新宿の祭り。新宿十二社熊野神社例大祭2018年。歌舞伎町に神輿が!

      2018/08/31

新宿の秋祭り熊野神社

 新宿の祭りとえいば、新宿十二社熊野神社の秋祭りです。お神輿(みこし)が出る、伝統的で盛大な秋祭りが、毎年9月に行われています。新宿西口にある新宿十二社熊野神社は、新宿駅周辺、歌舞伎町、西新宿の各地区が氏子となっている歴史のある神社です。

 毎年9月に行われる熊野神社例大祭例大祭で、神輿(みこし)が歌舞伎町や新宿駅周囲を練り歩き、超高層ビルが林立する大都会のなかに伝統的な秋祭りが出現する風景は、なかなか印象的です。

 日頃、仕事や夜の活動のために行き来している新宿で、日本の伝統的な秋祭りを楽しんでみませんか? 日常の風景が一気に塗り替えられたような感覚を覚える貴重な体験ができます。

新宿の秋祭り

 新宿の熊野神社の例大祭は、2018年09月15日(土) 16日(日)の2日間おこなわれます。神輿がでるメインの本祭は 16日(日)です。

 例大祭の2日間、新宿西口の十二社熊野神社の境内では神楽や演芸が繰り広げられ、また、歌舞伎町何の弁財天も神輿の宮入場所となります。

 新宿の祭りでは、5月に行われる「花園神社」の祭りも有名ですが、新宿の秋祭りといえば、熊野神社のお祭りとなります。

熊野神社がたくさんある理由は?

 そもそも「熊野神社」は全国に3000社もあります。都内でもこの新宿熊野神社以外にも、自由が丘、板橋、葛飾区、国分寺など10社ほどあり、そのうちひとつは芝の増上寺の境内にあります。

 もともと熊野神社は和歌山の熊野三山の支社として熊野信仰とともに広まったものです。熊野信仰は平安時代から江戸時代まで、貴族や武士そして庶民にまで広く支持された信仰で、神道と仏教が一体になっていること(=神仏習合)がその特徴のひとつです。

 明治時代になって「神仏分離政策」が行われたため熊野信仰は廃れてしまったのですが、増上寺にある熊野神社は、神仏習合の名残というわけです。

 

十二社の意味と歴史

 さて、新宿の熊野神社は、「十二社熊野神社」が正式名称です。

 十二社は「じゅうにそう」と読み、江戸時代までの地名です。もとももは熊野十二所権現という12の神様をまつったことらから十二社と呼ばれ、それが地名として定着しました。

 現在の中央公園の西側には、江戸時代に景勝地と言われた十二社池と十二社の滝がありました。滝は玉川上水(人工の水道用の川)の一部でしたが、江戸から明治にかけては、自然あふれる癒しの一角として親しまれていたようです。

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 いまでも十二社熊野神社周辺は、高層ビルのすぐ近くとは思えないほどの、細い路地に木造の古い家が並ぶ下町の風景があったりしてなかなかディープな空間となっています。

 祭りがない日に十二社熊野神社周辺を散策していみるのも、新しい発見があるはずですね。

新宿十二社熊野神社例大祭の見どころ

 新宿十二社熊野神社の秋まつりの見どころは、神輿渡御(みこしとぎょ)です。そもそも、渡御とは、神輿に乗り移った神様が、氏子町(つまり神様の管轄地域)を観て回るという意味あいです。ふだんは熊野神社にいる神様が、年に一回、歌舞伎町など新宿一帯を、視察するわけですね。

 十二社の神輿は「千鳥担ぎ」と言われる、独特な担ぎ方をします。

 ふつう神輿は肩でかついで「わっしょいわっしょい!」と神輿を大きく揺らして担ぐものですが、熊野から伝わる「千鳥担ぎ」は、神輿を肩に乗せずに捧げ持つようにして、足も膝をまけずに千鳥足のようにチョイチョイ足を前に出して進む、という珍しいものです。

 かけ声も、「おいさ、ちょいさ」「よいとぉ、よいとぉ」などと独特のものとなっています。

 十二社には十三の氏子の町会(陸)があり、それぞれが神輿を千鳥担ぎで担ぎ、各町から熊野神社まで練り歩きます。

 神輿が出るのは、9月16日(日)の昼前からで、たとえば歌舞伎町の場合は、12時すぎからは歌舞伎町町内を練り歩いています。

 夕方日没前に、十三社祭り近くの通りに、十三陸の神輿が集結し、最後は19時頃、神社境内に入る「宮入」で、迫力のあるシーンを観ることができます。(時間帯は年により異なりますので目安としてお考えください)

 神社周辺や境内には屋台も出ていますので、夕方18時頃から神社を訪れ、神輿が神社に戻ってくるのを待つようなスケジュールが楽しみやすいですね。新宿の町と神輿のコラボ風景を楽しみたい人は、15時以後に歌舞伎町周囲に行けば、神輿に出会えるはずです。

 また、神輿は、氏子各町の神輿だけでなく、本社の大きな神輿が2つあります。こちらの本社の神輿は、3年に一度の陽の年にだけ、担がれます。2018年は陰の年にあたります。

 下の動画は、3年に一度の本祭の様子と、本社の神輿の様子です。

  

 歌舞伎町や高層ビル街を練り歩く神輿。その伝統と現代がリミックスされたハイブリッドな光景は、とても印象的なので、ぜひ、一度は見ておきたいものです。

 もちろん、縁日の屋台も出ますので、初秋のひとときを、新宿十二社熊野神社で過ごしてみてはいかがでしょうか。

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