十五夜のお月見団子の数やお供えに決まりはある? 十五夜の由来は?
2016/09/04
旧暦の八月十五日の夜は、十五夜。十五夜と言えばお月見団子ですね。
十五夜のお月見団子には、飾ったりお供えするときの作法みたいなものはあるのでしょうか?
十五夜のお月見の由来をひもときながら、お月見団子のお供えの仕方について考えてみようと思います。ちなみに2016年の中秋の名月は9月15日です。中秋の名月の観る方向や時間については⇒「十五夜の見える方角は?」 の記事も参照してください。
十五夜のお月見は貴族の特権?
十五夜にお月見をする風習は、中国の「中秋節」に習い、貴族などが、満月の夜に宴を催したのがはじまりのようです。
平安貴族の観月といえば、紫式部が源氏物語の構想を得たのもの、八月十五夜だったと伝えられています。
紫式部が、執筆のため石山寺に籠っていたところ、湖面に映る十五夜を観ている時に、『今宵は十五夜なりけりと思し出でて、殿上の御遊恋ひしく・・・』というフレーズを思いついたと言います。このフレーズから、光源氏が須磨に流されるというユニークな物語の設定が生まれたのです。
また17世紀にお月見用の別邸として立てられた「桂離宮」も有名です。通常は南向きに立てられてる建物が、部屋から月がよく見えるように、すべて、東向きに立てられているという、観月にこだわった別荘で、月を愛でるという風流な貴族文化のこだわりを今に伝えています。
十五夜とサトイモの関係
貴族たちの間で定番だった十五夜の観月が、やがて庶民へも広がっていきます。
もともと、満月は豊穣の象徴とされていて、豊作を願ったりする対象でした。
十五夜は、庶民のあいだでは、観月というよりは、豊作祈願の側面が強い行事として、現代まで伝えられるようになったのです。
旧暦八月十五夜は「芋名月(いもめいげつ)」としても知られています。芋とは、日本では伝統的にサトイモのことを指しますが、十五夜は、サトイモの収穫祭としてはじまったものと考えられます。
地方によっては十五夜は稲の収穫にはまだ早いため、稲穂の替わりにススキを飾る、とも言われています。もっとも、ススキには古来より魔除けの意味があり、稲の替わりではないとする説もあるようですね。
お月見団子に作法はある?
お月見のお団子は、もともと、サトイモをお供えしていたものが、お団子へと変化していったものと考えられます。
その証拠に、関西では、サトイモのように片方が尖ったかたちのお団子を作ります。
農家などでは、編んだ手箕(てみ=かごのようなもの)の上に、サトイモやお団子を並べてお供えする地方もあります。
何時の頃から、三方の上に、お月見団子を積み重ねてお供えするやり方も広まってきています。しかし、このお供えの仕方は、特に伝統や深い意味があるわけではなく、こだわる必要は全くなさそうですね。お団子の数も12個、13個、15個など諸説ありますが、正直、幾つでも、まったく問題ないですね。お団子の三方ももともと神事の道具で、お月見とは関係ありません。ですので、お月見団子を盛るのは、お皿でも何でも構いません。
十五夜は、それぞれの地方で、それぞれのスタイルで豊作に感謝するものでした。
地方のやり方が残っていれば、それに従い、そうでなければ、自由な発想で、お供えをして、お月様に感謝すれば良いでしょう。
また、昔の日本の農村では、十五夜の夜だけは、お供えを盗んで食べたり、畑のものを盗っても良い、という無礼講的な風習がありました。さすがにこうした風習は、今ではほとんど廃れてしまっていますが、お月見団子をお供えするだけではなく、美味しくいただくことも大事です。
お月様をながめながら、お月見のお団子はきちんといただくようにしましょう。
ちなみに、月のウサギが見つけられない場合はこちら⇒「月のウサギの由来と見つけ方」の記事も参照してください。
以上、十五夜のお月見とお団子について観て来ました。
こりかたまった儀式ではなく、庶民が純粋に豊作をお月様に感謝する行事です。
型にこだわることなく、自由にお月見を楽しみましょう!
ところで、最近は十五夜以上に話題になることが多いかもしれない「スーパームーン」こついてては⇒「2016年スーパームーンの大きさは?」の記事も参照してください。