切り花(生花)の種類と名前。これだけは知っておきたい32品種の花

      2017/12/12

切り花(生花)の名前と種類

 飾ってある花を見ても、お花屋さんの店頭でも、「花の名前がぜんぜんわからない……(汗)」という人のための記事です。切り花(生花・せいか)にサクっと入門できる情報をまとめてあります。

 切り花の楽しみ方のポイントと、ぜひ覚えるべき花の名前14種類+できれば知っておく18種類、合計32の生花品種をピックアップしました。

 なんとなく敷居の高い、切り花やフラワーアレンジの世界ですが、ほんらい花は自分の感性で気軽に楽しめば良いものです。

 この記事に目を通せば、生花・切り花が、ぐっと身近に感じられるようになります。世界はとてもすばらしい花の数々にあふれているのに、ただなんとなく「綺麗な花だな〜」でスルーしてしまうのはもったいないですから。

なお、切り花の扱い方については⇒『切り花を長持ちさせるコツと長持ちする品種リスト』
切り花の香りについては⇒『香りが高い切り花の種類はどれ?』
の記事も、参照してください。

切り花(生花)を楽しむポイント

切り花の楽しみは、人と花とのコラボで生まれる

 切り花の楽しみは、わたしたちに癒しを与えてくれる花を、大切に扱いながら、その美しさを味わうものです。

 花は、人の手でデザインしながら飾ることで、自然に生えているのとは、まったく違った印象になります。切り花やフラワー・アレンジメントは、人間と自然がおりなすコラボレーションなのです。

 日常生活のなかに、自然を切り取って飾ることは、他のものに替えがたい癒しを与えてくれます。

 そのぶん、切り花は決して雑に扱わずに、お花に感謝しながら、きちんとお世話をする気持ちが大切です。

 水揚げをしたり、水を替えたり、古い葉柄をとったりと、毎日の世話をするだけで、日持ちがまったく違ってきます。

切り花は、活けて飾ったら終わりではなく、世話する楽しみもあるのです。

 忙しい毎日のなかで、花瓶のなかの花の世話をすることは、生活にメリハリを与えてくれます。

 また、生活空間の身近に花をおくことで、花をじっくりと観察することもできます。ほとんどの切り花は、つぼみの状態から満開まで開花します。ガーデンに植わっているとわからない、刻一刻と変わる植物の変化に気づくことができるでしょう。

 このように、奥の深い楽しみと感動を与えてくるのが、切り花なのです。

お花についてのルールやしきたりを気にしすぎないこと。

 お花というと、華道やフラ—ワ—アレンジメントなどで、作法がいろいろあり、堅苦しく、敷居が高いようなイメージがあるでしょう。

 確かに、切り花をあつかう場合は、「花の命をきちんと感じて大切にする」という意味で、花に対しての作法やマナーは大切にしたいものです。

 ただ、花の楽しみ方には、ほんらいは自由なものです。花の使い方や飾り方について、堅苦ししいマナーは、ほんらい不要です。ことお花の話なると、しきたりや常識みたいなことをドヤ顔でふりかざす人も少なくないですが、ほんとうは、自分の感性で、好きに楽しめば良いのです。

 一般によく言われる、花にまつわる「しきたり」とは、とかくナンセンスでたいして意味のないことです。

 たとえば、「キクは仏花だからプレゼントにはよくない」、という「常識」があります。

 しかし、実はこれは、つい最近できてきた、似非(えせ)常識というか、迷信のようなものです。

 キクはもともと重陽の節句で飾られ、、日本の国花にもなっている、めでたいお花です。キクを仏前にそなえることは多いのは事実ですが、だからと言って、贈答やおめでたいことに使ってはいけない、という決まりはありません。

 最近のお葬式などでは、キク以外にもユリ、ラナンキュラス、トルコギキョウなども良く使われます。キクが仏花専用なら、ユリやラナンなども、みな贈答に使えないことになってしまいます。

 このように、キク=仏花と決めつけるのは、とてもナンセンスなのことなのです。

 お花の楽しみは「綺麗と思ったら綺麗」その自分の感性を全開にして、自由に楽しめばよいのです。

 もっとも、プレゼントなどでは相手の気持ちを考えるべきなので、相手次第ではキクを贈るのは控えた方が良い場合もあります。また、「白と薄紫」など、注意したい色の組み合わせがあることは確かです。

 ただ、必要以上に、マナーや作法などにとらわれず、自由にお花を楽しむのが、ほんらいの姿です。決して、切り花の世界は敷居が高いものではないのです。

実は世の中に花はあふれている。億単位で流通する生花

 切り花を飾ることは、世界各地で、とても古くから行われているもので、人の暮らしと切り離せないものです。

 日本では、平安時代には、仏教の行事で花を供える習慣があったようです。室町時代に武家が床の間に飾るとこで「華道」がはじまり、やがて「茶道」とも結びついて、日本独特の芸術として発展します。

 江戸時代には、菊ブームがおこり、庶民の間にも切り花文化が浸透します。

 明治以後には、西洋のフラワーアレンジメントが入ってくることで、切り花の文化はますます盛んになります。

 戦時中、花の生産は禁止されますが、戦後になって、家庭のなかで花を飾ることが習慣になってきました。昭和の豊かな時代にくらべれば、家庭で切り花を飾ることは減ってきたかもしれませんが、冠婚葬祭はもちろん、お店のディスプレイ、イベント、プレゼントなどで、切り花は億単位で流通しています。

 下の表は日本で流通する花の年間本数の概算値です。

日本で主に流通している切り花の数(年間本数)
キク 18.3億本
カーネーション 6.0億本
バラ 3.4億本
ガーベラ 1.7億本
ラン類 1.6億本
ユリ 1.5億本
スターチス 1.2億本
トルコギキョウ 1.0億本
カスミソウ 0.9億本
りんどう 0.9億本
チューリップ 0.6億本
アルストロメリア 0.6億本
注)上記表は農水省・花卉生産流通量および通産省・花卉類輸入量のデーターをもとに当サイト独自でまとめた概算値です。

 すごい数ですよね。世の中は花にあふれていると言ってもいいでしょう。

 こうした状況ですので、やはり、「花の名前を知らない」というのはもったいないですよね。

 ぜひこのあとに紹介する花の名前は憶えて、花をもっと身近に感じる生活をめざしていきましょう。

花の名前をちょっとだけ覚えるだけで…

 日頃、切り花を飾る習慣が無い人は、「花って綺麗だな……って思うけど、何が何の花かわからない」いという人が多いと思います。

 たとえばお花屋さんで、花束を注文する時、「えぇと、3,000円」でお願いします……のように、金額指定でお任せで注文することが多いと思います。で、花の名前もよくわからないままプレゼントすると……

 かくいう私もそんな一人でした。

 なんとなく花って敷居が高いようなで、ほとんど良く知らないままにしていました。

 ところが、ふとしたきっかけで、ちょっとだけ花の名前と特徴を勉強したところ、花を見る見方や楽しみが一気に増してきました。

 街角の花のディスプレイや店内に生けてある花を見ると「おぉ、ラナンキュラスが出回る季節か…」と思ったり「ソリダゴの使い方がなかなか……」などと、それまで、ばくぜんと「綺麗なお花〜」とぼんやり眺めていたものが、ちょっとだけ、つっこんで鑑賞できるようになりました。

 もちろん、ちょこっと勉強しただけなので、まだまだはっきりと見分けがつかないし、知らない名前の花もたくさん見かけます。

 なにしろ、花の種類は世界中で2万種類あると言われ、日本でよく流通しているものでも600種類以上はあります。ですので、専門家でもない限り、全部覚えるのは、そもそも無理。

 それに、最近は品種改良がとても盛んで、たとえばキクひとつとってみても、さまざまなバリエーションの品種が次々とリリースされてきています。「バラのようなカーネーション」「ユリのようなチューリップ」「シャクヤクのようなラナンキュラス」など、他の花に似せたような品種改良が進んでいるので、正直、どれがどれだか見分けがつきにくくなっています。

 そうした、とても奥の深い生花の世界ですが、入門することは難しくありません。まず、少しだけ、花の名前を覚えておけば、そこを足掛かりに、花の世界が一気に広がっていきます。

 ほんの少しだけ、花の知識を得て、「にわか花マニア」になってみましょう。そうすれば、お花やさんに行っても、これまでと違ったかたちで花を見ることができます。お花屋さんに質問もいろいろできるようになるので、会話もはずみ、どんどんお花の知識が増えていくでしょう。

 というわけで、絶対に覚えておきた花を紹介していきましょう。

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これだけは覚えておきたい切り花14種類

キク

●キク科キク属 ●別名:マム
●旬の時期:9月〜11月 ●出回り期間:通年
●花のサイズ:3cm〜7cm ●日持ち:10〜20日
●色:赤,桃,橙,茶,黄,紫,緑,
●香り:〇

 キクは日本を代表する花で、切り花の国内取扱量も菊がダントツで一位です。法事の需要が多いのですが、ほんらい菊は高貴な花で、お祝いにも贈り物にも使われるべきものです。決して仏事専用の花ではありません。

 日本には輪菊小菊がが古くからあって、江戸時代から盛んに品種改良されてきました。今でも秋になると各地で開催される「菊花展」に、その伝統が今に伝えられています。日本の見事な菊の花は、欧米に伝えられ、評判になり、そこでさらに改良され、スプレー、ピンポン、アナスタシアなどの品種が生み出されました。これらの系列ものは「洋キク」「マム」と呼ばれています。

 近年は、さらに品種改良が進み、ぞくぞくと新しいカラーとスパイダー咲、スプーン咲、アネモネ咲など花形のバリエーションも登場し、さまざまなシーンで使われています。また、キクのイメージを変えるものとして、七色のキク・レインボーマムも話題になりました。(ちなみにレインボーマムは、白色のキクに、人為的に色素を吸わせて着色したものです。)

 こうしたバリエーション豊かなキクを、ぜひ、生花店などで探して見てみてください。キク=仏花という間違ったイメージ、間違った常識がくつがえされると思います。

カーネーション

●ナデシコ科ナデシコ属 ●別名:オランダナデシコ
●旬の時期・ピーク時期:5月 ●出回り期間:通年
●花のサイズ:5cm〜9cm ●日持ち:7日〜20日
●色:赤,桃,橙,茶,黄,紫,緑,
●香り:〇

 カーネーションといえば母の日、実は一時期、「母の日にバラを」などのPRのせいか、母の日にバラ・シャクヤク・紫陽花などを送るのが流行り、カーネションの需要が落ち込んでいたようです。最近では、品種改良でバリエーションが増え、母の日以外でも使われることが多くなっています。バラ咲、フリンジ咲、スター咲など、花弁のかたちがいろいろ楽しめます。

 カーネーションは、花びらが丈夫で花の形が崩れにくく、アレンジでまとめやすいため、ブーケやリースにもよく使われます。花持ちも夏で7日、冬なら20日と長めなのもポイントです。また、花が小さ目で可憐な感じのスプレー咲もおすすめです。「カーネーション=母の日」というイメージにとらわれず、何時でもカーネーションを楽しみましょう。

バラ

●バラ科バラ属 ●別名:そうび
●旬の時期:5〜6月,10~11月 ●出回り期間:通年
●花のサイズ:2cm〜15cm ●日持ち:5〜10日
●色:赤,桃,橙,茶,黄,青,紫,緑,
●香り:◎

 花の女王というべきか、バラは花の一種というよりも、バラはバラでひとつのジャンルとして成り立っているような感じです。バラだけでも常時約600種類の品種が流通していて、しかも毎年100種類が新たに発表され入れ替わっている、トレンドも激しい世界です。

 バラ品種の大別の仕方として、もともと庭木として植えていたガーデンローズ系(オールドローズ)と、19世紀に品種改良が進み大輪で四季咲きになったモダンローズ系(フローリストローズ)、に区別できます。ガーデンローズ系は外側の花弁が包み込むようにカップ状になっているカップ咲きです。ガーデンローズはもともと切り花に向かない性質でしたが、最近は改良され、切り花でもガーデンローズ系の花が楽しめるようになり人気となっています。モダンローズ系は外側の花弁が外に開き花の真ん中が高く盛り上がるような高芯咲きが特徴で、これは、古くからのバラのイメージに近いタイプです。

 最近は、ガーデンローズ系とモダンローズ系の間の交配が進み、あまり境いが無くなってきています。花のタイプもロゼッタ咲き、ポンポン咲など多様なものがあります。使いたいシーンのイメージにあわせてタイプを選んでいくと、奥の深い楽しみができます。

ガーベラ

●キク科ガーベラ属 ●別名:花車
●旬の時期:4月〜5月 ●出回り期間:通年
●花のサイズ:5cm〜15cm ●日持ち:5〜10日
●色:赤,桃,橙,茶,黄,紫,緑,
●香り:なし

 ポップな可愛らしさの花といえばガーベラ。「お花」のイメージにぴったりの、花びらと花芯のバランスが魅力の定番の花です。手頃な価格帯で年中手に入るのも人気の秘密。カラーやサイズもいろいろで、花束からブーケまで幅広く活躍します。

 花のかたちは、一重咲、八重咲、ポンポン状の変わり咲、など、さまざまです。色も定番のオレンジ系の他、美しいグラデーションのものまで豊富です。

 切り花として流通している時は、花が後ろ側からビニールカバーで保護されていて、葉も出荷段階でとられて無いことが多いです。葉が無いのも、ポップな印象で、お花屋さんの店頭でも目立つ存在ですね。

ユリ

●ユリ科ユリ属 ●別名:
●旬の時期・ピーク時期:5月〜7月 ●出回り期間:通年
●花のサイズ:15cm〜20cm ●日持ち:7〜14日
●色:赤,桃,橙,黄,
●香り:△~◎(品種による)

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 白いユリはキリスト教国圏では聖母マリアの象徴ともされるため、ウェディングで良く使われる花です。ユリの系列には、日本の本州産のオリエンタル系、沖縄や南アジア原産のロンギフローラム系、北海道から朝鮮半島のアジアンティック系の系列があり、それらを掛け合わせたオリエンタルハイブリッドLAハイブリッドなどの品種があります。たとえば有名な品種「カサブランカ」は、日本原種がオランダで品種改良された「オリエンタルハイブリッド」です。

 系列によって、花の大小に差があり、たとえばオリエンタル原種系のヒメユリは2~3㎝ですが、オリエンタルハイブリッドの「カサブランカ」は20㎝です。

 ユリは。もともとは日本本州のヤマユリ、ササユリ、カノコユリ、沖縄のテッポウユリなど、日本に伝統的にある花です。フランス王家の紋章にもなっていることから洋風のイメージもあるユリですが、案外、日本の伝統工芸や意匠のなかでも定番の花となっています。つまり、日本を代表する花のひとつだということですね。和テイストに合うものとしてユリを眺めてみると新しい発見があるでしょう。

スターチス

●イソマツ科リモニウム属 ●別名:ハナハマサジ
●旬の時期:6月〜7月 ●出回り期間:通年
●花のサイズ:5mm ●日持ち:10〜20日
●色:赤,桃,橙,黄,紫,
●香り:なし

 スターチス(スターチス・シヌアータ)は小さな花(ほんとうはガク)がブラシ状に集まった、ちょっと変わった形の花です。もともと水分が少なめでドライフラワーにするのにも適しているため、日持ちは抜群。何色かのスターチスを集めて花束にしてプレゼントすれば、長く楽しめるので、なかなか気の利いた花束になります。

スターチスは「リモニウム」の仲間に属しています。、スターチス・シヌアータ以外のリモニウムは、小さな花が細かい枝に咲くフィルフラワー(=花束の空間を埋める役割をする花)タイプです。なかでもハイブリッド・スターチスはふんわりとしたカスミソウのようなかたちの品種で、「スターチス・シヌアータ」とは、だいぶ雰囲気が異なります。ハイブリッド・スターチスのほうも、ドライフラワーにできます。

トルコギキョウ

●リンドウ科ユーストマ属 ●別名:リシアンサス
●旬の時期:6月〜7月 ●出回り期間:通年
●花のサイズ:5cm〜10cm ●日持ち:7~14日
●色:赤,桃,橙,茶,黄,青,紫,緑,
●香り:なし

 トルコギキョウはアメリカ原産の花ですが、おもに日本で品種改良が進められて、1980年代から流通が広がった、新しい花です。リンドウ科ですが、ベースとなる品種が、どちらかというとキキョウに似ていて、トルコ石のような紫色だったため「トルコギキョウ」と名づけられました。日持ちもがして夏の高温にも強いので、いまや、切り花の世界では無くてははならない花となっています。

 花にいくつかタイプがあり、同じ品種とは思えないほど、タイプにより花の姿がまったく異なります。ベースになる一重のものは、桔梗のような感じですが、バラ咲きのものは、かなりバラに似ていて、とげの無いバラのイメージで使われることもあります。また、フリル咲き、フリンジ咲きとヒラヒラとした花びら、グラデーションやフラッシュなど華やかな色合いのもの、花びらののフチだけ紫やピンクに縁取られているようなカラーのものなど、実に豊富な種類があります。アレンジで使われていると、他の花と見分けがつきにきくいですが、お花屋さんの店頭などでは、つぼみと花が入り混じったスプレーの状態です。どんなタイプの花でも、つぼみは共通の黄緑色ですので、スプレーの状態で混じっているつぼみを見れば、すぐトルコギキョウと見分けられますね。つぼみも良く咲くので、スプレーのまま活けても、長くたっぷりと楽しめるお花です。

カスミソウ

●ナデシコ科属 ●別名:花糸撫子
●旬の時期:12月〜6月 ●出回り期間:通年
●花のサイズ:3mm〜15mm ●日持ち:7〜10日
●色:桃,
●香り:×悪い

 カスミソウはフィルフラワー(花束の空間を埋める花)の代名詞とも言うべきもの。白いふんわりとした小さな花が、メインの花を引き立てます。とても可憐な雰囲気を作り出してくれますが、ディスプレイなどで飾った場合、花は先端から枯れてくるので、こまめに花ガラをとるメンテナンスも必要な花です。もちろん、ドライオッケーですので、すべての花が先終わらないうちにドライにしましょう。

 カスミソウは、独特の匂い(加齢臭や便の臭いとも言われる)があるため、あまり大量に使えないという欠点がありました。そこで、出臭いを抑制のトリートメントを水のなかに混ぜておくことで、効果は4〜5日ほど。最近は、匂いの少ない品種も出てきています。

臭いをおさえることができれば、一気に主役の座をとれるのがカスミソウ。最近は、カスミソウ単品のブーケ

もウェイディングでは定番のひとつになりつつあります。他の花では表現できない、とてもナチュラルな美しさのブーケです。

 ほんらい色は白とピンクのみ。最近は、青や水色や紫や緑のカスミソウが流通していることもありますが、それは、人工的に色素を吸わせて着色したものです。レインボーマムと同じ仕組みですね。人工着色のものは、好みが分かれるところですので、プレゼントなどではちょっと気をつけたほうが良いかもしれません。

りんどう

●リンドウ科リンドウ属 ●別名:竜胆(りんどう)
●旬の時期:7月〜10月 ●出回り期間:6月~11月
●花のサイズ:1cm〜2cm ●日持ち:5〜7日
●色:桃,青,紫,
●香り:なし

 りんどうは日本原産の夏から秋の花。もともと秋の彼岸に欠かせない花として知られていますが、深い紫の花は印象的で、海外での評価も高く輸出されている花です。一本にいくつも花が連なって咲きますが、ひとつの花のボリュームがあるため、花だけを切り取ってアレンジでしてコサージュなどに使われることもあります。

 最近はパステル調の水色やピンク、従来の品種よりも細身のもの、よりシュッとしたスプレータイプなどバリエーションが増えています。和風ということやお彼岸の花という従来のイメージにとらわれず、ふだん使いの切り花として、さりげない美しさを演出してくれています。

チューリップ

●ユリ科チューリップ属 ●別名:鬱金香(うっこんこう)
●旬の時期:3月 ●出回り期間:11月~4月
●花のサイズ:3cm〜8cm ●日持ち:5〜7日
●色:赤,桃,橙,茶,黄,紫,緑,白,■黒
●香り:〇

 世界で最も愛されている花のひとつチューリップ。オランダ王立の球根・植物卸業協会の調査では世界に5600品種があるとのこと。よく見かける一重咲きだけでなく八重咲きパロット咲きユリ咲きフリンジ咲きなどさまざまな花のタイプがあります。

 動きが激しいのが特徴で、切り花にしても、光に応じて花が閉じたり開いたり、成長したりと、動きも楽しめる花です。とくにユリ咲きや八重咲きのものは、閉じた時と開いた時とで、ダイナミックに花の姿が変化します。八重咲やフリンジ咲きのものは「え?これもチューリップ?」と驚かされるものもあり、意外に豊富なバリエーションを楽しめます。

 チューリップは茎が伸びたり花が開くの速いため、切り花としては、とくにお花屋さんは敬遠sうる傾向があります。動きをおさえる植物ホルモン(エチレンガス)を利用していたりと、切り花で扱うために、ひと手間がかかっているのですね。

アルストロメリア

●アルストロメリア科アルストロメリア属 ●別名:百合水仙
●旬の時期4月〜5月 ●出回り期間:通年
●花のサイズ:2cm〜10cm ●日持ち:10〜14日
●色:赤,桃,橙,茶,黄,紫,緑,
●香り:△~〇(品種による)

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 南米原産の華やかな花。独特の光沢があり、色彩豊かで、なおかつ、浮きすぎず他の花とも合わせやすい特徴をもっているため、フラワーアレンジでは重宝されています。世界的にはスタンダードな花ではないですが、日本では栽培が盛んで世界3位の生産量となっています。

 花びらに斑点状の模様が入っているのが、花の大きな特徴で、少し好みが分かれるところ。最近は、斑なしの品種も登場して、ウェディングなどでも使われるようになっています。

 花好き以外の人には、あまり馴染みのない花かもしれませんが、実は、パーティー会場やショーウィンドウのディスプレイや、ちょっと派手めの場所では、アルストロメリアが飾られていることも多いので、ぜひチェックしてみましょう。カジュアルなお祝いごとでの花束などにもぴったりですので、お花屋さんの店頭でみかけたら、使ってみてください。

ダリア

●キク科ダリア属 ●別名:天竺牡丹(てんじくぼたん)
●旬の時期:9月〜10月 ●出回り期間:通年
●花のサイズ:8cm〜30cm ●日持ち:5〜10日
●色:赤,桃,橙,黄,紫,
●香り:なし

 天竺ぼたんという和名ですが、キク科のダリア。球根性の植物で、とにかく大きくなるのが特徴です。最大のものでは花径が30㎝にもなります。最近の花業界では、大輪のゴージャスな花がもてはやされる傾向で、そんななかで、取り扱い量が一気に増えてきたのが、このダリアです。

 ほんらいは、庭木として植えられる「皇帝ダリア(木立ダリア)のように、8枚の花弁の一重の花ですが、切り花では、細かい花びらがいくつも重なった八重咲のものが好まれます。花の中央の花芯の部分から幾重にも小さな花びらが重なって、丸いぼんぼりのような花を作っているのが特徴です。オレンジ色のフォーマルデコラ咲きがスタンダードな形です。咲き方のバリエーションとしては、カクタス咲き、スイレン咲き、ボール咲、ポンポン咲、アネモネ咲きなど、バリエーションが豊富。色も赤・オレンジ系統を中心に、最近は黒に近い深い茶色の「黒蝶」という品種も登場し話題になっています。

ラナンキュラス

●キンポウゲ科キンポウゲ属 ●別名:花金鳳花(はなきんぽうげ)
●旬の時期:3月 ●出回り期間:10月~5月
●花のサイズ:5cm〜11cm ●日持ち:5〜14日
●色:赤,桃,橙,黄,紫,緑,
●香り:△~〇(品種による)

 21世紀に入ってから盛んになってきている新しい花。幾重にも重なっている花びらは薄く、透明感があり優しい感じのする花です。基本的に春の花ですので3月頃が旬ですが、年内の12月から少しずつ出回りはじめます。ウェディング・ブーケでもとても人気がある花です。

 花のバリエーションとしてはバラ咲き、ピオニー(シャクヤク)咲き、フリンジ(カーネーション)咲きがあり、バラ、シャクヤク、カーネーションそれぞれと花だけを見ると正直、よく区別がつきません。色合いも豊富で、なかでも花びらの縁だけが緑やピンクに染まっているピコティは、とても美しいです。すっかり春の花として定着しているラナンキュラスは、これからますます改良で新しいタイプが出て、トルコギキョウのようにメインの花材になってくる、といわれています。

シャクヤク

●ボタン科ボタン属 ●別名:ピオニー
●旬の時期:5月 ●出回り期間:4月~7月
●花のサイズ:10cm〜15cm ●日持ち:5〜7日
●色:赤,桃,黄,紫,
●香り:〇

 「立てば芍薬、座れば牡丹、歩く姿は百合の花」美しい女性の立ち居振る舞いを言い表す言葉の通り、日本の美を代表する花ほひとつです。牡丹とほとんど同じ花の姿ですが、牡丹は木性ですので枝の途中に花が咲きます。芍薬は草性なので、茎の先端に花をつけ、切り花としても使えます。和でも洋でも合わせやすいのが特徴です。花形は、バラ咲き、冠咲き、一重咲きと、バリエーションが増えつつあります。

 生花店の店頭では、花が、まん丸のつぼみの状態で見かけることが多いです。外側のの花びらにくるまれて、これから開く花弁が中にたくさん詰まっている蕾の姿も、とても愛くるしいです。つぼみから花へ開くと、直径で3倍以上に大きくなります。つぼみがほころびはじめてから3~4日で満開になるダイナミックな感じも、魅力のひとつです。

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さらに覚えておきたい花を18種類ピックアップ

さて前章では、「絶対に知っておきたい花」を14種類ピックアップしました。この章では、切り花として活躍する花をさらに18種類ピックアップしかんたんに紹介します。

 「アジサイ」や「スイトピー」などお馴染の花を入れてありますが、他の聞きなれない花の名前も、画像を見れば「ああ、これか」となるものが多いと思います。花の名前を画像検索しながら、チェックしてみてください。

 下のリストはあくまで筆者の独断で、これは「よく見るよな〜」というものを集めてあります。もちろん、他にもよく使う花は沢山ありますし、あくまで下のリストは一部ですので、これをきっかけに、どんどん花の世界を広げていってみてください。

 リストには、画像で見るとわかりにくい「花のサイズ」を記してあります。サイズ感もあわせてイメージすると、実物と照らし合わせて花の名前を覚えやすくなる
と思います。香りについては、◎強い、○ある、△品種により、―なし、の記号で記しています。

こちらも覚えておきたい花18選
花の名前
(科名・属名)
花のサイズ

出回り期間/ピーク時期

香り

ポイント
ストック
(アブラナ科アラセイトウ属)
3cm 10〜4/3,12 パステルトーンの豊富な春の花。一重と八重、スプレーがある。アレンジではラインフラワーの定番。
グロリオサ
(ユリ科グロリオサ属)
5〜12cm 通年/5〜6 迫力と存在感がある赤と黄色のグラデーションが印象的なミサトレッドはよく見かける定番の品種。

シンビジューム
(ラン科シンビジウム科属)
5〜10cm 通年/12,3 タイ・ミャンマー原産のランの改良種で70品種ほどある。黄色が定番だが白はウェディングでも。

オンシジューム
(ラン科オンシジューム属)
1〜3cm 通年 色鮮やかな中南米原産のラン。細めの花びらでエレガントな印象。香りが良いものポイント。

デルフィニウム
(キンポウゲ科デルフィニウム属)
2〜8cm 通年/4〜6 夏のイメージのラインフラワー(縦に伸びる花)。青が印象的なマリンブルーが定番品種。

アジサイ
(ユキノシタ科アジサイ属)
10〜30cm 6〜9/12〜2 切り花では水色、ピンク、薄緑色のほか、立ち枯れした秋アジサイのアンティーク系が要チェック。

ワックスフラワー
(フトモモ科ワックスフラワー属)
1〜2cm 通年/10〜11 梅に似た小さな花を密集してつける。花がロウのような質感でユニークだが、アレンジでよく使われる。

ソリダゴ
(キク科ソリダゴ属)
1cm 通年/7〜8 アレンジでフィルフラワー的に使われる。セイタカアワダチソウの近縁種だが、アスターとかけあわせた「ソリダスター」という品種もある。

クレマチス
(キンポウゲ科クレマチス属)
5〜15cm 3〜11 和名では「鉄線(てっせん)」と呼ばれ、伝統的な活け花で欠かせない紫の花。

スイトピー
(マメ科ラティルス属)
3〜5cm 通年/2〜3 春の訪れを告げる花と言えばスイトピー。明るい色合いの豊富なバリエーションと香りが楽しめる。2月 1年草と宿根性がある

ナデシコ
(ナデシコ科ナデシコ属)
1〜3cm 通年/5 大和撫子のほか、カーネーション以外のナデシコ属の総称。品種改良が盛んで品種が豊富。

フリージア
(アヤメ科フリージア属)
3〜4cm 通年/12〜3 フルーティーな香り。お正月や送別会の花としてよく使われる。つぼみから花へ並んで咲くのが特徴。

アネモネ
(キンポウゲ科アネモネ属)
5〜10cm 10〜4/5〜6 春の花。中心の花弁の部分が花で、花びらに見えるところはガク。ガクは光や温度に反応して開閉する。

ケイトウ
(ヒユ科ケイトウ属)
2〜15cm 6〜12/6〜10 秋の花。ビロードのような質感をもつ花が印象的。インド原産で、日本で品種改良が進められてきた花。

ブルースター
(ガガイモ科トゥイ―ディア属)
2cm 通年/4〜6 星型のブルーの花として、フラワーアレンジのアクセントとして人気。花の色は次第に濃く変化する。

ポピー
(ケシ科ケシ属)
5〜7cm 11〜4/2〜3 春の花「ひなげし」。赤・オレンジ系統の鮮やかな色が印象的。つぼみも可愛く開花が楽しめる。

スカビオサ
(マツムシソウ科スカビオ属)
4〜6cm 通年/5〜6,10〜11 大きな花芯の品種「ファーマ」が有名だが、スカピオサは花名というより属名で、さまざな形や色の品種がある。

ヒペリカム
(オトギリソウ科ヒペリカム属)
1〜2cm 通年/10〜11 フラワーアレンジのアクセントに欠かせない、カラフルな実物の花材。花を楽しむ品種もある。

  

  

 以上、切り花・生花の超入門のための情報をお伝えしました。

 この記事で得られた知識をあしがかりに、実際に生花にふれていってほしいと思います。たとえばお花屋さんに行って、いろいろ質問たりできるようになるはずです。「知ったかぶり」はせずに、素直に聞いていきましょうね。

 もちろん、花の種類はまだまだたくさんありますし、新たに改良され、ぞくぞく出てくる花のタイプまでいれたら花の数は無限にあるといって良いでしょう。

 それを考えると、花との出会いもまた「一期一会」。その出会いを大切にして、お花を楽しんでいきましょう。

   

 【おまけ情報】ところで、今、空前のブームをまきおこしているハーバリウム。切り花を飾ったあとドライにして、さらにハーバリウムにすれば、末長く花を楽しめます。⇒「ハーバリウムの作り方とコツ」の記事も参照してみてください。

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