山の木の名前と種類の覚え方。シイ、カシ、ブナ、ナラなど広葉樹編

      2018/09/27

広葉樹林

 山や林にはえている樹木の名前と種類がまったくわからない…という人向けの記事です。

 「樹木の名前をぜんぜん知らない」という人でも、スギやマツなど針葉樹やイチョウのような特徴がはっきりしてるものは、わかるとおもいます。問題は、それ以外の「普通の木」ともいえる、広葉樹の名前と種類です。広葉樹の名前は似たりよったりで、とても覚えにくいものです。

 そこで、この記事では、広葉樹の名前と種類を把握する手がかりや、覚えるコツについてお伝えしながら、知っておきたい広葉樹45種を紹介します。

 広葉樹の名前を覚える手がかりを知れば、キャンプや森林浴や山歩きなどアウトドアの楽しみが、とても深いものになりますよ!

なお、日本の森林について、は次の記事も参照してください。
⇒「雑木林とは?その種類と成り立ち」
⇒「日本の原生林一覧」
⇒「スギやヒノキの人工林を広葉樹林に戻せるか?」

広葉樹には「常緑」と「落葉」がある

 日本は国土の70%が森林です。地球全体の森林率は30%、アジアでは18%。アマゾンがある南米でも森林率は50%です。世界と比較してみても、日本の森林率はトップクラス。日本は世界的にみても有数の「樹木の国」なのですね。

 日本の森林のうち50%は、スギ、マツ、ヒノキなどの針葉樹林です。10%ほど、針葉樹と広葉樹が混じる混合林があるので、40%が広葉樹林になります。

 さて、ここでおさえておきたいのは、広葉樹には、

常緑広葉樹(照葉樹)

落葉広葉樹(夏緑樹)

、があるということです。

 常緑というと、スギなどの針葉樹がパッと思い浮かぶかもしれませんが、よくよく考えると、広葉樹でも1年中葉を落とさないものがたくさんあります。たとえば、冬でも緑の葉っぱをつけているツバキとかサツキみたいな庭木が身近な常緑広葉樹ですが、森林を形成する20m以上の高木にも、とても多くの常緑広葉樹があります。

▲常緑広葉樹、落葉広葉樹、針葉樹が入り混じった日本の山林は、その多様性でも世界的に価値がある。(東京都八王子市・高尾山)

 常緑広葉樹は、植栽されたものが北国にもけっこう生えているのですが、ほんらい、暖かい地方のものです。常緑広葉樹がメインとなる常緑広葉樹林(=照葉樹林)は、西日本や東日本の太平洋側など、温暖な地域に限られます。面積でいうと日本全体の森林のうち6%が常緑広葉樹林になります。

 一方、落葉広葉樹は、国土森林の約35%を占めています。紅葉するのが落葉広葉樹です。太平洋沿岸を除く東日本と、西日本の標高が高いところに落葉広葉樹林が広がっています。

広葉樹の名前や種類を把握していくのに、落葉樹と広葉樹をまず区分して考えていくのが大きなポイントになります。

常緑広葉樹と落葉広葉樹

常緑広葉樹林…照葉樹林ともいう。紅葉しない。西日本の平地と東日本の太平洋沿岸に分布。日本の森林のうち6%

落葉広葉樹林…夏緑樹ともいい、紅葉する森。西日本の標高の高い山地と太平洋沿岸をのぞく東日本全体に広がる。日本の森林のうち36%

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▲常緑広葉樹の代表スダジイ。(千葉県匝瑳市・天神の森)

これだけはまずおさえておくべき4つの広葉樹

 さて、広葉樹の名前と種類を把握するポイントですが、似たような名前が多く、はじめのうちは、とにかく落葉と常緑が混乱しやすくて、なかなか覚えられないものもです。

 そこで、まず、はじめに、日本の広葉樹のメインとなっている4種類の樹木をしっかりおさえておきましょう。その4種類とは、次です。

まずはこれを覚える4種類の広葉樹

常緑広葉樹…シイ、カシ

落葉広葉樹…ブナ、ナラ

 まずは、常緑といえば「シイ、カシ」、落葉といえば「ブナ、ナラ」と、呪文のように唱えてこの4つを覚えてしまいましょう。そうすることで、混乱しやすい広葉樹の名前の把握が、一気に覚えやすくなるのです。

 常緑の代表シイとカシ、落葉の代表ブナとナラですが、それぞれ細かく種類に分かれていきます。たとえばカシだったら「アカガシ」「ウラジロガシ」とか、ナラだったら「コナラ」「ミズナラ」とかですね。とてもたくさんの種類がありますから、混乱してきたら、とにかく常緑の「シイ、カシ」、落葉の「ブナ、ナラ」の原則に戻って整理していきましょう。

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▲落葉広葉樹の森といえばブナ。(新潟県柏崎市・黒姫山)
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ブナ科とコナラ属のややこし部分を整理する

 さて、広葉樹といえば、まず思いつくのが、「ブナ」ではないでしょうか?「ブナ林」といえば、自然保護の象徴のようにもなっていて、森林浴に訪れるのも「ブナ林」が多いとおもいます。

 ブナ林は、どちらかというと少し山の奥入ったところにはえる樹種で、平地の森林のメインとなるのがナラの一種である「コナラ」です。雑木林といえば「コナラ」ですね。

 ところで、「ブナ」「コナラ」は、樹木の種類の名前であると同時に、「ブナ科」「コナラ属」という大きなグループの名前になっています。

 実は、広葉樹の名前が覚えにくくややこしくしている原因には、この分類名称にあります。

 4大広葉樹の「シイ」「カシ」「ブナ」「ナラ」はすべて「ブナ科」に含まれています。また常緑の「カシ」と落葉の「ナラ」はどちらも「コナラ属」に含まれます。

 科や属のグループで覚えるときに、わけわからなくなってきますね。

 そこで、主要なブナ科の樹木の分類を、以下の表にまとめました。

ブナ科の樹木の一覧表
ブナ科 シイ属 スダジイ 常緑
マテバシイ属 マテバシイ
コナラ属 アカガシ亜属 アカガシ
アラカシ
シラカシ
ウラジロガシ
コナラ亜属 コナラ 落葉
ミズナラ
クヌギ
カシワ
アベマキ
ブナ属 ブナ
イヌブナ
クリ属 シバグリ

 4大広葉樹を覚えたら、次に、この表に登場する樹木を頭に入れてしまいましょう。

 とくに注目したいのが、コナラ属のコナラ亜属。ここには「コナラ」のほかに、カブトムシやクワガタが集まる木として有名な「クヌギ」、端午の節句の柏餅の葉っぱ「カシワ」が含まれています。「コナラ亜属」の樹木で、森林全体の12%を占めいる、もっともポピュラーな広葉樹だといえるでしょう。

 ところで、もひとつ覚えておきたいポイントは、ブナ科の樹木はすべて「どんぐり」をならす、ということです。かたちや大きさや、食べられる食べられないなどは種類によってさまざまですが、上記リストのブナ科樹木は、みなドングリを作る、ということは、頭に入れておきましょう。

▲コナラは里山や雑木林にはえる、もっとも身近な存在。なお、雑木林については、⇒「雑木林と里山の人とのかかわり」の記事も参照。

巨木になる広葉樹。西のクスノキ、東のケヤキ

 森や木に触れるときに、とても深い感動を覚えるのが「巨木」です。樹木は種類によって、100年以上生きますので、悠久の時を刻んできた、巨木には畏怖の念とともに感動を覚えるのはとうぜんです。

 巨木や古木に出会うことで、地球や自然のなかで、自分のちっぽけさを知り、日常の些細な悩みから解放され、元気をもらえることも多いです。

 屋久島の縄文杉のような針葉樹の巨木も多いですが、広葉樹で巨木になるものを、覚えておきましょう。

 広葉樹の巨木といえば、なんといても「クスノキ」です。トトロの木ですね。クスノキは常緑樹なので、比較的暖かい西日本に多いです。

 一方、東日本の巨木といえば、「ケヤキ」が目立ちます。ケヤキは街路樹の並木でも有名な落葉樹ですが、神社の境内には1000年前後の巨木が残されています。

 そのほかに、常緑のタブノキ、落葉のトチノキ、カツラなどが、山中で巨木になっていることが多いです。

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▲神社のご神木となっているタブノ木の巨木。(神奈川県鎌倉市・龍口明神社)

樹木が生える場所と種類

 樹木の種類や名前を覚える場合に、それぞれの樹木の生育場所とあわせて整理していくと、覚えやすくなります。

 まずは、気温。原則的に、常緑樹は暖かい方、落葉樹は寒い方という大きな区別がありますが、品種のなかでも、「暖かいのを好む・寒いのを好む」ものとに分かれていきます。

 たとえば、ブナには「シロブナ(ただの「ブナ」)」と「クロブナ(イヌブナ)」があります。イヌブナは、比較的暖かい太平洋側にはえ、シロブナは、日本海側や東北・北海道にはえます。ひとつの山のなかでも、標高が低いところはイヌブナ、標高が高くなるについてシロブナという植生が見られます。

 また、地面の具合と種類も関係があります。たとえば、樹木には湿地を好むものも少なくありません。サワグルミ(落葉)、クマシデ(落葉)、ウラジロガシ(常緑)、ヤナギ(落葉)などが山の沢沿いに「渓畔林」を形成します。

 また、海岸沿いの湿地に林を作る樹木にハンノキがあります。防潮林や防風林に利用されます。

 このように、生育場所の特徴とあわせて、樹木の名前を覚えていくのも、覚え方のポイントとなります。

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▲名前はあまり聞きなれないクマシデは、山の沢沿いをはじめ、案外どこにでもある「ふつうの広葉樹」のひとつ。(東京都墨田区・緑と花の学習園)
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知っておきたい広葉樹の種類と名前45選

 では、次に、ここまで出てきたものも含めて、知っておきたい広葉樹の種類と名前を45種ピックアップしてみました。主に、森の主要構成種となる樹種で、高さが10m以上になる高木のなかから、スタンダードな種類を選んであります。もちろん、これ以外にもたくさんの広葉樹がありますが、まずは、下記リストをベースに覚えていきましょう。

常緑樹林の代表…シイとカシ

スダジイ……椎

●分類:ブナ科シイ属…常緑広葉樹
●樹高:20-30m
●別名:シイ、イタジイ、ナガジイ
●分布:福島・新潟以西以南の本州・四国・九州~沖縄

常緑樹林のなかでもっと多く生えている暖地性照葉樹の代表で、枝がよく分かれるため、こんもりとした丸い樹形になる。「シイ」といえばスダジイのこと。ドングリ(シイの実)が美味しく食用とされてきた。スダジイは黒褐色で縦に裂け目がある幹だが、近縁のツブラジイは灰褐色でツルっとした幹。

マテバシイ……馬刀葉椎

●分類:ブナ科マテバシイ属…常緑広葉樹
●樹高:10-15m
●別名:サツマジイ、マテガシ、マタジイ
●分布:房総半島、紀伊半島、九州、沖縄

温暖な地域の常緑樹。海岸近くの林に多いほか、街路樹や防風林としてもよく見かける。日本のドングリのなかでは最大のものをつけ、渋みがなく食べられる。

アラカシ……粗樫

●分類:ブナ科コナラ属…常緑広葉樹
●樹高:20m
●別名:クロカシ、ナラバガシ
●分布:東北以南本州、四国、九州

照葉樹林の構成種で、里山や雑木林にもみられるが、常緑広葉樹の限界高度付近の山岳地帯に多くはえている。クヌギほどではないがクワガタやカブトが集まる木として学校や公園に植えられ、建材としても利用される。

ウラジロガシ……裏白樫

●分類:ブナ科コナラ属…常緑広葉樹
●樹高:20m
●別名:
●分布:宮城・新潟以西以南、四国、九州、沖縄

照葉樹林の定番のひとつ。尾根伝い、渓流沿い。建材、家具、葉のエキスが薬用・入浴剤など利用価値も高い。

シラカシ……白樫

●分類:ブナ科コナラ属…常緑広葉樹
●樹高:20m
●別名:
●分布:福島~関東、本州南西部・四国・九州には少ない

関東地方を中心とし太平洋側の内陸部の照葉樹林に多い。武蔵野で雑木林ができる以前の常緑広葉樹の主力だった。堅いため木刀やカンナ台や、寒さに強いため防風林に利用されてきた。

アカガシ……赤樫

●分類:ブナ科コナラ属(アカガシ属)…常緑広葉樹
●樹高:20m
●別名:オオガシ、オオバガシ
●分布:宮城・新潟以西以南、四国、九州

関西に多いカシ。アカガシの名称は、木材が赤みをおびているからで、樹皮の色は灰黒色

その他の常緑広葉樹…クスノキとタブノキ、他

クスノキ……楠

●分類:クスノキ科クスノキ属…常緑広葉樹
●樹高:15-30m
●別名:
●分布:本州中南部・九州・四国・沖縄

トトロの木で、巨木といえばクスノキ。樹齢1000年~1500年の巨木が多い。西日本に多く、東には少ない照葉樹で、寺社や公園に植えられている。もともとは中国原産の外来という説もあるがはっきりしたことがわかっていない。独特の芳香があり樟脳の原料となる。また、常緑樹だが、春に葉っぱをいっせいに入れ替えることも特徴。

タブノキ……椨

●分類:クスノキ科タブノキ属…常緑広葉樹
●樹高:20m
●別名:イヌグス、タマグス、ヤマグス
●分布:東北以南本州、九州、沖縄

低地や海岸沿いの林のメインとなっている照葉樹。こんもりとした樹形で鎮守の森ににも。葉に芳香があり果実はアボガドに似ている。古代には丸木舟の材料や、枝や葉を粉にした「タブ粉」は、線香・蚊取り線香の材料に。

イスノキ……柞

●分類:マンサク科・イスノキ属…常緑広葉樹
●樹高:8-20m
●別名:イボノキ、ユスノキ、ヒョンノキ
●分布:本州西南部・九州・四国・沖縄

常緑樹林を構成する高木のひとつ。葉っぱのつけねに実のようなムシコブをつけることで有名。

シロダモ……白梻

●分類:クスノキ科シロダモ属…常緑広葉樹
●樹高:10-15m
●別名:シロタブ、タブガラ
●分布:山形・宮城以西、四国、九州、沖縄

常緑樹林の定番のひとつ。種から油をとりロウソクを作っていた。

モチノキ……黐の木

●分類:モチノキ科モチノキ属…常緑広葉樹
●樹高:10m
●別名:ホンモチ
●分布:宮城山形以南の本州・四国・九州・沖縄

樹皮から鳥もちを作ったことでモチノキと呼ばれる。いかにも照葉樹といった濃い緑の葉を茂らすことで庭木でも人気。スダジイ林の中層などに自生する。

ヤブツバキ……藪椿

●分類:ツバキ科ツバキ属…常緑広葉樹
●樹高:15m
●別名:
●分布:北海道、本州、四国、九州、沖縄

日本を代表する花木。冬に花をつける常緑樹で自然林では10m以上の高木になることも。庭木や公園のツバキは、日本海側に生える近縁種ユキツバキとヤブツバキなどの交配種から作られた園芸用品種。

ブナ科の落葉広葉樹…ブナ、ナラ、クヌギ他

コナラ……小楢

●分類:ブナ科コナラ属…落葉広葉樹
●樹高:20m
●別名:ホウソ
●分布:北海道・本州・四国・九州

雑木林の主役といえる樹木。平地・平地林にみられるほか、武蔵野の雑木林もコナラがメイン。標高が高いところには近縁のミズナラが生息する。卵型でふちがのこぎり状の葉でドングリがやや細長い。ドングリは秋にすぐ発根する。樹皮がコの字状に盛り上がっている。

ミズナラ……大楢

●分類:ブナ科コナラ属…落葉広葉樹
●樹高:20-35m
●別名:オオナラ
●分布:北海道から鹿児島

寒冷地型の落葉広葉樹林の代表種。北海道から、本州の山地・亜高山に自生する。ブナよりやや明るいのを好む。ジャパニーズオークとしてウィスキーの熟成樽に。

ブナ……橅、山毛欅

●分類:ブナ科ブナ属…落葉広葉樹
●樹高:15-30m
●別名:シロブナ、ソバグリ
●分布:北海道南部・本州・四国・九州

温帯落葉樹林を代表する、新緑と秋の黄葉が美しい樹木。幹にもコケが模様のようにつきやすく、明るく美しい林を形成する。ブナは日本海側に多く、太平洋側はイヌブナが多い。今では自然保護のシンボルにのようになっているが、もともとは有効な利用価値がありない樹木で、「木・無」という漢字があてられている。ブナ林は自然状態では発生しにくく、もともとヒノキなどとの混合林だったのが、有用な木は刈り出され、価値のないブナだけが残り、ブナ林が形成されというう説もある。

イヌブナ……犬橅

●分類:ブナ科ブナ属…落葉広葉樹
●樹高:25m
●別名:クロブナ
●分布:岩手以南の本州・四国・九州

ブナのうち、主に太平洋側に生えるもの。一本立のブナに対してイヌブナは根元から何本かに幹が分かれるのが特徴。葉はブナに比べて大きく薄い。

クヌギ……椚

●分類:ブナ科コナラ属…落葉広葉樹
●樹高:15m
●別名:
●分布:岩手県・山形県以南の本州、四国、九州

雑木林を代表する樹木で、コナラ、イヌシデなどと生える。とくにコナラとセットで自生していることも多いが、卵型の葉をもつコナラに対して、細長い葉を持つ。また、コナラのドングリが長いのに対して、丸いドングリ。樹皮はくの字状に盛り上がっている。切り戻しても10年で生えてくるため里山や雑木林に植えられて利用されてきた。樹液を出しカブトムシやクワガタが集まる樹木としても有名。

アベマキ……棈木

●分類:ブナ科コナラ属…落葉広葉樹
●樹高:15m
●別名:コルククヌギ、ワタクヌギ
●分布:山形以南の本州・四国・九州

クヌギの近縁種で、関西の雑木林でスタンダードな木。樹皮コルク状になるため栽培されていたこともある。

カシワ……柏

●分類:ブナ科コナラ属…落葉広葉樹
●樹高:10-15m
●別名:
●分布:北海道・本州・九州・四国

カシワもちを包む木。カシワは落葉樹で、秋に葉が枯れるが、春に新芽が出るまで、枯れ葉が落ちないという特徴がある。新芽が出るまで古葉が落ちないことから、子供ができるまで親が元気という意味で、子孫繁栄の縁起ものとされ、端午の節句に餅を包むようになった。

クリ……栗

●分類:ブナ科クリ属…落葉広葉樹
●樹高:15-20m
●別名:ヤマグリ、シバグリ
●分布:北海道南西部・本州・四国・九州

クリはブナ科なので、クリの実もドングリの一種ともいえる。山に自生するシバグリは改良された栽培用品種に比べると実が小さい。ブナ科の木は風で授粉する風媒花が多いが、クリは虫媒花のため、虫を誘う独特の香りがする。

カバノキ科の落葉広葉樹…シデ、カンバ、ハンノキ

イヌシデ……犬四手、犬垂

●分類:カバノキ科クマシデ属…落葉広葉樹
●樹高:15-20m
●別名:シロシデ、ソロ、ソネ
●分布:本州・四国・九州

雑木林の代表種のひとつで、中間温帯の自生種。新葉の産毛が白く見えるので、「シロシデ」とも呼ばれる。黄色い花が垂れ下がって咲き、樹皮が美しく白っぽい縦じまができるのが特徴。

アカシデ……赤四手

●分類:カバノキ科クマシデ属…落葉広葉樹
●樹高:5-18m
●別名:コシデ、シデノキ、ソロキ
●分布:北海道南部、本州、九州

関東地方の雑木林でよくみかける。ほうき状になる樹勢が特徴。

クマシデ……熊四手

●分類:カバノキ科クマシデ属…落葉広葉樹
●樹高:10-15m
●別名:カタシデ
●分布:本州・四国・九州

陽当たりの良い低山の沢沿いなどに自生する。小さなぶどうのふさのような果穂が特徴。

ハンノキ ……榛の木

●分類:カバノキ科ハンノキ属…落葉広葉樹
●樹高:15-20m
●別名:ハリ
●分布:全国

湿地で林を作る。刈り取った稲をかける「稲架木(はせぎ)」として田んぼの周りに植えられたり、防潮林として海岸べりに。群落の近くでは花粉症になることも。

ダケカンバ……岳樺

●分類:カバノキ科カバノキ属…落葉広葉樹
●樹高:10-25m
●別名:ソウシカンバ
●分布:中部以北の本州・四国の高山帯

シラカバよりも標高が高いところに生え、登山ではおなじみの木。黄葉も美しく、ナナカマドの赤とあわせて高山紅葉のメインの構成種となっている。更新地では真っ先に生える陽樹。

シラカバ……白樺

●分類:カバノキ科カバノキ属…落葉広葉樹
●樹高:10-25m
●別名:シラカンバ
●分布:北海道・本州・九州・四国

本州の高原や北海道の平地で見られる。白い幹と新緑のコントラストが美しい樹木として人気。

自生本数が多い落葉樹…カエデ、トチノキ、シナノキ

カエデ類……楓

●分類:ムクロジ科カエデ属…落葉広葉樹
●樹高:15-20m
●別名:
●分布:北海道・本州・九州・四国

「もみじ」として有名な落葉樹木種の総称で、日本のカエデの代表種はイロハモミジ。山に自生しているものではイタヤカエデが多い。その他にもオオモミジ、ヤマモミジ、ハウチワカエデ、カジカエデ、サトウカエデなど色々な種類がある。紅葉で美しい赤を演出しているものの多くはカエデで、日本の山には欠かせない樹木。詳しくは⇒『カエデとモミジの種類とその違い』を参照。

トチノキ……橡、栃

●分類:ムクロジ科トチノキ属…落葉広葉樹
●樹高:20-30m
●別名:
●分布:北海道・本州・四国・九州

まっすぐ伸びる幹と天狗のうちわのような葉、大きな花、食用にする丸い実など、存在感の高い木。成長早く明るくなった攪乱地で優勢となる陽樹の代表のひとつ。近縁の、セイヨウトチノキ(マロニエ)、ベニバナトチノキは街路樹や庭木で人気。

シナノキ……科

●分類:シナノキ(アオイ)科シナノキ属…落葉広葉樹
●樹高:10m-20m
●別名:アカジナ
●分布:北海道・本州・四国・九州

日本固有の種で長野県に多く「しなの」の語源とされている。樹皮からロープや繊維を作っていた。6月~7月の粟黄色い花は甘く香りミツバチの蜜源としても利用される。

ケヤキ……欅

●分類:ニレ科ケヤキ属…落葉広葉樹
●樹高:25-40m
●別名:槻(ツキ)
●分布:本州・四国・九州

暖地の山、寒冷地の平地に自生する日本在来種だが、木目が美しい建材として乱獲されたため、自生しているものは山にはあまり残っていない。紅葉が美しく個体により黄色や赤になる。箒型の美しい樹形で、江戸時代から現在まで街路樹として盛んに植えられているほか、樹齢1000年などの古木が各地でシンボルとして残っている。硬く擦り減りにくいため建具に。寺社仏閣の建材としても。

その他の山や森林でよくみる落葉樹

ハルニレ……春楡

●分類:ニレ科ニレ属…落葉広葉樹
●樹高:20-30m
●別名:ニレ、エルム
●分布:北海道、本州、四国、九州

北海道ではエルムと呼ばれ親しまれ、本州にも軽井沢の自生地で有名な寒冷地タイプの落葉樹。枝張りのよい新緑が美しく魅力的で、3月に花、5月に実がついた後、初夏に新緑を迎える。

エノキ……榎

●分類:ニレ科エノキ属…落葉広葉樹
●樹高:15-20m
●別名:
●分布:本州・四国・九州

タブノキとともに林を構成することが多い、ケヤキの近縁種。雑木林や寺社、一里塚などにも植えられてきた身近な木のひとつ。木材としてもケヤキと風合いが似ているため代用される。建材・家具材料・道具財

ムクノキ……椋

●分類:ニレ科ムクノキ属…落葉広葉樹
●樹高:20m
●別名:ムク、ムクエノキ
●分布:関東以西・四国・九州

山地や雑木林、神社の境内や屋敷に多く見られる。甘い果実をつけ、ムクドリがそれを食べる。

サワグルミ……沢胡桃

●分類:クルミ科サワグルミ属…落葉広葉樹
●樹高:10m
●別名:カワグルミ、フジグルミ、カンポウフウ
●分布:北海道・本州・四国・九州

山歩きをしていると沢沿いでよく見かける木。5月6月に黄緑のフジのように垂れ下がる花をつける。クルミの仲間だが実は小さくて食べられない。

カツラ……桂

●分類:カツラ科カツラ属…落葉広葉樹
●樹高:20-30
●別名:オカヅラ、コウノキ
●分布:北海道・本州・九州・四国

成長早く、明るくなった攪乱地でまず生えてくる。同じ性質のホオノキ、ミズノキ、トチノキ、サワグルミ、カバノキなどと林を作る。公園や街路樹にも。ハート形の葉が印象的で落ち葉にはあカラメル臭がある。近縁のヒロハカツラも多く見られる。

ミズキ……水木

●分類:ミズキ科ミズキ属…落葉広葉樹
●樹高:10-20m
●別名:クルマミズキ
●分布:北海道・本州・四国・九州

枝が水平方向に扇状に広がる特徴ある樹形で、成長早い陽樹の代表。樹液が流れ出すほど水分が多い。

ハリギリ……針桐

●分類:ウゴキ科ハリギリ属…落葉広葉樹
●樹高:10-20m
●別名:センノキ(栓の木)
●分布:北海道・本州・四国・九州

北海道に多く見られるカエデ状の葉を持つ落葉樹。若木のうちだけ棘がある。

アオダモ……青梻

●分類:モクセイ科トネリコ属…落葉広葉樹
●樹高:10-15m
●別名:コバノトネリコ
●分布:北海道、本州、九州、四国

野球のバットの材料で有名。生木でよく燃えるため巻きや、家具材、建材、消毒など有用な樹木。

ホオノキ……朴

●分類:モクレン科モクレン属…落葉広葉樹
●樹高:20-30m
●別名:ホオガシワ
●分布:北海道・本州・四国・九州

成長早い陽樹の代表。日本で自生する樹木のなかでは、最も花と葉が大きい。葉は、朴葉寿司に使われる。15cmにもなる大きな香りのよい花も特徴。下駄の歯にも利用される。

アオハダ……青肌

●分類:モチノキ科モチノキ属…落葉広葉樹
●樹高:8m
●別名:
●分布:北海道、本州、九州、四国

雑木の庭ブームで庭のシンボルツリーとして注目されている涼しげな樹形の広葉樹。

ナナカマド……七竈

●分類:バラ科ナナカマド属…落葉広葉樹
●樹高:6-10m
●別名:
●分布:北海道・本州・四国・九州

燃えにくく七回竈に入れても残るという意味で名づけられた樹木。高山でもよく見かけ、赤い紅葉が美しい。赤い実も楽しめる庭木としても人気。

ヤマグワ……桑

●分類:クワ科クワ属…落葉広葉樹
●樹高:3-15m
●別名:
●分布:北海道~沖縄

丘陵や低山によく生える。養蚕が全盛の時代はカイコの餌として栽培されていたが、今は、葉や果実を食用にする。

シャラ……沙羅

●分類:ツバキ科ナツツバキ属…落葉広葉樹
●樹高:10-15m
●別名:ナツツバキ
●分布:福島・新潟以西の本州、四国、九州

6月〜7月にツバキによく似た白い花を咲かせる。近縁種のヒメシャラは神奈川〜和歌山の太平洋岸、四国、九州にはえる。

もともと外来の落葉樹

キリ……桐

●分類:キリ科キリ属…落葉広葉樹
●樹高:10m
●別名:
●分布:中国よりの外来種

タンスの材料として有名で、平安時代から庭木として植えられ、紫の花が親しまれているが、中国渡来の外来種。短命で成長早く草に近い。

ニセアカシア……針槐

●分類:マメ科ハリエンジュ属…落葉広葉樹
●樹高:15-20m
●別名:ハリエンジュ
●分布:北米産外来

明治後の外来種で防砂林として導入されたが、河原を中心に野生化し、要注意外来生物に指定されている。一方、5月~6月の花期には甘い香りを漂わせて、ハチミツの蜜源としては重宝されている。

プラタナス……鈴懸

●分類:スズカケノキ科スズカケノキ属…落葉広葉樹
●樹高:30-50
●別名:モミジバススカケノキ
●分布:交配種・北海道~九州

丸い実が垂れ下がる街路樹で有名。明治時代に在来のスズカケノキとアメリカスズカケノキを交配して作り出した雑種ですべて植えられたもの。

 

 

 以上、広葉樹の名前と種類について、森林を構成する高木を中心に、ぜひ覚えておきたい種類を紹介しました。

 ただ、とりあえず名前を覚えても、実際に現場で、この木は何?と判断するのは、とても難易度が高いです。ひととおり種類を把握したら、ネイチャーガイドがある森林浴ツアーなどに参加して、知識と実物を結びつけ、現場で確認していくのが良いでしょう。

 では、森の魅力をたっぷりと楽しんでいきましょう!

 なお、森へ出かける際は、新緑の時期と関東地方の新緑の名所の記事も参照してください。

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