蝋梅の香りで癒される…訪れたいロウバイ園(関東)とお薦め蝋梅香水

      2017/11/18

蝋梅

 花の少ない冬に、芳香で癒してくれる黄金色の花が蝋梅(ロウバイ)です。

 冬のお花見といえば、梅園へ梅を見に行くのが定番ですが、香り高い梅をも凌ぐとされる、その芳香を楽しみに蝋梅園を訪ねるのもまた一興です。

 この記事では、関東地方の有名なロウバイの名所を紹介しながら、蝋梅の花の種類や香りなど基礎知識について説明しています。

 また、珍しいロウバイの香水カリカントゥスのフレグランスについても、紹介しています。

おすすめの蝋梅の名所(関東地方)

 「ウィンタースイート」とも呼ばれる蝋梅の香りにたっぷりと浸って、癒されたい! そこで、まず関東地方で有名なロウバイ園をいくつか紹介していきたいと思います。

 ロウバイ園は、村おこし・地域おこしの一環として、ここ20年〜30年の間にできてきました。歴史的に見ると、梅園のように庭園や産地として古い伝統があるわけではないですが、それだけに園主の蝋梅に対するこだわりなども感じられて、興味深いものです。

 なにしろ、梅を上回る贅沢な香りと、黄金色に輝く美しさは、梅とは違った楽しみができます。

▲「満月ろうばい」は葉が丸く色が濃ゆい。

 もっとも、蝋梅の見頃時期は12月〜2月と、早咲きの梅とかぶる部分もあります。花梅の植えてある梅林とあわせて蝋梅園を訪ねるのもよいですし、梅林にロウバイが混じって植えられていることもありますので、同時に楽しむのもありです。その点もふまえて、蠟梅園をいくつか紹介していきましょう。なお、梅の名所については⇒『関東地方のおすすめ梅林』の記事を参照してください。

注)下記データーで●面積の単位はha(ヘクタール)です。1ha=100m×100m

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宝登山(ほどさん)/埼玉県長瀞町

●開花時期:12月下旬〜3月上旬 ●3000本(800株)●面積:1.5ha
●アクセス:鉄道…秩父鉄道・長瀞駅より徒歩15分でロープウェイ山麓駅 マイカー…関越・花園インターより20kmで宝登山山麓駐車場

 埼玉県・秩父の長瀞(ながとろ)・宝登山(ほどさん)の山頂には、関東では最も有名で代表的な蝋梅園があります。宝登山ロープウェイの山頂駅から山頂へ通じる登山道を挟んで東西に、蠟梅園は広がっています。秩父の街並みや「武甲山」「両神山」を遠くに見る抜群の眺望のなか、黄金に輝くロウバイが広がります。品種は『素心蝋梅』『満月蝋梅』『和蝋梅』の3種類。開花のピークは例年は1月中旬〜2月中旬です。

 山頂の蝋梅園へは、ロープウェイを利用するほか、長瀞アルプスと呼ばれる近隣の里山のハイキングコースからもアプローチできます。例年1月中旬2月中旬には『長瀞ロウバイ祭り』期間となり、ロープウェイ始発運行時間が早まったり、長瀞駅からロープウェイ駅まで無料のシャトルバスが運行されたり、ハイキング参加者にはクーポンなどが発行されてします。

 2月からは蝋梅園の少し下にある梅百花園の早咲梅『冬至』『寒紅梅』もあわせて楽しめます。

▲長瀞・宝登山の蝋梅園の雪景色。

寄(やどりぎ)ロウバイ園/神奈川県・松田町

●1月中〜2月中 やどりぎロウバイ祭を開催中 ●20,000本(1500株)●面積:1.3ha
●アクセス:鉄道…JR松田駅・小田急新松田駅よりタクシー20分(まつり期間中の土日は無料シャトルバス運行) マイカー…東名・大井松田インターより15分

神奈川県松田町の寄地区は、都心からわずか1時間ちょっとで行ける里山として密かな人気スポットです。寄ロウバイ園は、平成18年から寄中学校の卒業記念植樹ではじまり、地域興しでできあがった園です。寄(やどりぎ)地区一帯は、中津川沿いの自然あふれる里山で、美しい蝋梅の花と香りに包まれながら、ほっこりした田舎の空間を満喫できます。まつり期間中は地元野菜をふんだんに使った豚汁などの出店も出るので、農村の雰囲気にどっぷりつかって癒されます。

また、梅とあわせてのお花見なら、早咲き花梅の品種が豊富な小田原フラワーガーデンまでは車で45分ほど。マイカーなら、梅と蝋梅の両方を楽しむプランもありですね。

▲寄ロウバイ園の里山の風景。

ろうばいの郷・新井ろうばい園/群馬県安中市松井

【ろうばいの郷】
●開園期間:12月25日〜2月5日 ●12000本(1200株)●面積;3.2ha ●1月第2日曜日は、ろうばいまつり
【新井ろうばい園】
●開園期間:12月17日〜2月19日●7000本(700株)面積;0.2ha
●アクセス;JR信越線西松井田駅よりタクシーなど ;上信越自動車道・松田妙義インター利用

 ろうばいの郷は、面積では関東一の蝋梅園。地元の農家有志が地域おこしのため有休農地を利用して作り上げたろうばい園。雪景色も良いですが、光の多い晴れの日におとずれるとろうばいのトンネルでは下の写真のようなとても美しい風景を見ることができます。余談ですが、なんだか自然のイルミネーションのようですね。⇒「仙台光のページェント」を思い出してしまいます。なお、園内の「竹ハウス」では、地元の名産「松井田ねぎ」など農産物を特売しているほか、甘酒やおうどんなど軽食も楽しめます。

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▲美しすぎるロウバイの花のトンネル。この風景にプラス芳醇な香りって、かなりヤバイ。安中市「ろうばいの郷」

 同じ町内にある『新井ろうばい園』は規模は小さいものの、入場が無料。西松井田駅より2kmの距離ですので駅から徒歩でも行くことができます。直売店ではろうばいの花枝を販売していて、持ち帰った切り枝は1〜2週間もちます。また人気のハチミツ(アカシア系)や竹炭など、農村ならではの特産品が買えるのも魅力です。

 いずれの蝋梅園からも車で20〜30分で秋間梅林まで行けます。タイミングがあえば早咲の梅とハシゴすることができます。

上永野(かみながの)蝋梅の里/栃木県鹿沼市

●開園期間:12月下〜3月中 ●5000本(600株)●面積:1.3ha 
●アクセス:東北自動車道・栃木インターから20分。東武栃木駅、JR栃木駅からタクシー30分

  栃木県の蝋梅の里は、2008年にオープン。『素心蝋梅』『満月蝋梅』『基本種』『原種(唐蝋梅)』の4種類。現地でしか入手できないオリジナルの香水を販売していることでも知られています。

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▲栃木鹿沼市の「蝋梅の里」には日本一とされる蝋梅の巨木もある。

以上、関東で有名なロウバイ園について紹介しました。

このほかにも、蝋梅園というほどの規模ではないにしても、各地の寺社や公園でロウバイが評判のところが多いです。たとえば次のようなロウバイ・ポイントは、近くに行く機会があれば、ちょっと立ち寄ってみるのも良いでしょう。

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関東のちょっとした蝋梅スポット
東京都 千代田区 皇居・東御苑
国分寺市 殿ケ谷戸庭園
八王子市 小宮公園
国分寺市 殿ケ谷戸庭園
調布市 神代植物公園
青梅市 御岳山神社
神奈川県 鎌倉市 明月院
秦野市 極楽寺
群馬県 板倉町 雷電神社

 もちろん、上記の表以外にも、近くの公園やお家の庭にも、ロウバイが植えられているところはあるはずですので、ぜひ探してみてください。

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蠟梅の種類やその利用

蝋梅の由来と種類

 蝋梅は中国原産の低木で、17世紀の江戸時代初期に日本に伝えられ、観賞用として広りました。クスノキ目・ロウバイ科に属します。

 高さが2〜3mの灌木です。ひとつの株から、地下で分けつ(枝分かれ)して生えてきますので、ロウバイ園などでは、株数と本数を分けてカウントしています。

 花は、蝋のような質感があり、冬の時期に幹に直接花をつける姿が梅に近いこともあり、蝋梅と呼ばれます。しかし、バラ科の梅とは品種的には関係ありません。

▲「ソシンロウバイ(素心蝋梅)」。は満月蝋梅に比べ色が薄く花弁が細く、優しく清楚な感じがする。

 ロウバイは、ガクと花が連続して、区別が付かないタイプの「同化被花」という花の形状をしています。簡単にいうと八重です。

 品種的には、花の形状から4種類に分類されます。

満月蝋梅(金蝋梅)…濃ゆい黄色で、花びらが丸く、香りが最も強い品種です。ソシンロウバイの系列に分類できる。

素心(そしん)蝋梅(銀蝋梅・白花蝋梅)…色が薄く、花弁がやや尖っています。透き通るような感じがあります。

和蝋梅…中の方が、斑点の模様状に赤く色づいています。満月蝋梅の一種とする説と、原種に近いとする説があります。

ロウバイ(原種に近いとされる・唐蠟梅と呼ぶこともある)…花弁が小さく、中のほうが濃い紫色をしている種類です。ただ単にロウバイと呼ぶ場合は、中が紫のこの系列のことを意味し、中まで黄色品種はソシンロウバイの系列になります。

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▲花の芯が赤っぽい品種。「和蝋梅」と言われることもある。(このへんの品種の区分は諸説あり曖昧です)

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▲芯の赤紫の部分が濃ゆいのが、ただの「ロウバイ」と言われる品種。「唐蝋梅」と呼ぶ場合も(このへんの品種の区分は諸説あり曖昧です)

 ロウバイは挿し木や取り木で増やしていけますが、種から育てる実生品種も多いため、いろいろな系列が混じっているため、品種については諸説あります。たとえば、上記の他に、芯が濃い赤の品種を『基本種』として分類しているところもあります。

 またロウバイと同じロウバイ科の植物に、アメリカ原産のクロバナロウバイ(カリカントゥス)や中国原産のナツロウバイがあります。が、これはロウバイと属が異なるので、別な植物と考えてよいでしょう。

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▲「クロバナロウバイ」は春〜初夏に咲く。「蝋梅」とは全く別の種。香りも違う。

蝋梅の薬効

 蝋梅はもともと中国では、薬用として使われていました。日本でも古くは唐梅と呼ばれ、乾燥した根や茎を薬に利用していたようです。また現代でも、中国や東南アジアを中心に蕾を乾燥した「蝋梅花」「黄梅花」が、咳や喘息の薬として漢方で使われているようです。

 また、花や蕾からとれる「蝋梅油」は、ほのかに蝋梅の香りがし、鎮静効果や消炎効果があるとされています。

 このように蝋梅は漢方薬として使われていますが、蝋梅の実や種子には強い毒性のあるアルカロイドを含んでいるので、蝋梅を薬として服用するには注意が必要で、漢方医の指導のもとなどで行うようにしてください。

蝋梅の香りと香水

蝋梅の香りはトップクラス

 ロウバイの特徴は、なんと言っても素晴らしい香りにあります。

 切り枝でも10日〜2週間ほど花と香りを楽しめますので、お正月の花としても人気がありますね。

 花の香りをランキングした、日本造園学会の資料によれば、ロウバイは、5m以上離れていてもしっかり薫るトップクラスにランク付けされています。同ランクにはほかに、金木犀、沈丁花、クチナシなどがあります。ロウバイは、香りのある花を代表するものでもあることがわかります。

 ちなみに梅はラベンダーやライラックとともにロウバイのひとつ下のランクになっています。

 梅の香りを「馥郁(ふくいく)たる香り」と称しますが、ロウバイの香りにこそ「馥郁たる」の言葉を使うべきかもしれませんね。

 さて、印象的なロウバイの香りを、いつも身にまとっていたいということで、ロウバイの香水があったらな・・・と考える人も多いと思います。

 実は、あるんですね。

フローラル・フォー・シーズン「ろうばい」/武蔵野ワークス

 武蔵野ワークスは、希少な国産香水メーカー。日本の気候と日本人の嗜好にあわせたハイセンスな香水をWEB販売しているブランド。気負わず日常使いできる香水で、ささやかに花をまとっているような感じをコンセプトに多数の花の香りを作り出し、ファンが多いです。直営WEbショップでは、僅か数百円でお試しボトルが買えるのもとても良心的。「ろうばい」以外の香りも試してみる価値ありですね。

▲武蔵野ワークスの「ろうばい」。Amazoneなどでは4mLと25mlがある。公式サイトでは1mLのお試しサイズが買える。

ろう梅の香水/蝋梅の里

 おすすめの蝋梅園のところでも紹介した、栃木県・上永野の蝋梅の里のオリジナル商品。製法は企業秘密とのことですが、精油成分を取り出した天然もののようです。2013年から販売している日本初のろうばいの香水となります。WEB販売等は無く現地でのみ手に入りますので、ゲットしに行ってみてください。

梅春薫NO.5/水戸偕楽園

 水戸偕楽園の好文亭前の売店でのみ限定販売されている梅の偕楽園オリジナル香水シリーズ「梅春薫」。梅の香りを中心に、白加賀梅の花から取り出した天然フレイバーをベースに作られています。梅春薫No5は蝋梅をイメージした香りになっています。ナチュラルな香りで、シリーズ全体の評判は良いようです。

カリカントゥス CALYCANTHUS/アッカカッパ

 イタリアのヴェネト州にある老舗ラグジュアリー・ビューティー・ブランドACCA KAPPAから出ているカリカントゥス(CALYCANTHUS)のフレグランス。ほんらい「カリカントゥス」とは蝋梅(Chimonanthus praecox)とは別種のクロバナロウバイ(Calycanthus floridus)の学名で、だとしたら蝋梅とクロバナロウバイは香りが違います。ですが、イタリアのヴェネト州あたりには、日本で言うロウバイが自生しています。

ヨーロッパの蝋梅は、日本から渡って増えていったという説もあるようですが、いずれにせよ現地では「カリカントゥス」は、本来の学名のクロバナロウバイのことではなく、蝋梅のことを指していますので、この香水も、蝋梅の香りのイメージで作られています。カリカントゥスの香りのアイテムは、フレグランス以外にも、ディフューザー、ボディーローション、ソープ、ハンドクリームなどがあります。

以上、冬の香りの花「蝋梅」について見てきました。

美しい花と香りに、たっぷりと癒されてみましょう!

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 - 季節と自然, 花と木