さつまいもの選び方、見分け方。収穫期と貯蔵ものの時期。保存方法も。
2016/09/20
さつまいも食べたいですよね! 焼き芋にふかし芋、天ぷらや芋ごはん、キントンやスイートポテト……サツマイモは食物繊維やビタミンC、カルシウムが豊富で、健康にも良い野菜です。食べ方を注意すれば太りにくくダイエット食にもなりますしね。
でも、せっかく楽しみにしていたサツマイモが、いざ食べてみたら、思ったほど甘くなかったとか、スジぽかったとか、苦かったとか、残念な思いをしたことはないでしょうか? さつまいもは、選び方や保存など取扱いを間違えると、「ハズレ」にあたってしまうことがあるのも否めません。
そこで、この記事では、ぜひ知っておきたい、美味しいサツマイモの見分け方や選び方のコツ、保存の方法などについて、説明していきます。
なお、サツマイモの種類(品種)については、こちらの記事⇒こんなにある!さつまいもの品種。それぞれの特長は?も参照してください。
美味しいサツマイモの選び方は?
まずサツマイモを店頭などで見かけた時の見分け方とチェックポイントについてみてみましょう。良いさつまいもを選ぶコツを覚えておけば、より美味しいさつまいもに出会えます。
- ○皮にツヤがある
- ○色が均一
- ○あざやかな赤よりも、濃いめのあずい色や、チョコレート色のものがベター
- ○表面がなめらかで、でこぼこが少ない
- ○ヒゲ(根)のあとが大きくないもの
- ○太めのも、ふっくら感があるもの
- ○ずっしり重量感があるもの
- ○切り口に蜜がついていれば高糖度!
- ×表面に傷や斑点がある
- ×表皮の一部が黒くなっている
- ×ヒゲがごわごわして固いもの
- ×細すぎで貧弱なもの
- ×赤っぽいもの
- ×両はじが「しもげて」しおれていないもの。「しもげる(霜げる)」とは寒さで痛むこと
- ×さわると柔らかい
良いさつまいもを見分けるためのポイントを、もう少し詳しく解説してみましょう。
まず、皮の色味ですが、あまり赤が鮮やかなものは、熟していいない、つまり収穫のタイミングが早過ぎるものの場合があります。早過ぎるものは甘みが少なかったり食感が悪かったりします。
色味は品種によっても違うので判断が難しいですが、たとえば「ベニアズマ」だったら、鮮やかな赤ではなく、濃いあずき色からチョコレート色くらいのものが完熟ものです。
かといって、皮が黒ずんでいるもの、斑点があるものは、古くなって痛んでいたり、病気のため食味が落ちている可能性があります。
鮮度を判断するには、皮状態だけでなく、ヒゲ(根)もチェックします。ヒゲが固くなっているものは鮮度が落ちている可能性があるので、できるだけ柔らかめのものを選びましょう。
サツマイモは鮮度が落ちると苦みが出てしまいます。
芋の太い細いは、品種の特性もあるので一概には言えませんが、同じ品種であれば太めのものを選びましょう。ふかし芋や焼き芋ではとくに太いほうが美味しいので、細いものは煮物などに使いましょう。
「霜げていない」かどうか?もチェックポイントですね。「霜げる」の意味ですが、サツマイモは寒さに弱いため、5度以下の低温にあたるとしなびて腐ってきてしまいます。そのことを青果業界では「しもげる」と言っているのです。サツマイモの端っこがしなびていたり柔らかくなっていたら「霜げて」しまっている可能性があります。
しもげてしまうと、その部分だけを切り取っても、さつまいも全体が苦くなってしまいます。萎れや腐れが少しでもあるものはNGですね。
さつまいもの保存方法。低温に注意
さて、良いさつまいもをゲットできたら、良い状態で保存したいですね。
さつまいもの保存のポイントについても、見ておきましょう。
- 泥付きのまま新聞紙にくるんで
- 濡らしたり湿気をもたさないように
- 保存温度は13度から20度ぐらいが理想
- 10度〜5度より下がってくると、低温障害を起こし腐ってしまう
- 20度〜30度だと芽が出てきてしまう
湿気を避けて保存するのが基本です。
そして、なによりも注意したいのは「温度」です。
サツマイモは熱帯原産の野菜ということもあり、思いのほか低温に弱いです。
5度でも低温障害でが起きて、「霜げて」しまいます。野菜室でも冷蔵庫はNGです。
保存は室内。冬場は、家の外でも寒すぎて良くないですね。
品種や産地ごとの収穫期と貯蔵もの出回り期
おいしいサツマイモを選ぶ時に、もうひとつ、おさえておくべきポイントがあります。
それは、「さつまいもは、収穫直後よりも2〜3カ月おいたものが甘みが出る」という特長です。
ですので、旬の時期の収穫期のものよりも、ちょっと遅らせたものを選んだ方が良いわけです。
ただ、貯蔵するとねっとり感が増しますので、ホクホク感を活かした煮物や天ぷらの場合は、貯蔵ものよりも収穫したてのものが良いですね。
産地によっては、収穫しても、農協などで2〜3カ月貯蔵して甘みを出してから出荷しているものもあります。一方で、品種によっては「高系14号」などのように穫りたてでも甘いものもあります。
さつまいもの旬が何時なのか?は、品種と産地によっていろいろかわってきます。
最もスタンダードな品種「ベニアズマ」の千葉産のものであれば、8月〜10月が収穫期にあたります。その後11月〜6月ごろまで貯蔵ものが出回ります。
高地の土佐紅は、最も早く収穫され、5月下旬から7月頃が収穫期です。
つまり、6月頃は貯蔵ものと収穫ものが同時に出回ることになるわけです。また、12月〜5月頭まではすべて貯蔵ものになるわけです。
こうした出回りの時期によっても、さつまいもの品質は変わってくので、時期を意識してサツマイモ選びをしていきましょう。
産地 | 品種 | 収穫期 | 貯蔵もの出回り期 |
千葉 | べにあずま | 8月〜10月 | 11月〜5月 |
種子島 | 安納芋 | 10月中旬〜10月下旬 | 11月〜2月 |
高地 | 土佐紅(高系14号) | 5月下旬〜7月下旬 | − |
徳島 | 鳴門金時 | 8月下旬〜10月下旬 | 3月下旬 |
千葉 | クイックスイート | 11月 | − |
さつまいもの品種は他にもたくさんあります。品種については⇒さつまいもの品種の記事を参照してください。
以上、さつまいもの選び方や保存方法についてみてみました。
ポイントをまとめておきますね。
●とくに秋〜冬は、低温にあったていないものを選びましょう。
●メインの収穫期は8月〜11月。12月〜2月の冬場の貯蔵ものが甘みがのっているので、用途によって買う時期を使い分ける。
●保存は室温で!
これらのポイントを守っていけば、サツマイモの美味しさを120%楽しめますよ!