八幡平の紅葉時期と見頃。アスピーテラインを走破する紅葉狩りコース

      2018/08/23

 東北の紅葉の名所といえば岩手・八幡平(はちまんたい)が有名です。

 八幡平は盾状火山(アスピーテ)という日本では珍しい平なかたちの火山です。そのため山というよりは高原のような地形で、山頂付近には湖沼群のある湿地帯が広がり、木道を歩きながら鮮やかな草紅葉を観ることができます、また、中腹から山麓の渓谷にかけては、雄大な広葉樹林が山腹に広がり、ダケカンバ、ブナ、カエデ、モミジなどの色とりどりの紅葉が広がります。

 八幡平山頂の草紅葉は9月下旬からはじまりますが、山の中腹〜山麓の渓谷にかけのメインの見ごろは10月中旬〜下旬頃です。温泉に宿をとりゆっくり紅葉を楽しむのがベストプラン。また、紅葉のベストタイミングを狙って、東京から日帰りで紅葉狩りするのも不可能ではありません。

 この記事では、八幡平の紅葉の楽しみ方について、公共バスを使った方法、レンタカーで行くコースなど、タイプ別にガイドしていきます。

【関連記事】
高い山の紅葉登山については⇒『ナナカマドやダケカンバや草紅葉など山岳紅葉の全国おすすめルート』の記事もぜひ参照してください。

八幡平のエリア別の紅葉見ごろ時期

 八幡平は標高1,614mの火山で、奥羽山脈北部にあります。十和田八幡平国立公園に指定されていて、「日本百名山」にも数えられています。

 山といっても盾状火山(アスピーテ)という、柔らかい溶岩が固まった火山ですので、山頂が平らで、八幡平山頂からの見晴らしはほとんど無いという、ちょっと変わった山となっています。

 しかし、八幡平の魅力は山頂からの見晴らしではなく、山頂付近の湿原地帯の草紅葉を楽しんだり、なにより、山頂へ向かう山岳道路「八幡平アスピーテライン」「樹海ライン」からの雄大な広葉樹林の紅葉が人気となっています。

 さらに山麓付近の松川温泉などでも、とくに草紅葉が楽しめ、山頂から麓まで1カ月あまりの期間、どこかで紅葉の見頃が楽しめるようになっています。

八幡平の紅葉見頃
紅葉ポイント 標高 見頃時期
八幡平山頂・八幡沼 1614m 9月下旬〜10月上旬
黒谷地湿原・熊沼 1400m 10月上旬
源太岩展望台 1260m 10月上旬〜中旬
御在所湿原・赤沼 1000m 10月上旬〜中旬
松川温泉・松川大橋 800m 10月中旬〜下旬
岩手県民の森・森の大橋 600m 10月下旬


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ドライブで楽しむ八幡平の紅葉ポイント

 八幡平の紅葉の楽しみ方は、なんといてもドライブ。レンタカーなどでアスピーテラインなどの山岳道路を回り、紅葉の渓谷に抱かれた名湯・松川温泉に立ち寄ったり、あるいは秋田側へ抜け後生掛温泉を訪ねるなど、八幡平全体をアクティブに動き回るプランがベストです。

アスピーテライン〜秘境・松川大橋で紅葉を満喫

 例年ですと10月中旬頃にドライブすれば、これだ!というような見事な紅葉の景色に出会えると考えてよいでしょう。ただし、昨今の温暖化の影響で紅葉時期がだいぶ不安定になってますので、必ず事前に地元発の情報で紅葉状況を確認しましょう。

 コースとしては、東北道・松尾八幡平ICをおり松尾八幡平ビジターセンターから八幡平アスピーテラインへ入ります。比較的ゆるやかなカーブを登っていきます。ところどころに無料駐車場があり、山深い紅葉の景色を楽しめます。

 途中の御在所湿原では草紅葉を楽しみ、源太岩展望台から壮大な岩手山を眺めながら、さらへ上へと登っていきます。山頂手前、谷間に熊沼を見下ろす駐車場からの眺めは絶景です。

 山麓からアスピーテライン道中が紅葉の見頃の時期の10月中旬〜下旬には、山頂付近の草紅葉は終っている可能性が高いです。山頂付近は広葉樹は少ないため、見返り峠で一休みしたあとは、樹海ラインから松川温泉へ下って行きます。この間も時期がよければ、すばらしい紅葉の風景の連続です。

 松川温泉は温泉宿が3軒だけある秘湯ですが、紅葉に抱かれた渓流沿いの露天風呂があります。

 松川温泉は日帰り入浴も可能ですが、もちろん一泊して贅沢な時間を過ごすのも良いでしょう。八幡平周辺の宿泊についてはこちらを参照ください。⇒八幡平の宿泊施設(楽天トラベル)

 松川温泉付近も、紅葉が美しく秘境感たっぷりの紅葉を楽しめます。温泉から松川地熱発電所の方へ山を進んでいくと廃道のゲートがあり、そこから40分ほど歩くと、谷間にかかる秘境・松川大橋があり、ここからの紅葉も素晴らしい絶景です。

八幡平の紅葉ドライブ。新幹線+レンタカーで東京から日帰りも可能

 松尾八幡平IC〜盛岡まで東北道を使い、盛岡から新幹線を利用すれば、東京都心からの日帰りドライブも不可能ではありません。東京からの盛岡着8時45分、東京行き最終は盛岡発18時45分ですので、盛岡でレンタカーを予約しておいて、東北自動車道で盛岡IC〜松尾八幡平ICを使い時間を短縮すれば、じゅうぶん八幡平の紅葉ドライブを楽しめます。

 日帰りは慌ただしいようですが、宿を予約しても、紅葉のタイミングがずれてしまえば、意味がありません。その日の紅葉具合と天候を調べて日帰りで紅葉狩りにでかけるのが、最高の景色に出会うコツです。もし、時間とお金に少しでも余裕があれば、最高のタイミングに合わせて八幡平のドライブを楽しんでみませんか?

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スペシャルな路線バスで行く八幡平の紅葉狩り

自然ガイド付き・高速経由のサービス満点の路線バス

 盛岡駅から八幡平山頂すぐ近くの見返り峠まで、定期バスが走っています。

 バスは上りはアスピーテライン、下りは樹海ラインを通るため、車の免許が無い人でも、充分に紅葉で染まった山岳ドライブを楽しむことができます

 ただ、レンタカーでのドライブのように、途中で止めて良さげなところに立ち寄るということはできないので、山頂まで行き、次のバスの便を待つ数時間の間に、山頂付近を軽くトレッキングするプランがおすすめです。

 ドライブコースですと、アスピーテライン〜山麓近くの松川温泉あたりの紅葉をメインにするのがおすすめですが、このバスコースですと、より高い方の「山頂+アスピーテライン」狙いになりますので、若干早めの10月上旬〜中旬が見ごろになると思います。

 さて、利用するバスは岩手県北バスです。定期バスの他に、「八幡平自然散策バス秋号」というバスが出ています。これは盛岡から高速にのり八幡平近くまで行くという特急のようなバスなのですが、あくまでの普通の路線バスで八幡平山頂まで往復しても2,600円という格安料金。

 しかも山頂の八幡平山頂一周コースの無料自然ガイドまでサービスでついているという、半分ツアーのような不思議なバスです。

 八幡平一周コースは山頂駐車場〜鏡沼〜メガネ沼〜八幡平山頂〜ガマ沼〜八幡沼展望台〜見返り峠と1時間半ほどのコースで草紅葉を中心に楽しめます。はきなれた靴と雨具・水筒さえあれば、超軽装で、誰でも参加できる簡単なハイキングコースです。

 逆に、せっかくなら少しがっつり歩きたい人やトレッキング経験がある程度あるひとは、山頂手前の黒谷地湿原で途中下車して、2時間半ほどかけて湿原のなかの紅葉を楽しみながら、山頂バス停まで抜けることもできます。

路線バスを利用して、東京から日帰りで八幡平の紅葉狩りを楽しむプラン

「八幡平自然散策バス秋号」の時刻は、

行きの便…盛岡9時10分発〜八幡平山頂バス停11時00着

帰りの便…八幡平バス停14時40分〜盛岡駅着16時55分
となっています

 午後の帰りの便は、山頂15時分発〜盛岡駅着17時40分の普通路線便もあります。

 もし、東京から日帰りを考えるのなら

・東京6時32分〜はやぶさ1号〜盛岡8時45分
・盛岡18時45分〜はやぶさ32号〜東京21時04分
の新幹線を利用すれば、じゅうぶん可能なわけです。

この路線バスを利用して、ベストタイミングで八幡平の日帰り紅葉狩りにでかけてみるのも良いのではないでしょうか?
(「八幡平自然散策バス秋号」の利用の詳細や運行状況については、八幡平市観光協会や岩手県北バスに確認をしてみてください)

 

 

 以上、八幡平の紅葉の見どころや時期、楽しむプランについて紹介しました。

 もちろんプランとしてはいろいろ組み合わせが可能で、盛岡に宿泊し八幡平と岩手山と組み合わせたり、ついでに八甲田や十和田湖へも足を伸ばすプランなどいろいろ考えられます。

 また八幡平へは秋田側・田沢湖側からのアプローチもあり、そちらからでも見事な紅葉が楽しめます。

 山の紅葉のベストタイミングは、ほんとうに短いもの。まさに「一期一葉」の、すばらしい紅葉の風景との出会いにでかけてみてください。

 なお、八幡平の隣の山「三ツ石山」も、紅葉登山のメッカですね。トレッキングに慣れている人にはおすすめです。詳しくは⇒「紅葉登山の穴場と初心者向けのルート」の記事を参照してください。

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