駅近のお花見名所~都心・神奈川・千葉・埼玉~途中下車してお花見を

      2019/03/17

お花見

 ソメイヨシノが開花して散るまでは、約2週間ほどしかありません。ですので、お花見のタイミングは、ほんとうに一瞬です。ましてや年度が替わる忙しい時期と重なるため、「気が付くとサクラが散っている…」ってことも多いですよね。

 でも春といえば桜。できたら、ちょっとの間でも、立ち止まってお花見をするくらいの気持ちの余裕が欲しいものです。

 そこで、この記事では、気軽にサクッと立ち寄れる「駅近」のお花見スポットをピックアップしてみました(首都圏のみ)。宴会の可否や出店の有無なども一覧化してあります。通勤通学中に、途中下車してみてはいかがですか?

 また、お花見に行くならあわせて、是非とも知っておきたいサクラについての基礎知識についてもまとめてあります。

首都圏の駅から歩いて行けるお花見名所・一覧表

 首都圏の電車の駅から歩いて行けるお花見の名所を、紹介していきます。ざっくりですが東京を中心に沿線別にまとめてありますので、たとえば会社帰りにふらりと立ち寄ってみよう…と思った時に参考にしていただければ、と思います。

 一覧表では最寄駅からのアクセスと、お花見会場のさくらの本数(概算)、宴会の可否・出店の有無・夜桜見学の適不適をまとめてあります。データーは2017年までのものをもとにしていますので、変更がある場合はご容赦ください。

 お花見といえば「宴会」というパリピ傾向の人もいれば、どんちゃん騒ぎを避けて靜に飲みたい…という人もいると思います。最近は、首都圏では宴会ができるところとできないところの仕分けがはっきりしてきていますので、ニーズにあわせて、お花見ポイントを選んで行きましょう。

 どちらかといえば宴会可能なお祭り騒ぎの花見会場は減少傾向ですので、「宴会可」「出店あり」のところは、かなりの混雑が予想されます。逆に、宴会不可・出店無しのところは「穴場」で比較的空いている傾向にあります。

 案外、毎日通っている駅の近くに、理想のお花見ポイントがあるかもしれないので、目を通してみてください。

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駅から歩いて行けるお花見の名所
都心部
代々木公園
渋谷区
× 700 JR原宿駅3分
代々木ビレッジ
渋谷区
× × 25 JR代々木駅2分
明治神宮外苑
新宿区
× × × 600 JR信濃町駅5分、銀座線外苑前10分
新宿御苑
新宿区
× × × 1100 JR千駄ヶ谷駅、丸の内線新宿御苑駅5分
新宿中央公園
新宿区
× × 200 大江戸線都庁前駅すぐ、JR新宿駅10分
神田川遊歩道(面影橋)~江戸川公園
新宿区
× 270 都電荒川線面影橋すぐ、有楽町線江戸川橋駅3分
神田上水公園
新宿区
× × 80 東西線落合駅5分
戸山公園
新宿区
× 330 副都心線西早稲田駅8分
播磨坂桜並木
文京区
120 丸の内線茗荷谷7分
六義園(りくぎえん)
文京区
× 40 JR駒込駅7分
北の丸公園
千代田区
× × × 280 東西線九段下駅・竹橋駅5分
靖国神社
千代田区
× × 500 半蔵門線九段下駅5分
千鳥ヶ淵
千代田区
260 半蔵門線九段下駅・半蔵門駅5分
日比谷公園
千代田区
× × × 40 日比谷線日比谷駅3分
外堀公園
千代田区
× × 120 JR飯田橋駅・市ヶ谷駅5分
有栖川宮記念公園
港区
× × 100 日比谷線広尾駅3分
芝・増上寺
港区
× × × 300 三田線御成門駅3分
青山霊園
港区
× × × 170 銀座線外苑前8分
赤坂サカス
港区
× × 100 千代田線赤坂駅すぐ
高輪ザ・プリンスさくらタワー
港区
× × 230 JR品川駅3分
六本木ヒルズ~六本木さくら坂~毛利庭園
港区
× 85 日比谷線六本木駅すぐ
アークヒルズ~スペイン坂~桜坂
港区
× × 220 南北線六本木一丁目駅・溜池山王駅1分
東京ミッドタウン
港区
× 150 日比谷線六本木駅すぐ
八重洲さくら通り
中央区
× 170 JR東京駅八重洲口すぐ1分
御殿山トラストシティー
品川区
× 70 JR品川駅10分
▼東京ミッドタウンは、スタイリッシュにお花見を楽しめる、都心を代表するお花見ポイントのひとつ。

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駅から歩いて行けるお花見の名所
湾岸〜江東〜幕張〜千葉
浜離宮庭園
中央区
× × × 100 JR新橋駅徒歩15分
猿江公園
江東区
× 200 半蔵門線住吉駅5分
仙台堀川公園
江東区
× 350 東西線南砂町8分
門前仲町・大横川桜並木
江東区
× 600 東西線大江戸線門前中町駅2分
お台場海浜公園
港区
× × 180 ゆりかもめお台場海浜公園3分
葛西臨海公園
江戸川区
× 760 京葉線葛西臨海公園駅徒歩1分
さくら広場
習志野市
× × × 500 新習志野駅20分
船橋海老川ジョギングロード
船橋市
500 総武線船橋駅15分
花見川緑地~交通公演
千葉市美浜区
× × × 海浜幕張駅・検見川浜駅15分
花見川千本桜~花見川桜トンネル
千葉市花見川区
× × × 700 海浜幕張駅15分
亥鼻(いのはな)公園
千葉市中央区
100 千葉モノレール県庁駅10分
千葉公園
千葉市中央区
× 660 千葉モノレール千葉公園駅すぐ
千葉ポートパーク
千葉市中央区
× × × 500 千葉モノレール千葉みなと駅10分
八鶴湖
東金市
300 東金線東金駅5分
小見川城山公園
香取市
1000 成田線小見川駅15分
佐原公園
香取市
× 200 成田線佐原駅5分
▼葛西臨海公園は駅近で、広大なため混雑も少なくお花見や出店も楽しめる穴場。

駅から歩いて行けるお花見の名所
上野・墨田〜足立区〜松戸方面
上野公園
台東区
800 JR上野駅2分
墨田公園
墨田区
943 銀座線浅草駅1~5分
錦糸公園
墨田区
× × 160 JR錦糸町駅3分
東白鬚公園
墨田区
× 80 東武伊勢崎線・鐘々淵駅7分
北綾瀬・しょうぶ沼公園
足立区
× 200 千代田線北綾瀬駅1分
舎人(とねり)公園
足立区
× × × 1000 日暮里舎人ライナー舎人公園駅徒歩1分
荒川公園
荒川区
× × 70 都電荒川線・荒川区役所駅すぐ
常盤平さくら通り
松戸市
× 600 新京成常盤平駅1分
戸定が丘歴史公園
松戸市
× × × 22 常磐線松戸駅10分
清水公園
野田市
2000 東武野田線清水公園駅10分
▼ソメイヨシノのほか、関山、普賢象、一葉などの里桜も観れる舎人(とねり)公園。バーベキューもできる。

駅から歩いて行けるお花見の名所
北区・板橋区〜埼玉
飛鳥山公園
北区
× 650 JR王寺駅1分
浮間公園
板橋区
× × 200 埼京線浮間船橋1分
石神井川
板橋区
× × × 1000 東武東上線中板橋駅5分
別所沼公園~花と緑の散歩道
さいたま市南区
× 300 武蔵浦和駅1分、中浦和駅5分
与野公園
さいたま市中央区
× 300 埼京線与野本町駅15分
鴻沼川(こうぬまがわ)の桜堤
さいたま市中央区
× × 450 埼京線与野本町駅10分
大宮公園
さいたま市大宮区
1000 東武野田線大宮公園駅10分
市民の森・見沼グリーンセンター
さいたま市北区
× × × 200 宇都宮線土呂駅7分
所沢航空記念公園
所沢市
× × 450 西武新宿線航空公園駅
元荒川桜なみき
鴻巣市
500 高崎線吹上駅5分
鴻巣公園
鴻巣市
× 200 高崎線鴻巣市15分
川越水上公園
川越市
× × × 330 川越線西川越駅15分
熊谷桜堤
熊谷市
500 高崎線熊谷駅5分
長瀞・通り抜けの桜
秩父郡長瀞町
× × 3000 秩父鉄道長瀞駅すぐ
▼石神井川に沿って約1000本の桜を楽しめる遊歩道。飛鳥山公園にもつながる変化に富んだこの道は桜散歩には最適のコース。

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駅から歩いて行けるお花見の名所
中央線沿線〜多摩方面
中野通り
中野区
× 320 JR中野駅すぐ
哲学堂公園
中野区
× × × 120 西武新宿線新井薬師駅12分
光が丘公園
練馬区
× × 700 大江戸線光が丘駅8分
石神井公園
練馬区
× × 350 西武池袋線石神井公園駅7分
としまえん
練馬区
500 大江戸線・豊島園駅1分
善福寺川緑地
杉並区
× × 890 井の頭線浜田山・西永福駅15分
井の頭公園
武蔵野市・三鷹市
× 500 井の頭線井の頭公園駅1分、JR中央線吉祥寺駅5分
国営昭和記念
立川市
× 1500 青梅線西立川駅2分
国立大学通り~さくら通り
国立市
× × × 340 中央線国立駅すぐ、南武線谷保・矢作駅5分
多磨霊園
府中市
× × × 1200 西武多摩川線多磨駅5分
多摩センター乞田川沿
多摩市
× × 500 京王・小田急多摩センター駅2分
羽村堰
羽村市
× 200 青梅線羽村駅10分
▼学生街・国立の大学通は、電柱埋没化道路のため、美しい開放的な空間が広がる。

駅から歩いて行けるお花見の名所
東急沿線〜川崎〜横浜〜神奈川
目黒川桜並木
目黒区
× 800 東横線中目黒徒歩3分、田園都市線池尻大橋3分
洗足池公園
大田区
200 東急池上線洗足池駅5分
多摩川台公園
大田区
× 300 東横線多摩川駅5分
池上本門寺
大田区
× 100 東急池上線池上駅10分
桜新町・呑川緑道
世田谷区
× × × 300 田園都市線桜新町駅7分
等々力渓谷
世田谷区
× × 150 東急大井町線等々力駅8分
砧(きぬた)公園
世田谷区
× × 900 田園都市線用賀駅20分
駒沢オリンピック公園
世田谷区
× × 190 田園都市線駒澤大学駅13分
京王よみうりらんど
稲城市
× × 1000 よみうりランド駅よりスカイシャトル5分
生田緑地公園
川崎市多摩区
× 1500 向ヶ丘遊園駅2分
二ケ領用水宿川原堰
川崎市多摩区
400 南武線宿川原駅10分
住吉ざくら(渋川沿)~中原平和公園
川崎市中原区
× × 250 元住吉駅3分
相模原市役所さくら通り
相模原市中央区
× 300 相模原駅15分
大和市さくらの散歩道
× × × 130 田園都市線つきみの駅7分
県立四季の森公園
横浜市緑区
× × 400 横浜線中山駅15分
三ッ沢公園
横浜市神奈川区
× × 1500 市営地下鉄三ッ沢上町駅15分
こどもの国
横浜市青葉区
× × 1000 こどもの国駅2分
さくら通り~汽車道
横浜市西区
× 100 みなとみらい線みなとみらい駅2分
掃部山(かもんやま)公園
横浜市西区
× × 200 桜木町駅15分
野毛山公園
横浜市西区
× × × 250 桜木町・日ノ出町15分
カップヌードルミュージアムパーク
横浜市中区
× × × 20 みなとみらい線みなとみらい駅7分
元町公園
横浜市中区
× × × 80 みなとみらい線元町中華街駅10分
大岡川プロムナード
横浜市中区
× 500 京急日ノ出町駅5分
根岸森林公園
横浜市中区
× × × 350 根岸線山手駅・根岸駅徒歩20分
岸根公園
横浜市港北区
× × 130 市営地下鉄岸根公園すぐ
柏尾川プロムナード
横浜市戸塚区
700 戸塚駅西口5分
八景島シーパラダイス
横浜市金沢区
× × 700 シーサイドライン八景島3分
鶴岡八幡宮
鎌倉市
× × 170 JR鎌倉駅10分
▼よみうりランドでは、ゴンドラから桜をながめたりジェットコースターで桜のなかを疾走したりと、遊園地での桜を満喫できる。

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サクラの種類の基礎知識〜「野生種=山桜」と「園芸種=里桜」

 さくらの種類は大きく分けると、野生種である「山桜」の仲間と、野生種を交配して作られた「雑種・交配種」に分けられます。

 山桜の仲間は日本にはヤマザクラ、エドヒガン、オオシマザクラなど10種類があります(詳しくは⇒『山桜の種類と名所』)の記事を参照してください)。

 野生種である山桜に対して、「里桜」という分け方をします。さらに、里桜は、自然に混じり合った「自然交雑種」と、意図的に交配させて作り出した「園芸種」に、分けることができます。

 一本桜など古木・老木のなかには、自然交雑で生まれた里桜が多くみられます。たとえば、エドヒガンの雑種である枝垂桜紅枝垂や、古代より伝わる奈良八重桜など、植物学上は野生種とは言えないが、古くから伝わる品種が、自然交配種です。

 自然交配種に対して、人工的に品種改良されたものを園芸種と言います。桜の品種改良がピークだった江戸時代には里桜の種類は300種類にものぼった、と言われます。違う種類の桜を人工受粉させて、その種から育ったもののなから品種を選抜して作ります。主に江戸時代に盛んに品種改良が行われ、関山、一葉、普賢象、松月、太白、御衣、手毬など、八重桜タイプや枝垂(しだれ)桜タイプをふくむさまざまな桜が生み出されました。

 明治以後、スタンダードな桜となったソメイヨシノもまた、江戸時代に生み出された園芸品種のひとつでしたが、いまでは、園芸種のなかのソメイヨシノ以外を「里桜」と呼ぶこともあります。

桜の分類と代表品種
山桜
(原種=野生種)
ヤマザクラ、エドヒガン、オオヤマザクラ、オオシマザクラ、カスミザクラ、カンヒザクラなど
里桜
(雑種・交配種)
自然雑種 枝垂桜・紅枝垂(エドヒガン系)、奈良の八重桜(カスミザクラ系)、河津桜(オオシマザクラ系)、冬桜(マメザクラ系)
園芸種 ソメイヨシノ
サトザクラ 普賢象、関山、一葉、御意黄など

お花見の歴史

 桜の樹の下でお祭りのように盛り上がって楽しむ「お花見」の習慣。最近はどんちゃん騒ぎの宴会は敬遠される傾向になっていますが、実は、桜の花を眺めながらの宴は、日本の歴史のなかで脈々と受け継がれてきている伝統なのです。

 もともと日本で「花」といえば梅のことを指していました(梅については⇒「花梅・実梅の違いと基礎知識」の記事も参照してください。)。梅は中国から伝来した植物で中国文化の影響で日本でもはじめは花といえば梅でした。一方で、日本の野山には桜(山桜)が自生し、桜には穢れを払う力があるとされていました。

 平安時代に、宮廷の文化が中国文化の模倣から日本独自のものへ変化するなかで、宮廷では桜が植えられ、桜の花を見ながら宴をする習慣がはじまりました。

 鎌倉時代に仏教が盛んになり、仏教の無常観と桜の花のはかなさが結びつけて考えられるようになります。やがて、戦国時代の武士の生き様と桜のイメージが結びつき「花は桜木、人は武士」という日本独特の考えと桜が結びついて行きました。

戦国武将も花見を好み、信長や秀吉も盛大な花見の宴を催したとされています。その花見の週間は、江戸時代の太平の世のなかで、庶民の文化として花開くことになります。「お花見」はハレの日となり、春を楽しむカーニバルのようなイベントとなっていたったのです。

 明治維新後は、富国強兵政策のなかで「花は桜木、人は武士」のイメージが、軍事的なプロパガンダにも利用されました。現在でも自衛隊の紋章に桜のデザインが受け継がれています。

 戦後は、昭和の家族主義的な会社組織が隆盛をきわめて、その会社文化の象徴として、会社単位での場所取り・お花見が盛んになりました。いまでもその習慣は続いていますが、最近は、会社単位の宴会的なお花見はだんだんと下火になり、よりスマートにお花見を楽しむ人が増えています。

歴史ともにお花見のスタイルは変わってきているものの、桜の花は日本人のDNAに刻まれた日本文化のアイデンティーだということに、変わりはないようです。

 

 

以上、お花見のおすすめポイントと、桜の基礎知識について述べてきました。

忙しい時期ですが、やはり、お花見はスルーしたくありませんね。宴会をするだけがお花見ではありません。ちょっと寄り道して、年に一度の時間を桜の花の下で過ごしましょう。

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 - 季節と自然, 花と木