避暑地の穴場はどこ? 関東甲信越の高原からおすすめ避暑地8選。
2019/08/04
暑くてエアコン無しでは過ごせない近頃の夏。やはり、自然な涼しさを求めて、「避暑地」に出かけたいものです。
関東近県の避暑地といえば、軽井沢や那須高原がまず思い浮かびます。ところが、温暖化の影響で、避暑地でも30度を超えてしまう日が多く、避暑地に来ても、まだ暑い…、そんなことが増えてきているようです。
そこで、この記事では、温暖化時代でも涼しさを感じられる避暑地をピックアップして紹介しています。
また、実際のところ温暖化で避暑地の気温も上がっているのか? データーで見ていきたいと思います。
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涼しい避暑地の条件とは?
温暖化の影響なのか、「避暑地でも暑い…(汗)」という声が聞かれます。
軽井沢や那須高原など、関東近県で代表的な避暑地は標高1000m前後の高原にあります。
一般的に、標高が100m上がると0.65度C気温が下がると言われています。つまり標高1000mでは約6度C下がるわけです。しかし、夏の都会では最高気温が35度C以上とか平気で行ってしまう昨今、標高1000mクラスの高原では最高気温30度Cとなるのは、仕方のないことなのです。
逆に、標高が2000mあれば、平地の最高気温が35度でも、単純計算でマイナス13度Cなので22度C、と、だいぶ、涼しくなると予想されます。ですので、温暖化時代の避暑地としては、標高が1600mから2000mくらいの場所がベター、と考えられます。
ただし、標高が高ければ良いというわけでもありません。というのも、1000m標高が上がるごとに、紫外線量が10%強くなります。実感としても、標高が高いと「陽射しが強い」と感じるものです。山の山頂などでは、せっかく気温は下がっても、強い陽射しのせいで、あまり涼しく感じないこともあるわけです。
ですので、避暑地の条件としては、ただ単に標高が高いだけでは不充分。木陰があったり、風通しが良い、居心地のよい建物など、陽射しをやわらげる環境も、はずせない条件となります。
・標高が少なくとも1600mくらい。できれば2000m近くほしい。
・森など陽射しを遮(さえぎ)るものがある。または、360度開けた草原などで風通しが良いこと
・湖や川など涼をとれるポイント
・落ち着ける宿と美味しい食事
・夜の星空を楽しめる環境
・雲海や朝焼け・夕焼けや⇒マジックアワー、高山植物など自然を楽しむツアーやコースが整備されていること
・温泉もあればなおよし。
・⇒万年雪の近くという手もあり。
絶対に涼しい、標高2000メートルクラスの避暑地8選
それでは、次に、温暖化時代でも涼しく避暑ができる、標高2000mクラスの避暑地を紹介していきたいと思います。
標高が1600〜2000mほどで、宿泊ができ、自然にあふれる場所のなかからチョイスしました。必ずしも、「避暑地」「リゾート地」だけではなく、縦走登山のベースとなる山小屋だったり、高原のスキー宿のグリーンシーズン営業などから、「穴場の避暑地」をピックアップしています。
さすがに標高2000mともなると、いわば山岳地帯ですので、アウトドア色が強い避暑地がメインです。ひょっとする避暑地というと「白いワンピに日傘やタンデム自転車…」みたいなイメージかもしれませんが、ここで紹介しているところは、トレッキングシューズやレインウェアなど最低限のアウトドア装備をしておいたほうが、アクティブに楽しめる、そんな場所が中心になっています。
北八ヶ岳〜白駒池・八千穂高原
●宿泊施設:白駒荘、青苔荘、麦草ヒュッテ
●所在地:長野県佐久穂町
●アクセス:<白駒池駐車場まで>中部横断自動車道・佐久南ICより40分、中央自動車道・長坂ICより60分、北陸新幹線佐久平駅より1時間45分 〜白駒池駐車場から徒歩
北八ヶ岳の東側に位置する標高2115mの白駒池は、日本で最も標高が高い天然湖のひとつです。深い森に囲まれた神秘的で透明感のあふれる天空の湖は、静かな癒しの時間を提供してくれます。
周囲1.8kmの湖は、400種類以上の苔がはえる「苔の森」に囲まれています。コメツガ、トウヒ、シラビソの原生林の林床には、ムツデチョウチンゴケ、セイタカスギゴケ、イワダレゴケ、タチハイゴケなどさまざまな表情をみせる苔の姿をじっくり観察することができます。
宿泊は、個室あり、食堂・風呂トイレ共同の山小屋形式の宿になりますが要予約。登山者だけでなく自然観察をメインにした宿泊者も多いようです。夜に白駒湖面にボートを浮かべて星空観察するツアーが人気の白駒荘、キャンプ場を併設した青苔荘、メルヘン街道(R299号)に隣接したヒュッテ麦草峠があります。なかでも、ゆったりとリゾート感のある滞在ができる白駒荘がおすすめです。
これらの宿をベースに、白駒湖を森のなかに見下ろせる高見石や、天然の庭園「白駒の奥庭、麦草峠に抜ける途中には草原など、バリエーションのある風景のなか。軽トレッキングを楽しめます。周囲の散策には最低限のトレッキング装備が必要です。
高峰高原・車坂峠
●宿泊施設:高峰高原ホテル、高峰マウンテンロッジ
●所在地:長野県小諸市
●アクセス:上信越自動車道・小諸ICより30分、北陸新幹線佐久平駅よりバス60分
高峰高原は、小諸市街からチェリーパークラインを40分ほど登った標高2000mの車坂峠にある高原です。冬にはスキー場でにぎわうこの場所は、避暑地としてもばっちり。標高2000mの冷涼な気候と、千曲川、富士山、八ヶ岳、北アルプスを見渡す開放感ある絶景に癒されます。本格的な浅間山登山の入り口でもありますが、湯の丸高原との間にある池ノ平湿原まで標高差の少ない高原のハイキングを楽しむコースがおすすめです。とくに池ノ平湿原ではニッコウキスゲ、アヤメ、コマクサ、ヤナギラン、マツムシソウなど高山植物に囲まれた避暑時間を楽しめます。
高峰高原から湯の丸高原へ抜ける林道(日祝はマイカー規制)を使った山岳ドライブコースとしても人気のエリアですが、やはり、高原に宿泊して避暑を楽しみたいもの。宿泊施設としては、絶景風呂のある高峰高原ホテルのほか、スキー場のアサマ2000パークの高峰マウンテンロッジがあります。ゆったり時間と、星空観察、早朝の雲海など、高原避暑を満喫できます。ちなみに秋は、カラマツの紅葉名所としても知られます。
美ヶ原高原
●宿泊施設:美ケ原高原ホテル山本小屋、山本小屋ふるさと館、王ヶ頭ホテル
●所在地:松本市、上田市、長和町
●アクセス:ビーナスラインで蓼科より90分、長野自動車道・松本IC70分、上信越道・東部湯の丸IC70分、JR松本駅より夏季臨時直行バス90分
ビーナスライン沿い(蓼科〜霧ヶ峰〜美ヶ原)のなかでも、どちらかというと開発が進んでいないのが美ヶ原。ビーナスライン沿いのほかの地域はペンション村やスキー場中心のホテルなどが広がりますが、美ヶ原には美術館のほかは、3軒の山小屋風ホテルが放牧場のなかに点在しているだけ。その「何もない感」が美ヶ原の魅力です。お洒落目のリゾートなら、車山や白樺高原_女神湖周辺(いずれも標高は1,500m)がおすすめですが、よりワイルドに自然を感じながら、ゆっくり高原の時間を過ごすなら美ヶ原でしょう。
昭和30年代に建てられた山小屋「美ケ原高原ホテル山本小屋」は全室個室の山小屋でトレッキングやアマチュア・カメラマンに人気です。一方、山本小屋ふるさと館と王ヶ頭(おうがとう)ホテルは、リゾートホテルで、展望貸し切り風呂やオプションツアーなどが充実しています。宿泊しての、満点の星空をながめるナイトツアーや雲海と日の出をのぞむ早朝ツアーはもちろん、美ヶ原をベースに、霧ヶ峰や八島湿原、リフトに乗れる車山などへ足を伸ばすこともできます。あるいは連泊して、何もないところで高原の涼しさにただ浸るのもありだと思います。
志賀高原〜横手山・渋峠
●宿泊施設:渋峠ホテル、横手山頂ヒュッテ
●所在地:長野県山ノ内町
●アクセス:<志賀高原蓮池まで>上信越道・信州中野ICより50分、JR長野駅よりバス70分または長野電鉄湯田中駅よりバス30分、<志賀高原蓮池から渋峠>バスまたはマイカー50分<渋峠から横手山>横手山夏山リフト10分、<草津方面から渋峠まで>関越道・渋川伊香保ICより180分
日本を代表する高原、志賀高原は、冬のウィンタースポーツはもちろん、夏の避暑地として、またユネスコエコパークに指定された自然の宝庫として有名です。志賀高原のなかでも最も標高の高いエリアにある宿泊施設が、渋峠ホテル(2152m)、横手山ヒュッテ(2300m)、横手山本荘(1800m)です。志賀高原のなかで2番目に高い山である横手山や、国道の日本最高地点がある渋峠周辺からは、志賀高原や草津方面の雄大な景色を眺めながら、真夏でも寒いくらいの体験ができます。
横手山ヒュッテと渋峠ホテルは、標高が高いなかで敢えて焼くパンが有名なところで、パン目当てでドライブで訪れる人が多いですが、宿泊してみるのもなかなか貴重な体験ができます。横手山〜渋峠は、ある世代には懐かしい「私をスキーに連れて行って」の舞台となった横手山スキー場があるエリアで、基本的にスキー宿ですが、雲海と朝焼けや夕日、満天の星空など、標高が高いところに宿泊することでしか出会えない絶景を楽しめます。
もちろん、志賀高原〜奥志賀にかけての標高1500m付近にはホテルやペンションが多数あり、そちらでもおすすめ。山岳気分を重視するなら渋峠付近、リゾート性を重視するなら蓮池周辺や奥志賀高原ホテルと、使い分けるのが良いでしょう。いずれせよ、志賀高原内に宿をとり、大沼の大蛇祭り、志賀高原カレッジコンサートなどのイベントもからめての避暑プランを立て、素敵な夏の思い出を作りましょう。
白馬栂池自然園
●宿泊施設:栂池山荘、栂池ヒュッテ
●所在地:長野県小谷村
●アクセス:<栂池高原まで>中央道・安曇野ICより90分、上信越自動車道長野ICより90分、JR南小谷駅よりバス25分または北陸新幹線長野駅よりバス90分、<栂池高原から自然園まで>栂池ゴンドラリフト「イブ」20分、栂池ロープウェイ5分
北アルプス白馬山麓の栂池高原は、冬はウィンタースポーツが盛んでホテルやスキー宿が立ち並ひますが、標高は800mしかありません。そこで、栂池高原から、涼しさを求めて、さらに上を目指してみましょう。栂池パノラマウェイのゴンドラとロープウェイを乗り継げば、そこは、標高1880mの高層湿原・栂池自然園です。標高差1000mを歩かずに登れることは、とてもスゴイことですね。避暑地の多くはマイカーやレンタカーでのアクセスが前提ですが、ここは、公共交通を乗り継いでこれるのも魅力です。
栂池自然園には二軒の山小屋「栂池山荘」「栂池ヒュッテ」があります。ほんらいは、白馬乗鞍岳や白馬大池への本格登山のベースとなる山小屋なのですが、設備や食事の充実度は、いわゆる山小屋のレベルにとどまらないハイクオリティーなもの。白馬への本格登山はしなくても、避暑を兼ねながら、自然園の散策や夜の湿原を楽しむ目的で宿泊するのもぜんぜんありです。それなりに混雑する栂池自然園ですが、ロープウェイの動く前の早朝は、静かな高層湿原を味わうことができるのも、自然園に宿泊するからこそです。自然園内のトレッキングコースは3時間30分。夏には、ミズバショウ、リュウキンカ、チングルマ、ニッコウキスゲ、モウセンゴケ、シラネアオイ、キンリュウソウなど高山植物のオンパレードです。自然園のトレッキングにはトレッキングシューズやレインウェアなど最低限のトレッキング装備があれば大丈夫。ほんらいなら、手軽に見ることのできないはずの高層湿原のお花畑を、避暑がてら楽しめる贅沢は何ものにも替えがたいものです。
しらびそ高原
●宿泊施設:ハイランドシラビソ
●所在地:長野県飯田市
●アクセス:中央道・飯田ICより75分または松川ICより90分
南アルプスの山中のしらびそ高原には、天空の一軒宿「ハイランドシラビソ」があります。標高1900mの高原は、3000m級の南アルプスの山並が間近に迫り、遠くには南アルプス・北アルプスと360度のパノラマ展望を望めます。高原内に整備された遊歩道で、高原の天空散歩を満喫できます。オートキャンプ場もあるしらびそ高原には、穴場の避暑地といえるでしょう。
シラビソ高原を通るアルプスエコーラインは、最大傾斜38度の急斜面に造られた日本随一の山岳集落「下栗の里」へも通じています。しらびそ高原の避暑とあわせて下栗の日本一美しい美しい山村の風景も楽しめます。また、日本で唯一確認されている御池山隕石クレーターも見所になっています。朝夕の雲海や星空ももちろん見事。多くの高原宿がスキー場のグリーンシーズン営業なのに対し、ハイランドシラビソは冬季休業する、純粋に高原に滞在するめの宿、というのもユニークなところかもしれません。派手な観光地があるわけではありませんが、ぼーっとする避暑を目的に訪れには良いところです。
奥日光
●宿泊施設:中禅寺湖金谷ホテル、奥日光ホテル四季彩、など
●所在地:栃木県日光市
●アクセス:JR日光駅または東武日光駅よりバス50分〜70分、日光宇都宮道路清滝ICより30〜50分
奥日光・中禅寺湖湖畔は、日本の「避暑地」のさきがけとなった場所です。古くからの避暑地のなかで、箱根・那須・軽井沢などがあまり涼しくなくなった今でも、まだ避暑地として機能しているのが唯一、奥日光だと言えるでしょう。中禅寺湖(1269m)湖畔は、明治~昭和初期にかけて、イギリス、イタリア、フランスの大使館別荘を中心に多くの外国人別荘が立ち並ぶ国際避暑地でした。中禅寺湖の南岸には、イギリス大使館別荘記念公園など、イギリス・イタリアの大使館別荘と当時使われていたボートハウスが再現されています。往時の外国人や貴族などセレブが楽しんであろう日本の避暑の原点に思いをはせながら、カフェを楽しむなど、まったりとしたリゾート気分を満喫できます。
奥日光の自然観察のメインとなるのは、中禅寺湖の奥の標高1400mのエリアです。本州では最大規模の湿原である戦場ヶ原・小田代原があり手軽に湿原トレッキングを満喫できます。宿泊施設としては、湯ノ湖温泉街の旅館や奥日光高原ホテルなども有名ですが、中禅寺湖畔の林のなかにたたずむ日本初のリゾートホテルとされる「中禅寺湖金谷ホテル」や、中禅寺湖をながめる露天風呂付きの部屋もある奥日光ホテル四季彩」が、まったり宿泊するには最適です。また、中禅寺湖や戦場ヶ原から少し離れたところにある徳光牧場の穴場ホテル「日光アストリアホテル」も、爽快感があり避暑に最適です。
乗鞍高原
●宿泊施設:休暇村乗鞍
●所在地:長野県松本市
●アクセス:長野自動車道・松本ICより40分、アルピコ交通上高地線・新島々駅よりバス60分
乗鞍高原は、上高地の南隣にある標高1300~1600mの温泉が豊かにある高原。乗鞍岳は、山頂付近の畳平(2702m)や中腹の位ヶ原山荘付近(2350m)など初夏まで雪が残る、とても涼しい地域です。スキー・スノボのメッカとして、乗鞍大雪渓の万年雪の夏スキーもふくめ、一年中コースバリエーションが豊富なウィンタースポーツが楽しめます。
高原には温泉旅館や温泉付きのペンションが多数ありますが、避暑目的なら乗鞍高原のなかでも1600mの最も高いエリアにある「休暇村乗鞍高原」がおすすめ。原生林のなかに点在する、牛留池、番所大滝、一ノ瀬園地など自然のみどころに近いのも魅力です。休暇村周囲は、まだ標高1600mクラスなので、気温は日中の30度を超えることも。しかし、ここからバスへ乗り、乗鞍スカイラインを登っていくと、急激に気温は下がっていきます。乗鞍高原に宿泊してご来光を拝むバスツアーもあり、早朝は8月でも10度いかない日もあります。涼を求めるなら畳平まで足を延ばすこと前提で、乗鞍高原での避暑プランを考えるのがおすすめです。なお、乗鞍スカイラインからの畳平コースは自然保護のためマイカー規制されておりバスのみとなります。
ここまで、関東甲信越の温暖化時代でも涼しい穴場の避暑地を紹介しました。ほかにも、たとえば、上高地や立山の室堂など、標高の高いところはたくさんあります。⇒「関東甲信越の高原74選」の記事も参照しながら、自分なりの穴場を探してみるのも良いと思います。
日本の避暑地の歴史
避暑地は明治時代の外国人によってはじまった
日本で「避暑地」という考え方は、明治時代に、外交官など西洋人たちによってもたらされました。イギリスやカナダなど、比較的夏も涼しい欧米出身の外国人たちが、蒸し暑い東京の夏に耐え切れず、涼を求めて、高原を目指したのです。
奥日光(約1300m)、軽井沢(約1000m)、箱根・芦ノ湖(723m)周辺、那須高原(御用邸で680m)、野尻湖(657m)周辺、が西洋人の避暑地として、洋館の別荘が建てられるようになりました。
外国人に続き、皇族や貴族も離宮や別荘をもつようになり、それに続いて、裕福層をねらったホテル建設や別荘地開発がはじまります。
西洋人リードではじまった日本の避暑地開発は、西洋的な街づくりが特徴になっています。箱根や軽井沢への鉄道が当時の最新技術である電化鉄道、登山鉄道などの技術がいちはやく取り入れられるなど、最先端のライフスタイルやインフラを実現する街でもありました。
避暑地が「トレンドや文化の最先端」という雰囲気は、この時代の名残なのですね。
バブル〜タイムシェアへ変わる避暑地のイメージ
さて、お金持ちのものだった避暑地ですが、行動経済成長からバブル期にかけては、一大「リゾート・ブーム」が起きます。高原地帯の別荘やリゾートマンション、ゴルフ場の会員権が、中堅サラリーマン層の投機の対象になるなど、ある意味「避暑が身近に」なった時代です。
最近は、リゾートマンションやゴルフ場の資産価値は激減して、一時のようなギラギラした避暑地のイメージは、だいぶ落ち着いてきました。
昭和時代は、避暑というとテニスやゴルフみたいなハイソなスポーツのイメージもありましたが、最近は、トレッキングなどどちらかというナチュラルに自然を楽しむ避暑が、主流になってきています。
別荘も投機的に買うのではなく、シェアする動きも盛んです。欧米で盛んな「タイムシェア」(1週単位で売買されるリゾートの宿泊権。資産としても評価されるもの。)の仕組みなども、これから増えてくるでしょう。
温暖化で避暑地はほんとうに暑くなっているのか?
さて、温暖化の影響で、軽井沢などの伝統ある避暑地が暑くなっている、と言われていますが実際のところどうなのでしょうか?
下の図は、東京、軽井沢、奥日光の、最高気温と平均気温の温度変化を、グラフにしたものです。東京は1875年から、軽井沢は1925年から、奥日光は1944年からのデータになります。
このグラフを見てわかるのは、まず「確実に温暖化している」ということですね。
また、標高1000mの軽井沢と1250mの奥日光では、明らかに気温差があることも見てとれます。
ただ、気温の上昇は、奥日光でも顕著になっていますね。これからますます、避暑地が減ってくるのかもしれません。
もちろん、軽井沢や那須高原など、避暑地としての魅力が減ったと言わざるをえないかもしれませんが、それぞれの土地の持つさまざまな魅力があることに変わりはありません。⇒「関東甲信越の高原74選」。⇒「関東近県のロープウェイ、ゴンドラ、リフト一覧」などの記事も参照してみてください。
以上、温暖化時代の避暑地というテーマで、標高が高いところを中心に、関東甲信越の穴場の避暑地を紹介してきました。
なかなか避暑地に長期滞在することは難しいでしょうが、一泊二日クールダウンしに行くだけでも、だいぶリフレッシュすることができると思います。
もちろん、避暑地の高原から帰ってきた直後の暑さが辛いことは否めませんが、それでも、やはり涼しさだけでなく、いつもとは違った高山の風景を見たり、星空や雲海を見たりと、わざわざでかける価値はあると思います。自分へのご褒美に、大切な人との思い出作りに、ぜひ避暑地にでかけてみましょう。