台風の時期はいつ?/上陸や発生からみる台風シーズン
2016/06/20
台風が最も多く日本にやってくる時期はいつでしょうか?
台風は発生しても、日本の本州には上陸しなかったり、かすめるだけ(気象用語では「通過」という)だったりして、本州に上陸する数そのものも、それほどは多くありません。
また、年によってもマチマチですので、「一概に何時が多い」というのは、はっきりとは言えません。
しかし、過去の統計データーなどから、おおよその傾向をつかむことで、台風に備えをしたり、あるいは旅行やレジャーのプランを立てる参考にできるかもしれませんね。 この記事では、台風の時期について、みていきましょう。
台風の上陸数と発生数は?
まず、台風は1年間にどれくらい発生しているのでしょうか? これも年によりばらばらですが平均では年間26個となっています。
ちなみに過去65年間の統計で、最も発生が多かったのが、39個(1967年)、もっとも少なかったの2010年の14個です。
このうちに、日本に「上陸」しているのは、平均2.7個です。が、あくまで平均であって、たとえば2004年は上陸が10個、上陸がゼロの年は過去65年間で4年、上陸が一回だけの年は7年、という感じになっています。
ここで注意したいのは、ここでいう「上陸」の定義なのですが、本州の海岸線に台風の中心が入った場合となっていて、半島や島を横切るのは含まれない、ということです。
ということは、沖縄地方は別だということですね。で、沖縄・奄美地方の台風の年間接近数は平均7.5回になっています。やはり、沖縄奄美地方は台風が格段に多いようですね。
台風の時期は平均値からみると何時?
さて、では次に、台風の時期についてみてみましょう。
下のグラフは、過去65年間のデーターで、月ごとの平均値です。台風の発生数/本州への接近数/沖縄・奄美への接近数/本州への上陸数について、月ごとにまとめてあります。
なお、このデーターで言う「接近」とは、各地の気象台から300km圏内に入るという意味です。
このグラフから見れば、台風の発生・接近・上陸いづれについても、8月が最も多いことがわかりますね。
8月>9月>7月>10月
…という順で台風が多く、台風の時期は、このあたりになると言えるでしょう。
ちなみに、2016年は台風の発生が遅れていて6月になってもまだ1号が出来ていません。こういう年もあるわけです。⇒「2016年の台風1号の発生は?」
地域別の台風シーズンの傾向
上のグラフは、沖縄と本州の平均値をみたものですが、各地域ごとに、もう少し細かいデーターをみてみましょう。
下のグラフは、沖縄/鹿児島/福岡/高知/和歌山/静岡/東京/千葉の各都市の150km圏内に台風が接近した数のデーターになります。
このグラフから、やはり沖縄や鹿児島はダントツで台風が多いことがわかりますね。また、東日本より、西日本の方が台風が多いということも見てとれると思います。
さらに、このグラフから、微妙に読み取れることがあります。
台風接近のピークが、沖縄・鹿児島・福岡・高知では8月最も多くなっていますが、それに対して、和歌山・静岡・千葉では9月が多くなっているということです。
また、10月の接近数を見ると、静岡・千葉・東京が、鹿児島・福岡・高知に比べると、多くなっています。
これらのことから、台風の時期について次のようなことが言えると思います。
- 西日本では8月をピークに7月〜9月が多い
- 東日本では9月をピークに8月〜10月が多い
以上、台風の時期について、データから傾向を探ってみました。
あくまで統計ですので、一概に言えることではありません。
今後は、温暖化の影響で、時期はずれの台風というのも増えてくる可能性も高いです。台風が来るのは何月!と決めつけるのは、あまり意味がありません。日頃から台風がいつきてもいいように、防災意識は高めておくようにしたほうがよさそうですね。