台風の風速の目安は? 最大風速や瞬間風速を時速であらわすと?
2018/09/01
台風が近づいてくる時、注意したいもののひとつに「風速」があります。
ふつうではあり得ない突風が吹き続ける台風。突風が吹く長さや強さによっては、お店の外の看板が落ちたり、屋根の瓦が飛んだり、ひどい場合は車が転覆したり電柱が倒れたりします。
強い台風が来てしまうことは避けられないことですが、台風の進路予報などをみながら、どれくらいの風なのかを想定して、備えをすることは大切です。
この記事では、風速の単位や、最大風速と最大瞬間風速の違いなど、風速についての基礎知識についてまとめてあります。
風速は時速?秒速?
まず、そもそも風速とは、どういう単位なのかを確認していきましょう。
風速は「25m」などのようにメートル単位で用いられますが、注意したのは、風速は「秒速」だということです。正確には「25m/s」になります。
秒速を聞いてもどれくらいのスピードなのか、イメージがつかないと思います。そこで、時速に換算してみましょう。
秒速25m = (25÷1000) × (60分×60秒) = 0.025 km × 3600 = 90km/h
となります。
簡単な覚え方としては秒速に3.6を掛ければ時速になります。
台風情報などで、「風速25m以上の暴風域」という表現がありますが、つまり暴風域は、時速90km以上の風が吹き荒れているのです。
風速25m(つまり時速90km)の風は、イメージとして次のような感じです。
- なにかに掴まらないと立っていられない
- 手にもっているものや眼鏡が風にさらわれる
- 大きなものや固いものが飛んでくる
- 看板が落下
- 道路標識が傾く
- 屋根の瓦がとぶ
なにしろ時速90kmの風です。かなり危険な状態ですので、原則、「風速25m以上の暴風域」に入ったら、外出は一切しないことです。
最大風速と瞬間最大風速の違い
さて、台風情報などでは、風速は次のようにいろいろなパターンで使われます。
- 中心付近の最大風速
- 瞬間最大風速
- 風速25m以上の暴風域
このなかでも注意したいのが、「最大風速」と「瞬間最大風速」です。
最大風速は10分間の平均風速をとって、そのなかで、最大のものを言います。イメージとしては、高めの平均風速に近いものになります。最大風速は、ただ単に「風速」と呼ぶ場合もあります。
一方、瞬間最大風速は0.25秒の間に吹く瞬間的な風速の最大値です。
原則的に「最大風速」よりも「瞬間最大風速」が1.5倍〜2倍くらい大きな値になります。
たとえば予報などでは、以下のように用いられます。
「中心付近の最大風速は33m、瞬間最大風速は50m……」
,
これはつまり、中心付近では、だいたい時速118kmの風が吹き荒れいて、瞬間的には時速180kmの突風が吹く状態ということになります。
ちなみに時速180kmクラス(風速50m/s)の突風では、電柱が倒れたり、トラックが横転したり、家屋が倒壊する危険性があります。
とにかく、台風で使われる風速には、原則的に「最大風速」と「瞬間最大風速」2種類があり、瞬間的には、最大風速よりも1.5倍から2倍強い突風(瞬間最大風速)が吹く、というふうに覚えておいてください。
ところで、台風の場合、強い風が吹く向きが台風の進み方に合わせて変化していきます。一定の法則がありますのでこちらの記事⇒台風の時、どちらから風が吹く?で、台風の風向きについても知っておいてくださいね。
警戒が必要な風速の目安は…
台風とは、そもそも、最大風速17m以上の熱帯低気圧を指します。
風速17mは時速61kmで、イメージとしては、「風にむかって歩けない」「傘がさせない」「雨戸やシャッターが揺れて音を立てる」「高速道路で横風で車が流される」…そんな風の強さです。
正直、風だけみれば、最大風速17m程度であれば、春一番や冬の木枯らしでも吹きますし、それほど厳重な警戒が必要なレベルではありません。
しかし暴風域と呼ばれる風速25m以上になると、風そのものに対して、厳重な警戒が必要で、原則外出すると危険というレベルになります。
ですので、台風予報などで台風の風のリスクを判断する場合、「風速25m以上の暴風域」があるか?無いか?が、ひとつの基準となります。
台風情報をみて、自分がいる地域が暴風域に入りそうなのであれば、暴風域突入後は外出を控えるよう、準備が必要です。
台風の風の強さや、風被害の実態については、さらに詳しくこちらの記事⇒猛烈な台風の実際の記事も参照してください。
また、注意したいのは、風速25m以上の暴風域が無い台風の場合でも、それなりの突風や、場合によっては竜巻で大きな被害が出ることがあることです。
また、台風で命に危険が迫るのは、風そのものよりも、むしろ、高潮や洪水や土砂災害などだということも、決して忘れてはいけません。暴風域が無い台風でも、竜巻、高潮、洪水、土砂には厳重な警戒は必要だということです。
以上、台風にかかわる風速についての基礎知識をまとめてみました。
風速に対して、ある程度のイメージを持ち、自分なりのセーフティーゾーンを考えながら、安全確保につとめていきましょう。
また、台風が実際に近づいている時は、こちらの⇒「最新の台風情報をもらさずチェックする方法」の記事を確認するようにしてください。