クリスマスマーケット2018。日本国内で開催の本場度が高い市5選

   

クリスマスマーケット

 クリスマスマーケットが日本でもだいぶ定着してきました。

 クリスマスマーケットは「クリスマス市」という意味ですが、ただのクリスマスセールではありません。ヨーロッパの伝統的な、どちからといえばお祭りに近いものですね。本場のドイツやオーストリアでは「ヴァイナハツ・マルクト」(Weihnachtsmarkt)と呼ばれています。

 クリスマスピラミッドやクリスマスツリーなどのモニュメントを囲み、グリューワインやレープクーヘンを味わいながら、クリッペやシュビボーゲンなどクリスマス雑貨を楽しむ独特の伝統です。日本でのクリスマスマーケットでも、本場のドイツからいろいろなものを取り寄せて、年々、本格的になってきています。

 この記事では、本場ドイツのクリスマスマーケットの雰囲気や見所を説明しながら、日本の主なクリスマスマーケットの開催情報をお届けしていきたいと思います。

クリスマスマーケットの由来。クリスマスピラッミドとは?

 クリスマスマーケットの本場ドイツでは、クリスマスを待つアドベントの間、大小あわせて2千5百ものマーケットが開催されます。首都ベルリンだけでも100もの市が開かれています。(「アドベント」については、こちらの記事⇒「アドベントカレンダー」を参照してください)

 ドイツは北緯50度前後に位置するため、冬は夜が長いです。12月初旬の昼の長さは、日本では10時間あるのに対して、ドイツでは8時間30分しかありあません。

 長い夜を有意義に過ごすために、街の広場をクリスマスのモニュメントとイルミネーションで飾って、明るく温まろう!ということで、ドイツでは欠かせないイベントがクリスマスマーケットなのです。街があって広場があれば、大なり小なり必ず「ヴァイナハツ・マルクト」が開催されます。

 14世紀に、長い冬ごもりのための最後の買い物をするための市としてはじまったクリスマスマーケットですが、19世紀頃からアドベントの宗教行事が盛んになるにつれ、1年を締めくくる国民的一大イベントへと発展していきます。

 マーケットでは、グリューワインを片手に、キリストの誕生をテーマにした工芸品「クリッペ」をはじめとるすオーナメントを見て回ったり、クリスマス時期ならではのお菓子「レープクーヘン、それに焼き栗・焼きアーモンドを楽しむのが定番となっています。

 そんな日本ではまだ馴染みが少ない、クリスマスマーケットに欠かせない定番アイテムたちについて、もう少し詳しく見ていきましょう。

グリューワイン

 クリスマスマーケットに欠かせないのがグリューワイン。グロッグ、グレッグとも呼ばれ、赤ワインに、オレンジピール、シナモン、グローブと砂糖やシロップを加え、火にかけて温めたものです。

 沸騰直前まで温めるので、アルコールは残っていますし、カフェなどではエスプレッソマシンを使ってアルコールが飛ばないようにして提供します。

 本場のクリスマスマーケットでは、グリューワインを飲むマグカップが、毎年マーケットごとのオリジナルで提供されています。マグカップは返却すると返金されるデポジット制で、持ち帰りもできます。グリューワインのマグカップ集めを毎年楽しみにしている人も、多いようですね。

レープクーヘン

 ドイツの伝統的なクッキーで牛乳や卵、バターを使わないで焼くため、むちゃくちゃ日持ちがする。さらに日持ちをさせるためには、生地を数ヶ月寝かしてから作るそうです。

 蜂蜜にハーブ&スパイスがたっぷり入っているのが特徴で、アニス、フェンネル、ショウガ、カルダモン、コリアンダー、メース、ナツメグ、丁子、ピメント、シナモンといろいろなハーブとスパイすスが使われます。

 クッキーには、カラフルなチョコでコーティングしてデコってるのもあります。

 固くて日持ちがするレープクーヘンは、お菓子の家の壁や屋根にも使われます。

 最近は、クリスマスだけではなく、オクトーバーフェストでも、レープクーヘンが出回っていて、愛のメッセージが書かれたハート形のレープクーヘンを首からぶら下げるのが流行っています。

フライド・バームクーヘン

 日本のクリスマスマーケットではメインのお菓子になりつつある、揚げバームクーヘン。ドイツではバウムシュトリーツェル(Baumstriezel)と呼ばれています。

 日本では木の年輪に見立てているところが縁起がいいとして人気のバウムクーヘンですが、現代のドイツではそれほどメジャーなお菓子ではなく、クリスマスやプレゼントなど特別な時に贈ったりする高級品のようです。

 クリスマスマーケットでは、揚げパン的なバウムシュトリーツェルや、ドイツのドーナツであるムッツェンなど地方やマーケットによってあったりなかったり。揚げバームクーヘンは、ドイツでは必ずしも定番ではないようですが、バウムクーヘンと同じように、日本独自の発展をしていきそうな感じですね。

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クリスマスピラミッド

 クリスマスのモニュメントといえばもみの木のツリーが定番ですが、ドイツでは、「クリスマスピラミッド Weihnachtspyramide(ヴァイナハツピラミッド)」です。

 クリスマスピラミッドは、キリスト誕生のシーンなどの人形を装飾したキャンドル立てです。最大の特徴は、上部に大きな羽根がついているところ。

 ほんらいは、蠟燭の炎で温められた上昇気流で、羽根が回転して、装飾がくるくる回るのです。

 クリスマスピラミッドは、家庭で飾る小さなものから、クリスマスマーケットのシンボルとする巨大なものまであります。

 ドイツの職人技とクリスマスが結びついた、芸術的とも言えるクリスマスの飾りなのです。クリスマスピラミッドとドイツの木工職人について、より詳しくは、「クリスマスピラミッドの由来や回る仕組み」の記事も参照してください。

Janine Haleさん(@janine_hal)が投稿した写真

シュビボーゲン

 アーチ形のキャンドルたて。アーチの中には、クリスマスピラミッド同様、クリスマスにまつわる装飾がほどこされています。

 こちらも家庭で飾る小さなものだけではなく、教会やクリスマスマーケットのシンボルとして、大きなものが多数みられます。

クリッペ

 本場のクリスマスマーケットでは、メインの買い物になるのが「クリッペ」です。

 イエス様が、馬小屋の飼い葉桶で産まれたシーンを型どった人形で、無数のバリエーションがあります。(イエス様誕生のストーリーについては「クリスマスページェントの意味と催し」の記事も参照ください。)

 超リアルな等身大のものから、キャラっぽいもの、編みぐるみ、工芸品、アート的なものなど、「イエスの誕生シーン」をテーマにして、いろんなアプローチでクリッペが作成されています。

 このクリッペを見比べるのが、クリスマスマーケットの最大の楽しみのひとつ。

 宗教色が強いオーナメントなので、日本ではあまり広がりそうではありませんが、本来のクリスマスマーケットには不可欠のものなんですね。

超リアルなやつから・・・

@dawa1955が投稿した写真

キャラ化されているもの

アートっぽいやつ

Klaraさん(@klara_klarast)が投稿した写真

・・・といろいろな表現の場となっているクリッペ。日本ではあまり売れなさそうですが、おもしろいですよね。展覧会的なものを開催してほしいなと思います。

くるみ割り人形

 チャイコフスキーのバレエで有名な「くるみ割り人形」。

 ヨーロッパではクリスマスの音楽と言えばこの「くるみ割り人形」で、日本の「第九」的な感じで、年末に演奏されるものです。

 さらに、くるみ割り人形がクリスマスのお話であることから、胡桃割り人形そのものが、クリスマス・オーナメントとして定着しています。

 実は、この胡桃割り人形は、ヨーロッパの柔らかい胡桃専用で、日本の固い胡桃は割れません。なので、日本のクリスマスマーケットでは流行らないかもしれませんが、本場ドイツでは、クリスマスのキャラと言えばサンタではなくくるみ割り人形なんですね。

ヒュッテ

 ヒュッテは山小屋のことですが、クリスマスマーケットの屋台は、テントではなく、ヒュッテ形式なのが定番です。

 木で組んだかわいらしいヒュッテは、クリスマスの雰囲気ともぴったり。

 ヒュッテはそれぞれに個性が本場ではヒュッテそのものを見てまわるだけでも、楽しいですね。

 日本のクリスマスマーケットでも、出店といえばテントではなくヒュッテにしているところが多いですね。

回転木馬

 クリスマスマーケットには子どもが遊べるものとして、回転木馬や小形の観覧車が置かれているところが多いです。

 なかでも回転木馬は、さすがギルドの国ドイツならではの、精巧な木工細工が駆使されていたりで、見応えのあるアーティスティックなものも。

日本のクリスマスマーケット

 以上、本場ドイツのクリスマスマーケットならではの特徴をいくつか見て来ました。

 日本のクリスマーケットではまだ歴史も浅く、これから日本独自に発展していくのでしょうが、ドイツの本場のアイテムなどが、どのように定着していくのか? そこをウォッチングするのも通な楽しみ方かもしれませんね。

 では次に、日本で開催される主な、クリスマスマーケットを紹介していきましょう。

 

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東京クリスマスマーケットには本格的なクリスマスピラミッドが登場

東京クリスマスマーケット
2018/12/14(金) ~ 2018/12/25(火) 日比谷公園 噴水広場 入場無料
ドイツ・ザイフェン村から移設した高さ14mの「クリスマスピラミッド」をシンボルに、本格的なクリスマーケットが開催されます。グリューワインやくるみ割りなど本場で定番のアイテムをはじめ、オーナメントやクリスマス向けアクセのヒュッテが並びます。フライドバームクーヘンが人気。

グリューワインのマグカップが嬉しい福岡クリスマスワールド

クリスマスマーケット in 光の街・博多/TENJIN Christmas Market
博多11月13日〜12月25日、天神11月29日〜12月25日、博多駅前広場/市役所前ふれあい広場 入場無料
博多駅前と天神の2カ所で並行しておこなわれるクリスマスマーケット。博多会場では、本場さながらにオリジナルデザインのマグカップでグリューワインを楽しめます。天神会場ではシュビボーゲンのモニュメントが飾られ、本場感を演出。直輸入のドイツ職人手作りのクリスマスオーナメントをヒュッテで販売。ライブステージも充実のマーケットになっています。

ドイツ総領事館が全面バックアップの本格的クリスマスマーケット大阪

ドイツクリスマスマーケット大阪/空中庭園クリスマス
11月16日〜12月25日(月)新梅田シティ・ワンダースクエア、梅田スカイビル・空中庭園展望台
27mのクリスマスツリーが飾られた梅田スカイビル1F広場で、ドイツ総領事館も主催に加わる本格的なクリスマスマーケットが開催されます。本格的なヒュッテの出店では、オリジナルマグのグリューワインはもちろん、くるみわり人形、レープクーヘン、シュトーレンはじめドイツの工芸品やお菓子の数々は、まるで本場のドイツに来たかのよう。素敵なクリスマスプレゼントも見つかります。期間中スカイビル・空中庭園展望台ではスペシャルなクリスマスオーナメントとイルミネーションで夜景を一層美しいものにしています。

木製メリーゴーランドが登場する名古屋クリスマスマーケット

名古屋クリスマスマーケット
12月8日~12月25日、久屋大通公園 久屋広場
10mの本物のもみの木のツリーをシンボルに、ドイツのメリーゴーランド職人の手作による木製の回転木馬が登場。オルガンの音にあわせてまわるメリーゴーランドは世界的にも貴重なもの。期間中は、多彩なライブステージの他にスタンプラリー企画やスノードーム教室も開催。


赤レンガの建物で雰囲気最高の横浜クリスマスマーケット

クリスマスマーケットin横浜赤レンガ倉庫
11月23日〜12月25日、横浜赤レンガ倉庫イベント広場 入場無料
赤レンガ倉庫にはさまれた雰囲気ばつぐんの広場で、高さ10mのほんもののもみの木のツリーを囲ってマーケットが開かれます。本場ドイツ・アーヘンのクリスマスマーケットのシンボルであるプリンテン人形がシンボルです。赤レンガ倉庫のなかでは、期間中クリスマスにちなんだクリスマスキャンドル、クリスマスリース、アロマワックスバー作りのワークショップなども行われます。マーケットを楽しむだけでなく本格的なクリスマスの準備に活用できるイベントとなっています。

 

 

以上、日本で盛んになりつつあるクリスマスマーケットについて紹介しました。

もちろん上記以外にも多数のクリスマスマーケットが開かれています。今後ますます増えて、日本独自のクリスマスマーケットが発展してくといいですね。

個人的には「クリスマスピラミッド」をもっと見たいので、クリスマスピラミッドがあるマーケットが増えたらいいな、と思っています。

 それでは、グリューワインの飲み過ぎには気をつけて、クリスマスマーケットを満喫しましょう!

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