ビーチコーミングとは? 貝殻やシーグラスを集めるコツとお宝リスト

      2018/07/18

ビーチコーミング

 ビーチコーミングは、浜辺に打ち寄せられた貝殻やシーグラスなど漂流物を拾って集めることです。

 ビーチコーミングを、ただの暇つぶしと誤解してる人、「浜辺で何を集めてるの? おもしろいの?」と不思議がる人も多いと思います。しかし、実は、とても奥が深い趣味で、世界中に愛好者がいます。

 この記事では、ビーチコーミングで集める「お宝」の種類や、見つけるコツ、日本のビーチコーミングの有名スポットなどについて、まとめています。

 海に癒されながら、自然と人についていろいろ考えさせられるビーチコーミングの扉を開いてみましょう。

【参考記事】浜を歩くのはビーチコーミング。では海の上を歩くのは…?⇒SUP(スタンドアップパドルボード)入門。

ビーチコーミングとは?

 ビーチコーミングは、ひとことで言えば、海を歩いていて、「綺麗だな、おもしろいな」と思ったものを拾い集めることです。

 貝や小石はもちろん、不思議な海の生き物の殻や、シーガラス、時には海外から流れ着いたゴミまでも、ビーチコーミングの対象になります。

 英語でbeach combingでcombとは櫛(くし)のこと。櫛ですくようにくまなくビーチを探索することから、こう呼ばれています。もともとは海岸清掃活動から発展してビーチコーミングと呼ばれるようになったようです。

 ただ、浜辺で物を拾い集める行為は、ビーチコーミングという言葉が生まれるずっとそ前から、行われていたことです。昔から人にとって、海辺の漂着物は、未知なる世界へのきっかけを開く鍵のようなものだったに違いありません。ですので、海辺の宝探しは、けっこう本能的にやってしまうことなのです。

 ほんらいは、拾うものがどれだけ珍しいか?とか、どれだけ希少性があるか?とか、そういうのは二の次です。自分が直観で惹かれたもの、気に入ったものを、興味の触手がゆり動かされたものを拾い集めればよいのです。

 もちろん、浜辺に流れ着いているものについて、いろいろな知識があればあるだけ、ビーチコーミングの楽しみは増します。浜辺に落ちている貝殻や石などの価値が見分けられるようになれば、どんどん深みにはまっていくでしょう。

 でも、とりあえずは、難しいことを考えずに、童心にかえったように、「感性で」宝さがしを楽しみましょう。

 奥は深いけれど、敷居も低いのがビーチコーミングだといえるのです。

ビーチコーミングの狙いの獲物は?

 自分の感性で自由に楽しむのがビーチコーミングの基本ですが、人によっては、探す目的がはっきりしていないと、すぐに飽きてしまったり、集中できないこともあるでしょう。

 そこで、ビーチコーミングでの「お宝」には、どんなもがあるのか?、ある程度知っておけば、飽きることなくビーチコーミングに入門できて、気が付けば宝探しにガチになっいるはずです。

 では、はまっているビーチコーマーたちは、いったい何を狙っているのでしょうか? たとえば次のようなものです。なかには、ほんとうに経済的価値のあるの「お宝」もあったりするんですよ。

ビーチコーミングで集めるもの代表例
自然物

・貝殻(タカラガイ、サクラガイ、ヒオウギカイなどなど)

・貝以外の殻(カシパン、ブンブク、タコブネなど)

・サンゴなど

・海洋生物の痕跡…サメの歯、エイの卵の殻、竜涎香など

・宝石類…メノウ、ジャスパー、珪化木など

・植物種子

・流木

人工物

・シーグラス(シー玉、ウラングラスなど)

・浮き子(ビン玉、シリンダー浮き)

・陶器片

・その他漂着物

 上記リストの中には聞きなれないものも、けっこうあったのではないでしょうか? ビーチコーマはなんとなく綺麗な貝殻を探し求めているだけではないのです。

 ビーチコーマーそれぞれによって、貝とか石とか漂着物とか、メインの狙いを絞り込んでいる人も多いですが、入門者はまず、ひととおりこれから説明していく代表的な「お宝」を頭に入れておきましょう。知識ゼロの時と、浜辺を歩いてみた時に見える風景が、違って見えてきます。

 とは言っても、知識を仕入れたからと言ってすぐにお宝が見つかるか?というと、そうでもないんですね…。

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ビーチコーミングは難しい?

 ビーチコーミングは簡単そうに見えますが、いざ「お宝」を見つけようとすると簡単ではありません

 まず、場所選びからして、情報と経験が必要です。「狙いのものがありそうな浜とそうでない浜」があります。たとえば、貝殻であれば、黒潮や対馬海流が近くを流れる、岬や半島で、多くの種類が拾えます。ただし、同じ岬のなかでもビーチの場所によって、貝殻が多いところと少ないところと、さまざまです。海底の地形や潮や波の微妙な条件で、打ち上げられる貝殻の多さや種類の豊富さが変わってくるのです。

 つまり、どのビーチでどんなものが穫れそうか? 推理や経験値がものを言いうわけです。

 また、「見つける技術」もわりと重要です。たとえば慣れたビーチコーマーの人と初心者が一緒に同じ浜に出ても、慣れた人はどんどんお宝を見つけていきます。一方、初心者はお宝があるビーチでも、なかなかお宝を見つけられないでしょう。たとえお宝があるところを見ていたとしても、見えていない、…初心者は「目に入っているのに見えてない」状態になりがちなのです。人間の脳の認識力には限界があるわけです。

 とくに初心者の人は、同時に多くのものを狙うよりは、まずはタカラガイならタカラガイ、シーグラスならシーグラスと狙いを定めて探した方が、はるかに見つかる可能性が高まるようです。漫然と見ていては見落としてしまうのですね。

 このように、ビーチコーミングは、経験を積めば積むほど、探す技術やお宝に関する知識もどんどん増えてきて、レベルアップしていく……そんな奥の深さがあるわけです。

 さらに、ビーチコーミングの魅力をみていきましょう。ビーチコーミングは、海で癒されれたりお宝を見つけるだけでなく、複合的に多方面への広がりを持っています。たとえば、ビーチコーミングをきっかけに環境問題にかかわったり、旅の行動半径が広がったり、コミュニティーや人間関係の輪が広がったりと、相乗効果もかなりインパクトがあるわけです。

 また、ビーチコーミングで集めた貝殻や宝石を、アクセサリーなどに加工することも盛んです。シークラフトの方向にハマる人も多いですね。ハンドグラインダーを使いこなせば、あとはセンス次第で、販売できるレベルのものも作れてしまったりします。このように、副業として趣味と実益をかねてビーチコーミングに取り組む人も、少なくないのですね。

 もうひとつ、ビーチコーミングでは、化石や骨董品的に価値があるものが見つかることもあります。ビーチの漂着物には、古い時代のものも少なくないのです。タイムマシンのような海の一面に気づかされると同時に、骨董的なものへの興味や歴史的背景を探るおもしろさにもハマっていきます。

ビーチコーミングの奥の深さ

・お宝を見つける技術をレベルアップさせていく楽しみ(見方・ある場所の知識・経験値)

・海を歩く習慣は、体の健康、心の健康どちらにも好影響しかない。

・旅先、出張先などでの楽しみが一気に広がる。また、ビーチコ目的で旅をするようになり行動半径が広がる。

・収集し整理する楽しみ

・クラフトやアクセサリ化する楽しみ。上手くいけば副業にもなる?

・海岸清掃活動や環境問題への取り組みのきっかけとなり社会貢献できる。

・骨董品的な価値への知識。歴史や地学などへの広がり

・・・etc

 このように、ビーチコーミングが、ただの浜辺の散歩ではないことは、充分おわかりいただけたと思います。けっこうハマってしまう、一生ものの趣味の世界だというわけです。

 では、次に、ビーチコーミングの狙い目なお宝について、もう少し詳しくみていきましょう。探す種類やポイントについて、ジャンル別に簡単に解説していきます。

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ビーチコーミングで集める代表的な貝殻は?

 貝殻集めはビーチコーミングの基本です。貝の種類とビーチとの相性などもあったりして、そういうことが見えてくると、とても奥深い楽しみになってきます。

貝殻を探すコツ

・外洋に面した砂浜に多い。波はやや静かに寄せるところ。

・打ち寄せられた貝が帯状に堆積している「貝ライン」が狙い目。

・基本のベストタイムは干潮をはさんだ前後1時間。大潮よりも小潮が良いという説も。

・お宝狙いなら、そのビーチに一番乗りすることが基本。

・貝ラインに沿ってあるくだけでなく、しゃがみ込んでよく調査するのも大事

タカラガイ

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 ビーチコーミングでまずはじめに集めるのが
タカラガイ
。丸みを帯びた愛くるしいフォルムと貝殻になってもツヤツヤとしたとした光沢が特徴的です。その名の通り、通貨として利用されていたこともあるようですが、タカラガイそのものはそれほど珍しいものではありません。黒潮や対馬海流など暖流が流れているところでは、たいてい拾うことができます。

 タカラガイは種類が多く、世界では200種、日本でも88種が生息しています。もとともは熱帯性でサンゴ礁域に住むものですが黒潮や対馬海流にのって、本州沿岸にもたくさん流れ着いてるのです。メジャーどころのチャイロキヌタ、メダカラの二種類であれば、ふつうに拾えます。ビーチコーミングに慣れてくるとチャイロキヌタとメダカラはスルーして、それ以外のタカラガイを探すようになります。ビーチコーマーが狙うのは、チドリタカラ、ヒメホシタカラ、ジャノメダカラ、サバダカラ、サメハダカラ、ハナビラタカラ、アヤメダカラ、シボリダカラなどの品種です。

ナミマカシワガイ

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 美しく愛くるしいコレクションしがいのあるナミマカシワガイは漢字では「波間柏貝」と書きます。薄桃色や黄色系の光沢のある美しい貝。丸型に近く、しわがある感じで少しごつごつ、プラスチック片のようにも見えます。大きいものでは4cmほど。北海道南部より南の日本全国のビーチでみつかります。

 ナミマカシワガイは、貝種の少なめの奥まったビーチでも見つかることが多く、ビーチコーミングを代表する貝のひとつです。かたちや色合いが、ひとつひとつ個性的で、集めがいのある貝です。

ヒオウギガイ

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 カラフルさを狙ってるんじゃないか?と思うくらいキャッチーなのがヒオウギガイ、漢字では緋扇貝または桧扇貝と書きます。ホタテと同じイタヤガイ科で房総以南から沖縄に生息しています。なんといってもあざやかなオレンジ、黄色、赤、紫とカラフルな殻が印象的なホタテに似た形の貝です。別名は虹色貝というだけあって、集めれば集めるほど、華やかなコレクションになっていきます。食用でも美味なため西日本ではよく養殖もされ、お祝い時の食材とされます。福岡県の志賀島(しかのしま)・海の中道公園などでは特に多くみつかるようです。

イモガイ

 イモガイは、横から見ると円筒形に近い逆三角形で、口が縦に大きく開いているタイプの巻貝。種類も豊富だが、柄が無数にあるので、自然のデザインを楽しみながら集めることができます。沖縄が最も種類が豊富ですが猛毒をもつ種類もいるので注意が必要。活きたイモガイには手を出さない方が無難です。沖縄以外でも、能登半島以西や房総半島以南で拾うことができます。

ウミウサギ

 沖縄など亜熱帯の海でダイビングの人気者ウミウサギ。貝殻はタカラガイの両端が尖ったっているようなかたちで、ビーチコーミングで狙う貝のひとつになっています。タカラガイが広範囲に活動する貝であるのに対して、ウミウサギはヤギなどのソフトコーラルだけを食べる貝で、似ていますがまったく違う系統の貝です。本州では、ウミウサギ科のツマニケボリ、ツグチガイなどが伊豆や房総でよく見つかるようです。

サクラガイ・ベニガイ

 サクラガイはいくつかの種類のピンク系の二枚貝の総称。サクラガイ、カバザクラ、モモノハナガイ(エドザクラ)、オオモモノハナガイ、シボリザクラ、ウスズミザクラ、ベニガイなどの種類があります。鎌倉・逗子など湘南地方はサクラガイ拾いのメッカと呼ばれています。

 サクラガイのなかでも、ひときわ美しい色をはなつ「ベニガイ」は、ビーチコーミング初心者でも狙いやすい貝ですので頭に入れておきましょう。本州から九州まで広く分布していているベニガイは、濃ゆい桃紅色とシュッとしたフォルムが魅力的で、貝細工の素材としてもよく使われます。二枚あわさっているものは、開くとハート形で、キュート過ぎます。

アオガイ

 上から見ると丸く横から見ると三角の笠形の一枚貝。岩などに張り付くタイプのヤツで本州・四国・九州の磯場にいます。一見ごくふうつの一枚貝ですが、その貝殻は魅力的。というのも、内側が美しいブルーからエメラルドグリーンのグラデーションなのです。ビーチコーミングではつい集めたくなる要チェック貝のひとつです。

アサガオガイ・ルリガイ

 殻の内側や巻き模様の筋が薄いブルーや紫色をしたアサガオ科の巻貝。アサガオガイ、ルリガイ、ヒメルリガイの3種類がありますが、いずれも海中では海面に浮かびながら生活していて、カツオノエボシなどのクラゲなどを食べる不思議な貝です。浮くために泡を出して浮嚢とよばれるフロートを付けた状態で見つかることもあり、海の生物の不思議を感じずにはいられません。

ツノガイ・マテガイ

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 ツノガイやマテガイは細長いタイプの貝。ユニークなので初心者ビーチコーマーにもわかりやす一品。アクセに加工するには最適ですね。湘南地方で多く拾えます。

イトカケガイ

 イトカケガイ貝の仲間は、板状の帯が上から下まで縦に貫通している特徴ある巻貝です。ネジガイ、ヒメネジガイ、タテヨコイトカケ、ホソチャマダライトカケとたくさんの種類があります。縦長の巻貝のなかではひときは美しいのでコレクションされます。

キンチャクガイ

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 ホタテ系のイタヤガイの仲間だが、形と色と柄が、まるでそのまま「巾着袋」。どこにでもあるというわけではありませんが、比較的見つけやすく、バリエーションが豊富なキンチャクガイはビーチコーミング入門者には、おすすめです。

カメガイ

…クリオネの仲間カメガイ。1cm以下と小さい系の貝。透明・半透明の貝殻。ビーチコーミングの上級者になると、カメガイのような微小系を狙うようになる人も多いようです。こうなると飾って鑑賞するというより、生物学的にマニアな方向に向いていくわけですが、それもありです。ビーチコーミングは科学や学問への窓口でもあるのです。カメガイはマサコカメガ、ヒラカメガイ、クリイロカメガイが拾えます。

ウニ殻やサメの歯など、その他の殻や骨系

 海には実にさまざまな生物がいて、浜に打ち寄せる生物の痕跡たちも、貝類にとどまりません。ビーチコーミングの定番アイテムの「カシパン」「サメの歯」「タコブネ」/span>をはじめ、ほんとうのお宝「竜涎香」まで、いろいろなお宝を見つけることができます。

ウニ殻

 貝以外の殻としては、定番はやはり「ウニ殻」です。バフンウニ・コシダカウニ・ムラサキウニなどなど丸いウニ殻は、よく落ちています。ただ、割れていない綺麗な形のものは少ないのと、好みが分かれるところから、見つけても拾ったり拾わなかったりが多いです。

 そんなウニ殻ですが、ビーチコーマーに安定の人気があるのがコデマリウニという数㎝の超小型のウニです。手毬のような文様がはっきりしており、赤色の個体もあったりで、ほんとうに毬(まり)のよう。コデマリウニは文句なしに可愛いらしいウニですので、ターゲットとして要チェックです。

カシパン・タコノマクラ

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 ビーチコーミングのお宝としてで定番中の定番、平たく薄いウニ系の「カシパン」「タコノマクラ」です。花のような5弁の紋様があるのが特徴です。生体はウニというよりもヒトデのできそこないのようで、どちらかというと「キモイ」ほうに入るかもしれません。でも、殻はなかなかお洒落です。なかでも、スリットの入った「スカシカシパン」はぜひゲットしたい一枚です。

タコブネ・アオイガイ

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 タコブネ科のアオイガイという不思議な生物がいます。貝殻を背負ったタコです。変な生き物ですが、独特の美しい殻は、ビーチコーミングの代表的なお宝のひとつです。

 タコブネの殻は、かたちがアンモナイトに似ていて、とても薄いので「ペーパーノーチラス」とも呼ばれます(ノーチラスhはアンモナイトのこと)。熱帯~温帯地域に広く生息しているタコなので、比較的見つかりやすいお宝ですが、薄いだけに完全な形のものはなかなか出会えないようです。

サメの歯

 サメの歯は、サーフカルチャーでは定番のアクセです。ハワイやオーストラリアでは土産品としても盛んで、最近はサーファー以外にもアクセサリーとして定着しはじめています。

 サメの歯とか何気に貴重品では?と思ってしまいますが、サメの歯は無限に生え変わり、なんと3日置きペースで歯を入れ替えていてるのです。一匹のサメが生涯で使う歯は2万本とも言われています。ですので、アクセサリーにするくらいたくさん見つかるわけです。

 ですのでビーチコーミングでもサメの歯は定番のターゲット。潮が引いた干潟を歩いていて出会うこともあります。ガチで探す場合は、出やすいポイントで、砂をふるいにかけて探します。

エイ・サメの卵の殻

 黒くて四つの角が生えた、植物の種のような謎の物体が見つかることがありあます。なんと、エイやサメの卵の殻です。角の部分で海藻や岩に固定して、赤ちゃんが育つ仕組みだそうです。海の不思議を改め実感させてくれるものですが、湘南地方の海などでも、見つかることが少なくないようです。

サンゴのかけら

 サンゴは沖縄だけでなく、九州・四国・紀伊半島・対馬や日本海側の壱岐まで、案外広く分布しています(詳しくは、⇒「沖縄以外の日本のサンゴ」についての記事を参照ください。)。沖縄のビーチコーミングではサンゴはまさに「入れ食い状態」で集め放題ですが、本州でも、黒潮域ではサンゴが拾えます。なかでもキクメイシは定番。

 また、赤い細い枝サンゴ状のものが見つかることがありますが、これは、八放サンゴのヤギの仲間イソバナです。宝石になる赤サンゴと間違えてしまいますが、違います。宝石として高価に取引される赤サンゴは数百メートルの深海にあるため、残念ながら磯に打ち上げられることはありません。

竜涎香

 竜涎香(りゅうぜんこう)は、ビーチコーミングのお宝のなかでも、ほんとうに一攫千金になる換金価値のあるお宝です。竜涎香はアンバーグリスとも呼ばれ、マッコウクジラの腸内にできる結石です。色は、白・灰色・琥珀色とさまざまで大理石状の石のように見えます。魚の腐ったような悪臭を発しているようですが、香水の原料としてたいへん価値のある貴重なものであり、1グラムあたらい二千円以上の値が付きますので、大きさによっては数百万円の価値があります。めったに見つかるものではないですが、過去に和歌山と沖縄で発見されている例があります。ビーチコーマの夢ですね。

シーグラスと浮き

 シーガラスは、もともと人工物ですが、貝殻など海の生物と並んで、ビーチコーミングの「お宝ジャンル」の双璧をなしています。探し方は貝とほぼ同じですが、場所によっては最近、枯渇しはじめているところも。いろいろ工夫して上手に探していきましょう。

シーガラスを探すコツ

・貝ラインやハイタイドラインなど、貝殻や小石が集まっている場所を狙う。

・初心者は、貝殻とグラスを同時狙いでなく、シーガラスならガラスに的をしぼった方が見つけやすい。

・積極的に探す場合は、貝や海藻が積もっているところを、潮干狩りの熊手などでかきわけながら探す。

・夕方、西日に向かってのんびり歩いていると、光り輝くシーグラスが見つかることも。

・雨上がり

・波打ち際で、流れ着いたばかりのシーグラスに出会うことも。

シーグラス

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 ビーチコーミングのターゲットの大きいなジャンルとなっているのが、シーガラスです。もともとは、廃棄されたガラス製品ですので、「ゴミ」っちゃゴミなのですが、数十年の間、海にもまれることで、美しい造形となったものがシーガラスです。

 いえば、人間と自然のコラボ作品といえましょう。

 シーグラスの色は、もともとの瓶の色ですす。ですから、透明、緑が多く、本赤・黄色・オレンジ・黒はレアカラーとなっています。

シー玉・シーおはじき

 シー玉は、ビー玉やおはじきが、海でこなれて、擦りガラス状の、いい感じになったシーグラスの一種です。わたしもはじめて出会ったときは、自然の力で、ガラス片が球体に磨かれたのか?とびっくりしましたが、さすがに、もとから丸いビー玉がシーグラス化したものです。昭和時代には大量にあった瓶ラムネ飲料の栓だったものも見つかるようですね。

 また、同じようにこなれたおはじきが見つかることもあります。なかでも、真ん中がへこんだおはじきが見つかることがありますが、これは、明治から大正初期(1900年~1910年頃)にだけ製造されていた型押しのエンボスのおはじきで、これは骨董的価値あるそうです。

ウランガラス

 ウランガラスはウランをガラスの蛍光発色剤として使った蛍光緑色に光る観賞用のガラスです。19世紀半ばに発明されました。今では、ウランは原子力利用され一般に取り扱いが規制されているため、製造されていません。つまり、骨董品でしか手に入れることができないのがウラングラスなのですが、これが、たまに、海で見つかることがあります。ビーチコーミングのレアなお宝のひとつですね。ウラングラス狙いのビーチコでは、夜ブラックライトで探すことが多いようです。

ビン玉・シリンダー浮き

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 ガラス製の漁業用の浮きは、ビーチコーミングの人気もの。ビン玉と呼ばれる真ん丸のガラス玉や、円筒形のシリンダー浮きは骨董的価値もあるお宝です。いまでは漁業用浮きはすべてプラスチック製品ですが、昭和初期~戦後直後までは、ガラス製の浮きがたくさん使われていました。とくに、北洋漁業の全盛期には年間1000トンも生産されていた歴史があり、北海道小樽の吹きガラスの浮き玉はとくに有名です。日本以外では韓国でもガラス浮きが使われていたため、北海道から沖縄まで広範囲で見つかります。ただし、もう100年近く前のものですので、それほど頻繁に見つかるわけでもないので、お宝度はまぁまぁ高いです。とくにシリンダー浮きのほうはレアアイテムです。

陶器片

 シーグラスの陶器版です。陶器のなかでも、白地に青のいわゆる有田焼(伊万里焼)のような陶磁器のかけらがが、波でこなれて良い感じになったものです。

 もともとのデザインがどのように切り取られているか?というう偶然の織り成すアート的な楽しみがあり、陶器片ビーチコーミングにはまる人も多いです。また、骨董的価値もあり、デザイン柄から、いつの時代の焼き物なのか?推定する楽しみもあります。

漂着種子

 南方系の植物には、潮の流れに種子を乗せて繁殖していくために、種が浮きやすくなっているものがあります。こうした植物を、「海流散布植物」と呼びます。ココヤシなどヤシ類がまず思いつきますが、それ以外にもアダン、モモタマナ、ミフクラギ、テリハボクなど。
 これらの種子は、海に流されることが前提ですので、拾ったものが発芽する確率はけっこう高いです。熱帯性のため、寒害には弱いですが、発芽させて室内で育てることは充分可能です。
 また、沖縄で有名な巨大豆「モダマ」の仲間は東南アジアなどにも多く分布していて、はるばる日本の黒潮沿岸まで流れ着きます。「海豆」と呼ばれ、ビーチコーミングのお宝のひとつとなっています。
 もうひとう、ビーチに多いのが、意外なことに「クルミ」です。殻が水に浮きやすいことから、川伝いに山から流れてくるようで、山にクルミが多い地方のビーチでは漂着クルミは晩秋~初冬の風物詩となっています。その年の新モノのクルミであれば食べられます。

流木

 流木もまたビーチコーミングのターゲットのひとつです。波の強い浜で、磯の岩陰などには、選びきれないほど大量の流木が溜まっていることは多いです。流木の場合、流木そのものは珍しいわけではないので、いかに芸術的に価値があるものを拾うか?が最大のポイントです。感性が問われるビーチコーミングですね。

 拾った流木は、インテリアやガーデンと合わせてのイクステリアなど利用価値は高いです。お店などでは必須のアイテムですので、場合によってはある程度の価格で取引されることもあります。センスと営業力は必要ですが、副業として「流木ハンター」を目指すのもありですね。

宝石類

 ビーチコーミングのひとつのジャンルに「石拾い」があります。浜を歩いていると、とくに名もなきふつうの石でも、感性でビビッとくる石に出会うこともよくあります。

 そうした「ふうつの石集め」ではなく、いわゆる「宝石類」を狙ったビーチコーミングもあります。海岸で拾えるのは、宝石のなかでも希少性は低いメノウやヒスイなどが中心ですが、やはり宝石の一種、テンションはあがります。

玉髄と珪化木

玉髄(ぎょくずい)という、石英からなる宝石類が海辺でよく見つかります。玉髄のなかでも、瑪瑙(メノウ・アゲート)ジャスパーが馴染みがあると思います。とくに北海道にはメノウが拾えるビーチが上ノ国町、礼文島、紋別、枝幸町、雄武町など多数ありまます。また、房総半島や西伊豆仁科海岸でも見つけることができるようです。

 メノウに似たものに、珪化木があります。これは樹木の化石で、古代の樹木が地中でケイ素と結合してメノウのようになったもの。いえば石炭になりきれなかった樹木です。珪化木が拾えるビーチは全国各地にあるようでうす。

翡翠とネフライト

 ヒスイは薄緑色の宝石として有名です。日本でもヒスイが産出される場所がいくつかあります。なかでも有名なのが、ヒスイ海岸と呼ばれる富山県朝日町の宮崎海岸・境海岸。北アルプスが海に落ち込むところで、独特のストーンビーチになっています。ブルー、グリーン、コバルトに輝く宝石のような小石でできた海岸はテンションが上がります。

 ヒスイ海岸では、見る人が見ればヒスイを拾うことができますが、ビーチコーミングというよりは鉱石探しの鑑定眼を養わないと、なかなか翡翠は探しきれないようです。素人でもネフライト(透閃石岩)の方はたくさん見つけることができるようです。

ビーチコーミングの有名ポイント

 ビーチコーミングに適したビーチ選びは、事前の情報収集がとても大切です。海流の関係で、狙っているものがそもそも流れつかないことも多いですし、ビーチによっては高波にさらわれる危険がある場所も。駐車場やトイレなどの情報もたいせつです。

 ただ、有名なポイントであればあるほど、多くのビーチコーマーが訪れますので、競争率も高くなります。逆に、自分だけのお宝ポイントは、あまり人に教えたくないものです。

 なので、やはり、自分の足でこまめに歩いて、ポイントを探すことが基本となります。ビーチがひとつ変わるだけで漂着物の雰囲気が変わることも多いですし、ひとつのビーチのなかでも場所によって、雰囲気が変わります。いろいろ歩いて、ビーチコーミングに向いたビーチ探しのコツを覚えていくことも大切なのです。

 以下に、かんたんに、ビーチコミングのメッカともいうべき有名ポイントを紹介していきます。これらの有名ビーチを足がかりに、自分だけのポイントを見つけていきましょう。

●千葉/館山・沖ノ島…房総半島の先端にある黒潮が洗う岬。サンゴがあるところとしても知られています。東京から近い漂着物が豊富なビーチコーミングのポイントです。なかでも沖ノ島はイルカの耳石やサメの歯など「骨もの」のポイントとしても有名です。

●神奈川/鎌倉・逗子・葉山…相模湾はとくに海洋生物の種類が豊富な湾で、日本の海洋生物の40%が生息しているとも言われます。ビーチコーミングのポイントしては、湘南よりも三浦半島よりの鎌倉〜葉山など。とくに鎌倉は地形の関係から県内でも最も漂着物が多いビーチとなっています。サクラガイの豊富さでも有名です。

●静岡/御前崎…遠州灘に突き出た岬。外洋に接しているため波が荒く、タイミングによっては貝殻などが少ないこともあるようですが、珍しい種類に出会える通向きのポイント。シーグラスもあがりやすいようです。

●和歌山/潮岬…黒潮で運ばれる南方系のものと近海ものの両方が打ち上げられる豊かな海岸。タカラガイの種類も豊富なようです。潮岬だけでなく紀伊半島南部には、ビーチコ向きの浜がたくさんあります。ただし、観光ビーチで有名な白浜町白良浜は輸入砂を入れた人工ビーチなのでビーチコーミングには適しません。

●福岡/海の中道・志賀島…対馬海流が洗う、とても種類の豊富な海。タコブネなどもよく見つかるようです。アクセスも良く公園として整備されているので、安心してビーチコーミングに打ち込めます。

●富山県/宮崎・境海岸…ヒスイ海岸と呼ばれますが、サンセットや夏の海水浴などオールマイティーに楽しめるビーチ。ヒスイ探しは波が高い日の翌日が狙い目です。

 

 

 以上、ビーチコーミングに入門するための情報を、いろいろお届けしてきました。ごく入り口の部分ですが、漫然と浜を歩くよりも、少しだけお宝ゲットに近づけているはずです。

 海は古来から、人々に「贈り物」を届けてくれる場所とされてきました。遠く浜辺で出会う新しい未知のものが、自分の世界を大きく広げてくれるきかっけになるのです。

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