岸和田だんじり、カンカン場の有料観覧席と夜の火入れ曳行で大満喫!

      2016/09/12

岸和田だんじり

大阪南部・和泉(いずみ)の城下町、岸和田。岸和田といえば「だんじり」。重さ4トンの地車(=だんじり)が、スピードを落とさず角を曲がる勇壮な「やりまわし」で、観るものを圧倒する人気の祭りです。

 前回の記事→2016年岸和田だんじり祭りの日程では、9月と10月の違い、試験曳き、宵宮、本宮の見どころについてお伝えしました。

 今回は、まだまだある「岸和田だんじり」の楽しみポイントについて、述べていきます。

岸和田カンカン前の有料観覧席

 岸和田だんじり祭では、だんじりのやりまわしを、しっかりと確実に観るために、有料観覧スタンドが特設されています。

 アウトレットモール岸和田カンカンの前にある岸和田港交差点に設置された有料スタンドは、だんじりを曳く一行全体を上から見下ろすかたちになるので、何をどうやっているのか?がとてもよく見えます。

 地元の人ですと建物の2階からだんじりを観る機会も少なくないでしょうが、沿道から観るだんじりは、迫力は満喫できますが、何がどうなっているのか、イマイチわからない感じがします。やはり、一度は、上からしっかり観ておいた方が、特にやりまわしの面白さがわかると思います。

 有料席は、試験曳き、宵宮、本宮、それぞれ時間区切りでチケットが販売されています。本宮の日はすぐに売り切れてしまいますが、試験曳きや宵宮は比較的余裕があります。発売は例年7月半ばですので、残席があるかもしれないのでチェックをしてみてください。

 岸和田だんじり有料観覧席・チケットぴあ

 ところで、岸和田カンカンの名前の由来ですが、もともと、この有料観覧スタンドがある岸和田港交差点は「カンカン場」と呼ばれる、やりまわしの見せ場ポイントでした。その「カンカン場」が岸和田カンカンの名前の由来となっています。

 ではなぜ、この交差点が「カンカン場」と呼ばれるのか? カンカンは看貫測りのことで、トラックごと重量を測るはかりのことです。この交差点付近に、岸和田港の荷物用の看貫測りが設置されていたので、カンカン場と呼ばれているわけです。

 有料観覧席付近はとても混雑し、道を横断するのもなかなか大変です。早めに観覧席に入りましょう。もちろん、雨かっぱや日除け、熱中症対策も忘れずに!

だんじり火入れ曳行と別れの挨拶

 勇壮に疾走する岸和田だんじりですが、もうひとつの顔があります。

 灯入れ曳行(ひいれえいこう)と呼ばれる夜のだんじりです。

 昼間はスピーディーなやりまわしを演じただんじりが、提灯を盛大に飾りつけられ、提灯山車に変身し、ゆっくりとした速度で町内を練り歩きます。

 昼間は、青年団たちによって荒々しく運行されているだんじりですが、夜の灯入れ曳行では、子どもたちがだんじりに乗り囃子を奏でたりと、のどかな雰囲気で繰り広げられます。

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 夜も更けてくると、だんじりの列は大通りをはずれ、路地へと入っていきます。やがて、だんじりは各町の本拠地にあるだんじり倉庫へと帰っていきます。

 着いていくと地域に密着しただんじりの雰囲気が味わえます。地元の人々の会話なども耳に入り、生活のなかで

 だんじりの庫入れの頃まで、夜間曳行に着いていくと、そこでしか味わえないディープな雰囲気を垣間見ることができます。なんとだんじり終わりでの地元の人々の挨拶は「よいお年を!」なのです。

 岸和田では、だんじり祭が1年の境目と言われており、9月はじまりの岸和田限定カレンダーも実際に存在するくらいです。

 岸和田の人たちが、だんじり祭りを中心に、生活を送っている様が観てとれますね。

岸和田だんじりがネット上で悪く言われるのは…?

 だんじり祭りを中心に1年がまわっている岸和田。それほど地域の生活に密着した濃い祭りなんですね。

 子供たちのあごれは、いつも、だんじりの大工方。大工方とは、だんじりの屋根に乗り、パフォーマンスをしながら、だんじり操作のタイミングなどを指示する役割の人です。子供の時から親しんであこがれて、中高生ともなると、青年団に入りだんじりの担い手となっていくわけです。

 だんじりの日に休みがとれないから会社を辞めた話とか、1年中だんじり祭のことしか頭にない人がいるとも言われています。

 だんじりに限らず、熱い祭りが色濃く残っている地域では、そういう地域密着方の価値観が色濃く残っていますが、一方ではネットやスマホの発達で価値観が多様化している時代。

 だんじりのような熱いものは「うざい」と思われ、アンチの意見が多く出てくるのも、時代の流れだと思います。ネット上には、何故か、アンチだんじりの意見が少なくありません。

 それでも、常に時代に合わせて、受け継がれているのが、だんじりです。

 岸和田だんじりは、特に、時代の変化にあわせて、祭りの形態を変えてきたタイプの祭りです。今では、岸和田だんじりには不可欠な「やりまわし」も、昭和に入ってからできた技です。

 また、以前のやりまわしは事故が多く、最近では、やりまわしの手前で一時停止をして、そこから加速してやりまわしに入るという曳き方に変わってきています。だんじりの車輛にブレーキがついたのも近年のことです。

 300年の歴史をほこる岸和田だんじりですが、時代に合わせて、少しずつ形態を変化させてきているからこそ、延々と続いてきているわけですね。

 派手なやりまわしそのものではなく、だんじり祭りを作り上げる、岸和田の地域の人々の絆にこそ、祭りのほんとうの意味がある・・・・そんなことにも思いを馳せながら、岸和田だんじりを存分に楽しみましょう!

 また岸和田だんじり祭で欠かせない食べものについての、こちらの記事も是非ご覧ください。→岸和田だんじり祭りの家庭料理と屋台

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