スタンドアップパドルボード(SUP)初心者が安全に体験するには?

      2018/07/31

サップ

 SUP(スタンドアップ・パドル・ボード)は、年齢や性別を問わず、初心者でも誰でも簡単に取り組めて、それでいて奥の深いマリンスポーツです。

 SUPクルージングをはじめSUPウェイブ、SUPヨガ、SUPフィッシング、SUPリバーなどさまざまな楽しみ方ができて、ふつうのサーフィンにくらべると、はるかにハードルが低いので、ぜひとも体験してみたいものですね。

 一方で、SUP(サップ)は、それなりにリスクのあるレジャーです。あまりに安易に考えていると、人に怪我をさせてしまったり、海難事故につながる危険性があります。

 この記事では、入門者・初心者が安全にSUPを楽しむためのポイントを、SUPスタイルごとに説明しています。SUP体験の前に、ぜひ目を通しておいてください!

【参考記事】海のレジャー安全に楽しむための基礎知識
⇒「シュノーケリングの安全確保と練習方法」
⇒「レスキューチューブの使い方」

SUPの注意点を、まず、ざっくり言うと・・・

 SUP(サップ)をやるにあたっての注意点としては、ざっくり言えば、次のようなことがあります。

SUP初心者がおさえておくべき安全ポイント

個人賠償責任保険に加入しておこう(体験スクールの場合保険の有無を確認)

・遊泳者やサーファーの近くではSUPをやらない。

・クルーズに出るなら、最低限のセーフティーグッズを準備。

・いざという時のためにパドリング(腹ばい漕ぎ)をマスターしておく。

・SUPサーフィンは、プルアウトなどボードのコントロールを完璧にできるようになってから。

・リップカレントはもちろん、定置網や漁船・商業船の航路など海の状況を把握する。

 他にも、SUP(サップ)スタイルによって、いろいろな注意点があります。一口にSUPと言っても、乗る場所や乗り方によって、さまざまですので、以下に、SUPのスタイルごとにポイントや注意点を詳しくみていきましょう。

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スタンド・アップ・パドルボード(SUP)の楽しみ方

さまざまなSUPのスタイル

 SUP(サップ)はもともと、1960年代にハワイで、サーフィンのロングボードをオールを使って漕ぐことからはじまったとされています。ハワイのビーチボーイやプロサーファーたちも、サーフィンとは違った楽しみ方ができるSUPに魅了され、新しいマリン・スポーツとして注目されるようになりました。

 ここ十数年のあいだに、スタンドアップ・パドル専用のボードが作られるようになり、世界中に急速に広まっています。

 サーフボードと比べると、幅が広く、厚みがあり、浮力がだんぜん大きいのが、SUPボードの最大の特徴です。

 浮力が大きいSUPには、次のようなメリットがあります。

SUPのメリットとは?

サーファーにとっては・・・
 ・小さな波やうねりでも乗りやすい
 ・波に乗った時のスピードが出やすい

初心者にとっては・・・
 ・沈みにくい
 ・浮力が大きいため立ちやすい

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▲SUPはハワイで、サーフィンのヴァリエイションのひとつとしてはじまった。

サーファーにとってのSUPとは

 最近は「SUPパドラーとサーファーがトラブる」などの事例も聞かれますが、もともと、SUPは、サファーがはじめたものです。

 ショートボードはもちろんロングボードでも乗りにくい「スネ波」のような小さな波でも、浮力のあるSUPなら、波を捉えやすくスピード感が出るため、多くのサーファーがハマっています。また、サーフィンは波の順番待ちが必要なのですが、SUPなら、沖の方に出て、誰もいない波にひとりで乗れるというメリットもあります。

 サーファーの間では、波の状態によって、ショートボードとSUPを使い分ける人も多いですし、大きな波やチューブ波でもSUPならではの「大わざ」を決めることもできます。このように、サーフィンのヴァリエイションのひとつとして、スタンド・アップ・パドルボードを使って波のりすることを「SUPウェーブ」と呼びます。

 ほんらい「波に乗ること」が目的のサーファーにとっては、ショートボードもパドルボードも手段のひとつにすぎず、そんなに区別するものではありません。ただ、日本の現状だと、サーフィンの知識が無いままにSUPウェーブに挑戦する人が増えて、サーファーとのSUPのあいだに対立みたいなものが生まれているめんもあるようです。

 SUPは海のなかでは「新参者」ですの。初心者でSUPウェーブをやろう!とする人は、サーフィンの経験や知識を最低限身につけておき、常にサーファー目線で波のりをするようにしましょう。

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▲SUPは海の上を立って移動する、これまでにない旅を可能にした。

波乗りしなくても楽しめるのがSUP

 一方、沈みにく安定感のあるSUPボードの特徴を活かして、波乗り以外をメインの目的にした楽しみ方も増えてきています。「SUPクルーズ」「SUPヨガ」「SUPフッィング」などは、サーフィンをはじめマリンスポーツの経験がまったく無い人でも、気軽にはじめられるとあって、年齢を問わず入門者が激増しているわけです。

 むしろ、ほんらいのSUPウェーブ以外の楽しみ方のほうが一般的になってきていますよね。

 また、SUPは海だけではなく、湖や河川での水上散歩を楽しむことができ、海の無い地方や大都市のなかでも、大活躍しています。

 上級者になってくると「SUPレース」に参加したり、SUPで激流下りをする「ダウンリバーSUP」などに挑戦するなど、スポーツとしても奥が深いのがSUPが世界中で急速に広まっている理由です。

 このように魅力あふれるSUPなのですが、それと同時に、注意しなければならないことや、さまざまなリスクがあることは、知っておく必要があります。

 以下に、SUPのスタイルごとに、楽しみ方のポイントと、注意点について、整理していきたいと思います。

▲本格的なスポーツとして、トレーニングやレースをメインにSUPに取り組む人も多い。

SUPクルージングの魅力と注意点

もっとも取り組みやすいSUPクルーズの魅力とは

SUPクルーズならインフレータブルSUPの旅がおすすめ。

 サップクルーズは、浮力と安定性の高いクルーズ用のSUPボードを使い、穏やかな海や川・湖の上をゆったりと漕いで楽しむ、「海上(水上)散歩」です。もちろん歩いているわけではないので、正確には「水上散漕」でしょうか。いずれにせよ、SUPでしかできないことです。

 人力で水上クルーズを楽しめるものとしてカヤックがありますが、カヤックよりも手軽で、なんといっても目線が高いのが最大の魅力。まさに海の上を歩いて移動しているような目線で、海面を移動する方法は、これまでに無いものでした。

 SUPクルーズは海だけでなく、湖や川など、水さえあればどこでも可能で、全国各地にSUPクルーズのポイントがたくさん誕生しつつあります。体験教室などで、SUPクルーズは誰でも簡単に経験することができます。

 また、より自由に水上の旅を楽しめる方法として、空気を注入してふくらますインフレータブルSUPが人気です。インフレータブルSUP、畳んでバッグに収納すれば少し重いですが、電車などでも持ち運びが可能です。SUPを折りたたんで持ち運び、自由気ままに移動して、とても自由度が高いルート設定ができます。フラリと水上散歩にでかけ、今までに見たこともない風景に出会うことが、手軽に、しかも経済的にできてしまうのです。

▲海だけでなく、湖、川、運河など、水の上ならどこへでも行けるのがSUP。

SUPクルーズ入門と教室

 サーファー以外の人は、まずSUPクルーズからSUP入門するのが一般的だと思います。

 入門者はまず、一度、サップ体験教室に行くのがスタンダードな入門方法。1回目の体験で、立って漕げるようになります。

 ただし、SUPの上にすんなり立てるのは、水面が平穏な場合、海がうねっていたり波が高い場合は、とたんに乗るのが難しくなるのがSUPの特徴です。

 ですので、入門には海よりも、湖や河口付近の川など、波の影響を受けにくいところでの体験教室の方が、確実です。

 もちろん友人にSUPパドラーがいれば、その人に教えてもらうことも可能です。ただし、万が一の事故などのことを考えれば、とりあえず保険なども込みになっている教室でスタートするのが良いかもしれませんね。

 体験教室の1回の相場は8,000円前後。

 教室が「SUPクラブ」を主催していくることも多いので、体験教室をやってみてイケそうなら、クラブに入って続けるのも手です。

 サーフショップが主催するクラブに入れば、段階に応じてSUPの楽しみ方を深めていけます。また、自分に合うサップボードを選べるようになるまでは、いろいろなタイプのボードをレンタルできます。マイ・ボードを購入後も、ショップのガレージで保管できるようなクラブもあります。

 このように、SUPクラブはSUPを続けるにはとても便利な仕組みですし、やはりSUPを続けるには「馴染みのショップ」が不可欠
です。体験教室を選ぶ場合も、体験教室を主催するショップやクラブなどの詳細について調べたうえで、その後のことを考えて選ぶとよいでしょう。

トレーニングとしてのSUPクルーズ

 SUPは見かけよりも、体力を使います。パドルを漕ぐ上半身が鍛えられるのはもちろん、クルーズに出れば、水面が常に揺れている状態で、それを足で押さえるようにバランスを取り続けなければなりません。腰を中心とした体幹全体が鍛えられる、よいトレーニングになります。

 また、SUPクルーズに出掛けると、かなりの有酸素運動になります。

 運動不足な人の特徴として、「ジョギングなどが飽きてしまい続かない」というのがあります。その点SUPクルーズは、トレーニングというよりも、病みつきになる乗る快感の方が勝っているので、続けやすいというメリットがあります。

 最近では、都会の河川を利用して、出勤前に早朝SUPクルーズを習慣にしている人もいます。SUPは「水上ジョギング」と言ってもいいほど、手軽に楽しめるスポーツなのです。

 こうしたトレーニング的なSUPクルーズを定期的に行っているサークルなどが各地にできはじめていますので、そうしたサークルを足がかりにSUPをはじめるのもよいでしょう。

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サップクルーズの注意点

 さて、手軽に取り組めるSUPクルーズですが、水上レジャーである以上、充分なリスク管理は必須。そのへんは決して甘くみてはいけません。

 SUPクルーズにはどんなリスクがあるでしょうか?

SUPクルーズのリスク

・落ちて溺れる

・海で潮に流されたり、河川で急流にまきこまれる

・風の影響を受けやすいので、向かい風に進めないことも

・船舶の航行の邪魔になったり仕事の邪魔をしてしまう

・遊泳者などにぶつかる

・パドルが流されてしまったら・・・?

SUPクルーズはすべて自己責任

 まず、これだけは肝に銘じておきたいのは、水上のレジャーは、何が起こっても、基本はすべて自己責任だということです。行政などがSUPクルーズの通行を許可しているわけでもないので、溺れても事故にあってもすべては自分の責任です。

 なので、最低限の備えをして、情報をしっかりと集めてリスクを想定しておくことは、人に迷惑をかけないためにも、重要なところです。

SUPクルーズで最小限必要なセーフティーグッズ

 安全な航海のためには、クルーズに最低限必要なセーフティーグッズを必ず用意しましょう。

 まず、SUPクルーズでは、ライフジャケットの着用は必須です。泳げる人でも、波に巻かれたりすることもあるので、クルーズに出るならライジャケを身につける習慣にしましょう。

 また、本格的にクルーズに出る場合は、万が一流された場合に備えて防水袋に入れた携帯電話飲み水は最低限準備していきましょう。

リップカレントは地元の人から情報収集

 海でのクルーズで、ぜったいに必要なのが、風や潮や、海の天気に関する知識と情報
です。

 まず、海での常識が離岸流(リップカレント)です。離岸流では、押し寄せた波が、外洋に向けて帰っていく急流のことで、離岸流があると恐ろしいスピードで沖に流されていきます。遠浅の海岸では必ずどこかに離岸流がありますが、知識や情報がないと、離岸流の場所を把握するのは困難です。

 サップクルーズに出る場合は、必ず、離岸流の情報を地元の詳しい人に聞いて事前に手にいれるか、波を見て離岸流を見つけられる知識を身につけておく必要があります。万が一流された場合は、海岸線に沿って平行に漕げば、離岸流から抜けられます。

SUPで帰ってこれなくならないために

 海洋で注意しなければならないのは、離岸流だけではありません。

 海面の微妙な状を受けやすいSUPでは、ちょっとした波の高さの変化や風の強さによって、進むスピードや体力の消耗度が変わってきます。

 とくに風は、思いのほかSUPに影響を与えるものです。立っている自分が、ウィンドサーフィンのセール替わりになっている、と考えてよいでしょう。

 ですので、風向きによっては、漕いでも漕いでも岸に戻れない、なんてこともありうるわけです。

 波の高さや風の強さなど、海上の環境は、ちょっと場所が変わっただけで急激に変化しますし、時間とともに目まぐるしく変わっていきます。ですので、SUPで海に繰り出す場合は、海面や風の変化をその都度判断しながら、適切なルート設定やペース配分をするなど、経験にもとづいたナビゲーション能力が必須となります。

 はじめは、ソロでのクルーズは避け、SUPサークルなどに入り経験者とともにクルーズを行って、経験値を高めるようにしましょう。

SUPをやるなら個人賠償責任保険に加入

 SUPクルーズで注意するもののひとつに、「周りのものに細心の注意を払う」ということがあげられます。

 海はなにもないし広大だから安心!と考えてないで、海のうえではどこに何があるかわからないと、考えましょう。

 とくに、岸に近いところでは遊泳者やサーファーにぶつからないよう、厳重な注意が必要です。SUPボードは大きくてスピードも出やすいので、海のなかに入っている人にとっては脅威だということを忘れてはいけません。

 万が一人にぶつかった場合に、相手に対して補償をしなければならないということも忘れていけません。そのために保険に加入しておくことです。保険の種類としては個人賠償責任保険が適切ですが、体験SUP教室などでは、保険が含まれているか?必ず確認しましょう。また、個人賠償責任保険は自動車保険のオプションになっている場合もありますので、チェックしてみてください。

SUPクルーズでは、漁業関係をはじめ仕事の邪魔をしないように注意!

 それから、沿岸部では釣り糸と絡まったりして釣り人とトラブルになることもあるので要注意です。

 少し沖に出たり海水浴場から離れた場合、漁船や定置網、その他の船舶の走行の妨げにならないよう、こちらも細心の注意が必要です。

 仕事で船を操っている人たちにとって、遊びでフラフラしているSUPクルーザーは、あまり良い目で見られていないかもしれない…と容易に想像できますよね。

 また、SUPは、案外、海上では目立たない、ものです。少しでも波が出れば、船舶からSUPは、波間に隠れて、とても見つけにくいものだということを意識しておきましょう。

 とにかく、事前に可能な限り情報を集めて、漁港や航路を把握して、船舶とのニアミスはできるだけ避けるよう努めましょう。

パドルが流されてしまうかも?

 スタンドアップ・パドル・ボードはふつうのサーフボードと同じように、リシューコードで、パドラーの足とボードを繋いであります。ですので、万が一落ちた時でもボードと離ればなれになることはありません。

 しかし、パドルは別です。落ちた時に、パドルを絶対に手から離さないのは基本なのですが、それでも、パドルが流されてしまうことが無いとは言えません。

 そんな時のために、SUPクルーズに出るには、必ず、サーフィンでやる「パドリング」を最低限マスターしておくことが必須です。

 パドリングは、ボードの上にうつぶせになって手でクロールのように漕いで進むことですが、クロールとは似て非なるものですので、できるだけ疲れずに効率良くボードを進めるために、コツを習得しておく必要があります。

 ただ、SUPボードは通常のサーフボードより幅が広いことが多いので、パドリングもやりにくい、ということも頭に入れておきましょう。

 ここまでSUPクルーズの注意点について見てきました。気軽に取り組めるSUPクルーズとはいえ、いろいろなリスクがあり、しっかりとした準備と対策が必要だということが、おわかりいただけたと思います。

 決して甘く見ないで、しっかり情報収集しながらSUPクルーズを楽しみましょう。

SUPサーフィンの魅力と注意点

SUPは波にのりやすい

 SUPの扱いに慣れてくると、どうしても挑戦したくなるのがSUPサーフィン(SUPウェイブ)つまりパドルボードで波乗りすることです。

 サーフィン経験者であれば、もちろん、すんなりとSUPサーフィンに移行できるでしょうが、サーフィン未経験者からのSUPウェイブという流れも、なきにしもあらずです。

 なにしろ、SUPは始めから立った状態でテイクオフ(=波にのること)できるので、サーフィンで最も難しい「立ち上がる」という行為をしなくてもすみます。かつて、ボードの上に立ち上がることができずに挫折したサーフィン挑戦者の人も、「SUPウェイブならできるかも!」と考えるのは当然の流れでしょう。

 実際、SUPは、波がまだ「うねり」のうちからテイクオフできたり、パドルの推進力で波のスピードに合わせやすいなど、ふつうのサーフィンよりも波に乗るにも有利な点が多いのです。

波乗りのルールを厳守する

 ところでサーフィンのルールとしては、ひとつの波に原則一人(最大2人)までしか乗れないというのがあり、それも、原則、早い者勝ち的なことになっています。

 もし、このルールをSUPにも当てはめるとすると、たとえばショートボードとSUPが波の取り合いをした場合、早く波に乗れるSUPの方に、波の優先権が出てきてしまうということになります。

 基本、サーフィンでは、決して多いとは言え無い波乗りのチャンスを、みなで譲り合いながら乗っている状況です。そこに、SUPが割こんできてトラブルにならなないはずはないわけです。

 ですので、結論を言えば、SUPウェイブは、ショートやロングなど通常のサーファーがいるところでは、やるべきではありません

 SUPとサーファーが波を取り合っているような状態では、トラブルと事故を避けられません。実際、SUPがサーファーに衝突する死亡事故も実際に発生しています。

SUPのコントロールは完璧に

 ふつうのサープボードよりも浮力が大きく重たいSUPボードは、スピードも出るため、波にのった時は、殺傷能力がとても高いということを忘れてはいけません。SUPウェイブをするなら、いつでも瞬時に波からプルアウトできることはもちろん、SUPを自由自在に操れるようになってからです。

 SUPのコントロールが未熟なまま波に乗るということは、無免許の人が高速道路をダンプで爆走することと同じレベルだという認識を持ちましょう。

 以上のことから、SUPウェイブは、よっぽど自信が無い限り、誰も他の人がいないところで行うことを、厳守してください。

いろいろあるSUPの波の乗り方

▲うねりに乗りながら進んでいけるのもSUPのおもしろいところ。

 SUPウェイブは慎重に取り組む必要がある、ということを述べてきましたが、簡単な「波乗り体験」であれば、気楽に考えても大丈夫です。

 とりあえず、波打ち際の波に、垂直に乗って流される体験波乗りであれば、サップ入門講座などでも体験することができます。もちろん遊泳などに最新の注意が必要ですが、軽い波乗りであれば、SUPクルーズの合間に経験できるので、機会があれば波に乗る快感を是非体験してみましょう。

 本格的にサーフィンのように横に乗って「ロングライド」まではやらないとしても、サップクルーズのなかで、うねりに上手く乗って漕がずに進んでいくという技を身につければ、サップクルーズの楽しみも広がります。沖の方で波のりを楽しめるようになれば、サーファーも気にしなくてすみますし、「ダウンウィンド」と呼ばれるSUPの外洋レースに参加したりもできるようになります。

SUPフッィング

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 SUPクルーズと並んで、人気があるのがSUPフィッシング。

 船よりも低コストで釣りのポイントに行けるのと、とにかくよく釣れるので、急速に広まっています。

 SUPで移動しながら潮目を見ながらポイントを探しやすいというのもありますし、防水アプリに入れたスマホで魚探アプリを使うなどしても、スクリュー音で魚が逃げないため、よく釣れるわけです。

 注意点としては、SUPクルーズと同じ。漂流や戻ってこれなくなるリスクがありますのでそれなりの備えが必要です。

 とくにフィッシングで注意したいのは、釣り道具を絶対に海に落とさないということ。

 SUPフッィングは、カヤックでの釣りなどに比べると、道具を落としてしまう可能性がとても高いですが、万が一、テグスなどを海に沈めようものなら、長い将来に渡って水生生物や水鳥に影響を与える、取り返しのつかない環境破壊となってしまいます。

 できれば釣り道具もリシューコードをつけて、紛失しない対策をしてから、SUPフィッシングを楽しむようにしましょう。

SUPヨガ

 SUPヨガは、体と心のバランスを整えるヨガを、海と美しい風景のなかで楽しむものです。

 波やうねりのない平穏な海面・水面で、幅の広いヨガ用ボードを使って行うのがふつうです。ですので、落ちたりする心配はまずないですが、ヨガのポーズをとるたびに、SUPは揺れますので、バランスをとることに、より集中しなければなりません。

 通常のヨガよりは難易度が高くなる上級者向けのヨガだというわけですね。

 体のトレーニングとリフレッシュ効果だけでなく、海や湖など素敵な自然環境のなかでおこなうことで、精神的なリフレッシュ効果も高いのもポイントです。

 SUPヨガ人気がある時間帯はやはり夕暮れ時。サンセットの時間はもちろん、日が沈んだあとに空の色がピンク色に変化する⇒「マジックアワー」の癒し度は高いです。

 SUPヨガは時間帯などにもこだわって体験すると、より充実します。

ダウンリバーSUP

 川でやるサップには、波のない静かな流れに乗る川でのSUPクルーズと、激流を下るダウンリバーSUPのふたつに大きく分けられます。

 都心部の川では出勤前にトレーニングをかねてSUPをする人も増えていることは、SUPクルーズの項でも紹介しました。

 一方、ラフティングなど急流下りをしている川でおこなう、ダウンリバーSUPが本格的なスポーツとして人気です。

 渓谷が多いアメリカで大流行しているダウンリバーSUPは、日本でも急増中です。ただし、これはサップクルーズなどで、SUPの扱いにある程度慣れてから取り組むべき、上級者向けのものです。ヘルメットを着用しておこなう、けっこう危険度の高いスポーツです。

 急流下りのラフティングでは、ひとつのボートにインストラクターが同乗するのがふつうですが、ダウンリバーSUPは、ひとりで激流を下って行かなければなりません。

 もちろん熟練するまでは、経験者に伴走してもらうことが前提です。流れの緩急や危険箇所など細かいナビゲーションを受けながら、進んでいきます。

 スリリングなダウンリバーSUPもまた、チャレンジしがいがあるので要注目です。

 

 

 以上、SUP(スタンドアップパドルボード)のさまざまな楽しみ方や、注意点について見てきました。

 なお、海難事故についての最低限の知識として、⇒「レスキューチューブの使い方」の記事も、目を通しておいてください。

 人それぞれの運動能力などに応じてさまざまな楽しみ方ができるパドルボードは、間口が広く、それでいてとても奥が深いスポーツです。

 安全にはくれぐれも注意して、SUPの魅力にハマってみてください!

 

 

 【参考記事】沖縄や奄美以外で見れるサンゴのポイントについて、まとめました。
⇒「本州・四国・九州の近場に案外あるサンゴのシュノーケルポイント」の記事も参照してみてください。

 

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