手書きお礼状を素早く仕上げるコツ。贈答返礼や就職活動で活かそう!
2017/09/30
贈りものをもらったり、手助けしてもらったり、引き受けてくれたりした時は、手書きのお礼状を書いて、感謝の意を伝えたいものですね。
お礼状は、日常生活だけでなく、ビジネスでも、就職活動でも、書くべき場面がちょいちょいあるものなのですが、一枚のお礼状を書くのに、何枚も失敗して、何時間も何日もかかってしまうことも少なくありません。
でも、ちょとしたコツを知ることで、手早く手書きで書くことができるようになります。
この記事では、お礼状を手書きでサクッと仕上げるコツについてまとめています。また、「字が下手でそれどころではない…」という方は、あわせてこちらの記事⇒「字が汚い原因を改善する4ステップ」も参照してください。
【お礼状を手早く書く方法1】 ちょっとした贈り物など、日常生活のお礼状の場合
日常生活でお礼状をサッと書いて出す習慣を身につけることは、メリットが何かとあります(お礼状を出す意味とその効果ついては「お礼状を書く意味とは」の記事を参照してください)。
お中元やお歳暮など贈り物をもらった時、お世話になった相手への感謝を伝える時など、お礼状を出す定番のパターンを組んでおけば、悩まず、短時間で仕上げることができます。
お礼状を簡単に出すために、まず、以下のポイントをおさえておきましょう。
・スピード優先。すぐ出すのが基本。→ハガキを活用。
・お礼状は、お礼の気持ちをシンプルに伝えるだけでオッケーです。逆に、別件をあわせて書くと失礼にあたる。
・相手への気遣いを一言忘れずに。
・慣用句を上手く活かして、悩まず書く。
では、ポイントについて、少し詳しくみてみましょう。
手軽にお礼状を出すための葉書の活用ポイント
お礼状は、なにしろ、スピードとタイミングが命です。内容の仕上がりよりもスピードが優先と考えましょう。
「後日、暇ができたら書こう」と後回しにしてしまうと、よけい書くのが、おっくうになり、結局、出さなくなってしまいます。
贈り物をいただいたり、手助けてもらったりした場合、あるいは、お世話になった人へ、その瞬間の「ありがとう」という気持ちを、勢いがあるうちに、手紙に落とし込んで、ポストに投函!という習慣を身につけましょう。
贈り物への返礼など個人的なお礼状であれば、葉書でまったく問題ありません。
あらかじめ、罫線やイラストなどが入ったハガキを使えば、書く文章はほんの少しですみますし、字に自信がない人でも、それなりに仕上がります。(字に自信がない人は⇒「汚い字、読みにくい字を直すコツ」の記事もぜひ参照ください。)
イラスト入りの葉書を使う場合は、季節の絵柄のものでも良いですし、ほんのり色の入っただけのシンプルな絵柄でも、じゅうぶん間をもたすことができます。
罫線だけが入った葉書も、とても重宝します。無地の官製はがきにくらべるとはるかに楽に書くことができるので、常備しておきたいものです。
★罫線入りのハガキを使えば、字に自信がない人でも手軽にお礼状が書ける |
ちょっとしたお礼状の文章の構成
個人的なちょっとしたお礼状であれば、形式にあまりとらわれずに、比較的自由に書くことができます。
ただその際も、出だしと終わりは「慣用句」(定番の文章)を使うことで、より簡単に文章を構成できます。
手紙の文章で悩むのは、書き出しと終わりの部分です。そこをパターン化してしまいます。あいだにはさまる本文だけを、自分なりの言葉で、その時の状況にあわせて書けばよいわけです。
贈り物をいただいた場合のシンプルなお礼状の例を見てみましょう。
(※1)本日、◯◯をいただきました。ありがとうございます。
(※2)家族が揃う週末に、いただきたいたいと思います。
(※3)昨年もいただいて、やはり産地のものはとても美味しくて感動したのですが、本年もまたお贈りいただいて、たいへん嬉しく思います。
(※4)まだまだ暑い日が続きます。くれぐれも、ご自愛くださいませ。
(※5)取り急ぎお礼申し上げます。
※1 ビジネスでなければ、日頃使い慣れていない「拝啓」などの「頭語」は必ずしも必要ありません。また、すぐお礼状を出す場合は、季節の挨拶を入れなくても大丈夫です。
※2 いただきもののお礼状の場合は、食べたり使ったりした感想や、その時の様子を一言書きます。すぐに食べれない場合は、例文のように書いて、先にお礼状を出してしまいましょう。「食べてから、使ってからお礼状を書こう」と後回しにしないことです。
※3 お中元お歳暮なら、毎年定期的に贈られてくることも多いので、昨年の感想でもよいです。はじめてのものなら、「評判のどこどこの◯◯を一度食べてみたかった。」などの期待を述べる内容なども使えます。
※4 いただいたお品への感想などをのべたあとは、この「相手を気遣う文章」をもってくるのを定番としましょう。「ご自愛」は目上の人にも使えるとても便利なことばです。
※5 「相手を気遣う文章」のあとは、やはり定番の締めの言葉をもってきます。「取り急ぎお礼まで」という言い方は、本来お礼は直接訪問して行うものだが、とりあえず手紙で、という意味です。「まずは右お礼まで」などの言い方も。「お心遣いありがとうございます」「心よりお礼もうしあげあます」などで締めても良い。
贈り物をいただいた場合のお礼状は、上記のようなパターンで書くと決めておけば、いただいた当日に、すぐ書くことができると思います。
あくまで、感謝の意を伝えることが趣旨ですので、完璧な文章である必要はありません、気軽に書くようにしましょう。
【お礼状を手早く書く方法2】 封書でお礼状を書く場合のコツ
儀礼的なあらたまったお礼状の文章のポイント
ビジネス関係や就職関係のお礼状、または、借金や保証人など金銭関係のお礼状などは、葉書ではなくて、封書で出します。
封書というと、一気にハードルが高くなりますが、人生の節目では必要になってくるのが、封書でのお礼状です。
封書のお礼状の場合、手書きで文字を書くことそのものに時間がかります。封書の手紙の場合、文章作成よりも清書のほうに重きを置くという考え方がいいですね。
そのために、文章はできるだけ慣用句を活かして、短時間で書くようにしましょう。文章そのものはオリジナリティにこだわる必要はありませんので、例文集などを活かして簡単にまとめていけばいいわけです。
とくに金銭関係のお礼状では、下手に余計なことを書かずに、例文集などほぼ書き写しのほうが無難です。
また、ビジネスや就職関係では、儀礼的なパターンにのりつつも、自分の意見や個性をアピールするバランス感覚が大事です。ビジネスや就職関係のお礼状については「お礼状の書き方」の記事を参照してください。
封書のお礼状を手早く仕上げるには
では、封書のお礼状を手書きで仕上げるポイントを見ていきましょう。
・封筒と便箋の選び方に注意→便箋は15行の罫線入り、封筒は長形4号の白
・筆記用具の種類や太さも適正なものを使う。
・ワープロで下書きして、見ながら写す。
封筒と便箋の選び方
正式なお礼状を書く場合は、封筒と便箋を使います。
便箋の大きさはB5サイズ(またはセミB5)のものを使います。
便箋は無地のものを使うのが最も正式とされているのですが、無地の便箋に綺麗に書くのはハードルが高すぎるため、罫線入りの便箋を使います。
罫線は薄いグレーで細めのものを選びます。
大事なのは、罫線の行数です。
罫線の行数により、書く内容が違ってきます。たとえば、「慣例的な挨拶文」+「感想などオリジナルの内容を一言」のような構成であれば、15行のものが収まりやすいです。
オリジナルの感想部分が長くなりそうであれば、21行のものを使います。
B5サイズ(またはセミB5)の便箋を使う場合は、便箋を横に3つ折りしたものが「長形4号の封筒」にちょうど入ります。
手紙を出す場合の封筒は白が基本です。茶色の封筒は事務的な連絡にのみ使われるものです。ですので、正式なお礼状を出す場合は、「長形4号の白封筒」を準備しておきましょう。
白封筒には、二重封筒もあります。正式なものであれば二重封筒にしておいたほうがベターですが、手に入らなければ一重でも問題ではありません。
筆記用具の使い方
手書きのお礼状を、素早く仕上げるのに、筆記用具が案外重要です。
字が上手い人であればそのへんにとりあえずあるサインペンやボールペンでも、なんでも構いません。文字通り「弘法筆を選ばず」ですね。
逆に言えば、字が下手な人ほど、筆記用具にこだわるべきなのです。
正式な手紙では、万年筆が良いとされていますが、使い慣れていない人は、ボールペンで十分です。
ただし、ボールペンは安物のものではなく、書きやすさとなめらかさを追求した、高機能のボールペンを使いましょう。
字が下手な人でも、多少は上手くなったように感じられるので、手早くお礼状を仕上げるのに、かなり効力を発します。
インクの質によっても、書く感じがだいぶ変わってきます。字が下手な人、手書きの文字を書きなれていない人、手書きに苦手意識がある人こそ、ボールペン選びにはこだわりたいものです。
高機能のボールペンは、代表的なものとして以下があります。文具店などで、インクの伸び具合などを感じながら、試し書きをして選んでみましょう。
水性ボールペン…トンボ・ズーム505
ゲルインクボールペン…ゼブラ・サラサグランド
油性インクボールペン…三菱ジェットストリーム
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また、封筒の宛名を綺麗に仕上げるには、宛名用のボールペンも用意した方がよいでしょう。
通常のボールペンは0.5〜0.7ミリですが、これで封筒の宛名を書くと、線が細すぎて、字が下手であればとても貧弱な印象の手紙になってしまいます。
宛名には、1〜1.6ミリの極太ボールペンを使うことで、字が下手でも、丁寧でしっかりとした印象の封書に仕上げることができます。
サインペンなどでは、乱雑な感じが出てしまうので、字に自信がない人ほど、宛名には極太ボールペンを準備して使うことをおすすめします。
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字の間違いのことを考えると、消せるボールペン、フリクションボールペンを使いたいところですが、高温で消えてしまうインクです。
相手が受け取った封書を、夏に窓際に置いて直射日光にあたったり、冬に暖房の風があたるところに置いておいただけで、字が飛んでしまう可能性があります。
手紙でフリクションボールペンの使用は、避けておきましょう。
ワープロを使ったお礼状の下書きの作り方
封書で便箋に書く、お礼状の下書きは、まずワープロで作成します。
その後、便箋と同じレイアウトにしたものを印刷して、手本として用意します。それを、便箋に手書きで書き写していきます。
まっさらな便箋で、文章を考えながらいきなりペンで書いていくことなどは、手紙を書きなれた人だけができる神業です。
普通の人は、まず下書きをしっかり仕上げてから、便箋に清書する流れになります。
その際、下書きを便箋の清書と同じレイアウトになるように、使う便箋の余白寸法を測り、Wordなどの印刷設定で、マージンの幅を設定して手本を印刷しましょう。
手本が準備できたら、手本を左、便箋を右に置いて、清書をしていきます。
手書きを間違いないコツは、一字一字を、手本と照らし合わせて書いていくことですが、何よりもだいじなのは集中力。
一文を書き始めたら一気に一文は終わらせるようにしましょう。
書き損じる時は、集中力がとぎれて、ほかのことを考えてしまっている時です。
学校で習った書道の毛筆と同じ感覚ですので、心を静かにしながら清書をしていきます。
手紙一枚一気に書く集中力は続かないので、一文を一気に書いたら、少し休み、気持ちを集中させて、また、次の一文、というように書いていきます。
慌てて書くと集中力が欠けて、書き損じして、また振り出しに戻ってしまいます。
手本さえ間違えずに作っておけば、あとは、集中力と慌てないという2点に気をつければ、一発で仕上がります。30〜40分もあれば完成するはずですので、じっくり慎重にすすめていきましょう。
以上、お礼状を手書きで書くコツについてポイントをまとめてみました。
ちょっとした贈り物などへは、罫線入りのハガキなどを使って、こまめに気楽にお礼状を出す習慣をみにつけましょう。
正式なお礼状は、専用のペンを用意して、ワープロで作った手本を印刷して、書道と同じような集中力で仕上げます。
こうした技を身につけてしまえば、お礼状書きは怖くありません! 臆せず手書きのお礼状にトライして、「筆まめ」を目指しましょう!