奥日光の紅葉。混雑を避け切込湖・刈込湖や金精峠でゆっくり紅葉狩り
2018/08/21
奥日光は関東地方の紅葉の名所のなかでも、最も有名で人気があるところです。
日光といえば観光地のイメージが強いですが、奥日光は、ふところの深い美しい自然が広がる超癒しの空間です。
日光の紅葉は9月下旬の戦場ヶ原・小田代原の草紅葉にはじまって、10月上旬に湯滝など奥日光、10月下旬のいろは坂・華厳の滝、11月中旬の日光東照宮周辺と、1カ月以上をかけてふもとへおりていきます。それぞれのエリアごとに違った表情を魅せる日光の紅葉ですが、今回は、「奥日光」にスポットをあてて、見ごろ時期や見どころ、コースの提案などを紹介していきます。
ちなみに、「奥日光」はどのエリアをさすのでしょうか? 一般には竜頭の滝より奥のことを奥日光と言いますが、この記事では中禅寺湖もふくめて、中禅寺湖〜竜頭の滝〜戦場ヶ原〜湯元〜刈込み湖〜金精峠など、奥日光の紅葉の魅力について説明していきたいと思います。
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奥日光の紅葉のポイントと見ごろ時期
奥日光は例年9月下旬より色づきがはじまり、 紅葉は10月上旬から下旬にかけて、各ポイントでピークを迎えます。
金精峠 | 10月上旬〜10月中旬 |
湯ノ湖・湯滝 | 10月上旬〜10月中旬 |
切込湖・刈込湖 | 10月上旬〜10月中旬 |
戦場ヶ原・小田代原 | 9月下旬〜10月上旬(草紅葉) |
竜頭の滝 | 10月上旬〜10月中旬 |
中禅寺湖 | 10月中旬〜10月下旬 |
いろは坂 | 10月下旬〜11月初旬 |
上の表はあくまで例年の見ごろ時期です。
最近は温暖化の影響で10日ほど遅くずれ込むこともありますが、紅葉は自然現象で見ごろは、直前までわかりません。地元の日光市観光協会や奥日光湯元温泉旅館協同組合HPなどで最新の見ごろ情報を確認しましょう。
また、同じ奥日光のなかでも、金精峠と竜頭の滝では、見ごろは5日から1週間ほど変わってきます。
では、奥日光の主要な紅葉ポイントについて以下に解説していきましょう。
湯ノ湖・湯滝
日光といえば華厳の滝が有名ですが、奥日光の湯滝はドドーンと落ちる滝ではなく、優雅で女性的な表情を見せる滝といわれています。それでも滝壺を目の前にできる観瀑台からの風景は迫力満点。滝らしい迫力と優雅さを同時に鑑賞できる奥深い滝が奥日光の湯滝なのです。
湯滝の上流には、一転して静かな湯ノ湖があります。湯滝から湯ノ湖の南湖畔を通り湯元温泉へ40ほどで通り抜けられる遊歩道が整備されていて、例年10月10日〜20日頃の見ごろ時期には紅葉狩りをたっぷり楽しめます。紅葉の木々を静かな湖面に映す様は、まさに癒しの空間です。
竜頭の滝
中禅寺湖と戦場ヶ原の間にある竜頭の滝。階段状の渓流を流れ落ちる滝で、モミジやシナノキが鮮やかに映える紅葉の名所。例年、10月10日前後が見ごろで湯滝よりも若干ピークが早く終るようです。
正面の滝観台から眺めるほか、サイドの遊歩道から横上から観ることもできます。滝観台付近はお土産物屋もあり観光地的なので、ひっそりと自然感満喫で滝を観たい人は滝から戦場ヶ原へ向かう遊歩道に入って滝を横や上から観てみましょう。
戦場ヶ原・小田代原(おだしろがはら)
9月下旬〜10月下旬にかけてトダシバ、アブラガヤなどの草紅葉(クサモミジ)が観られます。赤い絨毯のような草原の木道をハイキングできます。
戦場ヶ原のハイキングは赤沼バス停で下車し、青木橋・泉門池を経て1時間30ほどで湯滝まで出れます。男体山を眺めながら歩きやすい木道を進んで行くコースは、ハイキングに最適。9月下旬の早めの時期ですと草紅葉が見事ですが、山の紅葉はワンテンポ遅れてはじまります。
小田代原は、貴婦人と呼ばれるシラカバの一本立ちなどカメラの撮影ポイントとして人気があり、多くのカメラマンで賑わっています。小田代原では赤沼から、弓張峠を抜けて、千手が浜へ抜ける低公害バスと組み合わせてのハイキングコースが人気です。
金精峠(こんせいとうげ)
奥日光湯元のさらに奥。群馬県へ抜ける標高2024mの峠です。紅葉は10月頭からはじまりますが、カエデの赤が山一色に染める10月20日頃が例年の見ごろ。
駐車場やトンネルからの眺めは絶景で、赤く染まった山から湯ノ湖が眺められます。
金精峠は、いろは坂の超渋滞を避けるドライブコースとしても必須。金精峠を抜け関越道の沼田ICまで抜けた方が、いろは坂を通るよりも早く奥日光にアクセスできることがとても多いようですね。
ところで最近は、マイカーやレンタカー無しの公共交通オンリーの旅でも、金精峠を楽しめます。2016年より群馬側の丸沼高原を経て蒲田まで関越交通の路線バス「日光片品エクスプレス」が1日2便通行しているので、それを利用すること。湯元発は9:28と13:48の便があります。
また、群馬県側の丸沼高原のロープウェイが、丸沼〜湯元間になんと無料シャトルバスを走らせています。湯元に宿泊するプランなら、このシャトルバスを利用し、丸沼高原のロープウェイで群馬側の紅葉も楽しめてしまいます。シャトルバスは、湯元から金精峠を越え丸沼高原まで35分。湯元発は8:40、10:05、11:30、15:10、16:30 丸沼高原発は9:25、10:50、14:30、15:55となっていて、旅の選択肢が広がります。
切込湖・刈込湖
奥日光の自然とたっぷりの紅葉狩りを楽しむ秘境が切込湖・刈込湖。10月上旬〜10月中旬が例年の見ごろ時期です。
切込湖・刈込湖は人もほとんどおらず、一大観光地日光とは思えないほど、のんびりとした紅葉狩りが楽しめます。ドウダンツツジやハウチワカエデなど、まさに紅葉狩り!というような色とりどりの紅葉を満喫できます。
アップタウンのあるコースなので、軽トレッキングの装備はあった方がよいですが、登山未満ハイキング以上的な気軽に楽しめる散策コースです。
時間的には、光徳温泉から切込湖・刈込湖を経由で湯元温泉へ抜けるコースで3時間30分ほど。湯元から切込湖・刈込湖への往復でも2時間30ほど、たっぷりと時間はかかります。
忘れてはいけないのが熊よけ。最近は奥日光もクマが多いのでクマ除けの鈴は、必ず付けていくようにしましょう。
中禅寺湖
中禅寺湖の紅葉は、写真などでも有名な八丁出島など、湖面に突き出した半島の見事な紅葉風景が楽しめます。
がっつり歩きたい人は先手ガ浜から中禅寺温泉まで4時間余り。中禅寺湖南岸コースで紅葉と湖を満喫しながら軽トレッキングが楽しめます。アップタウンのある本格的なコースですが、見応えのある風景が続きます。
ドライブで時間に余裕があるひとは、中禅寺温泉から半月山からの中禅寺湖の展望を目指しましょう。現在は無料で通れる中禅寺湖スカイラインの行き止まりの駐車場から20分ほどで半月山山頂へ。紅葉の山に染まる中禅寺湖を見下ろすことができます。
また、船からの紅葉を観るのもとてもリッチな感じで楽しめます。中禅寺機船の名所巡りコースに乗れば、地中禅寺湖をたっぷり走り、紅葉の名所・八丁出島を湖面から眺めることができます。紅葉シーズンでも船は予約なしでもだいたい乗れるようですので、ぜひプランのなかに取り入れてみましょう。
奥日光の紅葉狩りに都心から日帰りは可能?
紅葉のドンピピシャの見ごろは1週間くらい。なので、地元の情報で「今が見ごろ!」という情報をつかんだら、日帰りでサクっと紅葉を観に行くのが、最高の紅葉の景色に出会うコツです。
ところで、日光といえば「いろは坂」。「いろは坂」は紅葉の名所というよりも「渋滞の名所」。その混雑は想像を絶するものがあります。そんな日光、しかも日光の再奥の奥日光……東京都心から、奥日光の日帰りは可能でしょうか?
奥日光の都心からの日帰りについて、公共交通機関を使った方法とマイカーを使った方法についてそれぞれプランニングしてみましょう。
車で行く奥日光日帰りの紅葉狩りプラン
マイカーがあれば、日帰りは、なんとかなります。ただし、都心からですと深夜に出発して、早朝に日光入りすればの話です。いろは坂が色づく10月下旬頃のシーズンですと、朝6時頃までに明智平に到着していないと、渋滞に巻き込まれてしまうようです。
マイカーの場合、帰路は金精峠を抜け関越自動車道経由で都心に戻ればいろは坂の渋滞を避けられます。
マイカーを利用する奥日光日帰りコース例
- 川口IC〜宇都宮IC60分宇都宮IC〜日光宇都宮道路〜清滝IC20分⇒清滝IC〜日光市内〜いろは坂〜明智平⇒40分(合計2時間)
- 明智平まで朝6時〜7時頃に到着しいろは坂を眺めながら休息。その後中禅寺温泉まで移動
- 朝イチの華厳エレベータ(8時から営業開始)で華厳の滝見学
- 9時30分発の中禅寺機船の名所巡りコースで中禅寺湖の紅葉を楽しむ。有名な八丁出島を湖から観覧し、立木観音で途中下船。
- 立木観音〜二荒山神社中宮を徒歩で散策見学
- その後、竜頭の滝→戦場ヶ原→湯滝→湯元へと混み具合などみながらドライブ。
- 湯元にて日帰り温泉を楽しむ。昼食付き日帰り温泉のプランもあり!
- 金精峠を抜け丸沼高原へ
- 丸沼高原〜沼田ICまで60分⇒沼田ICから練馬ICまで80分
電車とバスで奥日光の紅葉狩りへ日帰りに挑戦!
公共交通機関の奥日光日帰りは、場合によってはいろは坂の渋滞に巻き込まれて、予定通りいかないことが想定されます。ですので、せっかくですので湯元で一泊したり、日光市内に泊まり始発のバスで中禅寺湖まで上がってくるコースが余裕を持てて安心です。
ですが、今日が見ごろ!という情報を得てから最高の紅葉風景に出会うには、日帰りプランがいちばん。最悪日光からの都心方面終電に間に合わないリスクを抱えつつも、ベストタイミングの奥日光日帰り紅葉狩りにチャレンジする価値はじゅうぶんにあります。
まず、電車とバスの往路を確認しておきましょう。
行きの電車とバス
行きは、東武浅草6時20分発の快速で日光に向かいます。この後の特急では出遅れてバスも渋滞に巻き込まれてしまう可能性が増します。日帰りなら必ずこれに乗りましょう。
6時20分発の快速は東武日光着8時25分。8時40分のバスに乗り込みます。(始発はJR日光なので時間があればJR日光まで歩いてから乗車)
このバスに乗れば比較的スムーズにいろは坂を通過して、中禅寺湖〜奥日光エリアに入ってくることができます。そこから、プランにあわせてバスを下車する場所を選んでいきましょう。奥日光日帰りの場合は、華厳の滝や中禅寺湖によっているとそれだけで終ってしまうので、そこは通過して、竜頭の滝より奥を狙っていきます。
帰りのバスと電車
帰りは湯元温泉からバスで東武へ出て、東武特急を利用して帰ります。
ここで注意が必要なのは、東武特急は全席指定なので、念のため日帰り奥日光紅葉狩りに出かける前日に空席を確認しておく必要があります。
さて、湯元〜東武日光までのバスの時刻と、東武日光〜浅草への時間は以下の表のようになります。
湯元発 | 東武日光着 |
1610発 | 1717着 |
1645発 | 1752着 |
1715発 | 1822着 |
1745発 | 1852着 |
1825発 | 1930着 |
東武日光 | 下今市着 | 下今市発 | 浅草着 |
1828発 | 1837着 | 1853発 | 2035着 |
1935発 | 1944着 | 1953発 | 2135着 |
バスがダイア通り動けば18時25分に湯元を出ても東京日帰り可能です。
しかし、紅葉シーズンは渋滞が必ずありますので、時間に余裕をもって湯元を出るようにしましょう。少なくともバスの1時間遅れは想定しておくべきです。
当日の混雑予測などは東武バスに問い合わせをしてみてもよいですが、あくまで自己責任で湯元を出る時間を決めましょう。
日帰りの場合の紅葉狩りのコースは?
さて、日帰りの場合は、切込湖・刈込湖または戦場ヶ原〜湯滝・湯ノ湖で紅葉狩りの散策を楽しんだあと、湯元で日帰り温泉を楽しんで帰るというプランが考えられます。
切込湖・刈込湖でがっつり紅葉トレッキングコース
- 東武日光発8時40分のバス〜光徳温泉9時55分着
- 光徳入口〜山王見晴〜涸沼〜刈込湖湖畔でお弁当
- 14時頃湯元温泉へ
- 帰りのバスまで軽く日帰り温泉などを楽しむ
戦場ヶ原〜湯ノ湖で紅葉ハイキングコース
- 東武日光発8時40分のバス〜赤沼9時46分着
- 青木橋・泉門池を経て1時間30ほどで湯滝
- 湯滝〜湯ノ湖を経て12時ごろ湯元温泉へ
- 帰りのバスまで日帰り温泉などを楽しむ
湯元でゆっっくり日帰り温泉コース
- 東武日光発8時40分のバス〜湯元着10時5分
- 湯元〜湯滝を散策
- 帰りのバスまでランチ付きの日帰り温泉をゆっくり楽しむ
紅葉狩りと湯元温泉の日帰り温泉を組み合わせたプランで、ベストタイミングの紅葉に出会いリフレッシュをしてみましょう!
また、日帰りができる温泉施設については奥日光湯元温泉旅館協同組合オフィシャルサイトなどを参照してください。
また日帰りでは、帰りの時間が気になって焦ってしまうというタイプの人は、湯元温泉への一泊を検討しましょう。奥日光+いろは坂付近まで入れれば、紅葉時期の幅は広いので、10月中であれば、どこかで紅葉を楽しめると思います。
宿泊すれば奥日光に中禅寺湖クルーズや、金精峠+丸沼高原ロープウェイなども組み合わせて、紅葉の山をまるまる楽しむこともできます。
以上、奥日光の紅葉を楽しむポイントごとの見ごろ時期、ドライブやバスで楽しむ日帰りプランなどを説明しました。
紅葉のベスト時期は長くはないもの。「今だ!」と思ったら直感で出かけてみませんか?
ただし、地元への紅葉情報のチェック、天気予報、電車で日帰りの場合は帰りの特急の空席など確認はお忘れなく。
さあ、関東一の紅葉の名所・奥日光へ「一期一葉」の旅へ出てかけてみましょう。