熱中症の予防にWBGT値(熱中症指数)を活用しよう。

      2017/07/10

屋外の温度計

 「今日は特に熱中症に注意しよう!」

 職場や学校などで、このように注意喚起していけば、熱中症の予防につながりますね。

 では、どうやって、「今日は特に注意」と、判断したらよいでしょう? そんな時に、便利なのが、WBGT値(熱中症指数/暑さ指数)です。

 WBGT値は、熱中症のリスクを数値で判断できるので、熱中症の予防に活用していきましょう。

熱中症の予防に役立つWBGT値とは

 熱中症は、「気温が高ければなる」というものではありません。気温以外にも湿度や体感温度によって、リスクが変わってきます。

 「今日は熱中症のリスクが高いぞ!」ということを、気温や体感温度をもとに表しているのがWBGT値(暑さ指数)です。

 WBGT値の仕組みを理解して、熱中症対策をより万全にしていきましょう。

WBGTの歴史

 WBGT値は、今では環境省のサイトで毎日発表されて、地球温暖化を象徴するような指標となっています。が、歴史は案外古く、1950年代に作られたものです。

 しかも、発祥は米軍の海兵隊新兵訓練所で使われた数値です。

 海兵隊新兵の訓練と言えば、映画のネタなどでもすぐ出てくる厳しさで有名ですが、現代の地球は、日常生活が、海兵隊の訓練くらい厳しい環境になりつつある、ともとれるわけです。

 WBGT値は、その後、米国で、スポーツ協会の基準として採用されるようになり、1980年に熱中症の国際基準になりました。

 日本でも1990年代から取り入れられて、2013年には、環境省の熱中症予防情報サイトで全国約850箇所のWBGT値を発表するにまで至っています。

WBGTが、ただの気温と違うのは?

 WBGT値は、気温だけではなく、体感温度を数値化することで、熱中症になりやすい条件がどれくらい高いかを示す指標です。

 そもそも、熱中症になりやすい条件とは、どんなものでしょうか?

 まずは、気温ですね。

 また、日射しや直射日光が考えられます。

 WBGT値はこれを「輻射熱」として捉えます。

 そして、重要なのは湿度です。湿度は、室内でも熱中症になってしまう理由のひとつであり、熱中症を予防するうえで欠かせないポイントです。

 WBGT値の計算方法では、気温・湿度・輻射熱の3つの条件の割合を1:7:2として、計算しています。

 湿度のウェイトがかなり高くなっていますよね。

 実際のところ、同じ気温でも、湿度により熱中症にかかるリスクが違うことが違います。

 たとえば、あるデーターでは、同じ32.5度の最高気温でも、湿度が41%の日は熱中症搬送数が50件、一方、湿度が56%の日は94人だった、ということです。

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WBGT値計測計のしくみ

 WBGT値を実際に計測するには、湿度計以外に、3種類の温度計が使われます。

  • 1 乾球温度計…乾球温度計は、気温を測る温度計で、通常の温度計です。
  • 2 湿球温度計…湿球温度計は、水で湿らせたガーゼを温度計に巻いて測定するものです。これにより、汗が蒸発するときの気化熱で温度が下がる部分を計測できたり、風や気流による体感温度を数値化できます。
  • 3 黒球温度計…黒塗り塗装された銅板の球の中に温度計を入れて測定する。体感温度に近いものが測定できる仕組みです。

 これらの特殊な温度計や湿度計でWBGT値を算出していきます。

WBGT値をみて、厳重警戒するべき数値はどれくらい?

 

 WBGT値は気温と同じ度Cの単位で表しますが、気温とは異なる単位です。

 これまでのデータから、WBGT値が28度以上では、急激に、熱中症搬送の患者数が増えることがわかっています。

 これらのことからWBGT値が28度〜31度を「厳重警戒」として、運動や作業などをする場合は、給水など万全の体勢をとることが推奨されています。

 またWBGT値が31度を超えると、原則、運動はしないほうがよい、とされています。

 職場での熱中症対策、なかでも現場作業などでは、このWBGT値を常にモニタリングして、作業者の安全確保につとめるように、厚生労働省からも指示が出ています。(参考記事⇒職場の熱中症対策

WBGT値の高齢者の熱中症対策への応用

 また、WBGT値をもとにした高齢者向けの熱中症アラームも、活用されています。

 高齢者は、汗腺が衰えて熱を下げる力が低下しているうえに、暑さや喉の渇きに対しても反応が低下しています。

 若い人のように、体で感じで「熱中症がヤバいかも…」と、なかなか予測できないことが多く、結果、高齢者の熱中症が多発しています。

 そこで、活躍するのが、WBGT値計測計をベースにした高齢者向けの熱中症アラームです。

 WBGT値を測定して、リスクが高まると、アラームで知らせてくれます。このおかげで、遮光や給水、室内温度の上昇などの予防対策を、先手先手でおこなうことができます。WBGT値を活用することで、高齢者の熱中症予防を実現しているわけです。

 

 以上、WBGT値と熱中症の関係についてみてきました。

 ポイントは、熱中症は、気温だけではなく、湿度や、照り返しや、無風状態など、いろいろな条件が重なってリスクがより高まるというところです。

 そのあたりをおさえたうえで、WBGT値を参考にしながら、熱中症対策を行っていきましょう。

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