧暦14日…待宵月(まつよいつき)、小望月(こもちづき)
  • 旧暦15日…十五夜、望(ぼう)、旧8月15日は中秋の名月(芋名月)とされる
  • 旧暦16日…十六夜(いざよい)
  • 旧暦17日…立待月(たちまいづき)
  • 旧暦18日…居待月(いまちづき)
  • 旧暦19日…寝待月(ねまちづき)、臥待月(ふしまちづき)
  • 旧暦20日…更待月(ふけまちづき)
  • 旧暦22〜23日日…下弦の月、二十三夜(にじゅうさんや)
  • 旧暦26日…暁月(ぎょうげつ)、有明月(ありあけつき)

 いろいろな名前があり、昔の人は、月をよく観察していたのがわかりますね。

 とくに面白いのは17日〜20日までの、名前の変化です。

 月の出は毎日50分ずつ遅くなっていきます。満月はちょうど夕暮れ後に東の空に表れます。それが、満月からだんだん欠けるにつれ、月の出も遅くなっていきます。月が出るまでの待ち時間を、「立待」「寝待」と表現しているのですね。

 月の出はだんだん遅くなり、26日ごろの細い月になると、明け方に昇り、明るくなりすぐ、消えてしまいます。このころの月のことを「有明の月」と呼びます。

 有明の月は、もともとは、明け方にまで月が残っていて見えることを指します。16日以後の月は、明け方まで残っているので、広い意味では全部有明の月になります。

 逆に、三日月は夕方に西の空に表れて、宵の口に沈んでしまいます。

  

 以上、月の満ち欠けごとの名前について見て来ました。

 それぞれの月が出る時間帯や方角についても、ポイントを述べてきました。ちょっとヤヤコシイのですが、何度か読み返してみてください。そこを頭に入れておけば、月の動きがよくわかり、月を見ただけで、旧暦何日の月かわかるようになりますよ。

 月の楽しみ方が倍増しますので、よく観察してみてくださいね。

 ちなみに、月の満ち欠けで、地球の生物がどんな影響を受けるか?については、こちらの記事⇒「月の満ち欠けの影響は?」を参照してください。

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