渋ハロって案外、大人? シブハロはただのバカ騒ぎではなかった。
2016/09/28
渋ハロの季節がまたやってきます。2016年のハロウィン、10月31日は月曜日ですが、そんなことはおかまいなしに、渋谷は今年もまた盛り上がり必至ですね!
ハロウィンイベントと言えば東京近辺では、カワハロ(川崎)や原宿のパレードそしてもちろんディズニーのイベントが定番ですが、渋谷のハロウィンが他と違うのは、とくに主催者がいるイベントでは無いところ。イベントというよりも、仮装して集まって楽しみたい! と思う人たちによって、自然発生的に出来てきたのが「渋ハロ」なのです。
それだけに、渋ハロは「バカ騒ぎ」と批判されることも多かったのですが、昨年2015年のシブハロには、ちょっとした変化がありました。「大人度」があんがい高かかったのです。
この記事では「ハロウィンに渋谷に集まってる人たちっていったい何なの?」って懐疑的に思っている方々にも、渋谷ハロゥインの魅力と現状がわかるように、最新の渋ハロ事情について解説していきたいと思います。
渋谷のハロウィーンは、いつどのようにしてはじまったのか?
渋ハロは、いつから始まったのでしょうか? 渋谷のハロウィンには、カワハロのように主催者がいるわけではないので、「何年からやってます」という記録はありません。
渋ハロが産まれてきた背景をひもとくために、まず、日本のハロウィンの「歴史」を確認しておきましょう。
そもそもハロウィンとは
ハロウィンはもともとアイルランドのケルト民族の収穫祭で、お盆のような意味あいの行事でした。
それがイギリスに伝わり、カトリックの聖者の日(11月1日)のイヴとして、提灯を飾る習慣になったと言われています。
その後、アメリカで、宗教的な行事とは切り離されて、10月31日のハロウィンは「子供たちが仮装をして楽しむイベント」として定着していったようです。カボチャや「trick or treat」、おばけの仮装などのハロウィンスタイルは、アメリカでできたハロウィンのスタイルなのです。
日本にハロウィンが定着した流れ
ハロウィンが日本でイベントとしてはじまったのは、1983年に表参道の原宿キディランドが主催した仮装パレードから、とされています。
当時は、アメリカ人ファミリーを中心とした100人くらいの規模のパレードでしたが、年々盛り上がりをみせ、「表参道ハローハロウィーンパンプキンパレード」につながっていきます。このパレードは、親子で参加できるパレードとしてファミリー層の間で定着し、ハロウィンパレードが市民権を得るきっかけを作りました。
1997年には、カワハロ(川崎ハロウィーンパレード)と東京ディズニーランドのハロウィンイベントがはじまります。
97年当時は、カワハロも参加者300人、TDLのイベントも1日だけの開催、ということでまだまだだったのですが,2000年頃から、参加者も増えはじめてきました。
2002年にユニバーサルスタジオジャパンでハロウィンイベントがはじまる頃には、ハロウィンは秋のイベントとしてすっかり定着してきます。
ディズニーとユニバでは、仮装してハロウィンイベントに参加することができるので、それをきっかけに、子供だけではなく大人のハロウィン仮装が広まっていきます。「仮装してハロウィンを楽しむ」「ハロウィンに仮装をして街に出る」ということに次第に抵抗がなくなってハロウィン仮装が決して「非常識」ではなくなってきたわけです。
渋谷のハロウィーンがはじまったのは…
ハロウィンの仮装が、徐々に市民権を得るなかで、2010年頃から、ハロウィーンのシーズンには、渋谷の街に、仮装した人々が集まるようになってきました。
渋谷では、ハロウィーンパレードなど催しに対して人が集まるのではなく、自由に集まっていることが特長です。2010年頃から、「仮装して渋谷に遊びに行く』ことが、急速に広まっていったのです。
渋ハロは他のイベントのように仮装のための更衣室などが用意されているわけではないので、自宅から仮装して渋谷に向かう、ことになります。このため、ハロウィン前の週末やハロウィン当日に、電車内が仮装した人でいっぱいになる、不思議な光景を目にするようになったのです。
「車内の仮装は非常識・・」なんて保守的になっている場合じゃないですよ。何しろ東急東横線では「電車内ハロウィン仮装コンテスト」すら開催されているのです。
2014年には渋谷、池袋、六本木でも、それぞれ大規模なイベントが開催されるようになり、もはや、「国民的行事」と言わざるを得ないほどの、盛り上がりを見せているわけです。
ハロウィン仮装とSNSの関係
さて、ここで注目したいのは、渋谷ハロウィンがはじまった時期と、スマホ+twitter,instagramが急速に広がり出した時期が重なっていること。
ハロウィンの仮装では、スマホでその勇姿を撮影して、SNSにアップするのが、セットと言ってもいいくらい定番の行動パターンになっています。
SNSにアップすることで、より多くの人が確実に自分の仮装を見てくれるわけだし、ハッシュタグでまたSNSの輪が広がっていくことも、仮装が盛り上がることを後押ししているようです。
ただ、渋谷にでかけていって、スクランブル交差点の雑踏にまみれて終るだけなら、そこまで凝った仮装しないですよね? SNSがあるからこそ、仮装にも力が入る、そういう循環が出来ていることは間違いありません。
Lenovo シブハロ2016は世界最大級のデジタルハロウィンイベント
さて、自発的に仮装した人が集まって盛り上がりをみせてきた渋谷ハロウィン。
2014年からは「イベント」もスタートして、昨年2015年は、大いに盛り上がりました。それが、「シブハロ2015」です。
若者へのブランド認知アップを目指しているLenovoがスポンサーになり、渋谷のハロウィーンをSNSを駆使したデジタルイベントへとパワーアップさせたのです。
シブハロの目玉企画である世界最大級のハロウィーンサーキットは、渋谷PARCO前に設置された特設ブースで、仮装姿を「#lenovo_shibuhallo」のハッシュタグをつけてSNSに投稿すると、協賛するクラブ、DJ Bar約30店舗への入場がフリーになるタトゥーシールが貰えるというもの。
スポンサーのLenovoからするとブランドをSNSで拡散できてしまう「ハッシュタグキャンペーン」であり、参加者からすると、超お得に渋谷のクラブで遊べるイベント、ということになります。まさにスポンサーと参加者のWin-Winの関係とも言える、理想的なデジタルイベントとなったのです。
シブハロ2015が大成功だったのは、それだけではありません。11月1日の朝には、多く参加者や関係者が、感動的な光景を目にすることになったのです、それは・・・・。
渋谷のハロウィンの翌朝に起こったこと
「渋谷のスクランブル交差点が仮装者でいっぱいで通れない!」「大人が仮装して遊ぶなんて…」「渋谷にハロウィンで集まるヤツは何?」などと、批判的なことを言われることが多い、渋谷のハロウィン。
たしかに、2015年は機動隊も出動し、公務執行妨害で逮捕者もでるなど「バカ騒ぎ」の一面をもっていることは確かです。
何より、ゴミがひどい・・・と眉をしかめる人も多いです。
しかし、2015年の渋ハロは、それまでと違った面を見せてくれました。
それは、「掃除」が素晴らしかったことです。
10月31日の深夜にゴミまみれになった渋谷の路上ですが、11月1日の朝には、すっかり綺麗になっていました。以前から行政やお店もハロウィン翌朝の清掃には力を入れていましたが、ここまで綺麗になったのは、はじめてとのこと。
Lenovoのシブハロ・イベントのなかでも朝5時から6時までのあいだは、「シブハロクリーンアッププロジェクト」と位置づけ、協賛するクラブの出口で専用のゴミ袋を配布。駅までの道すがら、ゴミを拾って帰ることを呼びかけていました。
それだけではなく、もともと、渋谷のクラブ業界ではZeebra氏が会長をつとめるCCCC(シーフォー)が、数年前から「PlayCool」というクラブ利用者のマナー向上キャンペーンをおこなっています。
そうした業界内の努力もあって、「楽しんだからには、ゴミを拾って帰る」という行動を、多くの参加者が自発的にとる雰囲気が、成熟してきたわけです。
行政やボランティアや店舗関係者だけではなく、2015年のシブハロでは、参加者も積極的に清掃活動に参加して、朝までに渋谷の街の掃除を片付けてしまうとができたのです。
このように、2015年はの渋谷ハロウィンは「ただのバカ騒ぎ」で終らなかったということは、注目に値することでしょう。
思いきりハメはずして楽しんだ後は、しっかり片付けて帰る。あたり前のことをあたり前にできる「大人の街」が渋谷なんだと思います。
渋谷に来る若い子たちは、そうした大人の背中を見て、ゴミを捨てないことを覚えて行けば、それでまた、良い循環ができてくるのではないでしょうか?
「渋谷ハロウィン」は、自発的な集まりです。そこに企業が乗っかってWin-Winのハッシュタグキャンペーンを展開してくれればいいことだし、遊んだあとは、みんなで片付けて帰る。
自分たちの遊び場を自分たちで守る。規制されることなく自主的にブラッシュアップしながら発展していく「ばか騒ぎ」、渋谷ハロウィンが、そういう遊びの象徴になると、いいですね。
以上、渋ハロの現状について、お伝えしました。
どうでしょう? 「ただのばか騒ぎ?」って眉をひそめていた方も、「渋谷ハロウィン」に参加してみたくなって来たのではないでしょうか。
シブハロ2016の詳細はまだ発表されていませんが、今年は、どんなハロウィーンサーキットになるんでしょう。
これまで渋谷ハロウィンを避けていたあなたも、ぜひ、今年は渋ハロ参加にむけて、準備を進めておきましょう!
なお、どうしても渋ハロとかのノリに着いていけない方は、こちらの記事⇒「地味ハロウィン」がパリピ、レイヤーに続く第三の波になる予感の記事もぜひ参考にしてみてください。
また、都会のハロウィンではなく、大自然のなかでゆっくりと有意義に過ごすハロウィンはいかがでしょう? こちらの記事⇒「ハロウィンキャンプのコツとおすすめキャンプ場」を読めば、いろいろなハロウィンの楽しみ方があることがわかると思います。