バターナッツかぼちゃの味は、期待外れ? 特徴と栽培のポイント。

      2017/07/27

バターナッツかぼちゃ

 バターナッツかぼちゃは、かわいいひょうたん型の姿で、なんとも美味しそうな名前。最近は、野菜直売所や道の駅などでもちょくちょく見かけるようになって、気になる野菜のひとつですよね?

 でも、バターナッツは、ふつうのカボチャとはちょっと系列が違うので、調理する場合は少し注意が必要です。

 それから、バターナッツは、どちらかというと、家庭菜園などで、自分で育てて食べるのにも向いています。

 この記事では、バターナッツかぼちゃの特長やお味、そして栽培のコツなどについてお伝えてしていきます。ハロウィンに向けて、育ててみるのも良いかもしれませんよ〜。

バターナッツの特徴と、そのお味は?

 バターナッツかぼちゃ、(バターナッツ・スクワッシュとも呼ばれる)は、中央アメリカ原産のかぼちゃで、「日本かぼちゃ」に分類されます。

 バターナッツの名前や見かけが、いかにも西洋のカボチャってイメージですし、実際イギリスやアメリカではスタンダードなかぼちゃです。が、バターナッツかぼちゃの分類はあくまで「日本カボチャです。

 分類なんてどっちでもいいじゃん?って思ったかもしれませんが、バターナッツかぼちゃを理解するためには、この分類が大事なんです。

 今ふつうに出回ってる「えびすカボチャ」や「栗カボチャ」などは、南アメリカ原産の西洋かぼちゃです。かぼちゃといえば、甘くてホクホクしたイメージがありますが、これは、あくまで「西洋かぼちゃ」の場合。

 「日本かぼちゃ」の特徴は、ねっとり感と淡白な味にあります。淡白な味と書きましたが、ぶっちゃけ、あんまり甘くはならないんです。

 バターナッツは、なんか、とってもあまーくてお菓子のような味がするんではないか?と、そういうイメージをついつい持ってしまうカボチャなのですが、日本かぼちゃ系なので、期待するほど甘くはありません

 とくに、ひょうたん型の上のほうの種が無い部分は、甘みはより少なくなります。

 どうしても、バターナッツは期待度が高まってしまうカボチャなので、はじめて食べる人は、たいてい裏切られます。想像以上に甘くなくて、「え?」ってなると思います。

 でも、バターナッツはそういうものですので、「えびすかぼちゃ」「くりかぼちゃ」とは別もの、というふうに考えておきましょうね。

バターナッツかぼちゃの食べ方のポイント

 バターナッツは、西洋かぼちゃにくらべると甘さはありませんが、舌触りや食感のねっとり感は、とても印象的です。コクがあるのと、ねっちょり感が高いところが強みですので、そこを活かすのはやはりポタージュがいちばん。

 たとえば、イギリスでかぼちゃと言えばこのバターナッツ・スクワッシュのことを指しますが、ポタージュに加工されたものやカットされたものがスーパーで売られているのが定番だそうです。

 味付けは、素材の味を活かすというよりは、コンソメやスパイスをベースに、しっかりと味つけ、生クリームなどで仕上げる、というふうに、しっかり目で味付けした方が良いですね。

 ソテーする場合は、オリーブオイルをたっぷり目で絡ませて、塩やスパイスでしっかりめに味をつければ、良い感じでいただけます。

バターナッツを育ててみよう

バターナッツ栽培の流れ

 バターナッツは、家庭菜園などで自分で作るのに向いてる野菜です。

 土作りさえしておけば、そんなに手をかけずに出来る系のカボチャですね。

 えびすかぼちゃなど西洋系は、病気にも弱く、味をのせるためには肥料切りをしないとならないので、美味しく作るには技と経験が必要です。

 それにくらべると、バターナッツは、基本さえおさえておけば、気軽に作れるといって良いでしょう。

 ひょうたん型の小さな実が育っていく様子は、とても可愛らしくて、楽しいですよ。

 バターナッツは種まきから4カ月前後で収穫可能です。

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4月〜5月 種まき
↓ ↓ ↓
育苗1カ月弱で定植
↓ ↓ ↓
定植から40日ほどで開花
↓ ↓ ↓
8月〜9月収穫

 という流れになります。次に栽培のポイントをみてみましょう。

種から育てよう

 かぼちゃは、勢いが大事ですので、「苗を古くさせない」というのがとても重要なポイントになります。なので、種苗店などで苗を買うと、苗が古くなっている場合があるので、自分で種から育てることが基本です。

 種はネットで輸入ものも買えますが、国内メーカのものの方が、発芽率とかは安心です。

 バターナッツは800g〜1kgくらいのものが標準ですが、同じバターナッツのなかでも、いろいろなタイプがあります。輸入で手に入るバターナッツの品種のなかには、2kgくらいのでかいもの、細長いもの、ずんぐりしたものなどがあります。

 バターナッツは、種まき後1週間、遅くとも10日では芽が出てきます。温度が足りないと発芽しませんので、注意してください。

 本葉3〜4枚になったら、タイミングを逃さず、なる早で定植しないと、勢いが落ちてしまい、失敗になりますので注意しましょう

 タイミングは1週間とかで変わりますので、週末菜園なら、早め早めで植えましょう。ちょっと早いかな?と思うくらいでも良いです。

 活着の遅れも致命的になりますので、定植したらたっぷり水をまき、株まわりに敷草などをして、土がしまらないようにして、スムーズな活着を促しましょう。

摘芯、整枝をしよう

 定植して1週間くらいして活着したら、忘れずに摘心をします。摘心した後に、液肥を撒いて勢いをつけてあげると、子づるがぐんぐん伸びてきますので、子づるを3本に仕立てます。

 子づるから出る孫ヅルは、はじめのうちは摘み取ります。とくに根ものとほうから孫ヅルがどんどん出て来やすいので、わけわからなくならないうちに、早めに整枝をしましょう。

人工交配をしてみよう

 3本の子ヅルがグングンと伸びてきたら、やがて花がつきます。

 先に雌花がついても、雄花が咲くまでは、雌花は摘み取りましょう。バターナッツの場合は、先に雄花が咲くと思います。

 花の時期には毎朝チェックして、雌花と雄花がそろっている時に、人工交配をします。

 交配はしなくても実が着くことが多いですが、しておいた方が確実で、しっかりした実がつきます。なにしろ交配は、楽しい作業なので、楽しみながらやっておきましょう。

敷きわらをしよう

 ひょうたん型の実が太り始めれば、後は収穫をまつだけ。

 実が地面に触れていると、途中で腐ってしまうことがあるので、実の下に厚めに敷きわらを敷いて座布団のようにしてあげましょう。

 交配から30日〜40日で、はじめ白っぽい皮のいろが、薄茶色に変わります。そうすれば、収穫の時期ですね。

 収穫後は、直ぐには食べないで、2週間ほど直射日光のあたらない風通しのよいところに置いておくと、甘みがのって果肉の色も黄色から鮮やかなオレンジに熟してきます。

 かぼちゃを収穫後に追熟させることを「キュアリング」と言います。でんぷんが糖に変わるのを待つわけです。キュアリング効果は、えびすなどの西洋カボチャのほうが、その大きな違いを実感できますが、バターナッツなど日本かぼちゃでも、採りたてではなく、しばらく寝かせたものの方が美味しくなりますので、 知識として覚えておいてください。

  

 以上、バターナッツの特徴や、栽培方法についてみてきました。

 バターナッツは直売所などで見かけたら、まずはポタージュやソテーにして、西洋かぼちゃとは違った味わいと食感を楽しんでみてくださいね。

 また、自分で作っても楽しい品種ですので、ぜひチャレンジしてみてください。

 夏の管理をしっかりやれば、6月頭に種まきしてもハロウィンには間に合いますので、ハロウィン狙いで作ってみるのも、やりがいがあると思います。

 それでは、バターナッツかぼちゃを、ぞんぶんに楽しんでみてください!

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