2016年は台風1号の発生が遅い記録を更新中!

      2016/09/20

台風1号

 台風1号とか15号とか、台風は番号がついていますね。その年のお正月から数えて、何番目の台風か?という通し番号です。

 そもそも台風1号は何月頃できるものなのでしょうか? そして2016年、台風1号がかなり遅れています……。遅い台風1号歴代記録更新となるのでしょうか?

 台風1号の発生時期について、過去・現在いろいろみていきましょう。

なお最新の台風情報については、⇒「台風最新情報を確実にゲットする方法」の記事をご覧ください。案外、知られていない台風の最新詳細情報の見方について、お伝えしています。

台風1号は、何月頃に発生する?

 まず、台風1号は、何月頃に発生するのがフツウなのでしょうか? 過去の統計から平均値を計算すると、台風1号の平均発生時期は3月1日〜7日頃、となります。

 台風1号の発生時期は、年によってまちまちです。

 もっとも早い台風1号は、記録では1979年の1月2日です。1月に台風1号が出来ることは珍しいこではなく、過去65年間で、1月に台風1号が発生した年は25回、そのうち、1月中に台風2号まで発生した年は4回ありました。

 早い年は早い、って感じですね。

 さて、2016年は、記事執筆中の6月20日現在で、まだ1号が発生していません。

 統計を見ると、6月までに台風4号〜5号までが発生しているのが平均的な感じです。

 ただ、これも年によってまちまちで、6月までの台風が最も多いのは1971年で6月中に台風10号まで発生していました。

 ちなみに、2015年は6月に台風8号まで発生しており、6月までの台風発生数としては2番目に多い年でした。(1965年、1997年、2004年も同列で8個発生)

 その反動かどうかわかりませんが、2016年は6月でゼロ個の発生となっています。

 なお、月ごとの平均台風発生数などについては、⇒「台風シーズンについて」の記事も参照してください。

2016年の台風1号は、遅い台風の記録に迫っています

 さて、2015年は6月で台風8号まで出来ていたのに、2016年は6月20日の時点で、ゼロ個です。

これは、台風1号の発生ランキングでは、歴代4位の遅さです。

台風1号発生の遅い順
1位 1998年 7月9日
2位 1972年 7月2日
3位 1983年 6月25日
4位 2016年 6月20日でまだ

 ところで、細かい話なのですが、台風シーズンの境い目を便宜上1月1日で区切っていますが、12月30日に発生する台風、というのもあるわけです。ギリギリ台風1号にならなかった年末発生の台風というのも少なくないわけですね。

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 そういうケースを含めると、台風1号が元日を起点に何月何日に発生したか? というのは、実は、あまり意味のあるデータではありません。

 それよりも、昨年の最後の台風から今年の最初の台風まで、何日開いているか?というランキングの方が、正確ですよね。

 ようするに、台風が発生していない期間が長いランキングのほうが、よりフェアだということ。

 そのデーターをみてみましょう。

台風無発生期間の長い順
1位 1997年12月22〜1998年7月9 199日
2位 1972年12月16〜1973年7月2 198日
3位 1982年12月10〜1983年6月25日 197日
4位 2010年10月31〜2011年5月7日 189日
5位 2015年12月17〜2016年6月20日 186日更新中

 台風無発生期間ランキングでも2016年は記録に迫っていますね。

2016年の台風1号の発生が遅い理由は?

 さて、台風1号の発生が遅れている原因は何でしょうか? 詳細な因果関係については、よくわかっていないというのも事実なのですが、傾向としてひとつ言えることがあります。

 それは、ラニャーニャの年は台風が少ないということです。

 2016年はエルニーニョからラニャーニャに変わる年ですので、台風発生数そのものが減る傾向があり、それで、1号の発生そのものも遅れている、ということが言えるかもしれません。

 もうひとつの原因として考えられるのは、台風発生地帯であるモンスーントラフ(フィリピン東海上)で、大気の状態が安定気味だということ。

 大気の状態が不安定(=大気の流れが活発)な場合、積乱雲が多数発生し、それが台風の元となっていきます。

 温暖化が進むと、大気中の温度差が減るため、逆に大気の状態が安定化して、台風発生が減ると言われています。2016年はひょっとすると、そういう傾向が強く、台風発生が少ないのかもしれませんね。

 温暖化と台風の関係については、⇒「台風が温暖化で強くなる?」の記事も参照してください。

 
 

 以上みてきたように、2016年の台風1号、発生がだいぶ遅れています。しかし、台風の発生が遅くても、台風の数が少なくても、来る時はガツンと来るのが台風。7月〜10月の台風シーズンが2016年もやってきます。台風に対する備えは、怠らないようにしましょう!

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