熱中症で頭痛やめまいがする/病院に行くべき?

      2018/07/20

熱中症と頭痛やめまい

 梅雨明け間近に急に暑くなった日や、暑い中で作業をしている時に、めまいや頭が痛くなったことはありませんか?

 そんな時は、ほぼほぼ「熱中症」だと考えてよいでしょう。

 熱中症で頭痛がするのは、案外、危険な状態です。高温時に頭痛がしたら、無理をせずに、体を冷却し、大事にいたらないようにしましょう。

 「熱中症で頭痛かも?」と思ったら、油断は禁物です。

頭痛の原因は血液不足

 偏頭痛など頭痛もちの人は別として、ふだん頭痛になんてならないよ〜って人が、暑さがらみで頭痛になったら、ほぼほぼ「熱中症」と考えてよいでしょう。

 熱中症は、高温多湿により体温調整機能がストップする症状の総称です。

 暑さで頭痛になるのは、熱中症のなかでも、

  • 1 熱失神
  • 2 熱疲労

 が原因と考えられます。

 熱中症で頭痛がおきているときは、脳に血液が足らなくなっています。

 血液が足らなくなる場合に、

  • 1 血液が一時的に脳以外のところに集まる比較的軽度の状態⇒熱失神
  • 2 血液そのものが不足してしまう重度な状態⇒熱疲労

 というふたつの段階があります。以下、熱失神と熱疲労を詳しくみてみましょう。

スポンサーリンク

立ちくらみやめまいがする熱失神/血管をクールダウンしよう

1の熱失神は、皮膚の血管が広がり、そこで血液が多く使われるために、脳に一時的に血液がいきわたらなくなる症状です。

 皮膚の血管が広がるのは、血液を、冷却させるためです。

 上昇しつつある血液温度を下げるために、血液を皮膚表面にまわして、できるだけ冷却しようという動きになっているわけです。

 その動きが過剰におこなわれて、バランスが崩れ、一時的に脳の血流が足らなくなってしまうことがあります。

 脳の血液が足らなくなると、めまい、立ちくらみが起こり、場合によっては、軽度の頭痛になります。

 以上が、熱失神の仕組みです。この熱失神は、熱中症のランクとしては、まだ軽度のI度に分類されるものです。軽度とはいえ、野外での運動や現場作業時には、熱失神は、ひんぱんに起こることですので、充分な注意と、はやめの対処が必要です

 対処としては、とにかく血液を冷却することです。ベストな方法は冷水シャワーをあびたり水風呂に浸かることです。が、それはなかなかすぐにできる環境にないと思うので、応急処置として、首・ふともも付け根・脇の下などにアイスノンや氷袋を入れて冷やしてください。エアコンよりも、首・ふともも付け根・脇の下を、アイスノンや氷で冷やしながら扇風機をあてることで、より冷却効果が高まります。

頭痛が長引く熱疲労/脱水症状なので危険!

 頭痛が一時的でなく長引く場合は、熱疲労になっている可能性が高いです。

 熱疲労は、脱水症状のために体内の水分が不足して、血液そのものが不足してしまう状態です。

「熱疲労」と「熱失神」という言葉を比べると、「熱疲労」のほうが軽いようなイメージを受けてしまいますが、実は、熱中症の度合いとしては「熱疲労」のほうが重たいII度に分類されるのです。

 つまり、頭痛が長引く場合は、立ちくらみやめまいよりも、重たい症状だ、と考えるべきです。

 脱水症状は、いちどバランスを崩してしまうと、なかなか戻りにくいケースが多いです。水分だけとっても、同時に塩分が不足していると、体の中の水分と体液の濃度バランスを取り戻すことが難しくなってしまうのです。

 そのため、脱水症状の改善には、水だけではなく、ナトリウムなどが入った体液に近いものを補給する必要があります。(塩分(ナトリウム)不足については、詳しくは、⇒熱中症の塩分補給についての記事も参照してください。)

 脱水症状の改善には、以下の方法をとりましょう

熱中症で頭痛=脱水症状の場合の対処

  • 1.水風呂や冷水シャワーなどで全身を冷やす
  • 2.OS-1(オーエスワン)など市販の経口補水液を飲む(無い場合はスポーツドリンクで代用)
  • 3.病院で点滴を受ける

 熱中症で頭痛が長引く場合、頭痛薬なども効果がないわけではないです。ただ、頭痛薬で痛みを抑えることは、根本的な解決になっていないばかりか、脱水症状対策を見逃してしまいます。暑い時の頭痛は脱水症状のサインと考え、きちんと、脱水症状の改善・対策をするようにしてください。

 翌日まで頭痛が続くようなら、遠慮したり無理したりせずに、病院で点滴を打ってきたほうが、良いでしょう。

熱中症とまったく同じ症状が出る脳梗塞

 頭痛やめまい、吐き気は、熱中症のなかの、熱疲労や熱射病の代表的な症状です。

 もちろん熱中症でも生命に危険がおよぶ場合もありますが、注意したいのは、さらに危険な脳梗塞(脳卒中)と症状がほぼ同じであるということです。

 脳梗塞(脳卒中)は冬に起こりやすいとされていますが、夏の高温時の脳梗塞の発生も少なくありません。

 高温時の脳梗塞は、やはり脱水症状からくるもので、脱水症状により脳の血流が悪くなり、血栓や出血がおこりやすくなるのです。 

 暑さからくる頭痛が、あなどれないのは、このためです。

 

 

 以上、熱中症と頭痛の関係についてみてきました。

 とにかく頭痛の原因である脱水症状は、とても危険です。喉が渇く前に水を飲む「定期給水」を習慣化して、脱水症状を予防しましょう。

 熱中症対策を決して甘くみずに、元気に楽しく、夏をのりきりましょうね!

 

スポンサーリンク

 - 健康, 熱中症 , , , ,