川越祭り秋2016年。山車の見どころと、夜の川越祭を楽しむコツ。
2016/09/24
川越祭りは「小江戸」として有名な古い街並を残す埼玉県・川越市の氷川神社の秋の例大祭です。
もともとは氷川神社の神輿(みこし)の行列に、庶民が山車やお囃子をだして行列に加わったのが、はじまりとされています。
江戸文化を今に伝える川越の古い街並で、江戸にタイムスリップしたような川越祭りで秋のひとときを過ごしてみませんか?
平成26年は10月15日(土)16日(日)に行われます。この記事では川越まつりの昼と夜の見どころや、おみやげ情報などもお伝えしていきます。
二階建ての山車が伸び縮みする理由は?
川越は江戸時代から、江戸へ物資を供給する流通拠点として繁栄した商人の街です。氷川神社の例大祭としてはじまった山車は、川越商人たちの江戸の流行を取り入れる気風と財力もあって、どんどん豪華になっていきました。
当時の江戸では、神田明神と赤坂・日枝神社で「天下祭り」という大規模な祭りが行われ、山車で江戸城に入場していました。その天下祭りの山車を、川越でも取り入れたのがはじまりです。
山車は、6mの高さの2階建ての構造になっていて、2階部分が伸縮みできる仕組みになっています。さらに、最上部には2m近くある巨大な人形が備え付けられていますが、この人形もエレベータ式に格納できる仕組みになっています。
この高さ調整の仕組みは、天下祭りで江戸城に入場する時、門をくぐり抜けられるように考えられたものです。
江戸の天下祭りは、明治になり江戸城への参上も無くなったことから、山車は衰退し、今では神田明神と赤坂・日枝神社は神輿だけのお祭りへと変わっています。
江戸当時の天下祭りの山車が、現代まで受け継がれているのが、川後まつりなのです。
まさに小江戸の名の通り、川越には、江戸の文化がしっかりと継承されているわけですね。
川越祭りといえば、お囃子合戦「ひっかわせ」
江戸の天下祭りを継承する山車と、川越の蔵作りの街並。江戸にタイムスリップしたような気分になれるのが、川越まつりの最大の魅力です。
ところで、この山車は、江戸から伝わり、川越でさらに改良が加えられていて、山車の上の舞台が360度回転するようになっています。それには理由があります。
川越には30台近い山車があります。山車の頂上にはそれぞれ人形が備え付けられていますが、山車の名前を人形のキャラクター名で呼びます。弁慶、牛若丸、浦島太郎、龍神、羅陵王、徳川家康、鏡獅子、天鈿女命などなど。
山車の舞台には五人囃子と呼ばれる、演奏者と舞い手が乗り込んでいます。奏でられるお囃子も、人形のキャラクターにちなんだ楽曲が多く、山車ごとの固有のレパートリーがあります。
さて、川後まつりでは、山車どうしが道ばたで遭遇した時に、それぞれの囃子が演奏バトルを繰り広げます。この、囃子合戦のことを「曳っかわせ(ひっかわせ)」と呼びます。
この時、山車どうしは、舞台を回転させて向き合わせて、それぞれの山車の得意のお囃子を演奏します。まわりでは若衆が盛り上がります。神楽の音色が響き渡り、なんともえも言われぬ雰囲気になります。
この「曳っかわせ」のために、舞台が回転するように作られているわけです。
「曳っかわせ」は昼間もおこなわれますが、特に、夜の「曳っかわせ」は、雰囲気があり幻想的で見応えがあります。
川越祭りを観るプラン。昼にする?夜にする?
では、川越祭りの山車を堪能するプランをいくつか紹介します。
昼は市役所前が狙い目
17日(土) 14:00~15:00頃には、参加しているすべての山車が集結します。「山車揃い」と呼ばれていて、山車は停車していますので、じっくり観ることができます。
18日(日)は昼間の巡行(曳き回し)が行われますが 13:30~15:00頃にかけて、次々と市役所前を通ります。有料観覧席も設けられますので、スタンドからしっかりと山車を観ることができます。観覧席は例年9月に発売されますが、すぐ売り切れてしまいますので、こまめに、「小江戸川越観光協会」のHPをチェックするようにしてください。
蔵造りの通り川越一番街商店街。
川越の名所でもある 蔵造りの一番街商店街も、山車巡行を観るポイントです。なにしろ、この通りは電線が無いため、常に最上部の人形を出しっ放しにして通行できるのです。逆に言えば、他の通りでは、電線があるため、人形は格納されています。それでもぎりぎりひっかかるので、最上部には竹竿をもった男たちが乗り込み、電線をよけながら山車は進んでいるのです。
川越は、実は全国でもさきがけて、電線の地中埋没をおこなった街なのですが、電線がある通りと無い通りで、山車のフォーメーションが変わってきますので、そのあたりもチェックポイントになります。
夜の巡行と「曳っかわせ」
川越まつりの雰囲気は、やはり夜の方が幻想的な雰囲気が高まって、江戸へのタイムスリップ感は強いです。
昼間じっくり山車巡行を観るのもよいですが、やはり夜にも足を運びたいですね。
ただし、夜は、特に人が多く、「曳っかわせ」がある交差点では、おしくらまんじゅうで身動きができない状態となります。
少しでも混雑を緩和するコツは、できるだけ駅から離れて、蔵造り通りの札の辻の方まで行き、そこで遅くまでねばる、ということです。
祭は10時頃までやっていますが、人でのピークは8時頃。9時頃まで札の辻あたりに入れば、だんだんと人混みが緩和されてきます。
都心への終電は東武東上線が池袋行きが23時30分頃ですので、10時前まで粘っていても、終電は間に合います。
川越祭りのお土産とえいば、やっぱりあれ
川越のおみやげと言えば、川越サツマイモを使ったお菓子です。
江戸時代から、川越サツマイモは有名で、『亀屋』『くらづくり』など老舗の和菓子の素材になっています。
また近年では一番人気の『菓匠右門』のサツマイモ入り薄皮まんじゅう「いも恋」や、川越を舞台にした朝ドラにちなんだ『紋蔵庵』の「つばさかりん」などが人気です。
また、「小江戸蔵里」川越蔵プリンさつまいも、『道灌』の芋クリームどら焼き、など次々と川越サツマイモのスィーツが産み出されています。
さて、川越まつりのおみやげとしては、地元のひと人気があるのが、『亀屋』の「おたのしみ袋」と、『くらづくり』の「弓張り提灯・芋づくし」
どちらも祭り限定商品ですので、川越まつりのお土産に、ゲットしたいものですね。
以上、川越まつりについての情報でした。
都心からもアクセス近く、古き良き江戸文化を肌で感じ取れる川越まつり。
是非、いちど足をはこんでみましょう。