シュノーケルの事故を防ぎ安全に楽しむための基礎知識と練習のコツ
2019/07/20
シュノーケルは海遊びで欠かせない道具です。海の中がじっくり見えて、海遊びの楽しみが何十倍にもなるミラクルな道具です。
ただし、シュノーケルをはじめて使う人は、注意が必要です。シュノーケルは決して難しいものではありませんが、シュノーケルをしていて溺(おぼ)れる事故も少なくありません。
シュノーケルで溺れてしまう原因としては、シュノーケルの仕組みを理解せずに「知ったかぶり」で使ってしまうことが多いようです。
そこでこの記事では、ぜひとも知っておきたシュノーケルの注意点について、整理しておきます。なお、この記事は原則、「海での遊泳に慣れていて泳ぐことそのものには不安がないけど、シュノーケルは使ったことが無い」という人向けの記事です。泳ぎが苦手でシュノーケルにはじめて挑戦する人は、シュノーケル教室やシュノーケルツアーなどに参加して、直接指導を受けるようにしましょう。また、水中に潜る場合は⇒「シュノーケルからの素潜り入門」の記事も参照してください。
遊泳中の事故は、すべて自己責任です。シュノーケルは手軽にはじめられ難しいものではありませんが、個人差があります。少しでも不安がある人はシュノーケル教室やツアーに参加して実施講習を受けるようにしてください。当サイトの情報はあくまで閲覧者様の自己責任でご活用ください。
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シュノーケルの魅力
シュノーケルは、海面に顔つけた状態で、息ができるものです。マスクとあわせて使用することで海中観察をじっくり楽しめます。
シュノーケルの最大の利点は、息を止めないで泳げるため、とても楽に泳げ、体力をほとんど消耗しないことです。慣れないうちは緊張してかえって疲れてしまうこともありますが、ほんらいはとてもリラックスして、海を楽しめる道具なのです。
シュノーケルは、素潜り(スキンダイビング)の道具としても欠かせません。素潜りでは、息をより長く続かせるために何よりリラックスすることがだいじです。シュノーケルのおかげで泳ぐことそのものには体力を使わず、潜ることに集中できます。また、見つけた目標から目を逸らさずに、すかさず潜ることができるのものシュノーケルならではです。もちろん、潜水中はシュノーケルで息をすることができませんが、海面から顔を上げずに息継できるのはとても便利です。
シュノーケリングや素潜りにハマってしまうのは、まるで自分が、イルカやウミガメのように、海で暮らす動物になった感覚が味わえるからではないでしょうか? ただ単に海中観察だけではなく、常に海に包まれているようななんともいえない至福感を味わえるのが、シュノーケルの魅力なのです。(素潜りについては、詳しくは⇒『素潜りのコツと安全』の記事をご覧ください。
・水面に顔をつけた状態で息ができる。
・慣れれば体力を消耗せず楽に泳げる。
・素潜りで、目標物から目を離さずに潜水や息継ぎができる。
・海との一体感が味わえる。
シュノーケルの使い方で必ず知っておくべきこと
シュノーケルはJ字のパイプを口にくわえて、水面下で息をするシンプルな道具です。
シンプルな道具なので、誰かに習うことなく無意識に使いこなせるようになることも多いのですが、一方で、使い方を間違えたり、いざというときの判断を誤ると、水を飲んでしまい溺れてしまう事故も起こります。
そこで、シュノーケルをはじめて使う時に絶対に知っておきたいポイントをみていきましょう。
シュノーケルは口が開きっぱなしなる
シュノーケルを装着すると、口を開けてくわえっぱなしの状態になります。慣れるまでは、この口が開けっ放しの状態がとても違和感があります。
シュノーケルをくわえる時は、口のかたちを「あ」→「い」→「う」の順番でくわえ込む、とシュノーケルの取説にも書いてあると思います。遊泳中は、口は少しすぼめて、マウスピース全体を包み込むようにして、口の周りから水が流れ込まないようにします。つまり、ずっと「う」の口の状態ですから、口だけでなく喉も常に開いているような状態になるわけです。
ふだん息をしている状態とは、ちょっと違った口と喉になります。はじめてシュノーケルを使う人は、必ず、まずは陸上でシュノーケルをくわえて、感触を確かめてみましょう。
シュノーケルに水が入ってきたら…
さて、シュノーケルは口があきっぱなしの状態ですので、もしパイプに水が入ってきたら、口や喉に水が流れこんできそうですよね? 実際のところ、シュノーケリング中には予期せず水が入ってくることは、よくあることです。
シュノーケルは、マスクのバンドに固定されているので、水中での顔の向きや傾きによっては、シュノーケルの口が水につかり、水が入ってきてしまうのです。
水が入ってきた場合は、「スノーケルクリア」という技で、水を排出します。シュノーケリングを楽しむには、スノーケルクリアの習得はマストです。
シュノーケルクリアのやり方については次項で詳しく説明しますが、まず、知っておきたいのは、パイプに水が入ってきても、あわてて水を飲まないようにする、ことです。
水が口の中に少し入ってきても、飲まなければすぐに溺れることはありません。
実際、シュノーケルを付けた状態で潜水する素潜り(スキンダイビング)では、口は空いたまま潜っていきます。シュノーケルをくわえたまま潜水するので、当然シュノーケル内は水が入ってきて、さらに口にも水は入ってきます。ただ、喉の中には空気があるので、空気の圧力で押されて喉の奥までは水は侵入してこないのです。
シュノーケルに思いがけず水が入り、パニックになって、そのまま水を飲み続けてしまう事故が多いようです。シュノーケルに水は入るものです。そうなると開きっぱなしの口のなかにも水が流れ混んできます。水が口に入っても、あわてて水を飲まないこと…このことをまずはしっかりイメージしておきましょう。
シュノーケルクリアをマスターできていないうちは、水が入ってくるとパニクってしまうことが多いです。パニクると水を飲んでしまいます。水を飲むとさらにパニクってしまいます。こうなると浅いところでも溺れてしまいます。
シュノーケルをはずす練習をしておこう
シュノーケルをはじめて使う時、しっかり覚えておきたいのは、いざとなったらシュノーケルをはずしてしまう、ということです。
シュノーケルで溺れやすいのは、シュノーケルをくわえた状態で口が閉じられないからです。ですので、溺れそうになったら、シュノーケルをはずしてしまえば良いのです。あたり前のことなのですが、パニクってしまうとこれができないのです。
ですから、万が一わけがわからなくなったら、シュノーケルをはずす、ということを、しっかり頭にとめ、陸上でシュノーケルを口からはずす練習を何度かしておきましょう。
ここで注意したいのは、シュノーケルを水中ではずす時は、必ず口に水が入ってくることです。
水中ではずす時は、すぐに口を閉じても、はずした瞬間に水が流れ込んできます。ただ、口に水が入ってきても、のまなければ問題はありません。口に水を含むようにしてキープして、シュノーケルをとった後に排出すれば済むことです。
くわえたシュノーケルを水中ではずす体験は一度足が着くところでやっておきましょう。いざという時は、安全にシュノーケルを口から外せれば、パニックで溺れることを回避できます。
(シュノーケルクリアをマスターしていない場合)
・シュノーケルに水が入ってきたら、水を口に含むようにして、水を飲まないようにする。
・水を飲みそうになったら、無理せず海面に顔をあげ、シュノーケルをはずす。
・海中でシュノーケルをはずすと、さらに水が入ってくるので、飲まないように注意。
シュノーケルクリアの練習方法
それでは次に、シュノーケルではマストのスキル、シュノーケルクリアについてみていきます。
シュノーケルクリアは、コツさえつかめば簡単にできるものです。ただ、コツをつかむのには個人差があるもので、カンの良い人はすぐに覚えますし、習わなくても無意識のうちできる人もいるくらいです。しかし、間違えると溺れる事故にもつながります。あせらず、しっかりと納得できるまで、足のつくところで練習をしましょう。
また、泳ぎに自信が無く余裕の無い人は、シュノーケルリングツアーガイドなどが主催する講座やレクチャーを受けるようにしましょう。この記事では、泳ぎに不安が無い人が独学ではじめてつかう場合に気を付けるべきポイントを述べていきますが、あくまで自己責任でお願いいたします。
シュノーケルクリアの手順
シュノーケルクリアは、シュノーケルのパイプの中に入った水を、息を強く吐くことで、水を追い出すことです。
ちょうどくじらの潮吹きのように、シュノーケルの先から勢いよく水が飛び出ます。慣れてくれば無意識にできるようになりますが、コツをつかむまで、練習が必要です。練習はできればバディーを組んで、ひとりが水の外から監視している状態で行います。
1・必ず足の着くところで行います。何かあったらすぐ立ち上がって顔を水の外に出しましょう。
2・マスクとシュノーケルを装着しリラックスしてうつぶせに浮きます。
3・顔の向きはやや斜め下前方を見ながら、ゆっくりと息をします。不安なら、浮いたまま手でシュノーケルを触り、口が外に出ていることを確認してみましょう。
4・息を止めて、顔をゆっくりと、自分のおへそを見るように下げていきます。するとシュノーケルに水が流れ込んできます。水が口に入っても飲まずに口に含むように。
5・水が入ってきたら、すぐに態勢をもどします。やや斜め下前方を観るはじめの位置に戻します。←ここ重要です。
6・「トゥ」という感じで、勢いよく息を吐き出します。
7・ゆっくりと息を吸います。完全に水が出きっていなくてもジュルジュルと水を残したまま息は吸えます。
8・中途半端に残った水は吐きだしにくいので、4からシュノーケルクリアをやり直します。口もとに弁が付いているタイプでは、シュノーケルの口を軽く押さえてクリアすると、弁から残った水が排水できます。
以上がシュノーケルクリアの練習の手順です。
まったくはじめての場合は、まずは4までの「水が口に入る感触を確認するまでのステップ」をやってみましょう。口まで水がきたら、すぐにあしをついて顔をあげて、シュノーケルをはずして、息継ぎをしましょう。口のなかに水がいっぱいになる前に、顔を上げるようにしてください。
4の水がはいってくる感触に慣れてきたら、5の息を吐く段階に進むようにします。水が口に入ってくる感覚に慣れていないと、焦って、息を吐きだすことができないことがあります。
慣れてくると、少ない空気でシュノーケルクリアはできるのですが、慣れないうちは、息をたっぷり残しておかないと、クリアがうまくいきません。気が動転するだけでも酸素を消耗してしまい息が続かなくなるので、水が口に入ってくる感覚に慣れてから、5のシュノーケルクリアに挑戦するようにしましょう。
シュノーケルクリアを練習するポイント
クリアする前に、態勢を整える
シュノーケルクリアの練習でとくに注意したいのは、前途の手順4〜5のところです。水がシュノーケルに入ってきてから、クリアする時に、必ず、はじめの息ができる姿勢に戻すことです。あたり前のことですが、シュノーケルの吸気口が海面に出ていないと、息を吐きだしてもクリアができず、逆に溺れてしまいます。
水がシュノーケルに入り込む姿勢のままだと、どんどん水が口のなかに流れこんできます。素潜中はシュノーケルをくわえていても一定以上、口のなかに水が入ってきませんが、海面で水が入る時は、次々と口のなかに水が流れこんできます。そのため、水が入ってこない態勢にすかさず戻すことが、とても大切です。
水が入ってこない態勢がわからない場合は、シュノーケルの口部分に軽く手を添えて、シュノーケルの口が海面に出ている状態を確かめながら、クリアをするとよいでしょう。
また、波が高い時や、シュノーケルをマスクに固定する位置がずれてしまった時など、態勢を戻したつもりでも、水の流入が止まらない時があります。こういう場合は、あわてずに、シュノーケルを口からはずしましょう。
シュノーケルクリアの息の出し方
シュノーケルクリアの習得で最も難しいのが、息を吐き出す部分です。
息を強めに吐き出せば、シュノーケルのパイプ内の水を排出でることは、簡単にイメージできると思いますが、実際にコツをつかむまでは、なかなかうまくいかない人も多いと思います。
というのも、口を開けっぱなしの状態で、強く息を吐き出さなければならないからですね。口を閉じてる状態から「プッ」と息を出すのとは、だいぶ感覚が違います。ですので、まずは陸上で、シュノーケルをくわえて、強く息を吐く練習をしましょう。
コツとしては、口をややすぼめ気味にして「トゥッ」と吐き出すことです。シュノーケルをくわえていると喉が開いているため、「ホッ」という吐き方になりがちです。「ホッ」よりも、少し口をすぼめたほうが、少ない息の量で強めにだせますし、口をすぼめているぶん、口の周りから息が漏れてしまうのも防げます。
シュノーケルクリア直後の息の吸い方
シュノーケルクリア練習のポイントとして、もうひとつ、クリア後の呼吸方法もチェックしておきましょう。
「トゥッ」と息を強く吐き出した直後は、反射的に、すかさず思いっきり息を吸ってしまうものです。しかし、クリアが上手くできず水が残っていることも少なくありません。なので、思い切り息を吸うと水を飲んでしまうことがあります。
クリアで「トゥッ」とした直後は、ワンテンポ息を止めてから、ゆっくり息をすいはじめる…このことをしっかりイメージしておきましょう。
慣れないうちは、「口を開けたままゆっくり息をする」というのがわかりにくいですが、まずは落ち着いてリラックスすることです。息を吐ききったあとは、ちょっと息苦しくなって、思い切り息を吸ってしまうものです。が、息を吐ききったあとでも、まだまだ体内には酸素は残っているものです。すぐに息をしなくてもぜんぜん大丈夫なので、ワンテンポ置いて、ゆっくり息を吸い始めるようにしましょう。
また、シュノーケルクリア後に、パイプの中に少しだけ水が残っていることもよくあります。この場合も、勢いよく吸い込むと水を飲んでしまいますが、ゆっくりと息を吸えば、じゅるじゅると音を立てながら、水は残したまま空気だけを吸えます。
シュノーケルでは、にかく落ちつて、ゆっくり目で息をするように心がけていれば、自然にスノーケルクリアも上達してきます。
シュノーケルで溺れる事故の原因
シュノーケルで溺れないために
ここまで述べてきた手順でシュノーケルクリアをマスターすれば、安全な海域では、原則として溺れるリスクは極端に少なくなります。必ず、シュノーケルクリアを練習してから、シュノーケリングを開始しましょう。
また、はじめのうちは、シュノーケルクリアがうまくいかないことも多いので、水を呑みそうになったりパニックになりかけたら、とにかくシュノーケルを口からはずし顔を上げるようにしましょう。前途のように、水中で口からはずす時に、水が口に入りますが、慌てずに水を呑まないようにましょう。もちろん顔を海面上にあげてからシュノーケルをはずす順番でもかまいません。咄嗟にできるほうで良いでしょう。
シュノーケルで溺れてしまう原因は、シュノーケルに水が入った時にパニックってしまうことです。落ち着いて、息が吸える姿勢に戻りクリアをすれば、再び息が吸えるようになります。しかし、パニックってしまい、シュノーケルの吸気口が海中にあるのにシュノーケルクリアをしようとすると、溺れてしまいます。
ちょっとまずいなと思ったら、シュノーケルを口からはずし海面に出る、あるいはし海面に出てからシュノーケルをはずす覚えておきましょう。
とにかく注意したいのは、水を連続して飲んでしまうことです。水を大量に飲みつづけると、肺に水が流れ込むか、気道が閉じてしまうことで、窒息して溺死してしまうこともあります(乾性溺水)。
シュノーケル以外の溺れる原因
正しいシュノーケルの使い方をすれば、シュノーケルそのもののせいで溺れる、という事態は防ぐことができます。
しかし、遊泳中はパニックになったり、海流に流されたりと、シュノーケル以外が原因となるリスクがあります。
・シュノーケルクリアのミス
・リーフカレント(離岸流)だけでなく、干満による急激な海流に流される
・危険生物による攻撃
・体力・泳力過信などによるもの
・潜水中の三半規管の麻痺(耳抜き不良による外リンパ瘻・温度性眼振、鼻に水が入ることによる錐体内出血)
・酸素欠や低水温による神経麻痺による意識喪失
このように遊泳中のリスクは、シュノーケル以外にもたくさんあります。
まれだとはいえ、こうしたリスクに直面する可能性は常にあります。そうしたリスクに対応できるには、常に余裕のある行動を心がけましょう。
とくに初めての場所でシュノーケリングをする場合は、どんなリスクがあるか地元のガイドなどから正しい情報を得ておくことはとても大切です。
シュノーケルの種類
さて、ここまでシュノーケルに必須のスキル「シュノーケルクリア」について説明してきましたが、実は、最近は、このシュノーケルクリアが不要なシュノーケルも登場しています。ドライシュノーケルやと呼ばれるものです。鼻で息が吸えるフルフェイスのものも話題ですね。
次にシュノーケルの種類をいくつか見ていきましょう。
スタンダードなシュノーケル
もっともスタンダードなタイプは、口元に弁・空気口に波除けがついたタイプです。初心者でも使いやすく、スキンダイビングに挑戦する中級者にも使えます。マスクとフィンと組み合わさった「三点セット」のなかに入っているのも、この仕様のものが多いです。
口元の排水弁があるおかげで、シュノーケルクリアがやりやすい面もありますが、圧が逃れるため、クリアの後に水が残りやすい欠点もあります。
また、吸気口に「波よけ」が付いているタイプを「ドライトップ」と呼ぶことがありますが、弁で水の侵入をほぼほぼ防ぐ「ドライシュノーケル」とは違います。波み除けのついたドライトップはほんの少し入りにくくなっっているだけで、傾き加減や波によっては、ふつうに水は入ってきますので、シュノーケルクリアは必須です。
★最もスタンダードなタイプ。三点セットになっているのもこのタイプが多い。波よけはついているが、入りにくいだけで、基本的に水は入ってくる。 |
シンプルな上級者向けシュノーケル
スキンダイビングがうまくなってくると、シュノーケルにもいろいろこだわりが出てきます。上級者ほど、排水弁などもない、シンプルなものを好む傾向があるようです。
シュノーケルは長さや太さが種類があります。長いものは、水が入りにくく、太いものは息の吸収効率が良いメリットがあります。太くて長いものはクリアする場合には肺活量が必要に思えますが、上級者は、シュノーケルクリアに「ディスプレースメント法(水中置換法)」という技で、少ない息でシュノーケルクリアができてしまいます。いずれにしろ、太目のもの長めのものは中級者以上から使うようにしましょう。
★スキンダイバーが好む、最もシンプルなタイプ。中級者以上向け。 |
ドライシュノーケル
水が入ると自動的に弁がしまります。といっても100%水が入らないわけではないので、シュノーケルクリアの知識と練習は必要です。また、水が入らないぶん、水面に浮いている時に、波などに反応して弁が閉じてし息が吸えなくなります。水が入ってこなくても、息を吐きだしてクリアをする必要があるので、ちょっと使いにくい面もあるようです。どちらかといえば初心者や泳ぎ苦手な人向け。潜らない前提でシュノーケル用のライフジャケット(フローティングベスト)などと併用する場合は、こちらのドライシュノーケルが快適です。ドライスノーケルでも3〜5mなら素潜りすることも可能ですが、弁の構造や作動のメカニズムを理解しいざという時にパニクらないようにましょう。
★吸気口に弁がついて水がほとんど入らないドライシュノーケル。潜らない前提の初心者向け。 |
フルフェイス・シュノーケルマスク
最近みかけるようになった、鼻で息がすえるシュノーケルマスク。シュノーケル部分は弁に100%頼ることになりシュノーケルクリアははじめからできない構造です。マスクで鼻が押さえられて痛くなったりもしないようですから、潜らない前提のシュノーケルでは気軽に海中観察ができそうです。
潜水も可能なようですが、ただ、シュノーケルクリアができない以上、いざという時の対応方法がマスクを取り外すことしかありません。使用する場合は取説などを熟読しどういうリスクがあるのか想定しておいた方がよいでしょう。
★鼻からも息ができる新感覚のシュノーケルマスク。安全のために取説をよく読み、マスクをはずす練習もしておこう。 |
以上、シュノーケルの事故をさける使い方について説明してきました。
とにかく、シュノーケルは水中で口をあけっぱなしにして使う道具だということ。そのために、入った水を追い出すシュノーケルクリは必須だということは、しっかりおせておきましょう。
シュノーケルの事故リスクさえコントロールできれば、シュノーケルはとても楽しい夏のレジャーです。焦らず慌てずシュノーケルをマスターして、夏を楽しみましょう。
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