熱中症にソルティライチと水のどちらが良い?熱中症対策飲料の飲み方
2018/07/25
まだまだ続く記録的猛暑。熱中症対策は万全でしょうか? 室内でも熱中症になるケースも増えている昨今。太陽光線に当たらなくても、高温多湿で熱中症になることも多いので注意が必要です。
さて、熱中症の予防・対策は、なにはともあれ水分補給です。熱中症の原因は脱水症状。脱水症状は、適切な水分を補給していれば、防ぐことができます。
ただ、「ただの水だけではいけない」とよく言われますよね? で、スポーツドリンクや経口補水液が、もてはやされています。でも、ほんとうのところ、どうなんでしょうか?
この記事では、熱中症対策の水分補給について整理しながら、ただの水と「ソルティーライチ」のようなスポーツドリンクと、どちらがいいのか? 検討していきます。
熱中症対策の飲料…基本はただの水(水道水)
とりあえず水を定期的にたっぷり飲みましょう!
結論から言えば、熱中症対策の給水の基本は水です。ただの水道水でかまいません。
なにか、特別な水でないと脱水対策の効果がないように誤解している人も多いですが、熱中症対策の水分補給は、基本は水でOKです。
たとえば真夏の野外での活動で大量の汗をかくような場合は、一日に4〜5リットル以上の給水が必要になってきます。それだけの水分を、スポーツドリンクだけでまかなおうとしたら、糖類(砂糖など)のとりすぎになってしまいます。「定期的に水分補給すること」を第一に考えれば、ただの水がもっとも便利なはずです。
とにかく、「熱中症の水分補給はスポーツドリングや経口補水液でないといけない」と誤解してしまい、水分補給がおろそかになってしまわないように! 基本は水で、良いのです。
熱中症の症状が出てるかも?と思ったらスポーツドリンク系や経口補水液を
熱中症対策で、「ナトリウム不足」を心配するあまりに、水分補給することよりも、塩飴を舐(な)めることに気をとられている人も少なくありません。しかし、まずは、「定期的な水分補給」が重要です。
水を摂りすぎるとよくないといわれているのは、まれにナトリウム(塩分)が欠乏する「熱痙攣」や「水中毒」の可能性があるからです。
しかし、毎日お味噌汁を飲んだりお漬物を食べたりという「ふつうの食生活」をしていれば、そこまで塩分不足を心配することはありません。塩分よりも、まず水分を多めにとることが基本です。
現場作業などで大量に汗をかく人は、多めの塩の補給は必要ですが、それでも、お弁当に梅干とか少ししょっぱめのものを多めに食べていれば、塩分不足を過度に心配する必要はないでしょう。
ただし、めまいや頭痛、軽い痙攣など熱中症の初期症状が出た場合は、あるいは出かかっているなと感じた場合は、水をがぶのみするのではなく、スポーツドリンクや経口補水液を使用します。
スポーツドリンク系を積極的に使ったほうがよいのは、あくまで初期症状や熱中症の兆候が出た時の対処用です。予防的な水分補給は、ただの水を、こまめに飲み続ける、というふうに考えた方が良いですね。そうじゃないと、水分補給が間に合わないと思います。
熱中症対策の飲み水は冷やしすぎに注意
熱中症対策、脱水対策の給水用の飲み水の温度は、キンキンに冷やしたものより、5度から15度くらいのものほうがベターです。暑いなかでのキンキンの氷水などは、けっこう癖になり、大量にとりすぎて胃腸を冷やしてしまうリスクがあるからです。
氷水などは、体温を下げる効果はありますが、水分補給という点では、適度な冷たさ〜常温の水でも充分なのです。
また、水分補給のポイントととしては、30分とか1時間おきとかに、定期的にとることです。「喉がかわいてから」では、水分補給が間に合わない場合もあるからです。 喉が乾いていなくても、定期的に一口ずつでも水を飲むようにしましょう。
以上のように、ただの水を冷やし過ぎないで、定期的に飲むというのが、熱中症対策の給水の基本になります。
熱中症対策用の清涼飲料水
さて、水分補給の基本は水ですが、どうしても塩分補給が心配…という人は、熱中症対策用の清涼飲料水を、取り混ぜてもいいと思います。
ただ、必要な水分の全量を清涼飲料水でまかなうという考え方はしないで、あくまで補助的に涼飲料水を活用しましょう。
メインの水分補給はつねに水です。熱中症対策飲料については、「休憩時に飲むドリンクをコーヒーやコーラじゃなくて、熱中症対策飲料にしておこう」ぐらいな感覚にしておきましょう。
とくに野外作業では、休憩時間以外でも、定期給水が必要です。大量に飲まなければならないので給水は、ただの水で充分です。
ところで、熱中症対策用の清涼飲料水は基準が決まっています。100mgあたり40〜80mgのナトリウムを含むものが「熱中症対策飲料」をうたえることになっています。
「熱中症対策飲料」という言葉そのものは薬事法の関係でペットボトルとかには書いてありませんが、店頭のポップやCMなどでは「熱中症対策飲料」と宣伝されていると思います。
「熱中症対策飲料」というのは、ただの水と何が違うのでしょうか? ポイントはナトリウムです。
熱中症対策には塩分が必要といわれていますが、塩(=塩化ナトリウム)のなかでも必要なのはナトリウムなのです。「熱中症対策飲料」の最大の特徴は、ただの水と違って、ナトリウムが補給できるということです。
以下、有名な「熱中症対策飲料」をナトリウムの量別に並べてみました。
熱中症対策の清涼飲料水のナトリウム量調べ(100mgあたり)
- アクエリアス…ナトリウム:40mg
- GREEN DAKARA…ナトリウム:40mg
- ソルティライチ…ナトリウム:45mg
- ポカリスエット…ナトリウム:49mg
- 【番外】OS-1…ナトリウム:115mg
最近は、「ソルティライチ」のようなお洒落なイメージと美味しさを重視したナトリウム入り清涼飲料水が人気ですが、やはり「ポカリ」がいちばんナトリウムが多いようですね。
DAKARAはノーマルのDAKARAにはナトリウムは含まれておらず「熱中症対策飲料」と言えるのはGREEN DAKARAと塩DAKARAなので、注意してください。
それから、【番外】のOS-1がダントツにナトリウム量が多いですが、OS-1は経口補水液といって、ふつうのスポーツドリンクとは違うので注意が必要です。経口補水液の使い方については次の記事を参照してください。 ⇒経口補水液の正しい飲み方について
以上、熱中症対策の飲み物として、「ただの水」と「熱中症対策清涼飲料水」の使い分けについてみてみました。
水分補給のベースはただの水にして、補助的に、ナトリウムが入った熱中症対策の清涼飲料水を使うのが、良いバランスだといえると思います。
また、熱中症の対策は、水分だけでなく、適切な休息や涼しい衣服また、睡眠不足や二日酔いを避けるなど、複合的な対策が必要なので、しっかりと予防していきましょう。