おまんと祭り日程と高浜おまんと祭の詳細。疾走する馬とチャラポコ
2018/08/27
おまんと祭りは愛知県・知多半島のつけね衣浦湾の周辺部で盛んな、馬と人が一体となった秋祭りです。
なかでも高浜市・春日神社のおまんと祭りが有名ですが、東浦町や西浦町でも、おまんと祭りが開催されます。
神社の境内で疾走する馬とそれに飛びついて走る若者たち。とても爽快感のあるお祭りです。
今回は、高浜市・春日神社のおまんと祭りを中心に、各地おまんと祭りの日程など詳細をガイドしていきたいと思います。
生活のなかで、馬と人が馴染んでいるおまんとの原点
おまんと祭りは、西三河地方に広くひろがる祭りです。この地方には「おまんと祭り」以外にも「馬の頭」と呼ばれる馬の祭事が盛んです。
馬のお祭りが盛んなのは、三河地方は古くから馬の名産地だからです。徳川家康は戦国時代には、自軍の馬は地元である三河の馬しか使わなかったと言われています。
現在でも、馬が生活の中に馴染んでいて、犬の散歩をするように馬を曳いて歩いている風景が日常的に観られる地方なのです。
このように馬と縁が深い地域ですので、馬と信仰が結びついたのも自然なことでしょう。
祭りの季節になると、「神馬」が選ばれ、お祭りで神馬を飾り、雨乞いや豊作など馬に願いを託すということが、この地域では広くおこなわれてきたのです。
さて、このように馬のお祭りが多いこの地方ですが、なかでも、神社のなかで人馬一体となって馬を走らせる「駆け馬」の行事がある「おまんと祭り」が盛んです。
以下は、おまんと祭りの日程の一覧です。
東浦町 | 伊久智神社 | 9月16日(日) |
村木神社 | 9月30日(日) | |
入海神社 | 10月14日(日) | |
藤江神社 | 10月14日(日) | |
稲荷神社 | 10月28日(日) | |
高浜市 | 春日神社・八剱社 | 10月6日(土)10月7日(日) |
八幡社 | 10月13日(土) | |
吉浜神明社 | 10月14日(日) | |
神明宮 | 10月28日(日) | |
西尾市 | 中畑八幡社 | 10月21日(日) |
このなかで高浜・春日神社と東浦・村木神社のおまんと祭りが規模が大きくて有名です。
以下、とくに有名で盛大な高浜のおまんと祭について詳細を観ていきましょう。
スピードと迫力がたまらない、おまんと祭りの駆け馬
高浜・春日神社のおまんと祭りは、毎年第一日曜日とその前日の日程で行われていて、2018年は10月6日(土),7日(日)の予定です。最大の見どころである「駆け馬」は、両日とも9時~17時のあいだ、春日神社境内でおこなわれています。
高浜おまんと祭りでは、もともと男子の成人を祝う元服の儀式でした。なので、「駆け馬」で、馬の首につかまって走るのは若い男性です。法被に手ぬぐいと地下足袋にコテを身につけた若者が、神社の境内に作った直径36mの円形の馬場の中を時速40kg/mで疾走する馬の首に掴みかかり、一緒に走り抜けます。
想像のとおり決して簡単ではないので、一瞬で振り落とされたりと、なかなか首にぶらさがることはできません。
特に2日目はだんだん馬のスピードも速くなり、白熱してきます。救急車も待機しているらしいのですが、馬も賢く、落ちた人を巧みによけるようなので、不思議とケガは少ないそうです。
この祭りは、元服の儀式なので、もともと女人禁制でした。が、最近は時代の流れで女子中学生まではポニーと一緒に参加できるようになってきました。
祭りを盛り上げる「チャラポコ」とは?
高浜のおまんと祭りの見どころは、「駆け馬」だけではありません。
この祭りは、もともと「雨乞い」の意味も含まれていて、初日の朝は竜宮祭が開催されます。洲崎(すざき)公園内にある八劔社跡(やつるぎしゃ)に集合して、海水で馬と人を清めます。
そこから、御幣(神事での飾り物)をつけた神馬を先頭にして、700人ほどの行列で春日神社へ向かいます。この行列を「デ」と呼んでいますが行列の長さは2kmメートルにもなります。
また、祭りの前日から、ずっと町のなかで聞こえるのが「チャラポコ」の音色です。
チャラポコは三河地方独特の囃子太鼓です。音色が甲高い独特の響きをもつ太鼓が、専用の太鼓山車に載せられて、移動しながらお囃子を奏でます。
使われる小太鼓は「コジメ」と呼ばれ、金属製の銅に、ジャッキで皮を締めています。ですので、日本の太鼓のなかでは最も高い音なのでは?と思うほどの高音が出ます。
チャラポコはBGMとして常時流れているので、高音の太鼓の音色が、気づかないうちに、テンションを上げてくれています。
珍しいチャラポコをおまんと祭りの機会に体験してみてください。
高浜に行ったら絶対に食べておきたい隠れたグルメ
さて、最後に、おまんと祭りで高浜を訪れるなら、食べておきたい地元のグルメをご紹介します。
高浜の郷土料理と言えば「とりめし」です。もともと高浜地方は養鶏で卵の生産が盛んなところで、卵を産まなくなった鶏の固い肉を美味しく食べるために考え出されたアイデア料理です。
独特の甘辛いタレで薄くスライスした鶏肉を煮込んで、それをごはんと混ぜ合わせたものです。
とても美味しくて家庭料理的な雰囲気があふれた郷土料理。鶏肉のうまみと栄養がたっぷり染み込んでとっても美味しいごはんです。
おまんと祭りで高浜を訪れた時にはぜひ、食べてみてください。
以上、秋の三河地方で爽やかなスピード感をたっぷり楽しめる「おまんと祭」についてお伝えしました。
馬好きなひとは、一度は訪れたい祭りですね。馬好きでない人でも、馬好きになると思います。