菊人形の意味と全国の菊人形展。菊人形の歴史を知り理解を深めよう。

      2019/10/24

菊人形

 「菊人形」は菊の花の衣装をまとった人形です。

 リアルな人形の顔と、菊の花の組み合わせが、今のセンスから見るとちょっと微妙かもしれません。怖いイメージすらある菊人形ですが、実は、日本が世界に誇る園芸文化のひとつです。

 この記事では、菊人形の歴史をひもとくことで、菊人形の意味や楽しみ方をお伝えしていきます。

 また、全国の代表的な菊人形展を紹介しています。

【関連記事】
 秋の菊観賞は日本の伝統。和ギクの魅力を見直して、菊花展を楽しみたいものです。⇒「菊花展のみどころと、和ギク・古典菊の種類」
の記事も参照してください。

菊人形の意味

菊人形は江戸時代の大衆娯楽

 菊人形は、菊の生花で衣装をかたどった展示物です。菊花の美しさや、人形の題材となっている世界観を観て楽しむものです。

 江戸時代末期に、庶民の娯楽として生まれた菊人形が、150年たった今も、脈々と受け継がれ、菊人形展は秋の恒例行事となっています。

 キクは、生花のなかでも、とくに水上がり・水持ちが良い花です。菊人形はキクの切り花の日持ちの良さを活かした伝統工芸なのです。

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▲世界に誇る江戸の園芸文化が生み出した「菊人形」。後世に伝えていきたい伝統文化。(写真は宮城県柴田町・船岡城址公園の大菊花展)

菊人形は怖くない

 菊人形は映画の怖いシーンに使われた(横溝正史原作「犬神家の一族」)ことや、菊=仏花で縁起が悪いという誤解のため、菊人形に対して恐いイメージを持っている人もいるかもしれません。

 しかし、もともと菊は、とても高貴で清らかな精気に満ちた花です。香りもとても爽やかで、自律神経を抑えるリラックス効果もあるとされています。

 そんな日本の秋を代表する菊花を、遊び心たっぷりで楽しむ文化が、ほんらいの「菊人形」なのです。

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菊人形の作り方と菊人形用のキク品種

 菊人形の飾りつけは、には小菊が使われますが、なかでも「人形菊」と呼ばれる枝がフレキシブルに曲がる、菊人形の専用品種が用いられます。

 菊の切り花をただ挿して飾っているだけの、単純なものではないのです。菊人形を仕立てる専門技術をもった「菊師」によって作られる、園芸工芸品とでも言うべきものなのです。

 菊人形の胴体部分は、竹で組んだ網目状の骨格に、藁(わら)や檜(ヒノキ)の葉をネット状に巻き付けてあります。これを下地(胴殻)と呼びます。

 人形菊は数本ずつ束ねて、切り株に水苔をつけて、この水苔を胴殻に差し込むように固定します。

 菊人形用のキク品種は枝を曲げても折れにくい特徴をもっています。胴殻に差し込んだ菊の枝を曲げて調整しながら、人形の体の微妙なラインや衣装の形の立体感を出すよう盛り付けていきます。

 このあたりのが「菊師」の腕の見せ所です。

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▲菊人形専用品集「人形ギク」を使って、菊付けをしていく「菊師」。(写真は大阪・ひらかた市民菊人の会)

 また、できるだけ長持ちさせるために、蕾のうちに菊花をセッティングしておく高度な技も必要になってきます。

 このように、菊人形のセッティングには、経験と熟練の技術が必要なため、菊師となる人の後継者不足が心配されています。

 また、菊人形用に選抜されたキクの品種も、絶やさぬようにきちんと管理・育成され続けることが大事です。

 ここまで見てきたように、菊人形は、いろいろな作業の積み重ねのうえに出来上がる、とても高度な工芸作品だということがわかると思います。

菊人形の意味

・菊人形は、衣装を菊の花で型どった人形。

・江戸時代末〜明治にかけて、庶民が見て楽しむ娯楽として誕生。

・人形の題材歌舞伎の題材などの人形。今は、大河ドラマや歴史上の人物が題材。

・菊人形のためのオリジナル品種をわざわざ使っている。

・菊の水揚げのよさを活かした園芸工芸

・菊人形のセッティングには知識と経験が必要で職人は「菊師」と呼ばれる。

菊人形の歴史

 菊人形は江戸末期の1850年頃に江戸の巣鴨〜団子坂ではじまった園芸・工芸です。

 菊人形が誕生した背景には江戸の園芸ブームがあります。江戸時代の平和で経済的な発展を遂げた時代に、はじめは江戸の武家階級に園芸ブームがきます。江戸の大名屋敷の庭に、ツバキ、牡丹、ウメ、櫻、桃、梨、百日紅、ザクロ、などの花木や果樹が好んで植えられるようになります。

 江戸では大名屋敷の庭木を供給するための、園芸業が、盛んになります。入谷・根岸・染井・巣鴨・駒込・千駄木(団子坂)などの地域に、園芸作物の供給拠点とバックヤードが作られていきます。

 19世紀の文化文政時代になると、江戸の園芸ブームは、武家階級から庶民へも広がっていきます。庶民はさすがに大きな庭をもたないので、樹木よりも草花のニーズが高まります。

 花菖蒲、朝顔、福寿草、万年青(おもと)、松葉蘭…そしてなによりもメインの草花だったのがです。

 菊は江戸時代以前は、もともと、京都の公家の楽しみでした。奈良時代に中国から伝わり、秋に菊酒や菊見を愛でる「重陽の節句」の習慣がはじまります。

 菊花には長寿やアンチエイジングの効能があるとされ、真綿に香りや朝露をうつす「菊被綿」という風流な菊の楽しみが上流階級のあいだでもてはやされます。

 やがて、京都を中心に、厚物(あつもの)・管物(くだもの)といった大菊の品種が作られ、18世紀のはじめには、京都北野天満宮では、大菊の品評会が開かれ、それが、現在の菊花展の源流になっています。

 さて、京都では大菊が好まれさまざまな品種が生まれますが、江戸では、中菊・小菊が好まれ、さらにたくさんの品種が生まれ「江戸菊」と称されます。また、菊に目覚めた各地の大名が、国に持ち帰り伊勢菊、嵯峨菊、肥後菊など「古典菊」とよばれる一連の品種群が作られました。(古典菊の種類については菊花展と古典菊・盆養菊の記事も参照ください。)

 さて、江戸の末期に、園芸ブームがどんどん大衆化するにつれ、大輪の菊を楽しむというよりも、大量の菊の花をきらびやかに飾り付ける楽しみ方が増えてきます。

 1800年頃は、巣鴨が「菊見遊覧」の名所として知られるようになります。菊の花を、菊船、孔雀、竜宮城、富士山などいろいろなかたちに仕立てる「菊細工」が人気を博すようになります。

 「菊細工」の人気ぶりをみた江戸の園芸職人たちは、もっとお客さんを集めて、興業的に成功させるにはどうしたらよいか、と考えました。

 

 そこで考えだされたのが、歌舞伎の題材の人形に、菊の衣装をまとわせる菊細工です。こうして、「菊人形」が誕生しました。

 記録によれば1844年に団子坂の庭師・楠田右平治により考案され、大ヒットし、団子坂が菊人形の一大テーマパークとして栄えることになったのです。

 団子坂の菊人形は幕末の混乱で一時衰退するものの、明治7年には復活し、明治20年〜30年には最盛期を迎えます。

 まだまだビジュアル的な娯楽の少なかった時代に、菊人形が作り出す独特の世界観が人々を魅了したのです。

 団子坂の菊人形は、明治44年に、両国国技館で新型の照明技術を用いた菊人形展が開催されると、そちらに客足をとられ、急速に衰退します。

 菊人形は、その後、大阪の枚方などでも大ブレイクし、各地で菊人形展が開催されるようになります。

 このように江戸末から明治にかけて、国民的な人気を博した菊人形ですが、さすがに時代の流れとともに、時代のセンスやニーズと合わなくなり衰退していきます。

 一方で、厚物・管物・古典菊などの菊を育ててその出来映えを競う「菊花展」は、全国の菊栽培愛好家たちにより、むしろ昭和になり盛んになります。

 菊人形は、そうした、菊花展とセットになり、現代に、伝統工芸・伝統園芸のひとつとして伝えられています。題材は、歌舞伎から大河ドラマや歴史上の人物などにかわってきていますが、人形を着飾る菊を飾りつ付ける「菊付け」の技術や、菊人形用の品種の栽培などは、江戸の園芸文化を継承しているのです。

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全国の有名な菊人形展と菊花展

 それでは、次に、全国の有名な菊人形展を紹介していきましょう。

 江戸時代の庶民にっとては、年に一度の楽しみであったはずのビジュアル・テーマ—・パーク「菊人形展」。現代人の目で見ると、理解されにくめんもありますが、先にのべた、菊人形の歴史を理解すると、興味深く鑑賞することができます。

二本松菊人形

●開催時期:10月10~11月25日●菊本数:3万本
●所在地:福島県二本松市●アクセス:霞ヶ城公園…JR東北線日本松駅より徒歩20分、東北道二本松IC徒歩20分

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二本松提灯祭りでも有名な城下町・二本松市は菊の城下町とも呼ばれています。1955年から開催されている「二本松菊人形展」は日本最大の菊の祭典ともよばれ、1万5千平米の敷地に3万本の菊花、100体以上の菊人形が展開されます。菊人形は会津藩の人物や歴史や祭の場面を題材にしたものです。会場の二本松城跡はお城山とも呼ばれる紅葉の名所で、見事な紅葉と菊のコラボを楽しむことができます。一株を摘芯を繰り返してドーム状に仕立て電照でコントロールしながら1年半をかけて500以上もの花を咲かせる千輪咲き、そして、一株から3色の花を咲かせる世界初の三色千輪など、日本一の菊の祭典にふさわしい園芸技術を見ることができます。期間中は音楽フェス「無限フェスティバル・ZAKUフェス」が開催されたり、ゆるキャラ菊松くんにも会えます。

たけふ菊人形

●開催時期:9月28日〜11月4日●菊本数:2万本
●所在地:福井県越前市●アクセス:越前市武生中央公園…福鉄越前武生駅または JR武生駅から徒歩20分、北陸自動車道武生IC

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菊に飾られた五重塔をシンボルに、越前市武生中央公園が2万本の菊で埋め尽くされる、二本松につぐ全国NO2の菊人形展。昭和24年に当時盛んだった大阪牧方の菊人形に刺激を受け、はじめられたものですが、現代にマッチするアレンジをしながら開催することで、今では西日本一の菊人形展に発展しています。大河ドラマのテーマに沿った菊人形展示のほか、千輪菊や福助、懸崖などスタンダードな盆養も楽しめます。イルカ、クジャク、クマをかたどったトピアリー(菊細工)や、60回のふしめに誕生したゆるキャラ「きくりん」を中心にしたキクリンガーデンやフードコート、そして大観覧車やモノレール、バイキング、メリーゴーランドなど中規模遊園地が併設されていることから、子供に菊園芸文化を伝えやすい菊花展となっています。

笠間の菊まつり

●開催時期:10月中旬から11月下●菊本数:1万本
●所在地:茨城県笠間市●アクセス:笠間稲荷神社…JR水戸線笠間駅徒歩5分、北関東自動車道友部IC5分

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笠間稲荷神社は日本三大稲荷のひとつで関東でも有数のパワースポットです。笠間神社には明治時代より110年以上、境内に菊の花を飾る「菊祭り」が開催されていてます。もともと日露戦争で荒廃した世の中を癒す目的で、神社内に「農園部」を作り、菊の栽培をはじめたものです。菊人形は昭和20年代から歴史人物や大河ドラマなどをテーマに展示されています。笠間の菊祭りは、菊の品種が豊富なことでも知られ、笠間市民と農園部を持つ神社が作り出す菊の花1万本が境内をはじめ市内全域を埋めつくす、一大イベントとなっています。

ひらかた菊フェスティバル

●開催時期:10/24〜2018/11/12●菊本数:2千本
●所在地:大阪府枚方市 ●アクセス:岡東中央公園…枚方市駅下車すぐ

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枚方市役所周辺、岡東中央公園、枚方駅にて、枚方市やひらかた市民菊人形の会が中心となって行われる2000本規模の菊花展と菊人形展。「枚方パーク」では2005年まで、前身の「香里遊園地」時代から数えると100年近く、大規模な菊人形展が開催されており、「二本松」「たけふ」に並ぶ日本3大菊人形のひとつでした。しかし、観客や菊人形の作り手=菊師の高齢化・後継者不足により、「ひらかた菊フェスティバル」として開催されています。。

湯島天神菊祭り

●開催時期:2018年11月1日~2018年11月23日
●所在地:東京都文京区●アクセス:湯島天神…東京メトロ千代田線湯島駅徒歩2分

一期一会さん(@mt.takao_yama_girl)がシェアした投稿

こじんまりした菊祭りですが、伝統ある江戸の菊園芸の雰囲気を今に伝えます。菊人形を首都圏で見れる貴重な菊祭りでまります。古典菊の千輪咲、大懸崖など大作りの展示を中心に、毎年、大河ドラマにちなんだ菊人形数体が披露されています。いちばんの見所は、葛飾北斎も描き130年受け継がれている「巴錦(ともえにしき)」という厚物の品種。内側が真紅・外側が黄金のきらびやかな花の大作りは圧巻です。

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その他の菊人形展と有名な菊花展

弘前城菊と紅葉まつり

●開催時期:10月19日(金)~11月11日(日)
●所在地:青森県弘前市●アクセス:弘前城…JR弘前駅バス15分、東北道大鰐IC25分

弘前城は桜と楓の紅葉の名所として知られていますが、紅葉の時期に城趾内の植物園で開かれる菊花展も盛大で人気があります。弘前城の歴史を再現する菊人形の展示も見応えがありますが、動物にかたどった菊のトピアリーも人気です。紅葉とあわせて訪れる人が多い菊花展・菊人形展です。

南陽の菊まつり

●開催時期:10月下旬から11月中旬●菊本数:千二百本
●所在地:山形県南陽市●アクセス:央花公園特南陽市中央花公園…JR赤湯駅から車10分

kentaroさん(@kentaro_dayo)がシェアした投稿

南陽では17世紀から菊栽培が盛んで、大正元年から菊人形展が開かれています。大河ドラマをテーマにした菊人形の他に、花壇展示も充実。菊花展では約1,200鉢の端正こめて育てられた菊花が、美を競いあいます。菊料理の試食会など盛りだくさんのイベントとなっています。

みやぎ大菊花展柴田大会

●開催時期:10月20日~11月13日
●所在地:宮城県柴田町 ●船岡城址公園…JR船岡駅徒歩15分、東北自動車道村田ICより15分

「しばた菊人形まつり」が名称変更して、宮城県内の菊の愛好家たちの作品が一同に集まる大会になりました。「大菊」「福助」「達磨」「小菊盆栽」2700鉢の菊花展示をはじめ、菊人形では、ライブの着せ替えが人気です。

新宿御苑菊花壇展

●開催時期:11月1~15日
●所在地:東京都新宿区●アクセス:新宿御苑…東京メトロ丸の内線新宿御苑前駅5分

こちらには江戸庶民文化である菊人形はありませんが、菊を語るうえには欠かせないのが新宿御苑の菊展示です。御苑の日本庭園に隣接する「菊栽培所」でされた菊を中心に、由緒ただしい皇室スタイルで菊を展示します。菊が皇室の御門と正式に決定されたのは明治になってからですが、事実上、鎌倉時代から皇室が紋章として菊を使っていました。また、もともと菊は中国からもたらされた時、「重陽節」や「菊酒」など、公家を中心に広まった文化です。そうした、宮家の菊の流れをくんで、現代に伝えるのがこの新宿御苑の菊花壇です。懸崖作り・大作りの花壇をはじめ、新宿御苑オリジナル品種の管物、菊花壇京の都にゆかりのある伊勢菊・丁子菊・嵯峨菊の花壇など見応えのある菊花壇となっています。

向島百花園

●開催時期:11月上~中
●所在地:東京都墨田区●アクセス:向島百花園…東武スカイツリーライン・東向島駅下車・徒歩8分、京成電鉄押上線 京成曳舟駅下車 徒歩13分

隅田川沿いの向島・新梅屋敷とも呼ばれる、江戸文化文政期より続く民間の庭園で、梅の花や萩のトンネルで有名です。11月には毎年、菊の園芸品種が数多く創出された江戸園芸文化の象徴ともいえる庭園らしく、毎年11月には「菊が彩る江戸花屋敷」と称し、江戸菊、嵯峨菊、肥後菊などの古典菊と小菊盆栽の展示があります。新宿御苑のような豪華絢爛さはありませんが、こじんまりとまとまった風情のある菊展示となっています。菊人形はありません。

文教ふるさと歴史館

●開催時期:常設
●所在地:東京都文京区●アクセス:文教ふるさと歴史館…東京メトロ丸ノ内線本郷3丁目から徒歩で5分

江戸末〜明治初期にかけて菊人形の中心地だった団子坂の様子を伝える常設展示があります。展示規模はごく小さいものです。

名古屋城菊花大会

●開催時期:10月28日~11月23日
●所在地:愛知県名古屋城●アクセス:名古屋城…名城線市役所駅より徒歩5分、名古屋高速都心環状線丸の内出口から5分

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名古屋城の西之丸広場で開催される、菊花展。菊花500鉢、菊人形5〜6体と、規模は大きくないものの、徳川家康、徳川宗春、春姫、ゆるキャラ「エビザベス」など名古屋城にちなんだ菊人形が楽しめる地元愛にあふれれた大会になっています。

日本菊花全国大会

●開催時期:10月20日〜11月23日●菊本数:90万本
●所在地:大阪府和泉市●アクセス:国華園・和泉本店…近鉄南大阪線・南海高野線河内長野駅よりバス、近畿自動車道・阪和自動車道・堺ICより

90万本の菊花がそろう、日本最大の菊花展。三本立花壇、三本立単鉢、福助、ダルマ、盆栽などオーソドックスな仕立てで、菊花の技術を競う、正統的なコンクールです。菊人形はありませんが、特作花壇の部門では、お城やお寺やピアノやキャラクターなど自由にかたどった菊細工を見ることができます。

西日本菊花大会

●開催時期:11月上~中●菊本数:3千本
●所在地:福岡県宗像市●アクセス:宗像大社…JR鹿児島本線・東郷駅バス15分、九州自動車道 若宮IC20分

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九州・山口の菊花愛好家が一同に会する大規模の菊花展。「神宿る島」沖ノ島とともに世界遺産に登録された宗像大社(むなかたたいしゃ)を会場に、端正こめて作られた3000鉢の菊が出展されます。また、あんぱんマンの菊人形が毎年恒例で、こどもたちに親しまれています。

菊池の菊まつり

●開催時期:11月1日~15日●菊本数:3千本
●所在地:熊本県菊池市●アクセス:菊池市民広場…JR肥後大津駅よりバス40分

平安〜戦国・南北朝時代に、九州で有力だった菊池一族の勇壮な武者姿を再現した菊人形が毎年展示されます。大菊、懸崖、盆栽など菊花展示は3千点と、なかなか充実した菊花まつりとなっています。

仙巌園菊祭り

●開催時期:11月上〜下●菊本数:1万5千本
●所在地:鹿児島県鹿児島市●アクセス:仙巌園…鹿児島中央駅より 車20分、九州自動車道姶良IC40分

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島津家の別邸・仙巌園(せんげんえん)は、中国や琉球とのつながりで栄えた島津藩を象徴する優美な庭園で、幕末期には「薩摩の迎賓館」として機能しました。「明治日本の産業革命遺産」として世界遺産にもなっているこの庭園では、秋の行事として1万5千本規模の、菊花展が開催れます。菊の三重塔をシンボルに島津家にちなんだ菊人形や菊細工が繰り広げられます。

 

 以上、菊人形の意味や菊人形展について見てきました。菊人形は、現代のセンスとはズレてしまっている感は否めません。しかし、その歴史をひもといて見ると、江戸から明治の人たちの娯楽が垣間見れる、貴重な伝統保存文化だということがわかります。

 いまのような映像技術が一切なかった時代に、自然の花を使って、ビジュアル的なエンターテインメントを創り出した江戸の園芸職人たちのアイデアをリスぺクトし、菊人形の伝統を後世に守り伝えていきたいものですね。

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