車の警告ランプ。オイル・水・ブレーキ・バッテリー警告灯の対処方法
2017/11/23
この記事では、車の警告ランプのうち、とくに重要な【オイルランプ】【水温ランプ】【ブレーキランプ】【バッテリーランプ】の4つの意味と、これらの警告ランプが点灯した場合の対処方法について書いています。
各警告ランプごとに、自分で簡単にできる確認方法と、とりあえずの対処方法についてまとめました。
初心者ドライバーや機械苦手系のドライバー向けの記事です。ドライバーなら誰でも最低限知っておきたいことですので、ぜひこの機会に警告ランプの意味と対処法に目を通しておいてください!
赤い警告ランプがすでに点灯している場合、それ以上車を動かさないのが原則
もし、車の運転中に赤い警告ランプ(シートベルト・半ドア以外の赤いランプです)が点灯していて、今現在、停車して、その意味を調べるためにこの記事を読んでいる方は、「とりあえず車をそれ以上動かさない」ようにしてください。そのまま乗り続けると、エンジンに致命的な損傷を及ぼしたり、ブレーキが効かなくなったりする可能性があります。
また、確認のためにエンジンルームを開けることになりますので、後方に停止版(三角表示板)を立てるなどして、安全を確保してください。
重要な警告ランプはふだんから意識してチェックするべき
車の警告ランプは、メーターの周りにいくつかあります。
車のタイプによってランプの数はさまざまで、高性能の乗用車ほどたくさんついていますが、どんな車にも最低限ついている警告ランプが、
【オイルランプ】
【水温ランプ(または水温メーター)】
【ブレーキランプ】
【バッテリーランプ】
の4種類です。
最低限ついているということは、それだけ重要だということです。
重要なわりには、ふだん、スピードメーターと燃料メーター以外は見てないという人が多いと思います。
これらの警告ランプは、しっかり見てチェックしようという意識が無いと、目に入っていても見えていないものです。
ですから、たいていの場合「この水温ランプいつから点灯していたっけ?」と、警告ランプがついているのに気づくのも「たまたま」というケースが多いです。
そうではなく、ふだんから、この4つの警告ランプが「点灯していないから大丈夫!」と、チェックする癖をつけるようにしましょう。
なお、警告ランプのうち赤で光るものは危険性が高いもの。黄色で光るものは、とりあえずは大丈夫だけど問題ありという意味です。
赤で光る警告ランプは【オイルランプ】【水温ランプ】【ブレーキランプ】【バッテリーランプ】の他にも【シートベルト】【半ドア】があります。
黄色で光るものには【ABS】【パワステ】【エンジン制御】【燃料残量】などがあります。
それでは、以下にとくに重要な【オイルランプ】【水温ランプ】【ブレーキランプ】【バッテリーランプ】のそれぞれの対処法についてみていきましょう。
【オイルランプ】が点灯している場合の確認と対処方法
オイル警告ランプが点灯・点滅している場合は、エンジンが致命的な損傷(=焼き付き)をうけている、あるいは致命的になる寸前の状態である可能性が高いです。
「焼き付き」は、エンジンが固まってしまうことです。エンジンは、オイルが潤滑と冷却の働きをしてくれるおかげで、高速高温でも動くようになっています。なので、オイルが無ければ、すぐ高温で膠着(こうちゃく)してしまいます。それが「焼き付き」です。
一度焼き付きを起こしてしまうと、もとどおりに修理するのは多額の費用がかかり、エンジンそのもの載せ替えた方が安い、ということになります。
オイルランプが点灯すると、焼き付きの可能性が高いですが、問題ない場合もありますので、あわてずにまずは、オイルの量をチェックします。オイル量チェックがわからない人は下記を参照してください。
・エンジン停止後5分くらい経って熱がある程度冷めてから作業します。(鉄部はなかなか冷めないので、鉄部に触れないように注意して作業する。)
・エンジンルームを開けて、エンジンの下の方にある黄色かオレンジの引っ張る取っ手を探します。それがオイルゲージです。
・オイルゲージであれば、軽く引っ張ればスッと抜けます。戻す時に穴の位置がわからなくなるので(とくに夜間)抜きながら、穴の位置を覚えておきます。
・ゲージの先をティッシュで拭き取り、穴に戻します。最後まで(キュッとなるまで)差し込みます
・もう一度引き抜いて、先端についたオイルの量を確認します。
・lowとhighの間にオイルが付着していれば正常です。ゲージの先端に切り込みや穴がふたつ並んでいるので、下がlowで上がhighです。
・確認後は、ゲージを戻し、キュッとなるまで差し込みます。
オイルゲージの見方とチェック方法
オイルの残量によって、対応策が違ってきますので、以下にそれを見ていきましょう。
オイルランプが点灯するが、オイル量は正常な場合
ゲージのオイルの量が、ローとハイの間にある場合は、オイルの量そのものは正常ですが、オイルポンプなどのオイル循環系のトラブルの可能性が大です。
オイルチェックしてみて、オイル量が適正の場合は、オイルランプが点灯してもエンジンに致命的な故障ではなさそうですので、ひとまずは安心して良いでしょう。
ただし、放置できな異状があることにはかわりないので、早急に修理工場に見せる必要があります。
修理工場まで、走行しても良いかどうか? 車種によっても対応が異なるので、まずは修理工場に電話をして、状態を話し、指示に従うようにしましょう。
修理工場には「オイルランプが点灯するが、ゲージをみたらオイル量は適正」と説明しましょう。
オイル量がLOW以下の場合
オイル量がローレベルを下回っているが、少しだけ付着している場合は、オイルが減っていて、とても危険な状態です。
減っている状態でオイルランプが点灯してくれたのは、幸運です。というのも、通常は、オイルランプは、オイルがゲージに付着しないくらい減ってから(ほぼ無くなってから)点灯するものだからです。
逆にいうと、オイルランプが点灯してからは「手遅れ」の場合が少なくありません。
オイルランプに頼らず、常日頃、オイルの量をチェックすること、とよく言われているのはこのためです。
オイルがゲージに少しでも付着する量が残っていれば、多少なら走行しても問題が無いことが多いです。ただし、オイルの汚れ具合などによっては、それ以上走ると、エンジンが焼き付きを起こす可能性がけっこうあります。ですので、オイルレベルがLOWを下回っている状態で走行を続ける場合は、あくまで自己責任となります。
ベストな対応としては、そのまま自走はせず、家族や知人などにオイルを持ってきてもらい、オイルを補充をして、それからエンジンをかけてみて様子を見る方法です。
それができないなら、ロードサービスを呼ぶことをおすすめします。どうしてもという場合は、自走してオイルを買いにいくこととなりますが、あくまで賭けとなります。
いずれにせよ、オイルがそれだけ減っているということは、重大な問題があります。補充してもまたすぐ減るはずなので、減る原因を突き止めなくてはなりません。
オイル交換直後であれば、オイルフィルターやドレンボルトのゆるみなどが考えられます。
また、中古車など走行距離が長い車では「オイル上がり」など「オイル喰い」がはじまっている可能性が高いです。
とりあえず自分でオイルを補給したあと必ず修理工場に見せることです。
オイルゲージにオイルが付着しない場合
オイルゲージにオイルが付着していない場合は、絶対に、それ以上エンジを動かしてはいけません。
次にエンジンを始動した瞬間に、エンジンが焼き付けを起こして修理不能に成る可能性があるからです。
あるいは、オイルランプが点灯した時に、すでに、焼き付きを起こしていたかもしれません。
エンジンからガラガラという異音がしていたら、ほぼアウトです。
それでも奇跡的に復旧できる可能性も残されていますので、ベストな方法としては、とりあえずロードサービスか誰かに救援を頼み、エンジンをかけないで、牽引で修理工場まで運ぶことです。
牽引が無理な場合は、オイルを調達して、オイルをフルレベルまでいれてから、エンジンを始動してみます。
既にカラカラと音をたてて焼きつきを起こしている場合は、たぶん手遅れですので牽引しても、無駄かもしれません。かろうじて動けばとりあえず修理工場まで自走できますが、この場合は判断が微妙なところですので、とりあえず修理工場に問い合わせをして指示を仰ぐのがよいでしょう。
オイルランプが点灯する前に、日頃からチェックを
オイル切れによる「焼き付き」は、致命的で、エンジンを修理するよりも、エンジンを乗せ替えた方が安い、という状態になる可能性が非常に高いです。
エンジン載せ替えは、最低でも20万円ほどかかり、場合によっては車を買い替えた方が安くなる、という最悪のケースになることも少なくありません。
ですので、オイルランプが点灯する前に、日頃から、定期的なオイル残量のチェックを行うことが、とても重要です。
とくに一度でもオイルが減ったことがある車は、オイル上がりやオイル下がりなど、いわゆる「オイルを喰う」状態になっている可能性が高いです。中古車ならとくに注意が必要です。
「オイル喰い」は、オイルが、シリンダーの燃焼室のなかに漏れ出してしまい、そこでガソリンと一緒に燃えるため、どんどん減っていってしまう状態です。
オイルが燃えるため、排気が白い煙りになるのが特徴です。排気ガスが白くなっていたら、「オイルを喰っている」可能性が大ですので、オイルの減りに注意します。
「オイル喰い」の修理は、エンジンを車から降ろして分解しなければならのいので、かなり高額です。そのため、中古車などでは「オイル喰い」を修理せず、ちょくちょくオイルを補充しながら乗り続けるというパーターンが多いですね。
とにかく、くどいようですが、オイルランプに頼らずに、日頃からオイルゲージを見てオイルチェックを行うようにしましょう。
・まずはオイル残量チェック
●オイル量適正の場合
・オイルポンプなどの異状の可能性大
・走行可能かどうか車種により異なるので修理工場に問い合わせて対応
●オイル量がLOW以下だが付着している
・ぎりぎりセーフの可能性大
・ただし、そのまま走行したら焼きつきでエンジン終わる可能性あり。走行継続は自己責任。
・できれば、その場でオイルを補充してから、走行再開がよい。
・オイル減りの原因を把握し、その後も管理を徹底する。
●オイルゲージにオイルが付着しない=オイルがカラ
・すでに焼きついて、エンジン終わっている可能性も覚悟する
・とりあえず、オイルを補充してから、エンジン始動してみる
・カラカラ音がするなら焼きつき。とりあえず動いても、あと、長くて数ヶ月の寿命
・音しなければセーフだが、「オイル喰い」の可能性大のため、その後の管理を徹底
★オイルランプがつく前に、日頃から、ゲージでオイル量のチェックを!
【水温計ランプ】が点灯している
では次に、水温系ランプが点灯している、または水温系メーターがレッドゾーンに入っている(近づいている)場合の対処法をみていきましょう。
・オーバーヒートの状態。ただちに安全な場所で停止。
・クーラントのリザーブタンクやラジエーター内の水の量をチェック。(高温火傷注意)
・クーラント漏れの場合は、応急的に、水道水を補給しながら走行可能。(できるだけクーラント液を入手して補給するのが望ましい)
・クーラント液あるのにランプ点灯の場合は、詰まり、エア噛み、ファン、ポンプ異状など原因が複数考えられるので、走行続ける前に修理工場の指示を仰ぐ。
オーバーヒートとは?
ふだんは緑色の水温計ランプが赤く点灯している、あるいは、水温計メーターがレッドゾーンに近づいている、そのような場合は、オーバーヒートしています。
とりあえず安全な場所に停車して、10分〜15分ほどエンジンが冷めるのを待ちます。
エンジンは常に高温になるため、冷却水(クーラント液)によって冷やされています。冷却水そのものもすぐ高温になてしまうため、ラジエーターとファンで冷却水を冷やしながら循環させる仕組みが備わっています。
その冷却システムに異状がでると、エンジンは冷やされずにオーバーヒートとなります。
そのままエンジンを動かし続けると、オイル切れ同様に「焼き付け」を起こし、エンジンが修復不可能なレベルで壊れます。
ですので、水温計ランプやメーターが警告レベルにあるときは、それ以上動かさないで、とにかくエンジンが冷えるのを待ちます。
オーバーヒート時の対応方法
水温計ランプが点灯したりメーターがレッドゾーンに近づく場合は、冷却水(クーラント液)漏れて減っているか、冷却水を循環させるポンプのトラブルの可能性が高いです。
まず、クーラント液の量をチェックします
クーラント液が減っている場合
クーラント液の量を確認して、補充すれば、とりあえず走行可能です。クーラント液を調達して補充するのがベストですが、最悪、水道水を補充すれば、とりあえず走行は可能になります。
ただし、すぐ液が漏れて、またすぐオーバーヒートする可能性大なので、水温計ランプやメーターに注意しながら慎重に運転しましょう。
クーラント液が減っていない場合
クーラント液が減っていないのに、ランプが付く場合は、ウォータポンプの異状、ファンなどの異状です。
また、水の循環系でエアをかんでいる場合などが考えられます。エア噛みの場合は、エンジンが冷えた状態でラジエーターのキャップを開けた状態でしばらくアイドリングすることで解消することができます。
いずれにせよ、クーラント液が減っていないのに水温計警告ランプが点いたりメーターが上がった場合は、修理工場に連絡をして指示を仰ぎましょう。
・クーラントのリザーブタンク(乳白色のプラスチックタンクで、緑の液が透けて見えるもの)のLOW-HIGHのあいだまでクーラントが入っているか?
・ラジエーターのキャップを開けて、口の上まで、クーラント液が入っているか?(キャップは押し回し。高温に厳重注意。エンジン5分ほどさまし、布切れで抑えながら開けること)
●リザーブタンクがカラ
・クーラントが漏れている。ラジエーターのなかも減っているはずなので、クーラント液(無ければ最悪水道水)を、ラジエーター側に補充
●リザーブタンクは正常
・クーラントの詰まり
・クーラントのエア噛み
・ファンの異状
・ポンプの異状
…などが考えられるので、修理工場に問い合わせて指示を仰ぐ。
【ブレーキランプ】が点灯している
・ブレーキ油圧系の異状
・ブレーキフルードの補充が必要。
・ブレーキフルードのリザーブタンク(エンジンルームまたはダッシュボード右)を探しDOT3かDOT4を補充
「ブレーキランプは、サイドブレーキ(パーキングブレーキ)の戻し忘れを警告するもの」と思っている人が多いですが、実は、それだけではありません。
サイドブレーキを戻してもブレーキランプが、常時点灯または点滅している時があります。そんな時は、ブレーキフルード(ブレーキオイル)の異状です。
ブレーキを踏んだ力は、油圧によって車輪のブレーキへ伝えられています。
ブレーキの油圧経路のどこかに漏れがあり、ブレーキフルードの量が減りはじめると、ブレーキランプが点灯するようになります。
ブレーキフルードが減ると、ブレーキを踏んでもスカスカになって、遅かれ早かれブレーキが効かなくなるのでたいへん危険です。
ですので、ブレーキランプが常時点灯・点滅となったら、ブレーキフルードのリザーブタンクを必ず確認しましょう。
ブレーキフルードのタンクはプラスチック製の小さなタンクで黄色い大きなキャップが付いているものが多いです。英語でBrakeFluidなどと書かれているので確認してみてください。ブレーキフルードのタンクの場所は、エンジンルーム内か運転席ダッシュボード右側の扉のなかにあります。
ブレーキフルードはDOT3とDOT4のタイプがあり、タンクのキャップに銘記されています。ブレーキフルードは、カー用品店はもちろんホームセンターの自動車コーナなどにも置いてあります。
【バッテリーランプ】が点灯している
・バッテリーの劣化か発電機の異状
・原則、エンジンさえかかれば、バッテリーが無くても動く。
・ただし、車種によっては走行が危険。電気制御が重要な機能となっていて突然停車する可能性もあるので、修理工場へ相談
バッテリーランプが点灯している場合は、電力が低下しています。
車のエンジン、は原理的には、始動さえしてしまえば、バッテリーが無くても動きます。ただし、今のエンジンは、いろいろなところで電気的な制御をしているため、電力供給が途絶えるとエンジン制御にさまざまなトラブルが発生して、走行中に突然停止する可能性もあるため危険です。
バッテリーランプが点灯している場合、基本的にはバッテリーそのもの劣化か、発電機(オルターネーター、ダイナモ)の異状です。
まず、バッテリーの端子がゆるんでいないか確認(感電に注意。鉄部分を触らないこと)し、バッテリー液の残量を見ます。
バッテリー液量が減っていれば、バッテリー劣化の可能性大です。バッテリー液は、バッテリーを軽く揺らして見ると、見やすいです。バッテリー液を補充し再充電して復活する場合もありますが、たいてはバッテリーの寿命が来ていると思います。バッテリー交換となります。
また、オルターネーターのベルトが切れている場合などもありますので、ベルト類を確認してください。
バッテリーランプが点灯した場合、エアコン、カーステなどを切るなどして、電力を使わなければ走行可能のことも多いです。しかし、車種によっては重要な制御機能を電気に頼っている場合もありますので、バッテリーランプが点灯したら、まず修理工場に相談して対応するようにしましょう。
警告ランプ点灯時の対応まとめ
以上、警告ランプのうちとくに重要な【オイルランプ】【水温ランプ】【ブレーキランプ】【バッテリーランプ】の意味と対処方法について見てきました。
要点を、もういちどまとめておいたので、以下のことは、最低限、頭に入れておいてください。いずれにせよ、とりあえず安全な場所に停車して、自信がない場合は、素人判断せずに行動しましょう。
【オイルランプ】…点灯してからはオイル切れによる「焼きつき」で手遅れの可能性大なので、日頃のオイルチェックを怠らない。ランプ点灯後は安易にエンジンを動かさないこと。
【水温ランプ】…それ以上動かすとオーバーヒトーによる「焼きつき」する可能性大。エンジンを冷却してから、クーラント補充など対応。やけど注意。
【ブレーキランプ】…ブレーキが効かなくなる可能性大なので、必ずブレーキフルードの残量を確認。
【バッテリーランプ】…車種によっては重大。バッテリー劣化以外は、素人判断が難しいので修理工場などに相談。
警告ランプは日頃忘れられがちですが、警告ランプにも目を配りながら、運転をしましょう。
また、この記事で書いてあるレベルのことは、ドライバーなら最低限知っておきたい、簡単なメンテナンス事項ですので、自分の車のチェックポイントを知っておきましょう。
なお、走行中のトラブルで、オイル切れ、オーバーヒートなどに続いて多いのがパンクです。パンクについては、こちらの記事⇒「パンクした場合の対応方法」もぜひ参照してみてください。
それでは、今日も安全運転で!