中秋の名月(十五夜)の方角はどちらに見える? 2018年は何日?

      2018/09/24

中秋の名月

 中秋の名月、つまり十五夜のお月さまは、どちらの方向に見えるんだっけ?  そもそも毎年9月15日と決まっていないのはなぜ?という疑問にお答えしていきます。

 まず、中秋の名月の見える方角ですが、時間にもよりますが、原則、満月は東から上がり、夜0時前後に南向きの高い位置に来ます。お月見をするのは日暮れから夜0時頃まででしょうから、中秋の名月は東~南東~南の方角に見える、となります。

 また、2018年の中秋の名月は9月24日ですが、実は、満月は9月25日なんです。ですので、2018年は、満月より、ほんの少し欠けた「中秋の名月」となります。

 以下に、月の動きと中秋の名月について、もう少し詳しく説明していきましょう。

中秋の名月が、毎年違った日になるのはなぜ?

 十五夜とか名月って毎年決まっているんじゃなかったけ?と疑問に思った方も多いでしょう。

 実は、中秋の名月は毎年、日付が替わります。

 なぜそうなるのでしょう? 

 中秋の名月は、旧暦8月15日の夜の月のことを指します。正確に言えば、旧暦8月15日〜16日にかけての夜です。

 そもそも「中秋」とは、秋の真ん中の月という意味です。旧暦の秋は、7月、8月、9月ですので、中秋は旧暦8月ですね。

 新暦と旧暦(=太陰暦)は、けっこうズレていますので、中秋の名月は新暦9月7日~10月8日の間になります。

 旧暦は、月の動きを基本とした暦で、月が新月から満月を経て新月になるまでを1カ月としています。月の満ち欠けの周期は約29.5日ですので、旧暦の1カ月は29日。しかしこれでは、1年が12カ月で354日しかありません。1年は365日ですので11日足りなくなってしまいます。

 そこで、太陰暦では、3〜4年に1回、閏月(2回ある月)を入れて、調整をします。この方法を太陰太陽暦と言います。つまり、旧暦では、12カ月ある年と13カ月ある年があるのです。このため、新暦と旧暦はズレが生じてくるんですね。

 ただ、中秋の名月がある旧暦の8月は、太陰暦の決まりでも「秋分の日を含む月」とされていますので、だいたい旧暦8月は新暦の9月と、かさなります。そうなるように、閏月で調整されるのです。

 他の月ですと、旧暦と新暦が1カ月以上ずれることが多いですが、旧暦の8月と新暦の9月は、ズレが少ないほうなのですね。

 ちなみに、近年の中秋の名月の日付は、以下のようになっています。

中秋の名月(十五夜)の日付
2011年 09月12日
2012年 09月30日
2013年 09月19日
2014年 09月08日
2015年 09月27日
2016年 09月15日
2017年 10月04日
2018年 09月24日
2019年 09月13日
2020年 10月01日
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中秋の名月が上がる方角と時刻は?

 さて、中秋の名月、十五夜のお月様を楽しむのは、どちらの方角を見て、月が昇るのを待つのがよいのでしょうか?

 日頃、月なんか観るヒマもないよ〜、って人は、案外、満月がどこから上がるか知らないものです。というか、知ってる人の方が少ないかもしれませんね。

 そうでなくても、月の動きは複雑で、毎日、案外おおきな幅で位置がズレていきますので、4〜5日間を置いて月を観たときに、「あれ、こないだ、この時間、月あっちに出てたのに、今日はこっち?」という感じで、不規則に動いているかのように見えます。

 日が暮れたら、突然、上空に月が表れていたり、昼間に月が見える時も少なくないですしね。

 このように、一見「神出鬼没」のような月ですが、実は、旧暦の1カ月単位で、規則的に出ています。季節によって、あがる高さが違ってきますが、方向と時間帯には一定の法則があります

 では、中秋の名月は、どんな動きをするでしょうか?

 東京での満月の例で言えば、

夜18時頃に、ほぼ真東の方角からあがり、夜の0時に南の上空を通り、朝、五時過ぎに西へ沈みます。

 時刻は地方により変わりますが、方角はほぼ全国共通です。満月は日暮れとともに真東から上がってくる。そして、夜の12時頃には南の高い位置に来る。明け方西に消える…という原則になります。

 地平線に近い位置から赤く染まりながら上がり、黄色から白へと変化をしながら、あがっていく様子を、ちょうど18時から21時頃までの、宵の口の良い時間帯に観ることができます。

 だからこそ、「月待ちは秋に限る」と言われるのでしょう。

 ちなみに、旧暦7日頃の半月(上弦の月)は、日が暮れると南の高い上空に突然あらわれます。また、旧暦二十七日の三日月(有明月)は、明け方頃に東に現れたかと思うと、やがて日の出にかき消されてしまいます。

 月の動きや出方については、こちらの記事⇒「上弦、下弦など月齢ごとの月の出方」⇒「月のウサギ模様の見え方と月の動き」についての記事も参照してください。

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2018年の中秋の名月は満月にあらず?!

 さて、ここまで、中秋の名月が満月だという前提で話を進めてきました。ところが、ややこしいことに、十五夜(旧暦15日)と満月が、ズレる場合があるのです。

 これは、月も地球も楕円軌道を描いているからなんですね。

 実は、2018年の中秋の名月は、少しだけズレる場合にあたっています。

 2018年の旧暦8月15日の満月は9月25日になります。正確に言えば25日のお昼の11時52分が満月になります。なので、2017年の中秋の名月は満月より半日以上、早くなっているのです。

 ですので中秋の名月を見て「ちょっと欠けてね?」と思った人は、あたっています。2018年は、日没後〜夜10時頃に満月を見ようとするならば、24日よりも25日のほうが、ほんの少し満月に近いわけですね。

 また、月の出る時刻もやや満月より早くなるので、日暮れ後に月が上がってくるのではなく、日暮れには既に東に月が出ているはずです。2018年の中秋の名月では、夕方から東に白い月が見えはじめ、日が暮れた頃には、東南東の方角に既に月が上がっているでしょう。(地域により若干、変わります。)

 そういうわけなので、2018年は、9月24日と25日の2日間、お月見を楽しむことができます!

 ほんらい、お月見は型にとらわれず、自由に楽しむもの。十五夜の由来やお月見団子については、⇒「月見団子の数やお供えに決まりはある?」についての記事も参照してください。

  

 以上、中秋の名月の日付や、見える方角についての情報でした。

 月の動きと暦の仕組みを知って、十五夜の夜を逃さずに楽しみましょう。

 案外、月のことって、知っていそうで知らないさこと多い、ですよね。

「月の土地が買えるってホント?」

「月へ行った人の人数は?」

 上記の記事も、参照してみてください。

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