春財布とは? ただの迷信? 春財布の効果を徹底検証!
2017/01/01
「春財布」という言葉が、すっかり定着して、財布を買うなら春の時期が良い!と、もはや「常識」であるかのようになっていますね。
「お金持ちになるなら春財布!」と、ここまで煽(あお)られると、「やぱっし財布を替えないとダメかな〜」とか不安になっちゃいます。
でも、そもそも「春財布」は、どういう由来なのでしょうか? 風水から導き出されたものと言われていますが、実際のところ、どうなんでしょう?
この記事では、春財布の意味や由来を検証しながら、ほんとうに金運を呼び寄せるために、やるべきことを考えていこうと思います。
春財布って何?
結論を先に言えば、「春財布」は、とくに根拠のない「迷信」です。
張る財布(お金がパンパンで張るという意味)から「春財布」が縁起が良いとする、ただたんなる、語呂あわせです。
語呂合わせにしても、ちょっと無理があるような気もするのですが、なんとなく「風水が由来」みたいなイメージをうまく打ち出しているから、案外不思議なことに、最近ウケています。春財布が急速に広まっているようですね。
なんだか「風水とかの関係」みたいなイメージがあると、伝統的に言われていることだから守った方が良いのでは・・・? と思ってしまいますよね。
春財布でよく言われるポイントとして、次のようなものがあります。
・春財布の購入時期 …冬至から立夏、または、大寒から春の彼岸まで
・使い始める日や購入日 …上記期間のあいだの吉日に、購入するか、使いはじめること
・使い始める前準備1 …空の状態で満月の晩にお財布を月光浴させてあげる。
・使い始める前準備2 …あらかじめ新札を入れておく。入れておかないと、それ以上の額が財布に入ってこなくなる。
けっこういろいろな作法があります。
こうして見ると、今の自分にお金が無いのは、きちんとした春財布の作法を守ってないからなんじゃないか・・・と心配になってきてしまいますよね?
でも、気にしないで大丈夫です。「春財布どうのこうの」というのは、伝統でもありませんし、風水ともなんら関係がありません。その辺について、みていきましょう。
春財布で良いとされる吉日は?
春財布はあくまで迷信です。
もちろん、迷信とわかったうえで、縁起をかついでみたり、「ネタ」として楽しむぶんにはぜんぜんありだと思います(わたしも占いは大好きです!)。
なので、いちおう春財布の購入や使用開始に良いとされる吉日について見ておきましょう。
・大安 …何ごとにも良い吉日
・一粒万倍日(いちりゅうまんばいび) …ものごとをはじめる吉日
・寅の日(とらのひ) …使ったお金がかえってきやすい金運日
・天赦日(てんしゃにち) …すべてが許される特別な日。年に4日ほど
・甲子の日(きのえ) …すべてがリセットされる日。冬は天赦日と同じ
・巳の日(みのひ) …蛇にあやかった金運日
・己巳(つちのとみ)の日 …巳の日のうちでもスペシャルな日
・満月・新月 …満月に財布をリセットするのも流行
・旧暦1月5日 …中国のお金の神さま財神の誕生日。今はあまり言われていないが、次はこのネタが来るはず
「春財布」の縁起かつぎでは、購入日や使用開始日を、これらの吉日にあてていきます。
とくに、複数の吉日が重なっている日はとくに良さそう・・・と思っちゃいますよね。
ヒマな人は、「開運カレンダー」などで、いろいろこだわってみるのもありかもしれません。でも、あくまで迷信ですので、効果は無いと考えてよいでしょう。
なお、吉日の歴史や成り立ちについては、⇒「吉日の由来や根拠」についての記事を参照してください。
春財布の吉日は風水と関係ない!?
そもそも、これらの吉日が、「風水」を根拠にしている、というふうに勘違いされていることも多いのですが、実は、吉日を占うのは風水ではありません。
ほんらい風水は、その土地の気象条件などから導き出された法則性で、それを、建築や村作りや農業に活かしていく「環境学」です。目に見えない「気」を捉えていくノウハウで、周囲の環境を整えることで、気の流れをコントロールすることを目的とした古くから伝わる学問なのです。
風水がベースとしている概念に「陰陽五行」があります。自然界の事象を「陰陽」のふたつに、あるいは「木・火・土・金・水」の5つに分類して、そこに法則性を見いだそうとするのが、風水の本来の姿です。
ところが、風水の基本である「陰陽五行」が一人歩きして、いろいろな占いのベースとして用いられるようになりました。
とくに盛んな占いが「暦注」や「撰日法」と呼ばれるものです。
「暦注」や「撰日法」は、暦と五行や干支などのサイクルを結びつけることで、「吉日」や「凶日」を占うものです。この「暦注」や「撰日法」が、中世以後の中国や日本で盛んに行われて、天赦日とか一粒万倍日などの数多くの「迷信」を作り出してきたわけです。
「暦注」のなかには「二十四節気」など科学的な根拠があるものもありますが、「撰日法」で決められる、天赦日とか一粒万倍日とか大安など、は完全に「迷信」です。
こうした「吉日」は、暦に、五行や十二支のサイクルを当てはめることで、それらしい計算式を作り出しているだけなんですよね。科学的根拠がある立春や春分などの「二十四節気」と結びつけることで、なんとなく信憑性と説得力をもたせていますが、「吉日」に根拠はいっさいありません。
でも、やっぱり、なんとなく「当たるんでね?」ってみんな思っちゃいますよね。
吉日・凶日というのは、とにかくわかりやすいので、昔も今も、多くの人の心に直球で刺さるものなのです。
たとえば、中世〜江戸時代にかけて、民衆のあいだで「吉日や凶日」などの迷信がとても盛んになって、あまりにもガチに信じる人が多すぎで、明治政府が近代化を進めるなかで、「吉日や凶日」を暦に記すことを禁止したほどです。江戸時代までは「吉日や凶日」などの迷信があまりにもはびこって、明治になり、合理的で理知的な社会を作っていくうえでの障害になり、これはさすがにマズいとなったわけですね。
一方で、最近は、なにかにつけ、近代化で失ったものを取り戻そう!見直そう!という風潮です。そういう古いものを見直すブームのなかで、江戸時代まで盛んだった「暦注」や「撰日法」がふたたび盛り上がり、その流れのうえに「春財布ブーム」があるわけです。
春財布のビジネスモデルに学ぼう!
「春財布」は、明治時代には禁止された迷信「撰日法」を根拠にして、財布を買ったり使いはじめるのはいつが良い、とアピールしているものです。
もちろんこれは、財布屋さんや占いを稼業にするひとたちが、お金儲けのために作ったストーリです。
なので、そこをわかったうえで、あくまで「ネタ」として楽しみながら、春財布を購入しましょう。一種のお遊びですから、くれぐれもガチにならないことです。
そして、ほんとうに、金運を呼び寄せたいのなら、何も考えずに「春財布」を買うのではなく、この「春財布の商売」が、どういう仕組みになっているのか? 売る側の立場になって考えてみることです。
お客さんのままだと、永遠に金運は回ってきません。常に、「売る側の立場」というものに立って考えてみることで、お金の流れをコントロールする力を呼び寄せることになるのです。
春財布のストーリは、財布屋さんや自称風水師の方が、自分たちに「金運」が巡ってくるように、作っている仕組み、いえば整えている環境ですねよね。
目に見えないお金の流れという「気」を引き寄せるための環境を整えること・・・これこそがまさに風水の教えそのものです。
春財布で言われている「吉日」とかは風水ではありませんが、春財布というストーリを作ってお金儲けをしようとすることは、風水の思想だと言えるわけです。
金運を呼び寄せるために、ほんとうにやるべきことは?
こうしてみると、金運を呼び寄せるための環境作りこそが、大切なことだということがわかります。
「環境作り」ということに焦点をあてて、そこに風水の考えをあてはめてみるべきなのです。つまりビジネスやマーケティングと風水の相性はとても良いわけですよね。
「春財布」キャンペーンにのせられて、まだ使える財布を買い替えてみたりしているような人には、絶対に金運なんか巡ってこないわけです。ただの、お客さんですからね。
金運を呼びよせるには、ただのお客さんに甘んじているだけでなく、自分の方に、お金の気が流れてくるような作戦を立てねばなりません。
天赦日にお財布買いました、財布は何色にしました・・・それはそれで良いのですが、それで満足していてはダメです。
吉日に財布を買ったからといって、金運が良くなるわけはありません。
重要なのは、「吉日に財布を買ったこと」をきっかけにして、自分自身で金運を呼び寄せる環境を作っていくことです。
ということで、せっかく春財布を新調するなら、ぜひ、その機会に「ほんとうの金運アップ術」をはじめてみませんか?
ただ縁起を担ぐだけでは、金運は巡ってきません。財布屋さんの商売のよいお客さんになっているうちは、残念ながら、お金は出ていくばっかりです。お金を貯めるためには、現実をしっかり見て、ささやかでも良いので、節約や収入アップにつながるアクションを起しましょう。
たとえば、こんな・・・・
・家計簿をつけはじめる(アプリ使えば簡単)
・無駄使いの禁止(禁煙/節酒)
・個人年金の開始
・キャリアアップのための勉強を開始
・副業の勉強を開始(とりあえずメリカルで不要品売るとこからでも)
こうした行動は、わかっちゃいるけど、なかなかできないアクションですよね。
でも、縁起だけに頼っていては、ぜったいに金運は良くなりません。
縁起をかつぐのはオッケーですが、あくまできっかけとして。
その先に、積極的な行動がない限り、お金の流れは変わってこない、ということを、しっかりと肝に銘じておきましょう。
以上、最近はやりの春財布の真実について、迫ってみました。
あくまで迷信として、そのことじたいには効果が無いことをわかったうえで、買い物を楽しんでみるのもありです。
ただし、ほんとうに金運を良くしようと思うなら、節約や勉強など、日々の習慣を変えていかないとダメです。
春財布を購入する機会に、ぜひ、そのことを真剣に考えてほしいと思います。