紅葉の時期や紅葉前線2018年の予想。紅葉狩りプランの立て方。
2018/11/14
紅葉の時期はあっというまに過ぎてしまうもの。美しい光景を見逃さないためにも、各地の紅葉の時期を、あからじめ、おおまかにでも知っておきたいものですね。
気象庁より毎年10月頃に「紅葉前線」の情報が発表されていますが、旅行の計画などたてる場合は、それ以前からだいたいの時期を予測しなければなりません。そこで、このページでは、紅葉の名所や各都道府県の紅葉の平年値についてまとめてみました。
近年は温暖化の影響で紅葉の時期も年によってずれ込みが激しくなる傾向です。なので、あくまで平年値は参考値です。2018年は、9月の気温が高かったため、全体として遅めになるようですが、近畿地方ではやや早めとなるようです。山岳地帯などでは猛暑の影響で樹木がダメージを受けたのか、一部で紅葉の美しさが若干かげっているところもあるようですが、東北地方の山を中心に既に美しい見頃を迎えています。
紅葉の時期は、単純に、北ほど早いというわけでもないので、まず紅葉前線の傾向を知り、各地の平年値などを参考に、紅葉狩りのプランをたてるコツを紹介していきます。
【参考記事】日本の紅葉の主役、カエデとモミジについては
⇒『カエデとモミジの違いと種類』
の記事もぜひ参照してください。
紅葉前線は北から南へが原則だけど…
各地の紅葉の時期を観る前に、紅葉の原則について、整理しておきましょう。
紅葉は、樹木の冬支度ですから、気温が下がってくると、はじまります。紅葉がはじまる気温の条件は以下です。
- 一日の平均気温が12℃~10℃
- 明け方の最低気温が8℃以下
北から寒くなってきますので、紅葉前線は北から南下していきます。あくまで目安ですが、紅葉前線は、1週間で約200km南下して行くとされています。
また、温暖な黒潮が流れている太平洋側は平均気温が下がりにくいため、日本海側にくらべて、太平洋側が紅葉前線が遅いという傾向があります。
もうひとつの原則は、標高が高いところほど紅葉が早くはじまる、ということです。一般的には、標高が100m上がれば、気温は0.6度下がるとされていますので、南の地方でも、標高が高ければどんどん色づいてきます。
山での紅葉前線の動きは、山頂からふもとまでは1週間で標高差200m下がってくるとされています。
また、紅葉は陽当たりが良いところが早いとされています。なので、同じ場所でも、ほんの数百メートルずれただけで、見ごろが1週間変わるようなこともあります。
以上のように、紅葉の時期にはある程度の傾向があります。しかし、これはあくまで目安ですので、実際には、その場所のいろいろな条件で、見頃の時期はそれぞれです。
以下の表は、有名な紅葉の名所の平年の時期を北から順に並べたものですが、けっこうそれぞれバラバラなのがよくわかると思います。
大雪山(北海道) | 9月中旬〜10月上旬 |
白神山地(青森県) | 10月中旬〜10月下旬 |
奥入瀬(青森県) | 10月中旬〜10月下旬 |
八幡平(岩手県) | 9月下旬〜10月下旬 |
磐梯吾妻スカイライン(福島県) | 9月下旬〜10月中旬 |
山寺(山形県) | 10月下旬〜11月上旬 |
日光(栃木県) | 10月上旬〜11月上旬 |
袋田の滝(茨城県) | 11月中旬 |
長瀞(埼玉県) | 11月中旬〜11月下旬 |
皇居(東京都) | 11月下旬〜12月上旬 |
高尾山(東京都) | 11月中旬〜12月上旬 |
箱根(神奈川県) | 10月下旬〜12月上旬 |
修善寺(静岡県) | 11月下旬〜12月上旬 |
軽井沢(長野県) | 10月下旬〜12月上旬 |
涸沢カール(長野県) | 9月下旬〜10月上旬 |
上高地(長野県) | 10月中旬〜10月下旬 |
千畳敷カール(長野県) | 9月下旬〜10月上旬 |
立山アルペンルート(富山県) | 10月下旬〜11月上旬 |
黒部・宇奈月(富山県) | 10月下旬〜11月中旬 |
白山スーパー林道(石川県) | 10月上旬〜11月中旬 |
香嵐渓(愛知県) | 11月中旬〜12月上旬 |
メタセコイア並木(滋賀県) | 11月下旬〜12月上旬 |
嵐山(京都) | 11月中旬〜12月上旬 |
高野山(和歌山) | 10月下旬〜11月上旬 |
大山(鳥取県) | 10月中旬〜11月上旬 |
宮島(広島県) | 11月中旬〜11月下旬 |
祖谷渓谷(徳島県) | 11月上旬〜11月中旬 |
雲仙(長崎県) | 10月下旬〜11月上旬 |
耶馬渓(大分県) | 11月初旬〜11月中旬 |
お目当ての場所の紅葉の見頃時期を正確に知るには、紅葉時期の間近になって、気象庁の発表する情報や地元の観光協会などに問い合わせて、紅葉の状況を調べるしかありません。紅葉の予測はとても難しい、というのが結論ですね。
これも自然相手のことですから、とくに紅葉の時期に関しては、「なかなか当たらないもの」と考えるべきです。逆に、もし、すばらしいタイミングで見頃の紅葉が観れたとしたら、その時間に出会えたことに感謝をする、そういう気持ちがたいせつだと思います。
紅葉のタイミングと紅葉狩り旅行のプランをできるだけ合わせるコツ
そうは言っても、紅葉狩りに行くならプランを立てたいもの。紅葉の見頃になったら、日帰りでフラリとでかけるのがいちばん確実ですが、なかなか状況がそうも許さない場合があります。しかし、これまで述べたように、誰にも紅葉の見頃タイミングを正確に予測することはできません。
紅葉を観に行く旅行を計画する場合など、宿の予約などで、紅葉の時期についてはとても悩むところですよね。
そこで、紅葉を観る旅行の計画を立てる時、ちょっとしたコツを紹介します。
紅葉狩のプランを立てるなら、以下のふたつのポイントをおさえると、旅行の予定が紅葉時期とずれにくくなります。あくまで、「比較的ずれにくくなる」ということです。温暖化などでますます紅葉時期は予測しにくくなっていることは、念頭に入れておいてくださいね。
紅葉狩り旅行のプランを立てるコツとしては
- 紅葉の名所を選ぶなら南の方
- 標高差がある山岳地帯の紅葉が狙い目
…ということが、言えます。以下にもう少し詳しくみていきましょう
紅葉の名所を選ぶなら南の方
紅葉の期間は、気温が低い北ほど、短くなります。
たとえば、紅葉の期間は、札幌で11日、秋田で15日、名古屋で18日、福岡で21日というデータがあります。このデータでは、北海道は福岡に比べて紅葉している期間が半分だということですね。
このことから、北の紅葉を時期を狙って旅行プランをたて予約などをするのは、かなりハードルが高いと言えます。
逆に、南の方や太平洋岸であれば、紅葉の期間は長めになるので、狙いやすくなります。
もっとも、紅葉そのものは気温差が激しい北の方が美しいとされています。つまり、北の地方の紅葉を観ることはとても貴重な体験だとも言えるわけですね。
標高差があれば紅葉を長く楽しめる
紅葉の時期は、平地の名所ですと、紅葉の見頃が旅行プランや予約とドンぴしゃり合うかどうか? いえば賭けのようにならざるをえません。なので、平地にある紅葉の名所を観に行く旅は、日帰りで狙っていくほうが良いですね。
どうしても泊まりがけでということであれば、ロープウェイなどで紅葉を楽しめる標高差のある山岳地帯をチョイスしましょう。山岳地帯は、標高の高いところから低いところへ紅葉が移っていくので、結果として紅葉を観れる期間が長くなっています。(ロープウェイでの紅葉鑑賞については→『紅葉ロープェイの穴場は?(関東甲信越近県)』の記事も参照ください。
平年の見頃を狙ってプランを立ていけば、多少、紅葉の時期がずれたとしても、行ったはいいが紅葉がまったく観れないという最悪の事態のリスクは、かなり少なくなります。
セオリーから言えば、「温暖な地域の山の紅葉」であれば、実際の紅葉の時期と旅行のプランが合いやすい、ということになります。ただし、あくまでセオリーで、紅葉は自然現象ですので、確実なことは言えません。
以上、紅葉の時期の原則や平年値、それにもとづく旅行プランの立て方についてみてみました。
紅葉時期を予測しながらプランを立てるのも一興ですし、プラン通りに実際の紅葉のタイミングが合わなかったとしても、自然相手のこと。「紅葉の景色に出会えるのは一期一会」という気持ちで、紅葉狩りのプランを練ってみましょう。
なお、参考までに、各都道府県の、紅葉の平年値の一覧表を掲載しておきます。これは気象庁発表の生物季節観測の過去30年の平年値をもとにしたデータです。
各観測場所(気象台)での、イチョウの黄葉日、カエデの紅葉日について記してあります。あくまで参考値ですが、紅葉を観るプラン作りの参考にしてみてください。
また、こちらの記事⇒「紅葉する仕組みについて」もチェックしておきましょう。
いちょう | かえで | ||
帯広 | 10月25日 | 釧路 | 10月15日 |
盛岡 | 10月27日 | 帯広 | 10月18日 |
福島 | 10月30日 | 旭川 | 10月23日 |
函館 | 10月31日 | 札幌 | 10月25日 |
青森 | 11月2日 | 函館 | 10月29日 |
秋田 | 11月2日 | 室蘭 | 11月4日 |
札幌 | 11月4日 | 長野 | 11月7日 |
山形 | 11月4日 | 秋田 | 11月8日 |
長野 | 11月8日 | 盛岡 | 11月8日 |
新潟 | 11月9日 | 青森 | 11月12日 |
金沢 | 11月12日 | 新潟 | 11月12日 |
甲府 | 11月12日 | 福島 | 11月13日 |
福岡 | 11月12日 | 宇都宮 | 11月16日 |
高知 | 11月12日 | 仙台 | 11月18日 |
奈良 | 11月13日 | 奈良 | 11月18日 |
神戸 | 11月14日 | 高松 | 11月18日 |
富山 | 11月15日 | 山形 | 11月20日 |
福井 | 11月15日 | 富山 | 11月20日 |
津 | 11月17日 | 広島 | 11月20日 |
松江 | 11月17日 | 金沢 | 11月21日 |
彦根 | 11月17日 | 福井 | 11月22日 |
広島 | 11月17日 | 松江 | 11月22日 |
仙台 | 11月18日 | 彦根 | 11月25日 |
水戸 | 11月18日 | 福岡 | 11月25日 |
佐賀 | 11月18日 | 熊谷 | 11月26日 |
名古屋 | 11月20日 | 岐阜 | 11月26日 |
東京 | 11月20日 | 名古屋 | 11月26日 |
岡山 | 11月20日 | 甲府 | 11月26日 |
大阪 | 11月20日 | 津 | 11月26日 |
静岡 | 11月21日 | 鳥取 | 11月26日 |
下関 | 11月21日 | 佐賀 | 11月26日 |
和歌山 | 11月21日 | 大分 | 11月26日 |
熊谷 | 11月22日 | 東京 | 11月27日 |
鳥取 | 11月22日 | 高知 | 11月28日 |
前橋 | 11月23日 | 岡山 | 11月29日 |
熊本 | 11月23日 | 徳島 | 11月29日 |
松山 | 11月23日 | 大阪 | 12月2日 |
宇都宮 | 11月24日 | 熊本 | 12月2日 |
京都 | 11月24日 | 京都 | 12月3日 |
鹿児島 | 11月24日 | 神戸 | 12月3日 |
高松 | 11月25日 | 長崎 | 12月3日 |
横浜 | 11月26日 | 下関 | 12月4日 |
岐阜 | 11月29日 | 和歌山 | 12月4日 |
大分 | 11月30日 | 前橋 | 12月5日 |
宮崎 | 12月2日 | 静岡 | 12月5日 |
長崎 | 12月3日 | 宮崎 | 12月5日 |
徳島 | 12月8日 | 松山 | 12月5日 |
鹿児島 | 12月11日 | ||
銚子 | 12月12日 | ||
横浜 | 12月14日 |