車がパンク!修理剤、スペア交換、ロードサービス、どれでなおす?

      2016/12/01

パンク

 車がパンクした場合は、まず、あせらず安全な位置に停車してください。

 パンクした場合の対応は、
●スペア交換
●パンク修理剤による応急処置
●ロードサービスを呼ぶ

の3択となります。

 どの方法をとるべきか? まずは下記のチャートで確認して、最善策を選んでください。

 なお、道具の確認や修理をする時は、後続車や作業スペースなど考えて、安全な場所まで移動してください。パンクした状態で走る距離はできるだけ短いほうがよいですが、最悪1km程度なら徐行で移動することは可能です。しかし、パンクしたまま、あまり長距離を走ると、タイヤが修理不能で交換になるばかりか、ホイールを痛める可能性もありますので注意しましょう。

車がパンクした場合の対応の判断について

 車がパンクした場合は、まず、下のチャートに従い対応策を判断してください。

パンクしたらどうするか!?
判断基準と対応手順

まずは修理方法は何か? 車に搭載されているものを確認。⇒パンク修理道具の確認方法について詳細

1 パンク修理剤が搭載されているか?

それとも

2 スペアタイアが搭載されているか?

を確認します

【1 パンク修理剤の場合】

パンク修理剤には2タイプあります
◎SLIMEなど修理液が洗浄できるタイプか?
●洗浄できないタイプか?
をまず確認。⇒修理剤についての詳細

◎洗浄できるタイプの場合
 ↓ ↓ ↓
修理キットを使って修理!⇒詳細

●洗浄できないタイプの場合
 ↓ ↓ ↓
ロードサービスを呼ぶ

【2 スペア交換の場合】

スペアの交換はネジがゆるむかどうか?が最大の山場
◎ネジがゆるみそうか?
●ネジが固くて無理っぽいか? 
を確認⇒自分でできるかどうか?判断基準

◎ネジがゆるみそうな場合
 ↓ ↓ ↓
スペア交換に挑戦!⇒詳細

●ネジがゆるまなそうな場合
 ↓ ↓ ↓
ロードサービスを呼ぶ

パンク修理の方法…修理剤か? スペア交換か?

 パンクの修理方法は、大きくわけてふたつあります。

 ひとつは「スペアタイアへの交換」。もうひとつは「パンク修理剤」による応急処置、です。

 ひと昔前は、パンク修理といえば「スペアタイア交換」が常識だったのですが、最近の車は、デフォルトで「パンク修理剤のみ搭載」で、スペアタイアが付いていないものも多いです。

 パンクした場合は、修理剤かスペアのどちらが搭載されているか? それを、まず確認です。

 通常は、トランクルームの中にスペアタイアかパンク修理剤が格納されています。ワゴンやミニバンなど後ろが開く車種では、後ろの扉をあけてトランクルームの下たのじゅうたんをはがしたところにあります。セダンでは、トランクの中にあります。

 格納場所は車種によってさまざまですので、下記を参考に探しましょう。

スペアタイアやパンク修理キットの格納場所は?

・ワゴン・ミニバンなど…トランクルームのじゅうたんの下。

・セダンなど…トランクのなか。

・大型バン、トラックなど(スペア)…車体の下

・上記になければ後部座席の椅子の下もチェック

パンク修理剤には洗浄可能と洗浄不可の2種類があります

 パンク修理剤が搭載されている場合、これを使うかどうか? 検討が必要です。使えない場合、あるいは、使わない方がよいケースもあるので注意が必要です。

 まず、パンクの状態ですが、縁石にこすったなどで、側面が裂けている時は、パンク修理剤は使えません。側面に穴が開くパンクの場合は、ロードサービスを呼ぶのが、唯一の方法となります。

 側面に穴が見えない場合は、次を読み進めてください。

洗浄不可のパンク修理剤の場合

 パンク修理キットが搭載されている場合、修理キットで治したほうが良い場合と、ロードサービスを呼んだ方が良い場合と、2パターンあります。

 なぜなら、パンク修理剤には、後で洗浄可能なのものと、洗浄不可のものの2種類があるからです。

 洗浄不可のものは、あとでタイヤ交換になります。タイヤ代は一本で、軽なら5,000円〜1万円、普通車では1万円〜2万円、高級車やスポーツカーでは4〜5万円と、決して安くはありません。

 一方で、タイヤの穴をふさぐタイヤ修理なら千円以下から数千円ですみます。

 ところが、一度、洗浄不可の修理剤を入れてしまうと、タイヤの内側が溶け、修理しても使えなくなります。

 ですので、洗浄不可のタイプのパンク修理剤を使用しないで、ロードサービスを呼んで最寄りのスタンドなどに運搬して、そこでタイヤを修理した方が、格段に安くなる場合があります。

 ほとんどの場合、ロードサービスは保険などのオプションサービスで無料で利用できるはずです。ですので、パンク修理代の数千円しか、かかりません。

 それに対して、洗浄不可のタイプのパンク修理剤を使えば、修理ではなく交換になるため、10倍近くお金がかかります。ですので、レンタカーなどでは、パンク修理剤を使わずにロードサービスを呼ぶように指定しているところもあるくらいです。

 なんらかの理由でロードサービスを利用できない場合は、洗浄不可タイプのものでもパンク修理剤を使わざるを得ません。しかし、パンク修理剤が効かなくて、パンク修理剤を注入しても治らない場合もあります。それを考えれば、洗浄不可の修理剤しかない場合は、できるだけロードサービスを使い車両運搬しタイヤ修理をした方が良いですね。

洗浄可能なパンク修理剤の場合

 洗浄可能な修理剤の場合は、修理剤を注入し、成功すればそのまま最寄りのサービス工場で行き、タイヤを修理します。タイヤ交換ではなくパンクの穴をふさぐ修理ですみますので、安ければ千円以内、高くても数千円で完治します。

 注意したいのは、パンク修理剤はあくまで応急措置ということ。

 パンク修理剤の応急処置の状態で4千km走行したというテスト結果もあるようですので、場合によっては、そのまま帰宅して、後日修理に出すことも可能かもしれません。が、パンク修理剤の応急処置のままでどれだけ走るかは自己責任でお願いします。高速などはやめておいた方が良いでしょう。

 パンク修理剤の使い方は次章で述べています。

パンク修理剤のタイプの見分け方

 車に積んであるパンク修理剤が洗浄可能か不可かは、実は、見分けるのは難しいです。特に、はじめから車に搭載されている純正のものは、わかりにくいです。

 修理剤に書いてある場合もありますが、問い合わせが可能な状況ならメーカーやディーラーに確認してみるのがもっとも早いと思います。

 高級車や外車では、ほとんど洗浄可能タイプが搭載されているようですが、価格の安い車ほど洗浄不可タイプのものが多いようです。

 市販のものであれば、洗浄可能なものとしては、パンク補修用タイヤシーラント「スライム」が代表的な製品です。一方、カー用品コーナーなどで良く見かけるホルツ「タイヤウェルド」などは、洗浄不可タイプです。

 自家用車にはあらかじめ「スライム」の修理剤を購入して搭載しておくことをおすすめします。

★洗浄可能なので補修後に、パンク修理が可能。タイヤ交換の必要ないため、とくにタイヤ代が高い車では必須の修理剤。

★洗浄不可のタイプ。使用後にタイヤの交換が必要だが、スプレーのみで空気も膨らむので、緊急用に便利。

パンク修理剤を使う前にチェックすべきこと

★タイヤの側面に穴が裂けている場合は、パンク修理剤は使えないのでロードサービスを呼ぶしかない。

・パンク修理剤剤使用前に洗浄可能か洗浄不可かを調べる。わからなければメーカーやディーラーに問い合わせ

パンク修理剤が洗浄不可の場合

・洗浄不可の場合、タイヤ交換の経費とロードサービスの経費を比較。

・経費や時間的にロードサービスが有利と判断するなら、ロードサービスを呼ぶ。

・ロードサービスが呼べない場合などは、パンク修理キットを使用し最寄りのサービス工場まで行きタイヤ交換をする。

★パンク修理剤は、失敗する場合もあるので、注意

パンク修理剤が洗浄可能の場合

・パンク修理剤で応急処置してから、後日、正式にタイヤ修理する。

・タイヤ交換ではなくタイヤ補修ですむため安く治せる。

・修理剤を入れた状態はあくまで応急措置なので走行注意!

パンク修理剤の使い方

 パンク修理剤の使い方については、搭載されている各製品ごとに使用方法が違います。まずは、取り扱い説明書をしっかり読みそれに従ってください。

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 コンプレッサーを使う場合は、シガーライターから電源をとって使用する流れになります。

 パンク修理剤のタイプには、以下があります。

●スプレー一本で、エアーも同時吸入できるもの
●エアコンプレッサーと一体型になっているもの
●スプレーをしたあとにエアコンプレッサーで空気を入れるもの
●またエアーバルブ(ムシ)を取り外して入れるものと、エアーバルブ取り外し不要のものと2タイプある

 とくに注意したいのは、エアーバルブと空気圧の扱いです

エアーバルブ

 空気入れの中に入っているもので、これを取り外してから注入が必要なパンク修理剤キットには、エアーバルブを取りはずす専用の工具が付属しています。取説に従って使用してください。

 エアーバルブを抜くときは、空気圧でポンと飛び出してくる場合があるので気をつけましょう。万が一飛んで無くなってもいいように、パンク修理剤キットには予備がついています。

空気圧

 付属のエアコンプレッサーには空気圧計が付いていますので、取説に従って、空気圧を調整します。指定の空気圧は運転席のドアをあけて、ボディのふちに刻印されていることが多いので確認しましょう。

 エアーの設定に自信がない場合は、最寄りのスタンドで確認しましょう。

 エアコンプレッサーをかけっぱなしで現場を離れたりするとタイヤ爆発のリスクがありますので、取説の指示に従い安全に作業を行ってください。

タイヤ修理剤の使い方

・取説を熟読

・エアーバルブの飛びに注意

・空気圧の設定に注意

スペア交換が自分でできそうか?

自信のない人はロードサービスを呼ぶ

 スペア搭載車の場合は、スペア交換を自分でやるか、ロードサービスを呼んでやってもらうか?になります。

 ほとんどの場合、保険についているオプションサービスでロードサービスのスペア交換が無償でできるはずですので、交換する自信がない人はロードサービスを呼びましょう。

スペア交換を自力でやってみる場合は…

 でも、実は、スペアの交換は、慣れればそれほど難しいものではありません。ただし、問題は、タイヤを止めているナットが、普通の車載工具で回しただけでは固くてゆるまないことです。

 なので、パンクが多い田舎住みの人は、パンク専用のレンチや潤滑剤を独自で用意して車に搭載し、自力ですんなりスペア交換できるように備えているものです。

筆者も、スペア交換できるように、車載工具ではなく、ハンドルが延長できテコの力をかけられるレンチを買って搭載しています。十字タイプのものでもよいでしょう。また、ナットをゆるませるために、CRCなどの潤滑油スプレーも搭載しています。

 もし、車載工具しかなく、スプレーもない場合は、ナットがゆるまない可能性が高いのですが、まずはトライしてみてください。

 ちなみにナットは「反時計周りでゆるむ」です。硬いと「回す方向が逆だっけ?」と、余計締まる方向に回してしまう人も少なくありませんが、タイヤに向かって見たときに反時計周りが緩むです。

 硬い場合はナットとレンチ部分をしっかり押さえて、レンチのハンドルを硬い石か何かで叩いてみてください。姿勢的に可能なら、足で踏んでみてください。そうするとゆるむ場合があります。

 ナットがゆるみそうであれば、スペアと交換しましょう。スペア交換の注意点は次項で述べています。

スペア交換を自分でするかの判断基準

・自信ない人は無理をしないでロードサービスを呼ぶ

・車載工具しかない場合は、ナットがはずれない可能性が高い

・車載工具のレンチなら、柄を踏むか石で叩くかして、ナットを緩めてみる。

・ナットがゆるまないようなら、あきらめてロードサービスを呼ぶ

・今後のために、スペア交換専用レンチと潤滑油を買って搭載しておく。

スペア交換の手順と注意点

1
 まず安全な作業場所の確保です。路肩でも十分なスペースがあること、坂道をさける、停止版をおくなど、自己責任で安全な場所を確保してください。

少しだけなら、パンクした状態で車を運転して移動しても大丈夫です。

2
 修理する車の対角線側に車止めを入れます。車止めが無ければ大きな石などで代用。修理後に取り忘れることが多いので注意しましょう。

3
 ホイールカバーは、傷をつけないようドライバーなどに布をまいて、ホイールカバー周辺に差し込んではずします。強引にやるとホイールカバーが壊れてしまう場合もありますので、外し方がわからない場合はメーカやーディーラーに聞いてください。ホイールカバーが最も壊れやすいので、レンタカーや借りた車の場合は、とくに注意しましょう。

 なお、ホーイールカバーは無くても走行に支障はありません。

4
 ジャッキアップの前に、必ず、ナットをゆるませます

 潤滑スプレーをかけてから、延長スパナや十字スパナで回すのがベストですが、車載工具しかない場合は、スパナの取っ手を石などで叩いてみます。

 ナットが手で回せるくらにゆるんでから、ジャッキアップします。

5
 ジャッキアップポイントを探します。ジャッキアップポイントは、フレームの下のヘリが分厚くなっていたり印が付いているところです。そこにジャッキの上部があがるように、ジャッキで上げていきます。

 ジャッキはある程度、手でまわして、ジャッキアップポイントに近い高さまで伸ばしてから置いて、それからハンドルで回した方が楽です。

 ジャッキアップした車の下には絶対に入らない、手足を入れないようにしましょう。また、スペアタイヤや交換後のタイヤを車体と道路の隙間に入れて置くようにします。万が一ジャッキが外れた時の対策です。

6
 ジャッキで十分に浮き上がったら、手でナットを回して外します。慌てているとナットをどこに置いたかわからなくなるので、ナットを回収する場所を決めたり入れものに入れるなどして、無くさないよう注意します。

7
 パンクした車輪とスペアを入れ替えます。

8
 ナットを対角線の順番で、手で硬くなるところまでしめていきます。

9
 手締めでしっかりしまったら、ジャッキを下ろします。ジャッキアップ中はレンチは使わず手締めのみです。

10
 レンチで締め付けます。レンチで手でしっかりしめた後、足で軽く体重をかけるか石でレンチの柄を叩くなどして20度〜30度増し締めすれば大丈夫です。

 締め付けトルクは、あとで、スタンドや整備工場で確認してもらいましょう。

11
 ホイールカバーを戻し完了です。

 車止めを回収します。道具の置き忘れなどないか確認して、終了です

 以上がスペア交換の手順です。車によく乗る人は、覚えておいた方が良いと思います。一度、練習すれば、それほど難しいことではないので、ぜひ挑戦してみてください。

 ただし、緊急時には無理をしないでくださいね。

スペア交換のポイント

・安全確保(場所、車止め、など)

・ホイールカバーは丁寧にはずす

・ジャッキアップの前に、ナットをゆるめる(反時計周り)。

・外したナットを無くさないようナットの置き場所に注意。

・ジャッキアップポイントでジャッキアップ。スペアを車体と道路の間にはさみ安全確保。

・車輪交換後、手締めでナットを締めてから、ジャッキをおろす

・ジャッキを下ろしてから、レンチで増締め

・ジャッキアップ中にレンチを使わないこと!

★車載工具のタイヤレンチ。これではパワー不足でナットがゆるまないことが多い

★アームが延長できるため、硬いナットもゆるめることができる

★アルミホイールなどは、レンチの先が薄口でないと穴に入らない場合もある。

 

 

 以上、車がパンクしたときの対応方法についてみてきました。

 スペア交換や応急処置が不安人は無理をせずロードサービスを利用しましょう。

 パンクしやすい田舎住みで自家用車を持っている人はスペアと専用レンチを備えておいたほうが良いと思います。一回だけ交換の練習をしておけば、最も安くパンク対応ができます。

 なお、レンタカーでパンク代を請求されないためには、⇒「レンタカーの保険」の記事も参照してください。

 では、今日も安全運転で!

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