やっさいほっさい祭り日程と詳細。火渡りの服装やコツなど注意点。

      2017/11/05

やっさいほっさい

 やっさいほっさい祭りは、「泉州の奇祭」と呼ばれていますが、気軽に行ける「火渡りの祭り」として、地元・堺の人だけではなく大阪では人気のある祭りです。

 毎年年末の12月14日に、堺市石津の石津太神社(いわつたじんじゃ)で行なわれます。

 小さなお祭りですが、迫力ある火渡りを間近で見て、自分自身も火渡りを体験できます。今年の穢(けが)れを焼き払い、来年の無病息災を願って、ぜひ火渡りに挑戦してみましょう。

 この記事では、やっさいほっさい祭りの詳細と火渡りの注意点などについて解説していきたいと思います。

やっさいほっさいまつりの概要

 やっさいほっさい祭りは、泉州・堺市の石津(いしづ)にある石津太神社(いわつたじんじゃ)で毎年年末の12月14日に行なわれます

 石津太神社(いわつたじんじゃ)は、「戎(えびす)さん」をまつった神社です。戎さまが船で流されてこの地にたどりついたとき、村人たちが助け、火を焚いて、戎さまを助けたことに由来するお祭りです。

 エビス信仰と、山伏の修験道が結びついた、珍しいお祭りとして、市の無形文化財にも指定されています。

やっさいほっさい祭り
【日時】2017年12月14日(木)20時頃:火入れ 21時頃:火渡り 21時半頃終了
【場所】石津太神社の境内
【アクセス】南海・石津川駅徒歩5分 阪堺電車(ちん電)・石津駅徒歩5分

やっさいほっさい祭りの流れ

 祭の準備は、午後からはじまります。境内に「とんと」と呼ばれる御神木を高く積んでいきます。御神木は10本を一束にして、それを108束積むとされています(実際には108束以上が積まれます)。束には氏子のひとたちが願いごとを書いた紙が束ねられています。

 とんと作りと並行して、祭で戎様や山伏に扮する関係者は御旅所で神事を受け、夕方を迎えます。

 境内には午後7時頃より人が集まりはじめます。7時30頃より地元の人たちによる、よさこいや音楽演奏などの余興が演じられます。

 午後8時、いよいよ、『火付け神事』です。太鼓の合図で、境内の明かりがすべて消されます。本殿から松明をもった神職があらわれ、「とんと」に火を点けます。

 炎は勢いよく燃え、火の粉は5mほどの高さまで燃え上がり、境内一面は熱気に包まれます。

 燃えながら「とんと」は崩れていきますが、東に倒れれば豊作、西に倒れれば豊漁と言われています。

 「とんと」が崩れはじめると『竹入れ』が行なわれます。長さ6mほどの青竹で、まだ燃え盛るとんとを崩しながら、平らにならしてゆきます。

 やがて、オレンジに火照る炭が一面に広がる「火床」が完成します。

 火が落ち着くように、神職が『火伏せ神事』を執り行ないます。つづく、メインイベントの『火渡り』がはじまるのは、午後8時半頃になります。

 まず、先達(せんだち)が一人で、火床を駆け抜け、道を作ります。

 そして、戎(えびす)さまが3人の山伏に抱えられ、「やっさいほっさい」の掛け声で火渡りを行います。

 一見、火が収まったかのように見える火床ですが、山伏が駆け抜けるたびに火の粉が高く舞い上がります。まるで、炎のなかを歩いているかのようで、迫力満点です。

 山伏に担がれた戎(えびす)さま一行は、10回ほど火床の上を通り、最後は神社の周りを駆け回り、本堂に戻り、神事が終了となります。

 この後は、観覧者が、自由に火渡りを行えます。

 地元の人は慣れたもので、若者から老人まで、幼児を抱えたお父さんなど、次々と早歩きで駆け抜けていきます。

 火渡りはには、1年の穢(けが)れをはらい、新年を清らかに迎えるための、禊(みそぎ)です。初めての人も、ぜひ、火渡りに挑戦してみましょう

 なお、炭は持ち帰りOKで厄除けになります。

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祭り観覧の注意点と火渡りのコツ

 さて、やっさいほっさい祭りは、炎の祭り。火渡りの時はもちろん、見ているだけで熱風や火の粉が飛んできますので、注意が必要です。やっさいほっさい祭り観覧時の注意点は以下です。

やっさいほっさい祭りの注意点

・観覧場所の風向きに注意

・服装に注意

・火渡りの時の歩き方に注意

 以下それぞれの注意点について、詳しくみてみましょう。

風向き

 巨大な焚き火ですので、風下に入ると、熱風と煙が凄いことになります。

 堺地方は12月は、西風または東北東の風が吹きます。

 当日の風向きを気象庁HPなどで確認しておきましょう。当日の方角はスマホアプリなどで調べて、風上側に陣取るようにしましょう。

服装

 服は、素材によっては、とても燃えやすいので注意が必要です。

 まず、ポリエステルなど化繊100%のものは論外ですね。

 綿やレーヨンなどでも、表面が毛羽立っているものは、表面の空気の通りが良いため、とても良く燃えます。「表面フラッシュ」といって、火がつくと一瞬で全身に火が広がります。火の近くではフリースはNGと言われるのはこのためです。

 それからダウンのように表面が薄い化繊のものは、火の粉で必ず穴があきますので、これもNGです。

 逆に火がつきにくいのは綿生地かウール地です。ただし毛羽立ってない表面のもの。綿かウールのジャケットコートなどがあればベストですね。

 また、足元にも注意が必要です。火渡りによっては裸足で行うものありますが、やっさいほっさいの火渡りは靴のままです。なので、歩きやすいスニーカーなどを履いていくようにしましょう。もちろんヒールのあるものは危険です。

燃えやすい服装と燃えにくい服装
燃えやすいもの

・ポリエステル、ナイロン、アクリルなど化繊100%

・フリース、セーターなど毛羽たったもの(化繊はもちろん、レーヨンやモヘアなどの素材でも毛羽立っているものはNG)

・ダウンジャケト(表面に穴があく)

燃えにくい

・綿、ウールなど

・ジャンパー地、デニム地のジャケット、ブルゾン、コートなど

・革ジャン

火渡りの時の歩き方

 火渡りはもともと山伏が修行をする「修験道」で盛んな修行のひとつです。修験道では素足で火渡りをすること多いですが、やっさいもっさいの場合は足袋や靴を履いたままです。

 そもそも素足で火渡りをしても火傷をしないのか?疑問ですよね。

 実は、案外大丈夫なんです。

 というのも、炭火が燃えている場合、火そのものは炭の中のほうにあり、足は直接は火に触れません。炭は熱伝導のスピードが遅いため、瞬間触れるだけなら、足まで熱が伝わってこないのです。

 ですので、さささと、歩けば、見かけほどは熱くなく大丈夫です。

 ただし、走るのはNGです。走ると、炭に重心がかかり奥のくすぶっている炎に足を突っ込んでしまうことになります。

 足の裏にできるだけ均一に力がかかるようにして、落ち着いて早歩きで渡るのがコツです。

火渡りのコツ

・足の裏に均一に重心がかかるように

・落ち着いて早歩きであるく

・走ったりつま先立ちなど、重心が一箇所にかかるような動きはNG

 

 

 以上、やっさいほっさい祭りの内容や注意点でした。

 火渡りは案外やってみると平気にできてしまうものです。年の替わり目にリフレッシュをする意味でも、やっさいほっさい祭りで、火渡りに挑戦してみるのはいかがでしょう。

 なお、火渡りが怖いー!って人は、もちろん、無理はしなくてもいいです。炎にあたるだけでも厄除けの効果は十分あるそうです。

 (※やっさいほっさい祭りの観覧や火渡りには、軽い火傷の可能性がゼロではありませんが、すべては観覧者の自己責任となりますので、あらかじめご了承ください)

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