エディブルフラワーのおすすめ種類と味は? 食べられる花30種の特徴や料理法と、食べてはいけない花リスト。
2018/11/20
エディブルフラワーは食べられる花。究極の「見て美味しい」食材です。
料理やスイーツを美しく彩るエディブルフラワーはハーブ系、フラワー系、野菜系などとても多くの種類があります。
この記事ではおすすめのエディブルフラー30種類の特徴を紹介するとともに、料理方法や注意点など、エディブルフラワーについて知っておきたいことをまとめてあります。
あわせて、食べてはいけない花リストもありますので、ぜひ目を通してみてください。
エディブルフラワーの3つの系統…野菜系、ハーブ系、フラワー系
「エディブルフラワー」は食べられる花です。
食用花として伝統的に食べられているものもあれば、最近になってスイーツやアイスドリンクなどで使われはじめたものなど、ひとくちにエディブルフラワーと言っても、いろいろです。
そこでこの記事では、「エディブルフラワー」を、
・野菜系
・ハーブ系
・フラワー系
に分類しながら見ていきたいと思います。
野菜系のエディブルフラワー
花を食用にする習慣は世界各地で古くからあり、古代中国では牡丹や菊が、古代ローマではバラやラベンダーが食用にされてきた歴史があります。
日本でも、「菜の花」や「食用菊」が食用の花としての歴史があります。
菜の花や食用菊はエディブルフラワーというよりも「野菜」として流通していますが、野菜のなかには、蕾を食べるブロッコリー、カリフラワー、ふきのとうなど、準食用花的なものもあります。
また、食用のズッキーニの花や最近はオクラの花も、ファーマーズマーケットなどで入手しやすくなっています。
このように野菜系のエディブルフラワーは、安心して食べられるだけでなく、味や栄養価もしっかりしていて、食べごたえがあるエディブルフラワーだと言えましょう。
ハーブ系のエディブルフラワー
西洋の食卓には欠かせないハーブ類は、花も食べられるものが多いので、さりげなく料理やスイーツがハーブの花で飾られていることがあります。ハーブの花は小さいものが多いので、あまり派手さはありませんが、可憐にヘルシーに料理をランクアップしてくれます。
カレンデュラ、ナスタチウム、ボリジ、ラベンダー、セージなどハーブガーデンの定番のエディブルフラワーといえます。
なにより、ハーブは鉢植えで自分で栽培することもそれほど難しくなく手間もかかりません。また、ジャスミン、ハニーサックル、センテッドゼラニウムなど庭木として植えておけば、好きな時に花を食材として使えます。
このように、ハーブ系のエディブルフラーワ―は、安心安全に花を自給できるのが、なによりもうれしいところです。
フラワー系のエディブルフラワー
野菜やハーブ以外の、切り花やガーデンの花木のななかにも食べられる花がたくさんあります。
先に述べたように、ローズ、キク、ボタンなどのほかに、最近は、最近は積極的に、花の美しさが、料理やスイーツに取り入れられるようになっています。
エディブルフラワーを使った一品は、なによりも「映え」ます。味がどうのというよりも、美しく映えテンションをあげてくれること、それに尽きます。
料理の楽しみは、味わうことだけでなく、その時間を楽しく素敵に過ごすことです。食事の時間を、特別な時に演出してくれるのが、これらのフラワー系のエディブルフラワーだと言ってよいでしょう。
カーネーション、プリムローズ、スナップドラゴン、チューリップ、スイトピー、など切り花や花壇で同じみの花も、どんどんエディブルフラワーとして供給されるようになってきました。
こうしたエディブルフラワーは、花びらの大きなカラフルな花がいろいろ選べるので、スイーツやアイスドリンクやカクテルなどでも大ブレイクしています。
フラワー系エディブルフラワーの注意点
さて、人気がますます高まっているフラワー系のエディブルフラワーですが、その利用にはいくつかの注意が必要です。
伝統がある野菜系・ハーブ系のエディブルフラワーにくらべて、最近出回りはじめているだけに、基礎知識として知っておいたほうがよいことがあるので、次に見ていきましょう。
食用に栽培されたものを使う
切り花や花壇の花もエディブルフラワーになることを知ってしまうと、ついつい、そこから穫って料理に使ってしまいたくなりますが、食用にするものは、エディブルフラワーとして栽培・販売されているものを使うようにしましょう。
最近の花栽培は以前に比べて農薬の使用量も減ってきてはいるものの、野菜のように食用を前提に農薬の使用基準が設定されていません。そのため、農薬の過剰摂取につながる可能性が心配されます。
ただ、間違って食べてしまっても、成人であればすぐに健康被害につながることは考えられません。それほど危険な農薬は日本ではそもそも使用できないからです。
最近はエディブルフラワーとして栽培したものが通販でも入手しやすくなっているので、まずは探してみましょう。
品種に注意
野菜やハーブ系などの伝統的な食用花と違って、フラワー系のものは、近年、食用にされるようになっているものも少なくありません。
そのため、同じ種類の花のなかでも食用にできる品種と食用にできないものがある可能性があります。
たとえばチューリップやスイトピーはもともと毒のある花とされていましたが、最近は無毒の食用になる品種が選定開発されて、エディブルフラワーとして出回りはじめています。どんなスイトピーでも食べれるわけではない、という点には注意が必要です。
可食部に注意
ハーブ系や野菜系のエディブルフラワーは、葉っぱや茎も食べれるもの多いですが、フラワー系のエディブルフラワーは基本はなだけ、しかも「花びらだけ」が食べられます。
花の付け根の部分や雄しべや雌しべは、味が苦かったり食用に適さなかったりするため、ほとんどのフラワー系エディブルフラワーは、花弁だけを切り取って食用にします。
唯一、パンジーとビオラだけは例外で、花をまるごと食用できます。もっともビオラはハーブ―ガーデンの定番で食用花にされていた歴史があるのでハーブ枠で語るほうが適切かもしれません。
いずれにせよ、ハーブ・野菜系ではないフラワー系のエディブルフラワーは花びらだけを使うのが原則です。
エディブルフラワーの30選
エディブルフラワー30選
さてここまでエディブルフラワーには野菜系・ハーブ系ー・フラワー系があることを述べてきましたが、以下に代表的なエディブルフラワーを30種類ピックアップしてみました。
なかには入手しにくいものもありますが、いつもとは違ったスペシャルなディッシュを作る参考にしてください。
バラ
●花色:赤、白、ピンク
●科属:バラ科バラ属
●学名:rose〜
バラは実(ローズヒップ)をお茶として食用してますが、バラの花びらも砂糖漬けやアイスキューブで定番です。花びらも基本的どの品種でも食べられます。香りが強いとされるルゴサ系、ムスク系、ダマスク系、エグランティン系の品種がとくにおすすめ。フルーティーな強い香りは主張が強そうですが、意外とスープ、サラダ系などの料理にも合います。無塩バターに砂糖と一緒にバラの花びらを練りこんだバラ風味のバターはデザートに大活躍です。花をつかつときは、花弁の付け根の白いぶぶんは苦いので除くこと、洗ったのちよく乾かしてから使いましょう。
キク
●花色:黄色
●科属:キク科キク属
●学名:chrysanthemum moriforium esculentus
日本が世界に誇るエディブルフラワーです。独特の風味を味わい料理に彩を添えるため、食用専用の品種が栽培されています。小菊の花全体をツマとして添えることもありますが、食用にする場合は花びらのみを使うのが普通です。おひたし、すのもの、あえもの、てんぷらの他、各種料理のトッピングに。西洋料理ではラム肉との相性が良いとされています。春菊は若葉や茎が食べれるように改良した品種です。また、同じキク科のノースポール(クリサンセマム・バルドサム)も花びらが食用として利用されます。
カーネーション
●花色:白、桃色
●科属:ナデシコ科ナデシコ属
●学名:Dianthus caryophyllus
カーネーションは切り花としても定番中の定番ですが、食用にもなる花です。クローブやナツメグのような風味をもちサラダやアスピック、ゼリー寄せハーブバター、などの料理に重宝します。花の付け根の白い部分はとても苦いので、花びらだけを丁寧に切り取って使います。フランスのリキュール「シャルトルーズ」の隠し味に使われていて、コーデュアルなどドリンク系のものにも重宝します。なお、切り花として市販されているものは農薬の使用が懸念されるので、自家栽培のものか食用として販売されているものを。
ラベンダー
●花色:紫、赤紫
●科属:シソ科ラヴァンドラ属
●学名:Lavandula 〜
紫の美しい香りの花。エッセンシャルオイルの定番です。甘い香りがする花は、チョコレイトケーキやバニラアイスなどスイーツ系やモモやアプリコットなどフルーツ系のつけあわせや、肉料理のソースに合います。ラベンダーの香りが強いので控えめに使います。ドライフラワーも出回っていますが、生以上に香りが強いので控えめに使うようにしましょう。花を細かくつんで、シャンパンやカクテルにも散らしてもゴージャスです。
スミレ(パンジー、ビオラ)
●花色:紫、白
●科属:スミレ科スミレ属
●学名:Viola mandshurica
花を食用にできるスミレ(パンジーとビオラ)はハーブガーデンの定番の花で、ハーブが切れる早春の間ハーブガーデンをにぎわしてくれます。スパイシーでやや塩気があり食欲をそそる風味ですが少し草っぽい味です。なのでハーブをふんだんい使ったサラダやグレープフルーツなど柑橘系フルーツなど香りの強いものとあわせましょう。料理やアイスドリンクのデコレーションとしてオールマイティーで春〜初夏の食卓を美しく飾ってくれます。砂糖漬けを作っておけば、ケーキなどのトッピングに最高です。セインテッドゼラニウムの葉とレモンバームとともにフレグラントサラダのトッピングに。なお、アフリカスミレ(セントポーリア)は食用不可なので注意しましょう
プリムラ(プリムローズ)
●花色:桃、赤、紫、オレンジ、黄色、白
●科属:サクラソウ科サクラソウ属
●学名:Primula〜
プリムローズ(プリムラ・ヴルガリス)の他にもプリムラ・マラコイデス、プリムラ・ポリアンサ、プリムラ・ジュリアンなどさまざまな園芸品種があるプリムラ。いずれも、花びらをビオラやパンジーのように、シロップ漬けや砂糖漬けとして使うことができます。最近の日本では、エディブルフラーとして栽培や通販での販売が盛んで、色とりどりの花を料理やデザートに取り入れられます。
ベコニア
●花色:桃、赤、白
●科属:シュウカイドウ科シュウカイドウ属
●学名:Begonia Seperflorens
肉厚でつやつやした光沢のある花が特徴のベコニア。柑橘系の酸味があり、サラダやガーニッシュに。
ナスタチウム(キンレンカ)
●花色:オレンジ
●科属:ノウゼンハレン科ノウゼンハレン属
●学名:Tropaeolum Majus
最もポピュラーな食用花のひとつです。柑橘系ほのかな香りとラディッシュのような辛味のあるスパイシーな風味。チーズ系のものと相性が良いので、サンドイッチやサラダに。またズッキーニの花と同じように花にチーズを詰めフライにする料理もばっちりです。ナスタチウムのバターソース(オリーブオイルにニンニクをきつね色になるまで炒め、ナスタチウム、バター、レモン汁、を加えてどろりとするまで煮込む)は、肉料理のソースとして。
カレンデュラ(キンセンカ)
●花色:オレンジ、黄色
●科属:キク科キンセンカ属
●学名:Calendula officinalis
キンセンカ、ポットマリーゴールドとも呼ばれるハーブ。スパイシーでなおかつラディッシュのような風味です。オリーブオイル漬けはサフランと同じように使えます。乾燥してから使っても風味が引き立ちます。肉類やオイルなど脂っこいものとの相性が良く風味が引き立ちます。その他、スープ、パスタ、グラタン、ハーブバター、サラダ、スプランブルエッグの黄色を濃ゆくするのにも。花びらのみ食用にします。早春の花の名所・南房総にはカレンデュラのアイスクリームがあります。
コーンフラワー(ヤグルマギク)
●花色:青、白、桃
●科属:キク科ヤグルマギク属
●学名:Centaurea cyanus
ヤグルマギク。東ヨーロッパに自生する美しい青紫の花。ヨーロッパではハーブとして親しまれ、やや甘くクローブの香りがします。天然染料としても使われています。料理の飾りつけに。
ボリジ
●花色:青
●科属:ムラサキ科ルリジサ属
●学名:Borago officinalis
青い星型の花が美しく可愛らしく、エディブルフラワーとして定番中の定番です。生でサラダのトッピングとして使います。きゅうりのような独特の風味を楽しみます。繁殖力が強いため、ガーデンで育てて、積極的に使いたいエディブルフラワーです。葉も食用できます。また、英国の夏の定番ドリンクであるジンベースのフレイバーリキュール「ピムスカップ」に使うのもおしゃれですね。レモネードにも合います。白身魚、鮭、玉ねぎ、イチゴ、レモン、ディル、カンタロープメロンとの相性が良いです。
セインテッドゼラニウム
●花色:ピンク、白、紫、朱色
●科属:シソ科アキギリ(サルビア)属
●学名:Pelargonium〜
葉に軽く手を触れただけで、とても強い香りを放つセインテッドゼラニウム。花も香りがし、シャーベットやアイスに添えたり、砂糖漬けにします。食用に向く香りはローズ、レモン、スパイス系のものなど。逆にシトロネラ系は香りが強すぎて食用に向かないものも。半耐寒性の樹木なので鉢植えなどで育ておけばいつでも使えます。
ジャスミン
●花色:白
●科属:モクセイ科ソケイ属
●学名:Jasmimum sambac
ジャスミンはとても多くの種類がありなかには園芸用のハゴロモジャスミンのように香りがあまりよくないのもあり、ハーブや食用にはアラビカジャスミンを使います。繊細なジャスミンティーの香りを活かしてドレッシングに入れます。ジャスミンの香りが引き立ち、個性的なサラダを演出してくれます。
セージ
●花色:紫〜白
●科属:シソ科サルビア属
●学名:Salvia officinalis
コモンセージまたはガーデンセージと呼ばれるハーブで定番のセージです。葉をハーブティーや肉料理のスパイスに使いますが、紫の花も肉料理の添え物に使えます。また鮮やかな紫の小さな花はスイーツ系の彩に欠かせません。ただし、サルビアオフィシナリス以外の花セージのなかには毒性があるものもあるので注意が必要です。
ハニーサックル
●花色:クリーム色、オレンジ、赤
●科属:スイカズラ科スイカズラ属の
●学名:Lonicera periclymenum
はちみつのような甘い香りの花をさかす樹木。料理というよりは、フルーティーなソースの香り付けや彩に使われれます。実や種には強い毒性があるので必ず花のみ食用すること。
ライラック
●花色:紫
●科属:イ科ハシドイ属
●学名:Syringa vulgaris
寒い地方で春の訪れを告げる花木です。食用にする場合は、たくさん集まっている小さな花の数個を使います。ほのかな香りと、味はややスパイシーなラディッシュ風味で料理にアクセントを加えます。白身魚や鶏肉のソテーのトッピングとして散らしたり、ブラックベリーやカシスなどのフルーツとの相性もよくデザードでも活躍できます。香りが飛びやすいので香りを楽しむ場合は摘みたてのものを。
ローゼル
●花色:紅色
●科属:アオイ科フヨウ属
●学名:Hibiscus sabdariffa
ローゼルは、肉厚のガクをジャムにしたり、ドライにしてお茶(ハイビスカスティー)にします。花もエディブルフラワーとして楽しめます。クラムベリーに似たテイスト。豚肉、牛乳、トマト、ニンジン、ショウガ、マンゴー、オレンジなどとの相性が良いとされています。
スイートアリッサム(ニワナズナ、ニオイナズナ、ロブラリア)
●花色:白、紫
●科属:アブラナ科ワナズナ属(ロブラリア属)
●学名:Lobularia maritime
7mmほどの小さな花が球のように集まって咲く可愛花は切り花でも用いられますが、エディブルフラワーとして栽培されているものもあります。香りは蜂蜜のような甘い香りですが、アブラナ科のためカラシナと同じようにやや辛味がありサラダのアクセントに使います。昔から薬草としても使われていたことから一度に大量に食べるのは避けましょう。
ストック(アラセイトウ)
●花色:紫、白、ピンク、黄色、赤
●科属:アブラナ科アラセイトウ属
●学名:Matthiola incana
鮮やかな色とカラフルなバリエーション、可愛らしい花の形が創作意欲を刺激してくれるエディブルフラワーです。アブラナ科の花なのでラディッシュのような風味がありサラダやガーニッシュとして、また砂糖漬けにしてデザートにも最適です。
スナップドラゴン(キンギョソウ)
●花色:
●科属:ゴマノハグサ科
●学名:Antirrhinum majus
花壇でも良く植えられてる定番の花ですが、チョコレートを連想させる味がし、サラダやカナッペなどで美しい前菜が作れます。ただし、品種や土壌条件によっては苦くて美味しくはありませんので、食用に栽培されたものを使いましょう。
たんぽぽ
●花色:黄
●科属:キク科タンポポ属
●学名:Taraxacum 〜
熟した花は苦いですが、開きかけのつぼみはハニーテイスト。花びらを切り離して使います。アメリカデは砂糖とレモンを入れて発酵させる「タンポポワイン」を家庭で楽しみます。
デンファレ
●花色:紫、ピンク
●科属:ラン科セッコク属
●学名:Dendrobium bigibbum
タイの名物料理に花のテンプラがあります。パパイヤの花、サンダンカなどともに定番なのがデンファレの花です。デンファレのトロピカルでゴージャスな雰囲気はケーキやデザート、フルーツ盛りのつけ合せとしてもよく使われ、エディブルフラワーとしても入手しやすいので、スイーツ作りなどに活用したいところです。
ひまわり
●花色:黄
●科属:キク科ヒマワリ属
●学名:lianthus annuus
種から食用油をとるひまわり。エディブルフラワーとしての利用は一般的ではありませんが蕾を蒸してアーチチョークのようにして食べることができます。開いた花は苦いので食用に向きません。
インパチェンス
●花色:白、赤、ピンク
●科属:ツリフネソウ科 / ツリフネソウ属(インパチェンス属)
●学名:Impatiens walleriana
生育が旺盛でガーデンの花として定番のインパチェンスが、食用に栽培されて販売されています。甘い風味がします。サラダやドリンクに浮かべて。
ペチュニア
●花色:紫、赤、ピンク、赤白
●科属:ナス科ペチュニア属
●学名:Petunia
数多くの園芸品種があり花好きにはおなじみのペチュニア。なかでもマルチフローラペチュニアが食用に栽培・販売されています。花そのものはとくに味があるわけではありませんが、彩のバリエーションの豊富さから、ガーニッシュとして料理やデザートを盛り上げてくれます。
牡丹
●花色:赤、白
●科属:ボタン科ボタン属
●学名:Paeonia suffruticosa
百花の王ボタン。中国では、薬草として古くから利用されていたほか、落ちた花を甘く煮て食べる習慣があるようです。テンプラや三杯酢であえたおひたしなど和食でもちいられたり、サラダやレモネードのトッピングなどにも色が映えて素敵です。
ズッキーニの花
●花色:オレンジ
●科属:ウリ科カボチャ属
●学名:Cucurbita pepo L. ‘Melopepo’
ズッキーの若い雌花を食用にします。雄花でもオッケー。めしべや雄しべはとりのぞき、中に、チーズを詰めてあげたり、ハーブライス詰め、肉詰めなどスタッフドのレシピが定番です。花の甘い香りが料理によくあいます。ピザのトッピングにも。
花オクラ
●花色:クリーム
●科属:アオイ科トロロアオイ属
●学名:Abelmoschus esculentus
オクラの花を食べるように改良した花オクラが、最近、出回りはじめています。オクラの風味とトロミがあありアスパラアガスのような濃い味がし、エディブルフラワーのなかでももっとも食べでがあるとも言われています。花びらだけをサラダやおひたしにに。
菜の花・マスタードフラワー
●花色:黄色
●科属:アブラナカ科アブラナ属
●学名:Brassica juncea
春の訪れを告げる菜の花。おひたしやてんぷらで春をいただく、日本の四季には欠かせない食材ですね。菜の花はアブラナ科アブラナ属の花の総称で多くの品種があります。もっとも流通量がお多いのはセイヨウナノハナをベースに菜花用に改良されたものですが、京野菜の「伏見寒咲き花菜」「伏見ちりめん花菜」、東北の「茎立ち菜」など在来ナタネの系統もあります。最近は野菜工場でとう立ちをコントロールして作るチンゲンサイの菜ばななどもあります。日本の菜花は蕾を食べるものですが、セイヨウカラシナは海外でもマスタードフラワーとよばれ開ききった花がエディブルフラワーとなっています。鮮やかな黄色を活かして、ビーフシチューのトッピング、牛肉、鶏肉、ベーコン、ハム、ジャガイモ、ラディッシュ、ニンニクなどの食材との相性がよく多くの料理に使えます。
食べられない花
さてここまで代表的なエディブルフラワーをいくつか見てきました。
ここであげた以外にもまだエディブルフラワーはありますし、今後新たに、「これも食べれますよ~」と、食用に栽培される花の種類が増えてくる可能性があります。
ただその一方で、昔からこれは食べられない、という花も少なくありません。
もともと植物は多かれ少なかれ毒素をもっていることが多く、ましてや繁殖のために重要な花が、動物に食べられないよう、花に毒素があってもぜんぜん不思議ではないわけです。
少なくとも、以下のリストの花は食べられませんので、注意しましょう。
アジサイ | アジサイ科アジサイ属 | Hydrangea | 落葉樹・常緑樹 |
アヤメ | アヤメ科アヤメ属 | Iris sanguinea | 多年草 |
ジギタリス(フォックスグローブ) | オオバコ科ジギタリス属 | Digitalis | 多年草 |
キョウチクトウ | キョウチクトウ科キョウチクトウ属 | Nerium oleander var. indicum | 常緑樹 |
アネモネ | キンポウゲ科イチリンソウ属 | Anemone coronaria | 多年草 |
ラナンキュラス | キンポウゲ科キンポウゲ属 | Ranunculus〜 | 多年草 |
クリスマスローズ | キンポウゲ科クリスマスローズ属 | Helleborus | 多年草 |
クレマチス | キンポウゲ科センニンソウ属 | Clematis | 落葉樹・常緑樹 |
ラークスーパー | キンポウゲ科チドリソウ属 | Consolida ajacis | 多年草・一年草 |
デルフェニウム、 | キンポウゲ科デルフィニウム属 | Delphinium〜 | 多年草・一年草 |
ランタナ | クマツヅラ科シチヘンゲ属 | Lantana camara | 多年草 |
ポピー | ケシ科ケシ属 | Papaver〜 | 多年草 |
シクラメン | サクラソウ科シクラメン属 | Cyclamen persicum | 多年草 |
すずらん | スズラン属スズラン科 | Convallaria majalis | 多年草 |
ブルーベリー | ツツジ科スノキ属 | Cyanococc | 落葉樹 |
ツツジ・サツキ・シャクナゲ | ツツジ科ツツジ属 | Rhododendron〜 | 落葉樹・常緑樹 |
ヒヤシンス | ツルボ亜科ヒアシンス属の | : Hyacinthus orientalis | 多年草 |
ダチュラ(チョウセンアサガオ) | ナス科チョウセンアサガオ属 | Datura metel | 多年草 |
すいせん | ヒガンバナ科スイセン属 | Narcissus tazetta | 多年草 |
ヒガンバナ | ヒガンバナ科ヒガンバナ属 | Lycoris radiata | 多年草 |
エディブルフラワーの食べ方
エディブルフラワーの使い方やレシピはさまざまです。食べれる以上、自由な発想でクリエイティブに料理にいかしていきていものです。
とはいえ、次のようなポイント的なことは言えますので、参照してみてください。
朝食に取り入れよう
ハーブ系のエディブルフラワーなどを自給している場合ですが、花のエネルギーや香りは朝に強くなるので、ぜひ朝摘みをしたエディブルフラワーを朝食に取り入れてみましょう。
洗って拭いて使う
エディブルフラワーをとくに自給する場合ですが、花の奥に鉢やクモなどの虫が潜んでいることがあります。基本は、花を逆さにしてトントンと軽く叩けば逃げていきますが、しっかり洗う意味で、大き目のボールに冷たい水をはり、そのなかに花を沈めるようにして洗います。
水からあげた花は、水を切ってから、ペーパータオルの上にならべ、風乾させます。香りを飛ばさないように陰干しにします。
エディブルフラワーの使い方
トッピングやガーニッシュ
あらゆる料理のトッピングやガーニッシュとして使えます。サラダではメインにもなります。デザートでは大胆に盛り付けて「見て美味しい」一皿に。
キャンディードフラワー
ローズやスミレで昔から使われるエディブルフラワーの調理方法です。
花びらを卵白でコーティングして粉砂糖をまぶし、乾燥させます。
フラワーバター
無塩バターを溶かし花びらを練り込み、適宜砂糖を入れます。
料理の仕上げに使ったりクッキーに沿えたりと、日常的にエディブルフラワーを楽しめます。
フラワーアイスキューブ
夏花びらを入れた氷を作り、カクテルやアイスドリンクに使いましょう。
リゾート感あふれる時間を見事に演出してくれます。
以上、エディブルフラワーの種類や使い方や注意点などについてみてきました。
まぁ言ってしまえば、花をわざわざ食べることもないのですが、逆に言えば、花を食材に取り入れることは、特別なことだとも言えます。
それだけにテンションもあがります。花の命に感謝しながら、花をいただくことで、明日への活力を養っていきましょう。