曼珠沙華まつり見ごろ時期。日高巾着田や幸手など彼岸花の名所を紹介

      2017/09/02

 曼珠沙華、彼岸花、リリコス、スパイダー・リリーなどいろいろな呼び方をもつ赤い秋の花、ヒガンバナ。昔から田んぼのあぜに植えられていて、9月下旬になると朱色の花を咲かせます。

 曼珠沙華は、その花の名前からしても、少し妖艶な感じのある花ですが、群落地にいっせいに咲いて、じゅうたんのようにあたりを埋め尽くすと、それはそれは幻想的な美しさです。

 なかでも埼玉県・日高市にある高麗川沿いの巾着田の曼珠沙華は全国一と言われていて、毎年、花の見ごろの時期は「ひだか巾着田・曼珠沙華まつり」が開催されます。

 この記事では「巾着田・曼珠沙華まつり」を中心に、関東近郊の各地の「曼珠沙華まつり」や彼岸花の名所についても紹介していきます。

 

曼珠沙華って名前の由来と不思議な生態

 曼珠沙華(まんじゅしゃげ)はユリに近い仲間の球根植物です。

 もともと中国から伝わった植物で、アルカロイドという植物毒素をもつので、害虫・害獣よけとして田んぼのあぜ道に植えられて、全国に広まっていきました。

 花は9月の中旬から下旬にかけて、ちょうどお彼岸の頃に咲くので「ヒガンバナ」と呼ばれています。

 この花がおもしろいのは、花が咲いているときは葉っぱが見えない、ということです。よく見るとすぐわかるのですが、地面から花の柄が伸びていて花だけが咲いているという、とても珍しい花なんですね。どことなく妖艶で、異界のもの的な感じがするのは、そのせいかもしれません。

 花が終ると、地面からネギやニラのような葉っぱが出て来て、冬から春にかけて茂ります。夏になると葉っぱは枯れて、地面には何も無くなります。そして、またお彼岸の頃になると、ニョキニョキと花柄が出て赤い花だけが咲くのです。花のなかでも、かなり特殊な生態をもっていますね。

 曼珠沙華は、このような不思議な生態の花だったり、ドンピシャお彼岸の頃に咲く花だったりするので、昔から、どちらかというと、この世のものではない的なイメージをもたれています。

 ひと昔前の感覚では、ヒガンバナは縁起が悪いとする見方もあるのですが、最近は、そんなことはありません。園芸品種のリコリスが普及して、白やオレンジのヒガンバナを楽しむこともふえてきました。

 そもそも「曼珠沙華」という呼び名は縁起がいいものです。もとはサンスクリット語manjusakaですが、「天上に咲く紅い花」という意味です。良いことがある前兆に天から赤い花が降ってくる……という仏話にまつわる言葉なのです。

 実は幸運をもたらす花だったヒガンバナ……それでは、次に、各地の曼珠沙華の名所を紹介していきましょう

曼珠沙華の日本一は迷わず日高・巾着田

ひだか巾着田・曼珠沙華まつりの時期と見どころ

 500万本の曼珠沙華が咲き誇る埼玉県・日高市の巾着田(きんちゃくだ)。

 公園として整備された敷地内で、2017年は9月16日(土)~10月1日(日)の期間中、7:00~17:00に曼珠沙華の絨毯を見ることができます。入園料は300円。

 見ごろ時期は、例年秋分の日の前後になりますが、年により少し変動します。曼珠沙華の見ごろ時期は9月20〜9月いっぱい、早めの年は9月15日くらいからはじまる、と考えておいて良いと思います。

 高麗(こま)川が蛇行してできた川岸にあるヒガンバナの大群落で、500万という規模は、全国有数のものです。過去に、川の上流から流れついたヒガンバナの球根が根付いて大群落ができたと言われています。

 巾着田は、高麗川の清流と四季おりおりの花が楽しめる自然公園として、園内には水車小屋や、木製の大橋あいあい橋などが、整備されていてます。

 曼珠沙華は、入り口の駐車場からあいあい橋にかけての川辺りに、美しい絨毯のように密生しています。神秘的に咲き誇る曼珠沙華をたっぷり堪能することができます。

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巾着田・曼珠沙華まつりへのアクセス

 日高・巾着田の曼珠沙華祭りへは、電車でのアクセスがいちばんです。西武池袋線高麗(こま)駅から下車徒歩約15分ですので、散歩がてら歩くのがベストです。

 JR八高線・川越線の高麗川駅から、高麗駅経由飯能駅行のバスにのれば、公園のすぐ目の前の「巾着田」バス停に着きますが、バスは1時間に1本だけです。

 また、まつりの期間中は、もちろん渋滞しますので、マイカーでの来場は推奨されていません。が、公園の駐車場(500円/日)がありますので、早朝や夕方など、時間帯をずらせば駐車場もスムーズに利用できると思います。車なら、関越自動車道「鶴ヶ島」、圏央道「圏央鶴ヶ島」「狭山日高」が最寄りの出口となります。

 また、ピークの週末には日高市市役所や日高神社の無料駐車場からシャトルバス(有料)が運行される場合もありますので、チェックしてみてください。

曼珠沙華祭りでの地域特産品の出店

 おまつりですので、出店屋台も充実しています。地域の特産品を中心とした出店なので、ぜひ食べ歩きも楽しんじゃいましょう。

 日高の名産である栗の時期ですので、栗関係の屋台が要チェックです。

 また、地元で人気の加藤牧場ジェラートや焼きまんじゅうなども良いと思います。

 公園内ではコスモスも見ごろを迎えていますので、秋をたくさん感じることができますよ。

関東各地の曼珠沙華の名所

 曼珠沙華を見るなら、やはり巾着田がダントツでいちばんですね。なにしろ巾着田は、有料で見せていますし、それだけのことはあります。

 でも、他にも、各地にはいろいろ曼珠沙華の名所があります。こちらはみな無料でみれますので、関東各地の彼岸花の名所を紹介していきましょう。

幸手市・権現堂堤の曼珠沙華

 埼玉県の幸手(さって)市・権現堂堤の曼珠沙華。約300万本で、規模としては巾着田に次ぐ本数で、迫力のある彼岸花が楽しめます。こちらの群落は植栽によるものです。

 2017年9月16日(土)~10月9日(月・祝)の期間は「幸手・曼珠沙華まつり」とされています(開花状況により変更あり)。

 東武日光線・幸手駅より「五霞町役場」行きバスが唯一の公共機関ですが、バスは1時間に1本。無料駐車場もあるので、マイカーやレンターでドライブがてらに訪れるのがおすすめです。

横瀬・寺坂棚田の曼珠沙華

 埼玉県横瀬(よこぜ)・寺坂棚田では、むかしながらの田園風景のなかに、彼岸花が咲き誇ります。里山の風景を楽しみながら、秋風に揺れる彼岸花を鑑賞できます。

 棚田地区には全部で100万本のヒガンバナがあるとされています。巾着田や幸手のように、じゅうたんのように一面に咲いているのではなく、黄金色の田圃のあぜに浮かび上がる彼岸花の風景は、日本人の原風景です。

 平成29年9月24日の日曜日は、「横瀬(よこぜ)・寺坂棚田の曼珠沙華まつり」が開催されていて、古代米つきたて餅・赤飯等の販売、棚田農産物直売などが開かれています。

伊勢原市・日向薬師付近の曼珠沙華

 神奈川県伊勢原市・日向薬師の日向地区、藤野地区、洗水地区では、水田の周囲に、あちらこちらに群生する曼珠沙華を見ることができます。全地区あわせて100万本と言われています。

 昔から写真撮影のポイントして有名なところですが、あくまで日常のなかに咲く田舎の曼珠沙華という感じですので、農作業の邪魔をしないように鑑賞するのがマナーです。

 小田急線伊勢原駅北口3番乗り場から日向薬師行きバス終点下車。秋の小旅行をかねてフラリと出かけてみるのがよいでしょう。

小山市・間々田・曼珠沙華まつり

 栃木県・小山(おやま)市の乙女かわらの里公園内では5万本の曼珠沙華が約1kmの遊歩道に沿って植えられいます。毎年9月中旬には地元ローカルな集いとして曼珠沙華まつりが開催されています。近隣の方は、ぜひ足を運んでみましょう。

  

 

 以上、日本随一とされる巾着田の曼珠沙華まつりをはじめ、関東各地の曼珠沙華の名所についてお伝えしました。

 昔は縁起が悪いとされていた彼岸花ですが、今では、どちらかというラッキー・フラワー。その妖艶で神秘的な美しい曼珠沙華を観に行って、幸運をつかんでみましょう!

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